大地の住人 ヴィンチの丘で

地球と体に優しいコト ~イタリアから~

フィレンツェの端っこレオナルド・ダ・ヴィンチのふるさとヴィンチの丘に在住。 大地の自然たちと向き合って地球と体に優しい様々なコト、発見・提案・発信!

カテゴリ: イタリア社会

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2年前の2020年の2月、コロナ第1号がイタリアで確認された。

少年のそればっかりはいつものささやかな誕生日
日本語学校の帰りにフィレンツェの家族友とケーキを囲んだ。

その週、ヴィンチの学校で雪山に行く遠足があったが
学校は全てのイベントをバタバタとキャンセルし
指定されていた雪山用の靴が新品のまま箱の中に眠りっぱなしとなった。

その後、少年はワンサイズ大きくなり、もう履けない。

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1年前の2021年2月、コロナの子がいて学級閉鎖だったんだ。

リモート授業の休み時間、画面の向こうで
おめでとう!の声がキャーキャー聞こえた。

少年は中学最後の誕生日だった。

その誕生日当日、愛用のiphoneの画面が固まり修理に出して
メッセージが見れない...と手持ちぶさたに過ごし
家族とひっそりロウソクを点けたんだっけ。

大好物のプリンを食べる頃には、父はのびちゃって
肝心なときはもう夢心地で気持ち良さそうだったねw

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そして2022年2月、15歳になった思春期青少年は
地元の親友たちと誕生日を過ごした。

とはいうものの、かっこつけでも控え目な性格の彼は
通常通りささやかに家族と過ごす誕生日を想像していた。

思春期青少年は、寿司とラザーニャとティラミスが食べたいと言った。

いつもはTボーンステーキとプリンと生タマゴご飯wなのに
想定外の注文に戸惑ったが、変わっていくことも受け止めたい
こんな世の中のこんな日ぐらい幸せに思える日にさせたいと
母心におもうのであった。

寿司用のサーモンは買った後一度凍らせる。
サルモネラなどの菌は凍らすことでも死滅するらしい。
業務用冷凍-18~20℃あれば24時間ほど凍らせばよいらしいが
ウチのポンコツ冷凍庫では
最低でも4日間は凍らせることが望ましいようだ。

生食サーモンとカチカチアボカドがメインで
イタリアで寿司を拵えようとすると
一週間は見積もらなくてはならない。

!あるある。
ずいぶん前にSNSでアボカドをアルミホイルに包んでおくと
黒くならずに長持ちするという投稿をみて
試している最中のずいぶん前に買ったアボカドがある。
カチカチからプヨっと押せるほど調度よくなっている。

青少年は、サーモンさえ食べれればいい。
私が彩りをつけたいだけだ。

青少年は、先に全部サーモンをたいらげ
次、アボカドの寿司をたいらげた。

その間、友からのメッセージを見ながら食べて
その後、友だちに会いにとっとと出かけてしまった。

そして、メインの夕飯は友だちと過ごすことにし
夫婦は、二人っきりで青少年がリクエストした
アツアツのラザーニャを食べるのであった。
「はじめてだねぇ、息子の誕生日に本人がいないの。。」

思春期青少年は、その夜、笑っていた。
いつもはイライラしてるのに、笑っていた。
何があったんだ。
でも、いい。知らなくていい。
知ろうとするから距離ができるんだ。

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青少年が笑っていたのも束の間
プーチンの侵攻がはじまった。
イタリアでは、戦争(Guerra)というよりInvasione(侵攻)と
タイトルがついた。

その日、思春期青少年のSNSもプーチンの侵攻でうまっていたそうだ。

ウクライナは、1995~2002年生まれの男子を兵隊にするそうだった。
青少年はそれを聞いて不安がった。
「イタリアも戦争するの?」

あのときもいまも、そんな恐ろしいことをしているのが
青年たちだと思うと泣けて仕方がない。
きっと昨日までTicTokをみていた青年たちであろう。。


いとおしい慈愛なる友が、イタリアを撤退した。
ちょうど思春期青少年の誕生日の日だった。
プーチンの侵攻がはじまる前である。

世界の出来事と友の出来事がちょうど時期的に重なった。
人生とは本当に様々にあるものだと身に染みた。

私は、もし私がウクライナの民だったら...とか
私は、もしイタリアで独り身になっちゃったら...とか
私は、もし究極の貧困になってしまったら...とか

いろいろ考えると不安が募っていてもたってもいられない。
ちょうどプーチンの侵攻の日、すごく心臓がバクバクした。

その日、G.A.S.(Gruppo di Acquisto Solidale)の仲間が
支払いに立ち寄ってくれ、立ち話をした。
今の私には話す人は家族しかいないこと
笑っちゃうけど、一歩外に出ても畑で出会うのはテントウムシだ。
仲間は「それ、ヤバいって!今度お茶しようね!」て。


思春期青少年は、あの日、笑っていた。
お友だちが集まってくれて、笑っていた。

懲り懲りの二月なんだけど、笑っちゃうよ、もう。
おめでとう、今あることに、おめでとう。

思春期青少年がある時期のシャワー中よく聴いてた曲。
私の壊れたラジオでもよくかかる。をどうぞ。




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雨の日、二本立てで日本の映画をモニター越しで観ることにした。

オンライン日本映画祭というものが海外在住者向けに
無料で期間限定で観れるとのことだが、国が限定されており
シスターのいるアイルランドでは観れなかった。

我が家は、コロナ禍のロックダウン中
少年のリモート授業の必要性から
やっとその時から、無制限ファイバーWIFIを導入した。
リモート授業にあわせて、PCまで購入したんだ。
約2年前とかである。最近の話だ。

それまではSIMのデザリングから月々に使えるGBを気にしながら
思う存分WIFIライフはしていなかった。
必要性も感じていなかった。

しかし、無制限ファイバーWIFIが我が家に登場してからというもの
家族は各々に過ごすことになる。わけだ。
ますますバラバラに行動し、客観的にみると寂しいものだ。

思春期青少年に日本映画祭のことをいうと
期間限定で時間があわない、時間がないとのことで
うーん...という返事だった。

だから、誰もいない日、そう、雨の日の午前中に
私だって余裕のある時間はない、どちらかというと急いで
「南極料理人」と「羅生門」を観たのである。

なかなか映画を観る機会もなかったし
そういうわけでネットで映像を観る習慣もなかっただけに
古い映画でも新鮮だった。

ここに残したいぐらいだから観て良かった映画たちだ。

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羅生門の方は、モノクロ映像だけれども
私は写真でもモノクロに撮るのが好きなだけにイメージが湧いた。

モノクロにすると時代感が薄れるような気がする。
今のような、昔のような。
時代が交錯することで、≪人生とは常にある≫ことを強く感じ
モノや環境に関係なく≪生き様≫を感じるのが
モノクロの特徴のような気がする。

ニュースで、ウクライナとロシアの戦争が勃発するかもと
ウクライナ民が避難している映像が日々流れている。

2022年にもなって本当に戦争なんて起きちゃうの???
100年前と同じことしちゃうの?
中学三年生だった少年の学習発表は、戦争と暴力がテーマだったよ。

ウクライナ民が列車に乗り込む映像がモノクロにみえる。
子どもとクマちゃんのぬいぐるみがモノクロにみえる。
現地に残ってインタビューを受けている歯っ欠けのおじいちゃんが
モノクロにみえる。

イタリアは、ロシアからのガスが値上がりして
電気も値上がりして、ガソリンも値上がりして
流通や原動に付随する食品だって値上がりして
コロナで仕事の量は少ないのに職探しは困難で

そういう痛みを感じる家族とそうでない家族に分断されるイタリアだが
いいことがあっても浮かれきれない私たちの生活は
目の前の太陽の光にやっぱり癒されるのである。

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雨の後、私はブドウ畑で、枝を縛る作業を黙々としている。
ひとりぽっちだ。
壊れたラジオは、都合よくかかって都合よく消す。

まるで囚人のように足に重しをつけている泥まみれの私は滑稽だ。
でもゴム靴を履いて汚れる覚悟をすれば
子どもが水たまりにボチャンと入るように
汚れることも泥が重しになってもへっちゃらになるのである。

黒っぽい枝とグレーの空と茶色い土は
緑肥のソラマメまでなんだか色味を忘れてしまう。

それでも赤いテントウムシは遠目でも見つけるんだ。
なんかいいことあるかな。



☆こちらの記事もどうぞ☆
モチベーション a wet day
親愛なるスクールよ Dolce in forno
畑でめぐる壊れたラジオ musica in testa



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Proiettarsi

先日、衝撃的なニュースを知って
また涙で視界が ぼやけてしまった。

まだ18歳になりたての高校生が
授業の一環の研修先で
事故で亡くなってしまったというのだ。

ここ連日、労働安全第一とデモが続いた。

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イタリアの学校の仕組みは
小学校五年制・中学校三年制が義務教育で
ぞれ以降は日本とかなり違う、と私は思う。

自分の息子が関係するまで、よくわからなかった。

今でもメリットデメリットはよくわからないが
成長した息子自身の調査や選択と運に任せたいと
都合よく頼っている。

もしくは...進路に関して頼りない母ちゃんでごめん。
こっちの学校システムや環境に経験がない。
アドバイスできることは人生の大まかなことしか言えない。。

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中学を卒業すれば、そこは日本同様に、何かしらに進学する。

未成年(18歳未満)の就労を会社や社会は
よい受け入れ体制ではないのが現実であるイタリアだ。

ブドウの収穫でさえ、18歳未満は渋って結局雇わない。

実際の詳しい中卒の未成年就労はよくわからないが
一般的に進学する道としては
大学へ進学することを第一に目的とした
五年制普通校っぽい国立高校(Liceo)に
理数系(Scentifico)・語学系(Linguistico)・古典系(Classico)
芸術系(Artistico)・音楽系(Musicale)に分かれる。

それとは別に、高専的な多種多様の商業系(Istituto)は
こちらも国立五年制のあとは就職を目的に
一般教育から専門分野までみっちり教わる。
(情報・IT系、経済・マーケティング系、観光系、電気系、
メカ系、飲食・サービス系、医療・介護系、ファッション系
農業系、さらなる専門分野はいっぱいあり過ぎて
ここに書ききれない。)

資格なんかも在校中に取得できて便利な進路方法である。

日本のように普通高校に行くことが一般的な風習だったあの頃
無駄で無駄で仕方ないと思ったほどだった私は
この多種多様システムは羨ましいと思った。

なぜなら入学試験がなく自由に学びたいことを選べるのである。

確かに、入学する14歳のホヤホヤ青少年
が自分の将来など想像つかない中
なんとなくの選択で学ぶのもなかなか気持ちが入れられないだろうが
あとはもう出会いとか運であると私は思う。

5年間ある内の2年間は一般教養とざっと専門分野入門
3年目から本格的に専門的に学科を決定する。

もしくは、1年目や2年目で学校までも変えられる。

難関試験でやっとの思いで入学する日本の学校への想いとは異なるし
入学試験に対する思入れも全くない。

だからイタリア(だけではないだろうが)の14歳と日本の14歳では
なんかどっか一風違うように見えるのは、私だけであろうか。

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専門分野で学んだ子たちは、その道にどんどん進んでいく。
世界的に通用するような専門分野は、世界にまですぐ羽ばたいてしまう。

もし進路を変更したくても大学に進学という手もあるし
専門分野を大人になってから変えようと思ったら
若者に向けた無料養成講座もヨーロッパ基金で州がオーガナイズしている。

新しいことを学ぶチャンスはたくさんあって頼もしいが
なかなか就職できなかったり、続けられないこともあったりするのが
イタリア社会の欠点である。

そして、日本のように未経験者歓迎のような軽いアルバイトはほぼない。
ほとんどは、スキルを求められる。

税金が高い国イタリアは、労働者は給料が低く
会社は税金の負担が高い。

卒業したての若者に限った見習い期間(Tirocinio)には
低賃金でもOKという法律は、会社としてはつかわない手はない。

つまり、安く見習いかスキルのある経験者を求められるのである。

もしくは、まだまだ根強く続いている脱税国イタリア
保障せず雇う方法は、個人や小さな会社に多い。
大人がそういうことをやっているから
知らずといつまでたっても継承し続けるのである。。。
だいぶ厳しくなって減ってきているとはいえども。

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その研修中に事故で亡くなってしまった18歳の高校生は
建設物の鉄骨をつくる鉄工所で
その鉄鋼が彼に落ちてきて一撃したそうなのだ。

研修(Stage)の最後の日で、翌月曜日には学校に行って
研修結果を発表することになっていたそうだ。

怒りの学生デモは、彼はまだ学生で労働者ではない!
という言い分であった。親のような大人たちも参加していた。

14歳の子の母親である私としては
どの子の母親になった気持ちで
どの話題にも他人事とは思えないのである。

被害にあった場合も犯罪した場合も
いつもいつも世の中のどこかで
苦しむ人がいてそうさせる社会があることを
考えさせられてしまうのである。

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私は、右腕を痛めてしまった。
ただの五十肩ではなさそうだ。
頸肩腕障害(Tendinite al braccio)であろう。
今年のオリーブの剪定は、夫に手伝ってもらうだろう。
私が嫌いな、炎症と痛みを抑える薬をのんでいる。

以前は右肘を痛めて抗生物質の注射を2回もした。
上腕腱鞘炎(Epicondilite)というものだった。

夫は体力仕事をいつもして
腰が痛いとか腕が痛いとかいつも言っている。
でも薬をのみたがらない。
我慢している。

私や思春期青少年が痛みを訴えると
「オレも痛い」と返ってくるからいやだ。

隣のブドウ畑の主もそのまた隣の主も腰が痛いんだそうだ。
彼らは、痛み止めをのんでブドウの剪定をしている。
「それしか方法はない」と言う。

その夫の体力仕事先の仲間も腰が痛いと言っている。
あまりにもひどく検査をしたら
いくつものヘルニアで腰は侵されていたそうだ。
派遣先の会社からは「腰が痛い奴はつかえない」
ということを聞いてしまったそうだ。

痛みをとるためには何日も何週間も何ヶ月も休まなくてはいけない。
休んでいると仕事がなくなる恐れもあれば
体がついていかなくなってしまうかもしれない。

政府はコロナ禍もあって、SmartWorkingを推奨するけれど
生産する職業や生産を循環にさせるための諸々の職業の人たちは
脳も必要だけれどカラダが資本なのだ。

パソコンだけではモノはつくれない。
やっぱりヒトの手と体力なのだ。

手と体力をつかってきた人間が
腕が痛い腰が痛いといって
急にSmartWorkingとはいかない。

事故が起こるからといってSmartWorkingにすることはできない。

そこへ向かっていた青年の訃報は
カラダを資本としている大人は無念で悔しくて仕方がない。

それでなくても労働先の事故死のニュース(特に若者)は
毎度毎度全国ネットで報道される。
私はどんな状況でも他人事ではないはずだし
企業は絶対に労働者への環境は軽視してはいけないと思う。
(2022年1月31日付ニュースでは1220人の方たちが仕事で亡くなっているそうだ。)

私が知った農業の世界もよりよくなることを願っている。



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ボクらは赤いトマトを摘みに Italian Tomatoes
はじまりとおわりそしてはじまり verso autunno



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クリスマスの日、ニュースでは
教会に貧しい人たちが無料でクリスマスランチに
肩を寄せているシーンを、報道していた。

そしてローマ法王が貧しいひとたちへの想いの寄せ方を
遠くの窓から教えている。

ニュースだから窓からのシーンしかみせてくれない。
事前に用意された文を読まれるローマ法王の姿と
それを飲み込むように聞き入っている聴衆がいる。

あぁやって私も傍聴することができるのであろうか。

自分流に祈ることはできるけど
いま自分にしか必死になれないけど
世の中の苦しんでいる人たちに
私はいったい手をさしのべることはできるのだろうか。

ひとに優しくなるためには
自分にもよいコンディションを維持することで
じつはそこが一番厳しいような気がする。
今そこに葛藤している自分がいる。

私は、お金がないことだけを貧しいとはおもわない。
経験が貧しいとも言葉にあるし
満たされていないことも心が貧しいという。
想像力が貧しいともあるし
弱いとか足りないときにもつかったりする。

ニュースで、貧しいと言われる人が映されていたけど
なんか映画のワンシーンのようで創られた映像のようであった。

オーガナイズしていたボランティアのようなスタッフは
創られた優しさのようにもみえて果たされた感もみえた。

貧しいとクローズアップされた人たちは
その後また路上に帰っていく。
その後また現実に戻っていく。
はずだ。

私はなんか納得いかなかった。
貧しいという苦しみってそう簡単に消えるもんだっけ。
どんな方たちがそこへご招待されているのさ。
何を基準に貧しいと決めているのだ。

世の中には、ひとの前に出れないほど苦しんでいる人がいる。
ひとに会えないほど会いたくないほど苦しんでいる人がいる。

貧しいってお金も心も想像力もそうだけど
貧しいとおもう基準は普通に劣るとおもうからである
と私はおもう。

私の普通とアナタの普通が違う場合がある。

私が普通に劣っていると落ち込んでいても
ひとからすると何言ってんの?!と怒られる。

その典型的なのが、子どもたちである。

その子どもの頃から
自分のベストコンディションを
みせるおしえるが必要なんじゃないかとおもった。

そのコンディションとは
満たすレベルを下げればいつも満腹感とか
ひとと比べないとか
怖がらずにどんどん体験するとか
ひたすらポジティブに考えるとか。

そう自分に言い聞かせながら生きている。
でもどうしてもうまくいかないこともある。

自分のおもうようにいかなくって苦しい。
想像力まで乏しくなってきた。
経験まで活かせないのか!

私だったら
オーガナイスしてくれた無料クリスマスランチには
行かないだろう。
どう自分に置き換えても、行かないだろう。

よくない企画だ!と言っているのではない。
そのクローズアップするニュースにきっと
なんか納得がいかないのだ。
なぜ貧しいをそれに限定するのか。
世の中の貧しいはそれだけではないはずだ。

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そう私は、もやもやした気持ちで年を越そうとしている。
思春期男子の母親だからか。
コロナ禍だからか。
体が痛いからか。
いい歳だからか。

それでも2021年に満足したことがあった。

プロデュースオリーブオイルという初体験ができたことだ。

見直さなければいけない点がいくつかあるが
それだって、やってみないと反省点など生まれない。
良かった点など生まれない。
知ることもできなければ学ぶこともできない。

そんな大切な経験をひとつ積ませてくださった
olivewellness.jp社のみなさん
torreserena社のみなさん
オリーブオイルを購入してくださったみなさん
そしてセミナーに参加してくださったみなさん
本当に本当にありがとうございました。

悩んだりしているとき寄り添ってくれた友たち
会えなくても思い出と想いで支えてくれている友たち

ぎゃんぎゃんうるさい家族でも
存在感たっぷりで守りたくなる家族たち

2021年もホントにホントにありがとう。

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なんかはやく過ぎ去ってほしいけど
2021年がなかったら2022年ははじまらない。

昨日があって今日がある。
明日へ生きるために今日がある。

日々学びながら生きていこうじゃないか。


みなさまの一年いかがでしたか。
健やかで穏やかな年をお迎えください。

2021年も読んでくださってありがとうございました。



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満月が朝日に淡く照らされながら沈んでいった日
日と夜が半々の分点で秋へとすすみはじめた。

ピンクな空に静かに光る丸い月はそれはそれは美しかった。

私たちがそんな朝に出会えたのは
思春期青少年が06時50分のバスに乗らなければいけなかったからだ。

日本だったり、きっとイタリアの都会だったら
一人でテクテク歩いたってなんの問題もないだろう。

しかしここは田舎で、バス停に青少年たちを見かけたことはあるけれど
男子でも歩いている姿を見たことがないのが現実だ。

専門高校に入学したての青少年を母心に村の入り口まで送る。
早起きは三文の徳、それだけを信じて早起きして息子を見送る。

空を眺めるのが好きでよかった。
こんな朝焼けが待っていたり、キンと冷たい空気に触れたり
曇りだって雨だって、佇むヴィンチ村へ向かう景色を毎日みるのは
日本人の私には贅沢なことかもしれない、と
目に、記憶に、焼きつけることにした。
焼きつけても私の人生に焼きつくだけで
息子だって夫だって誰も知る由もないだろう。

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青少年を見送った後、私はブドウの収穫へ向かった。
同じ朝なのに色が変わって違う朝のようだ。

「今日の朝の満月見た?南西の方に沈んでいった。」
「ううん、見てない。」

仲間にもさっき見たピンク空の満月の話をした。

彼らとは、数日数週間一緒に汗を流していると
なんでも話せちゃう距離がうまれる。

みんなキャラが強い。
静かなモノを見て静かに感動したことだって
その人のキャラの内で、ちっとも話せる。

前の私だったら、月の話はしないかもしれない。
わーっと感じたことを素直に言葉で伝えることができなかった。

でも今は、誰も聞いてなくたって興味を持たなくたって
私はつぶやけるようになった。

そのつぶやきは、SNSではなくって、生の声で生の身に
目の前にいる人につぶやきたい。

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仲間たちが、ワクチンのことで討論となった。
ワクチン接種済みの人はワクチンを肯定するのが当たり前だ。

ワクチン賛成派をイタリアではPro Vaxと呼ばれ
逆に、いろんなことが不透明でなにもかも疑心暗鬼になっている
反ワクチン派はNo Vaxと呼ぶ。
どっちもあってると思う..とはっきりしない人たちをNi Vaxと
SiとNoをかけて呼んでいる。できたらNoでいたいタイプ。

そんな愛おしい仲間たちも二極に分かれる。
No Vaxの言い分は、世界中の反ワクチン派の意見で一致している。
彼ら一般人でも調べ上げた様々な疑問を証明しろ!と
Pro Vaxの仲間に嘆いている。
そのとき、Proたちが黙ったから話が終わったけど
ここでProなりに意見をいうと、すごい揉め事になるのである。

この逆を我が友とぶち当たった経験がある。
いろんなところで、人はぶつかっている話をきく。
本当に嫌な世の中で、ワクチンのことでケンカになるわ
友だち関係は崩れるわで面倒なことになっているのである。

イタリアはコロナ免疫&ワクチン接種済み&現コロナ陰性証明
グリーンパスの効果で、75%の市民がワクチン接種済みだそうだが
仕事ができなくなるのであれば
理由も目的も意味も意思もなにがなんだかわからないまま
とにかくワクチン接種をして
集団免疫プロジェクト(?)に協力している現状だ。

収穫期間3回は衝突したProとNoの論議。
つぶやけるようになった私がつぶやいた話は
農薬を使い続けると..という話をつぶやいた。

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思春期青少年は、高校入学で新生活を送り始めた。
ニュースでもやってたけど
すでにコロナ学級閉鎖が相次いでいる。
まだ1週間ぽっきりしか通ってないのにもうリモート授業...

えー、もうリモートしないって言ってたじゃん?!
グリーンパスはいったい何なんだ???

そうこうしている内に保健所から
アナタのお子さんは完結したグリーンパスを所持してないので
(1回目のワクチン接種者でもグリーンパスはすぐ取得できるし
ワクチンが打てない方は48時間有効のPCR検査陰性でも取得可)
以前同様に隔離期間が終了し次第PCR検査して陰性だったら登校できます
と、メールが届いた。

この1週間まず朝早く起きてヴィンチ村からバスに乗って
バスの乗り継ぎする村で20分も待って
朝は学校の門を通るバスだからいいけれど
帰りは、まだ終了時間が早いからかわからないけれど
主要の駅まで学校から20分ぐらい(GoogleMap調べ)歩いて
その駅から乗り継ぎの村で20分待ち、そしてヴィンチ村に到着
私たちがお昼時いれば迎えにいってあげるけど
いなかったら、日中は歩いて帰ってこなくてはいけない。

車だったら30分のところ、交通が不便な田舎の学生たちは
1時間以上かけて登校しているのである。
日本ではフツーのことなんだけど。

中学までは自治体から出ていたスクールバスで
家の目の前から楽ちんに村の学校に通っていた。
そのギャップにすでに嘆いている青少年。

それだけじゃない
その主要駅にはサッカー観戦ぐらいに感じる程
すんごい人数の学生たちがうじゃうじゃ集まってきて
バスに乗り込んでいくそうだ。新人は呆気にとられて
圧倒されて乗れなかったということもあったそうだw
がんばれ、新人!もたもたしてるなw

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そして、ヴィンチから通う仲間もいるのに
彼だけクラスが違ったという、彼にとっては不運感でイライラ
ブツブツ言っていたけれど、母は前向きに考えろと
人生のいろんなシーンをあげて肩をたたいてあげた。

ひとからみれば、あるあるのフツーの話なのだが
な、なんと!イタリアでは(とひとくくりにしてはいけないが)
ヴィンチグループのもう一人もクラスが外れちゃった子がいて
「ボク、ヴィンチグループがいるクラスがいい」と
愛おしい息子が懇願しているということで
入学する前に学校に電話して、クラス変えてもらっちゃった
そんな親子もいたそうだ。
クラスを変えてもらう理由をいったい何にしたのだろう
私にはこっぱずかしくて話にならない。

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そういうわけで、新生活がはじまった思春期青少年。
私たちも空を早朝に眺める新生活。
つぶやけた収穫仲間とはお別れのハグ。
また各々に生活をしていくのであった。

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このブログを書いてるときヴィンチは今、嵐が過ぎ去り停電中。
オリーブ、大丈夫だったかな...



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