3月半ば過ぎ、現代バイオダイナミック農法のブドウ農園から緊急の電話。
「芽が出てきちゃったよ。やることいっぱいで、縛る作業終わってな~い!手伝ってぇぇぇ!」
だろうよね。
雨も降らずに小春日和が毎日続いた3月、遠目でもわかるブドウの芽がプチプチピンクからミドリに開いてる様子が、日に日にわかる。
もう少しで終わるオリーブの剪定の気晴らしがてら、ブドウの枝を縛る作業を手伝った。
ブドウの枝を縛る作業は、GuyotグヨーやCapovoltoカーポヴォルトという名の樹形で必要とされる。
冬眠期間の剪定後、Piantoピアントと呼ばれる樹液いわゆるリンパが流動し始めると、枝が柔らかくなりキュッキュッと形を整えながら、一番下の架線に縛り付ける作業をする。
これからワサワサ生まれる枝や葉や実を支えられるよう、しっかり縛ってあげる。
ブドウは上へ上へと伸びていくので、高過ぎてもいけない。
トラクターが通ることを頭に置きながら、ブドウの成長が架線から遠くならないように想像し、引き寄せながらしっかり結ぶ。
未来の枝がしっかり成長できるよう、縛る枝の向きを隣を見ながら判断する。
などなど、一年の作業やブドウの成長がわかっていると、未来を想像しやすければ、しっかりと作業ができる。
現代バイオダイナミック農園は、地球に優しいBiodegradabileビオデグラダービレ(生分解できる)の素材の紐と道具を使って、現代的な方法でやっていた。慣れてくると、全然こちらの方が早く作業ができる。
他のブドウ農園は、枝がオレンジ色のSaliceサーリチェ(ヤナギ)を使用する。切ったり水に浸けたり、作業中腰に巻いて重かったり、指が痛くなったりと、不便があった。私には続かない素材である。
ビニールの紐は、高価な上に、一年の作業後取り除き、ゴミとなり地球に優しくない。地球のことなんか考えてない農園は、そのまま土の中へ埋もれていく。
白ワイン用のTrebbianoトレッビアーノは、枝が太く成長が遅いので、この乾燥小春日和の作業はやめておこう・・と後回しに。
そうこうしている内に、新しいブドウ畑のInnestoインネスト接木作業が始まった。
私は、男たちを残し、天国という名の大地へ草摘みに行くことにした。
次回へ。
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