思春期青少年は
50ccのスクーターに乗り始めた。
私が、チャリでヴィンチの丘を動き回ることに
ギブアップしたから、買ったスクーターだ。
今は、思春期青少年の
ヴィンチの丘のいちいちの送迎に
私がギブアップしたから
スクーターの免許をとってもらうことに
家族会議で決めたのだった。
今の子は、本で勉強しない。
ネットのクイズをたくさんこなして覚える方法だ。
自動車学校も授業は人間だけれども
クイズは、PCでやるのだ。
授業は週2回、1時間ずつ。
出席率とか出席確認をするわけではない。
受ければ受けるほどいいというので
私たちが、送迎ができるときは
全部行っとけ!とほぼ毎回行かせた。
それも親はギブアップで
バスで帰ってきてもらったりしたこともある。
が、田舎暮らしは不便そのもの
調度いいバスがなかなかない。
「いつ試験をするのだ?聞いてこい!」
「ボクが決めるんじゃなくて
自動車学校が決めてくれるんだって。」
一ヶ月ぐらい経った頃であろうか
試験日を決めてくれた。
はじめの頃は、1時間でぴったり終わってきたけれど
行くにつれて、クイズにはまって
30分40分オーバーしていた。
家でも、授業のある日は
朝からスマフォでクイズをしまくっていた。
クイズの出来具合で、試験日を決めるのかな。
自動車学校だって、受かってほしいにきまってる。
私は日本で運転免許を取得した。
イタリアでは、来た当初は国際免許だったけれども
1年毎の更新なので
現夫とつきあうようになった頃
きっとイタリア在住が長くなるだろうと
こっちでイタリアの免許を取得したのだ。
私は、日本で運転免許の勉強をしているので
こっちの自動車学校には通わず
個人で勉強して個人で試験用の車を用意して
試験を受けたのだ。
私がこっちの運転免許を取りたいと思った年
日本の免許と交換する制度がなかった。
だから私は、教本とクイズ本で当時勉強しまくった。
免許の勉強というよりイタリア語の勉強だ。
試験は、外国人ということで口頭試験
と、通常の実技試験。
受かったときは嬉しかったな。
50ccの試験も
フィレンツェ郊外の運転免許センターでする。
私が個人で受けたときと同じところだ。
自動車学校にお金払ってるだけあって
きっちりオーガナイズしてくれて
グループで連れていってくれた。
親は自動車学校に送迎するだけだった。
平日の朝からだったので
本業の学校は欠席。。
電話がブドウ畑に響いた。
私はブドウ畑で、
ブドウの芽掻き作業をしているところであった。
思春期青少年だ。
「もしもし」と言った途端
「Idoneo!(受かったよ!)」
とても興奮している様子だった。
あぁそうか、試験に合格するというシチュエーション
初かもしれないね!
こんなことで一番に母に電話してきてくれるなんて。。
「おめでとう!良かったね。」
「いやーこれで自由に動ける!」
え、ちょっと待って。
まだ筆記試験だけじゃん。免許取れてないよ。
これから実技じゃん。
試験翌日の午後
自動車学校に仮免許(foglio rosa)を
受け取りに行った。
「マジで運転していいのか聞いてこい!」
現在は、町内とか市内での練習とかないそうだ。
ネットで調べても
地域も時間も制限はない。
強いて言えば、交通量の少ないところで、とはある。
保険も特に何もしなくていい
と自動車学校はいう。
でも、万が一のことを考えて
個人的に保険会社へ問い合わせた。
スクーターも保険も親名義なので
ベテラン扱いで設定されているところに
初心者も加えてもらうことにした。
その差額を払う。
想像していた額より全然少なかったので
ほ。
思春期青少年が幼少期の頃
確か、3歳とか4歳だったとおもう
補助輪付きの三輪車のこぎ方を教えた。
確か、5歳か6歳だったとおもう
補助輪をとって2輪の自転車の乗り方を教えた。
少年が中学生の頃の夏休み
自転車で一人で海に行った。
スマフォだけを頼って一人で行った。
あの時、後で一人で行ったことを知った。
ぎゃんぎゃん怒ろうとしたけど
少年の冒険がはじまった
と思ったりして、怒れなかった。
けど、注意はした。
友だちはいないのかときくと
「冒険できる友だちはいない」と言った。
とりあえず、ちゃんと帰ってきた。
思春期青少年は今、16歳。
私は、スクーターの運転を教えている。
まずは、ヴィンチ村の駐車場まで
次は、隣村のスーパーまで
その次は、サッカーの練習場まで
そして、ちょっと街よりの雑貨屋まで
徐々に距離をのばしたり、交通量があるところを
青少年がスクーターで前を走り
私は車でくっついていって様子をみた。
停まるごとに、ウインカーの出し方や
左の曲がり方を教えた。
自由に動けることが嬉しそうだった。
私も車を買ったときとっても嬉しかった。
一人で動けることが嬉しかった。
思春期青少年はもう、私の知らない世界にいる。
彼は想像を膨らませて幸せそうだ。
私もそんな彼を見ているだけで幸せだ。
そして私まで想像を膨らませて
自分の若かれし頃にタイムスリップしてしまう。
この夏は、友人Cのところに行くぞ!とはりきっている。
一緒にプールに行くんだ
Cのところでゲームをするんだ
一緒にサッカーの練習に行くんだ!
なんてことない望みだが、田舎暮らしには
常に親が送迎だった。
そして、我が思春期青少年は
やっと...やっと...
初めて兄弟のような親友に出会ったのである。
小さな村の子どもたちが
高校生になって、村の子以外と出会って
新たな発見がある。
毎日みていると変化に気づく。
思春期青少年がある日言った。
「Cと出会って300人以上の人と知り合った。
Cといると人がよってくるんだ。」
毎日、髪の毛のセットに時間をかけている。
自称、人気者なんだそうだw
スクーターの仮免で
学校までの中間地点よりちょっと先の
Cの住む町で集合し
CとCの幼馴染みが通う床屋に
三人で行ってきた思春期青少年。
Cはスクーターの免許を最近取得。
Cが教えてくれるんだと。
とりあえず、ちゃんと帰ってきた。
この夏、どんな夏になるのだろう。
実技の試験は、自動車学校いわく
筆記試験から三ヶ月後なんだそうだ。
すっかり夏休み中。
イタリアはあともう少しで長い夏休み。。。
今日のトレーラー。
今日の一曲。
Grazie di aver visitato!
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。
今週も素敵な一週間をお過ごしください。
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