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オーナーと栽培や作業の話をしていた。

「もっと芽掻き作業をした方がいいと思う。」

「ある程度はさせるがA(農主)ほど金は使えない。」

それを言われたら何も言えない。

「でもさ、Aにはないことがうちにはある。」

それは興味ある!「何、何?」

「うちのブドウ畑は彩色豊かだ。」

「え?どういう意味?」

「見てごらんよ。」

と、オーナーは収穫チームを指しながら両手を広げる。

「そうだね!Aのところにはないや!Aのところは老人ばっかりだw」

オーナーがしつこくテキパキグループを呼ばない理由がそこにある。

オーナーは、特に職に困ってる人を

地元民問わず移民も受け入れる。

このブドウの収穫に来ている仲間は

まさしくも彩色豊かで多国籍である。

モロッコ人、アルゼンチン人、キューバ人

アルバニア人、日本人、イタリア人。

イタリア人が黙ってしまうほど、多国言語が飛び交う。


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その中でも共通言語を持つアルゼンチン人とキューバ人は

スペイン語で何やら会話をしている。

イタリア語となかなか似てるから、一瞬わかったようなときもある。

聞いていて嫌にならないアクセントや発音で

習ってみたいなーと思う言語である。

夫もスペイン語が一番好きといつも言っている。

少年にも習って欲しい言語の一つであるが

現在少年が通う中学では義務的にフランス語を学んでいる。


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私たち日本人がLRBVの発音が困難なのと同じで

イタリア語を母国語としない彼らも

母国語流に勝手に発音しているw

スペイン語を母国語とする彼らはどうやら

イタリア語のCSス(単語に混ざってる時は

アルファベットをこのように読む)を勝手に変形させているw

例えば、Capiscoカピースコのところが、カピーッコ

Finiscoフィニースコのところが、フィニーッコ

Qestoクエストのところが、クエット

などなどいっぱい!っもうカワイイったらない。

まるで言葉を覚えだしたイタリア人の子どもみたいなの。

少年もおんなじだった!


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たまにメンバーが欠けると

飛び入りでキューバ人のお友だちやら姉妹が手伝いに来る。

みんながどんなやつか知らないより、知人の方が良かったりする。

私が抜けてた間もキューバ人の友が来ていたそうだ。

で、学校が始まったから講師助手を本業とする仲間の代わりに

またそのキューバ人の友が来てくれた。

「あなたもキューバ人なの?」

陸上選手のようなスタイルでスポーツ用品が素敵に似合う

浅黒い彼女。こっちがうっとりしちゃうぐらい。

いつものキューバ人は、肌が白く目がはっきりしてるので

どちらかというと南イタリアっぽい女将さんタイプ。

この二人はどちらも日本が大好きで

行ってみたい国ナンバーワンだそうだ。

「是非行ってみて!文化や人の違いに驚くと思う!」

日本の次に行ってみたい国は、Dubaiだそうだ。

私も灼熱の砂漠にテクノロジー的近代建築は是非見てみたい。


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ランチ中、みんなでシートを敷いてゴロゴロ食べる。

休憩が1時間半もあるから軽く昼寝までもしてしまう。

その間、昼寝してる人もいれば、SNSを見てる人もいる。

「ねぇねぇメキ(マキといえない)、これ知ってる?」

離れたところでスマフォを指しながら「オチン」などと言っている。

ななな、何を見てるんだ、この人たちは・・・

私はそそくさに起き上がった。

なんとオチンの正体は

「オチンじゃないよー、おしん!」

どの言語もちょっと間違えると大変なことになる。

「えぇぇぇぇ、おしんがキューバに!」

みんな見てたという。

だから日本人のイメージはおしんから始まるのである。


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「メキはどうしてイタリアで農業してるんだ?

私が日本で暮らしたいぐらいだよ!」

「あなたたちには日本で暮らすことは無理だと思う。

だってこの陽気さは日本人にはないの。

仕事中、おしゃべりもしちゃいけないし歌を歌うなんてなおさら。」

仕事はいっぱいあるし、もちろん日本人だって超親切。

だけど、時間厳守を徹底することと

陽気さを四六時中表現することはできない。

彼らラテン人からこの二つをとったら

彼らの首を締めているようなものである。と私は思う。




アルゼンチン人が音楽やカルチャー好きで仕事中にも音楽を聴く。

この日、ワイヤレススピーカーを持ってきて

スペイン語の曲を選曲し、ブドウ畑に響き渡っていた。

その中に、懐かしのManu Chaoもあった。

収穫チーム最年少のアルバニア人に

この曲は20年ほど前世界で大ヒットしたことを教えた。


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そうだ、前から知りたかったスペイン語があった。

「さっきの歌にもよく出てきたけど、ミコラソンてどういう意味?

Mi corazonとはイタリア語だと

Il mio cuoreイルミオクオーレ(私のハート)という意味になるが

もう一つの意味があって

この場合はTesoro mioテゾーロミーオ(私の大切な人よ)となるそうだ。

なんと素敵な言葉。だからよく耳にするのか。

「私たちスペイン語圏は、情熱だらけの人種なのよ。

私たちは、家族も親戚も隣人も友だちもみんな仲良し。

心配し合って助け合って笑い合って歌っい合って。

海にも近かった。本当だったら家に帰りたい。

仕事さえあったらね・・・。」



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