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前編上からのつづき。


98歳のおばあちゃんは、元気だった。しっかりしていた。

朝、早く起きて、魔法の薬のようにニンニクを一片えいっと潰して

水と一緒に飲み込むのである!wow

散歩だってするし、洗濯だってするし、料理だってするし

生ゴミは、外の小さな庭の小さな菜園のあちこちに

鍬で軽く穴を掘り捨てる。いい方法だ。

一週間に一度お掃除をしてくれるシルバーアルバイトがやってくる。

だから私たちは日常の些細な助っ人ぐらいで自由な生活ができた。

そのおばあちゃんチから、クリスチャン無料英語講座に通った。

一世の元レンガ大工は、私たちになんとか仕事をと考えてくれるが

私たちの欠点は、労働ビザがないことであった。

イタリアのようにビザなし移民が会社に応募して雇ってくれたら

労働契約を持って届けに行くパターンではなくその反対で

労働ビザを既に取得している人を雇うというパターンが

主流であった。というわけで本も子もない。

オーストラリアにはワーキングホリデーという制度がある。

とてもいい制度だが、年齢に制限があることがネックであった。

ワーホリの取得は確か出発前に用意することだったように記憶する。

私たちが仕事や生活に安定していれば

おばあちゃんのところで家賃の節約ができたが

私たちのオーストラリア滞在の目的を

変えていかなければならない状況が、こう住み始めて

移民局なんかにも何度か足を運ぶごとにわかってきた。

コネクションもなくどうしても働けないなら、旅をすることにした。


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おばあちゃんはさすがイタリア人

トマト料理が大好きだったし上手だった。

ポルペッタ(肉団子のトマトソース煮)は週一ペースだったように思う

私たちが今ピッツァを週一で食べるように。

そして、切らすとすぐに作っていたフレッシュペペロンチーニの

保存可能激辛ソースをよくつくっていた。

私たちも真似してつくった。激ウマだった。

この保存ソースを、どの料理にもちょっと加えて食す。

それを加えるだけで、食欲が増すのである。

おばあちゃんの長生きの秘訣は、朝のニンニクと

この激辛ペペロンチーニソースだということを

私たちは人生のノートにメモった。


おばあちゃん一族と家族のように心配し合うようになった。

生活をしているカップルではなく、旅人であった私たちは

おばあちゃんのところを基点に、小旅行を始めた。

その近い将来には私たちは去ることを前提に。


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私たちは、キャンピングカーを5日間レンタルした。

オーストラリアでは、中古のキャンピングカーや改造バンの

プライベート広告がいっぱい出回っていた。

家賃を節約して、キャンピングカーで大きいオーストラリアを

車泊して旅していくのである。

そんな滞在スタイルをあとで知ったからもうお金も時間もなく

ミニ旅行で我慢することにした。

きっと私たちには合っていた滞在&旅スタイルかもしれない。

いつの日かまた大地を旅するときは

キャンピングカーをすぐにでもレンタルしたい。


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パース近郊はイタリアみたいだった。

ブドウ畑が広がりイタリアのような農作物が多かったような気がする。

気候が似ていたのであろう。

移民したイタリア人が自分たちの知識を

ここオーストラリアに植え付けていったはずだ。

こうやってオーストラリアが産出もできて発展もして

彼ら移民たちの力はオーストラリアにとって

なくてはならないかけがえのない人手だったのだ。

ただイタリアとどこが違うって、丘のない平野なイタリアが

オーストラリア南西部のパース近郊なのである。

誰もいない道、ときどき動物注意の標識だけが

大自然への道標だった。

あっ、あそこにカンガルーの群れがのんびりしてるーっ!

わー、走った。

(いや、歩いた感じ?遅いけど跳ねていたw)


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私たちは、ひとまずキャラバンパークに向かった。

オーストラリアにいる広大な自然の中にいる動物たちを

大集合させたファームでもあった。

私たちのところに怖くなるほど人に慣れた動物たちがやってきた。

そこで私たちはオーストラリアにしかいない

コアラちゃんを抱っこすることができた。

爪が太く鋭くちょっと怖かった。

温かかった。

眠そうだったw

このコアラちゃんを抱っこするだけで、もうオーストラリア万歳だった。


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モコモコの羊ちゃんもいっぱいいた。

毛糸に使われちゃうみたいでスキンヘッドならぬスキンボディで

きょとんとこちらを向いているつぶらな瞳が愛おしかった。

お肉にもされちゃうようで、そこのファームでBBQができた。

そこでラム肉を焼くことにした。

この広大な土地に二人だけのBBQはなんだか寂しい。

友たちとワイワイシーンのノスタルジーに駆られた。

ワインは、オーストラリアの特徴に感じたどれも似た味のワインを

大自然の中で広大な土地を歩くジビエのような家畜と共に嗜めた。


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夜、大きな木の下にキャンピングカーを駐車して、寝る準備をした。

ソファーとダイニングテーブルがベッドに変身する。

床につくと急に静寂となるのが不思議だ。

静寂になって自分が無になった途端

小さな音がよく聞こえだすのも不思議である。

きっと暗闇になってからずっと続いている音なんだろう。

小動物が走り回る音がする。

外に出ると、リスのようなサルのようなイタチのような

速いタッチの動物が、止まっては走り走っては止まり

彼らの一日が始まったようであった。やれやれ。


見渡す限り草原の平野は、私たちがちっぽけに感じるどころか

動物たちが大集合しているでっかいファームだって小さく見えた。

こんな広大な大自然に立つと

地球ににポツンとのっかているような居させてもらっているような

自然との共存どころか自然に従わなくてはいけない

自由な奴隷のようであった。

そんなことを想いながら朝のカップチーノは最高だった。


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パースは、イタリアコミュニティーとイタリア気候風大平原

地方移民が築き上げたゆるいアーバンな街は

便利で住みやすい土地だった。

パースを離れ、私たちはクイーンズランド方面へ向かった。

残念そうに見送ってくれたシチリア人一家。

ごめんなさい

生まれ変わったときにまた出直してお会いしたいです。


後編上へつづく。



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