あぁ、神様よ、どうか私たちをお助けください。
地面に跪いて、手を合わせて、天を見つめる。
天からは、大粒の雨が、私の顔を叩きつけた。
雨と風は荒れまくり、庭の鉢はどんどん倒れていく。
どうしよう・・
あれ、お母さんが大切に育ててた花だ。
あれは、おばあちゃんが育ててるやつ。
どうしよう・・
台風は、バタバタと荒らしていく。
びしょ濡れになって、涙なんだか雨なんだかわからない。
鉢を起こしても起こしても、また倒れる。
どかしてもどかしても、まだまだいっぱいある鉢は移動しきれない。
とうとう諦めた。
天を見つめながら、祈ることにした。
ごめんね、お母さん。
ごめんね、おばあちゃん。
大切にしているお花、助けられなくてごめんね。
小学生のマキちゃんは
一人で台風を見守った。
怖かった・・窓の外では、風も雨も全てが横だった。
どうしても忘れられない、小学生の頃の思い出。
まだ覚えている、雨に濡れた感覚。
まだ覚えている、あの時見つめた天の色と大きな雫。
そんな過去は、今現在、風とともに雨が降るたびに
体から色とか冷たさを思い出す。
九月三十日の夏の名残たっぷりだった日に
リヴォルノ県の海で、海鮮ランチ後
砂浜の上で、伸びていたワタシ。
少年は、ビチョビチョ。
お母さんは、夏と冬、どっちが好き?
ボクは、夏が好き!
水と遊べるから!外で遊べるから!
翌日、久しぶりにどしゃ降りの雨が降った。
景色が、雨の粒で、白くなった。
寒い。
風も出てきた。
まずい。
そう思った瞬間、ザーザーと天から聞こえる雨粒が
カチン、コチンと叩きつける固形の粒に変わった。
今、雹が降っちゃダメー!
落ち込んだ矢先にすぐ止んだ。
ほっ。
かなりの間、ヴィンチの丘は、雨が降らず
九月の晴天が続き、乾燥していた。
毎日、毎日、観察している私のオリーブたちは
実が、カサカサ、シワシワしていた。
葉も、カサカサ、クルクルしていた。
あぁ、水分が足りないんだなー。
私にはどうするわけにもいかない。
灌漑設備がある農園は、人工的に調節しているであろう。
私は、なるべく自然の恵みと自然のチカラを活用したい。
私ができることは、樹に手を貸すこと
想いを寄せることしかできない。
しかし、そのソワソワした雨で
実は、ふっくら張りが出て
葉も、ぴーんと潤って。
こんなにすぐに水分の効果が出るなんて。
生き返った感じ。
ラクダみたいに水分を貯めて、少しずつ消費してるんだなぁ。
雨が降るたびに、季節が変わる。
夏から秋へ、秋から冬へ。
雨の翌日、照らす時間が減ったキラキラの太陽は
未来へ実ごもる植物たちに、栄養を与えていた。
ブドウの葉は、次への栄養を吸い込みながら老いていく。
オリーブたちは、収穫前の最後の栄養摂取。
色付きは、どんどん均一に成熟し
あと約二週間後の収穫を待つのみとなった。
ブドウの収穫もそうだけど
年々、収穫開始日が早まっている。
どれだけ温暖化が進んでいるかも
植物たちを育てているとよくわかる。
これから毎日緊張した日々を迎える
大地の住人ヴィンチの丘で
あぁ、神様よ、どうか私たちを見守りください。
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☆ お知らせ ☆
札幌・東京・沖縄で、イタリア/フィレンツェ在住お料理研究家&イタリア政府認定オリーブオイル鑑定士shinomaiさんの、オリーブオイル講座が開催されます。
そこで、ヴィンチの丘の地球と体に優しいオリーブオイルも参加させていただくこととなりました。
このブログを通して綴ってきた私のオリーブから生まれた私の息子たち=オリーブオイルを、是非この機会にご堪能なさって下さい。
我がふるさとニッポンで、正真正銘のオリーブオイルが拡がることを、微量ながらも心から応援いたします。
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