DSCN0818


ある晴れた一月のこと

フィレンツェシスターズは、ヴィンチの我が家に二人ぽっちとなり

車も無く、村まで出るのも歩くしかなかった。

それじゃぁ、ハイキングしよう。そう決めればいいのだ。

少年と歩く我が家からの赤白マークのハイキングコースを通って

ヴィンチ村まで行き、村の外れからまた赤白のハイキングコースで

レオナルド・ダ・ヴィンチの生家まで歩いて行った。

シスターズ、歩くの速い!

もう少しゆっくり歩いてくれぇ。

シスターズのご主人もハイキング好きで

二人はいつも歩いているそうだ。慣れってスゴイw

しかし歩くのが速くても、私たちはアレ見たりコレ見たり

立ち止まって観察したり、写真撮ったり、時間は同様にかかる。


DSCN0810


このハイキングコースは、車では通れない。

レオナルド・ダ・ヴィンチの生家まで、車で行けるが

なんてことないヴィンチを観光するなら

歩かなくては面白味が嗜めない。

そして、このStrada Verdeストラーダ ヴェルデ

(みどりストリートとでも訳そう)の途中には

環境保護団体がボランティアで道を舗装した

レオナルド・ダ・ヴィンチが手掛けた堰まで行ける。

森の道を舗装するとは、危険な枝を通りに沿って切り落としたり

崩れた段々になっているオリーブ畑の石の壁を修復することである。

その修復技術を無料でレッスンも行われていた。

この石の壁は、Muratura a seccoムラトゥーラ ア セッコと呼び

セメントなどの接着術を使わず
石だけで積み重ねていく土留め技法である。

だから、再び崩れやすいが、これこそ古風なやり方で

ある意味環境保護なのである。

私は、ヴィンチの環境保護グループに参加しているので

フェイスブックなんかで、彼らの様子を伺っていた。

私も紙の作品をつくるとき、接着剤を使わない方法をよく使うから

簡単なようで難しいことが伝わってくる。

まるで立体パズルのようだ。私はこういうの好きかもしれない。


DSCN0806


堰がある小川の方は、やはりヒンヤリしている。

夏にはもってこいである。少年とある夏に来た

Pescaia del Mulino della Doccia

ペスカイア デル ムリーノ デッラ ドッチャ

ヒンヤリらしくヒンヤリした森の植物が

細い木漏れ日に向かって空気を吸っているように見える。

木々で覆われ、彼らの吐息が充満しているようだった。

すると、妙な鳴き声がする。

フィレンツェシスターズは足を止め、鳴き声がする方へ目を向けた。

木々と木漏れ日しか見えない。

そのまた奥にいるようだ。でもすごく近くにいるように聞こえる。

見えなくていい。ミステリアスぐらいな方がおもしろい。

どんな動物なんだろう?と想像を掻き立てる。

動物なのか鳥なのか。

森を歩くと、全てが共存していることを、足から頭まで感じる。


DSCN0803


また戻ってみどりストリートの緩い傾斜を上って行く。

その道は、オリーブ畑を横切っていくような道になっている。

辺りは、そういうわけで、オリーブだらけ。

私は何度歩いてもそこにある同じオリーブを観察してしまう。

散歩のときもドライブのときも

オリーブの樹形いわゆる剪定術、病気などを観察するのである。

あれ、いつものオリーブ畑が何か違う。

もっとオリーブが広がっていたような。

そこのオリーブはバッサリ根元近くから剪定されており

根元から生えてきた若く細い将来の幹を二本ずつ残してある。

おぉ、これでいい、これでいい。

ここは確かRognaニャ(カサカサ病)がたくさんあった畑だ。

ほとんどの木が病気で汚染されていたから

このくらいの勢いで剪定しなくては、ウイルス菌は蔓延してしまう。

蔓延してしまえば、私は味にも障害がかなり出てくると思うし

まずは木が枯れてしまう。

生産可能になるまでかなりの時間がかかるが、仕方ない。

農園であれば、多少補助金が出るようなことも聞いたことがある。

この勢いの良さに、私は嬉しかった。

私もきっと同じ方法をとっていたからである。

私は本来生まれたオリジナルの枝や幹を残して、生存させたい。

それが一番自然に近い形なような気がするからである。

ブドウもそうだが、台木となる根っこの気と接木された木は

品種が違っても育つ。

仮母?義母?育て親?

接木は、私生児か?

レオナルド・ダ・ヴィンチのような天才私生児もいるから

接木の中には、才能のあるオリーブが生まれるかもしれない?!

それが目的の、接木技法なのである。


DSCN0816


レオナルド・ダ・ヴィンチの生家で、私は結婚式をしたのだが

夫の家族ぐらいしかいなかった式の中に、シスターズもいた。

彼女も懐かしそうだった。

当時、搾油所であった生家の下の階は、行けなかったはず。

当時、現在チケット売り場になってる生家の横は

人が住んでいたように記憶する。

現在は、完璧に修復され、公衆トイレもある立派な観光の場

となり、レオナルド・ダ・ヴィンチのふるさとというより

昔の家を修復した新居みたいな新築覚まで思わせる。

新築された生家では、ビデオなどの解説がある他

展示室もあるが、残念ながら日本語はない。


DSCN0819


同じみどりストリートを通って帰る。

行きと帰りのパノラマが違うことに気がつくであろう。

行きは、モンタルバーノの山へ向かって

帰りは、ヴィンチ村へ向かうのである。

まさにオリーブに挟まれているように見えるヴィンチ村の景色は

このみどりストリートでしか見ることはできない。

行き30分、帰り30分程度の難易度★の簡単コース

是非是非絶対歩いてほしい!

のんびり歩くなら、パニーニ持参でね。


DSCN0826




2019年は、レオナルド・ダ・ヴィンチの死後500

レオナルドが歩いた各地で様々なイベントが催される。

私はなるべくヴィンチ村とその付近のイベントを紹介できたらと思う。



イタリアでは、道路を自転車で何キロも走りまくるスポーツが盛んで

Giro d'Italiaジーロ ディターリアというサイクリングレースが行われる。

511日にボローニャからスタートし

512日にボローニャからFucecchioフチェッキオ入り

そして、513日ヴィンチから出発しOrbetelloオルベテッロに入る。

この1213日の二日間は

まさしくもレオナルドの死後500年を祝うコースで

我が近所をグルグルレースするそうだ。

我が家のパノラマコースもレースコースだ!これはスゴイww

その記念すべき小さな村ヴィンチでは

Uomo Vitruvianoウォーモ ヴィトゥルヴィアーノ

(ウィトルウィウス人体モニュメント)の広場は

Giro d'Italiaのシンボルカラー

ピンクのライトで照らされるのだそうだw

Raiというイタリア国営放送もやってきて

それはそれは大騒ぎの二日間となる。

レース好きにはたまらない期間となるであろう。

どうりでここ数年、自転車のグループがスズメバチのように

ブーンとグループで走っていると思ったら、練習していたのであるw

最後21日目は、Veronaヴェローナがゴールだそう。

関連サイト≫≫≫ヴィンチの市役所La Gazzetta dello Sport
サイクルスポーツ.jp




*私がセレクトした過去の関連記事Best 3 Archivi Selezionati

レオナルド・ダ・ヴィンチが工夫した堰 Pescaia del Mulino della Doccia

レオナルド・ダ・ヴィンチの生家 Casa Natale di Leonardo

オリーブのウイルス菌対処 Potatura degli Olivi ③


Grazie di aver visitato!


最後まで拝読していただきまして、ありがとうございました。




にほんブログ村 海外生活ブログ ヨーロッパ情報へ


Instagram
 ≫≫≫ obatamakivincirealmakici