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前は

私たちがこんなに自由だったなんて気が付かなかった。

規則って実は私たちのモラルの表現だったんだな。

個々にもつモラルが違うから、統一していただけなんだ。

どの空港からも分刻みで飛行機が飛んで、いつでも旅行ができて

一人一台は持つだろう自家乗用車で、いつでもドライブして

気分転換に素敵な宿に泊まって

面倒だから外食しちゃって

旬のものなんか他所にグローバルに世界のものが手に入って

思いついた時にショッピングして

毎日の意志通りスポーツトレーニングして

いやいやだけど友だちに会えるから学校に行って

自由に歩いて天へ向かって草の上で寝っ転がって

時代の異なる家族と寄り添いあって

友たちと乾杯して

私たちの挨拶や気持ちを体で表現して

・・・・・

人に寄生するコロナ菌は、私たちの自由の温もりで繁殖した。

私たちの無薬な退治と予防は、ただただひたすら離れることだった。


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今は

私たちの自由は家という箱の中で

核家族と、もしくは一人ぼっちで過ごしている。

時間がないほどつくれないほど、過剰な自由に追いつかなかったのに

箱の中で残された自由を模索することになってしまった。

家族とゆっくり過ごす時間がなかったのに

急に24時間50日間以上も一緒にいるはめとなった。

今後の経済の行方に不安を持ち、節約しながら生活をする。

国からの補償は結局の所、食べる分だけっぽい。

私も食費の足し分のクーポンが自治体から届いた。

どれも自ら申請をしなくてはならない。

税金が戻ってくる方法は、受け取る市民も

わざと複雑にしてある仕組みを理解して利用しなければならない。

それは前と同じだ。そう簡単にはがっぽり娯楽費まではもらえない。

しかし、マスクだけはコロナ禍ピークを超えた頃から

じゃんじゃん手に入るようになった。

マスクを一度だけ作ったけど、もう作らなくてもいいかもしれない。

それから

オンライン授業なんていうとりあえず存在確認の授業は

少年少女もとりあえず定刻と暇つぶしの材料を与えられ

フワフワとカリキュラムをこなしているように見せかける。

宿題と言い訳しながらずっとネットが繋がっている。

スマフォじゃ目が危険!とPCをネットで購入しようと検索したら

どれもこれも売れ切れ。もしくは値段の選択ができない。

少年用SIMカードの乗り換えも時間がかかった。

家庭用Wifiルーターをつけない、必要としなかった我が家には

家族中のSIMのGiga数でデザリングしあう。

オンライン授業とオンライン宿題、オンライン友好関係は

とにかくネットとGiga命が現代っ子の生活で

コロナの標的は、距離に動じないヤングではない

まだまだ伝統と歴史と温もりを継承しようとする

大人たちであったことを悔しく思うが

これが現代に生きていくスタイルという発見なのであろうか。

小鳥が大声で鳴く天気の良い澄んだ都市の小さな空に目をやる。


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それでもどこか都市と田舎ではコロナ禍に温度差があった。

箱の中で核家族が四六時中いるのとは違う。

私は、平日ブドウ畑で作業して、週末オリーブ畑で剪定をした。

夫も、平日派遣農業して、週末自分農業をした。

雨の日が家族のホンモノのロックダウンであった。

でもいつもの雨の日であった。

週末には景気付けにBBQをしてコロナをあざ笑った。

地面にはマルガリータやタンポポが一面に咲き

まるで天国のような庭には、減少しているというハチが集まり

いつもの春といつもの晴天であった。

少年は気晴らしにサッカーボールを蹴り、オリーブの木にあたり

いつものように怒鳴られ、そして何も変わらない。

私たちは、今までも週一の買い物だったし

田舎暮らしをはじめてから、旅行はあまりしないし

おじいちゃんおばあちゃんがいない子育てをしてきたし

子育てを優先して仕事もいつもボチボチで近所だったし

農薬反対エコ生活を意識しはじめ、手つくりは得意だったし

だから家にいても苦にならないし

もっともっと作りたいものいっぱいあるし

雨が降らないからロックダウンできずに何もやってないし。


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少年が長い夏休みに入った感覚と、一緒にどこも行けないこと

少年が体の分身のようにスマフォ持ち歩いて引き籠った生活が

コロナの大打撃のような気がしてならない。

イメージだとのびのびした田舎暮らしなのに少年だけそうではない。

200M の距離は歩けるけど、逆に一人が怖い。

ときにポリのヘリが飛んでいてこちらを見ている。そんな気がする。

トスカーナ州は外出時マスクをつけることになったけど

誰もいないのにマスクをつけるのはバカバカしい。

外出がコロナの恐怖より罰金の恐怖は田舎暮らしにも縛られた。


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感染症の学びの40日間の隔離がとっくに過ぎ

Tvニュースで、先を行く武漢の人々の外出シーンを見せつけ

フェーズ2での注意事項がジワジワと報道され

我ら一般市民も期待を胸に膨らませた。まるで明日からのように。

そして、気は早く、コンテ首相が国民に向けて

5月4日からのフェーズ2を発表した。

その様は、やはり教授だった。Si, prof.!

あぁ、やっと外出自己申告書を携帯せずにちょっと歩ける。

しかし、まだ州内での移動のみ。

「ここで気をつけてくださいよ!マスクは絶対です。」Si, prof.!

マスクはお手製のオシャレオリジナルマスクでもOK。

少年よ、もうビクビクしないでお母さんがいる畑に遊びにおいで!

ヴィンチ村にも行っていいよ。

少年もマスクして、1メートルの社会距離ね。

ボクもマスクwと大人の仲間入りしたようでニヤッとした。

ジェラート屋さんはまだ営業休止。もう少しの我慢。

サッカーの練習もまだまだだな。

次のステップは、5月18日そして6月1日と

2週間毎に緩和され、徐々に平常に戻す設定だ。

そうこうしている内に、季節は変わり、春から夏へ突入しそう。


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後は

私たちは、コロナで何を学んだか、各々にあるであろう。

コロナを研究している人たちが、なぜ感染症が起きちゃって

どんなところが拡がりやすくて、どんな病気で

どう対応するべきか発表して

そんなレポートもたくさん見たし読んだ。

どれもこれも結局の所同じことを言っているようだ。

やっぱり、私たちの生活スタイルと地球との関わりはとても深く

私たち自由の欲望は強すぎて速すぎて

ゆっくり進む自然のサイクルと比例していなかったことが

このコロナであからさまとなったのではないかと思う。

私が、生活において地球と体に優しく生きようというテーマは

コロナで改めて思い知らされ

鞭を打つように生活を見直すべき、それは

買う度に、これはどこで何からつくられているのであろう、とか

移動する度に、どのくらい消費をしているのだろう、とか

食べる度に、均等な栄養がとれた食事をしているのか、とか

考えて生活していくことが大切だったんだよな、とつくづく想う。

消費者は、このシンプルな家にいるだけロックダウンと同じく

シンプルに物事を考えて行動して我慢することに慣れることが

実は私たちのできることなんじゃないかな、とシンプルに想った。

生産者は、お金儲けのことばかり考えず

見えないコロナが生まれるように

見えない自然の声を察知しながら

私たちの地球と体を守った商品を生産するべきなんじゃないかと

私は、前も今も後も、願い想うのである。

ただ商品を生産を目的とするだけではなく

生産をAからZまでデザインすることが

今後のビジネススタイルなんじゃないかなぁと夢を抱く。

持続可能なサスティナブルビジネスを

シンプルイズライフのその中で

魅力ある個性的な私たちのライフスタイルを

常に地球と体、今と未来を繋げながら生きていきたい

と、そうポジティブに見つめたコロナ学びでありました。


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今日もこんな夕日と出会えて幸せです。

こんな新月からの細い三日月と金星の光を浴びれて幸せです。

あの日、細い三日月はそのままの形で赤く西に沈みました。



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