大地の住人 ヴィンチの丘で

地球と体に優しいコト ~イタリアから~

フィレンツェの端っこレオナルド・ダ・ヴィンチのふるさとヴィンチの丘に在住。 大地の自然たちと向き合って地球と体に優しい様々なコト、発見・提案・発信!

Scacchiatura”スカッキアトゥーラという単語でGoogle検索すると、トマトのわき芽の除去作業がTop10に並ぶ。


Potatura Seccaポタトゥーラ セッカが冬のメインの剪定だとしたら、Potatura Verdeポタトゥーラ ヴェルデは芽が出て成長が止まる頃までの作業のことをいう。直訳すると緑の剪定という意。直訳の方がわかりやすいかもしれない。


ブドウの木のPotatura Verdeポタトゥーラ ヴェルデと呼ばれる作業の期間にはいくつかある。

Scacchiaturaスカッキアトゥーラ  むだ芽除去作業=芽掻き

Allacciaturaアッラッチャトゥーラ  棚の架線に縛ってあげる作業=誘引

Sfemminellaturaスフェンミネッラトゥーラ  二番芽除去作業=副梢掻き

Cimaturaチマトゥーラ  一番上の架線を超えた枝を処理する作業=摘心


その①番のScacchiaturaスカッキアトゥーラ(芽掻き)は、葡萄酒の質を良くするためにする。量より質である。

実が成る枝でも、位置的に邪魔であったり混み合っていたり下向きだったり・・・する枝は、残念ながら除去する。

ピョコピョコ実の成らない今年生まれた芽たちも栄養を吸い取ってしまうので、取り除く。

しかし、位置的に来年・再来年に使えそうな枝は今年実がつかなくても残しておく。その枝から芽の出る2年後の実に期待するのだ。

未来のことを考えずに全部除去してしまうと、適した形に留めることができなかったりする。(ブログ『ブドウの木の剪定Potatura delle Viti)

本来実の成る枝たちが、バランス良くそして未来の枝たちも残されたブドウの木は、病気になりにくく、適した樹形を保ち、質の良いブドウをつくりだす。

味だけではない。葡萄酒において大切な果実の皮の要素を十分に確保できる

特に農薬を使わないBIOビオ(Biologicoビオロージコの略=オーガニック)で栽培している農園は、こういうところに手間隙かけているはずである。
放ったらかしが
BIOなのではない。


Metodo Biodinamicoメートド ビオディナーミコ(バイオダイナミック農法)に従う農園は、Scacchiaturaスカッキアトゥーラ(芽掻き)45月のLuna Discendenteルーナ ディシェンデンテ(28日間のサイクルをする回帰運動中、天体の赤道から見て月が秋分点(下降)側の約14日間)に作業を行う。

この期間は、エネルギーが地下で活動するので、地上での作業・・特に剪定など植物に傷を伴う作業は、地上のエネルギー活動が少ない期間に行うことで、植物の傷への負担を少なくさせるという考えだ。

いやいや、人間だって同じことが言える。イタリアだったらどのカレンダーにも月のマークが記されている。我々の眼でも見える新月・上弦・満月・下弦の4つを参考にしながら活動するだけでも、いつの日か私たちの体調の違いに気が付くはずだ。

話は逸れたが、ポキポキ折れるピチピチ潤った生まれたばかりの枝は手でも折れるが、傷口を滑らかにするため、ちょっと大きい枝は先の尖ったハサミで切り取る。

根元のSelvaticoセルヴァーティコ(野生)の若芽たちも取り除く。

さらに・・・邪魔な草や畑の横にある大きな木の根が繁殖して生まれた若木も、我々の手でハサミを変えて取り除いてあげる。

どの作業も大変だが、ブドウの木の調和を”感”を使って仕上げるScacchiaturaは好きだ。


私がブドウの木に向かっている向こうでは少年がSovescioソヴェーショ(緑肥)Piselliピゼッリ(えんどう豆=グリーンピース)をおやつ代わりに食べている。
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実は小さいがプチプチと甘味があって美味しい。欲張って大きそうな実を食べると苦味がある。少年も気が付いたようだ。

そら豆は、その頃まだ実になっていなかった。花が咲いておりハチがたくさんいた。耳を澄ますとハチの音。

てんとう虫もたくさんいた。てんとう虫を見るとなぜかホッとする。
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そして、所々に穴を見つけた。
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Cacciatoreカッチャトーレ(狩人)と言ってもイノシシのみ狩をする農主が教えてくれた。

あの穴はイノシシの仕業で、たまにBietolaビエトラ(ふだん草)と間違えるような大きな緑色の葉を持ち一枚の花びらで黄色い柱の雌しべを持つ植物の根を食べるそうなのだ。
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へぇぇぇ。

虫や動物の集まるブドウ畑。

春の音や色を見ながら聞きながらのScacchiaturaは気持ちがいい。

今年は、変な日焼けをしないよう、長袖シャツに襟を立てて。



4月のLuna Discendenteルーナ ディシェンデンテ(28日間のサイクルをする回帰運動中、天体の赤道から見て月が秋分点(下降)側の約14日間:Metodo Biodinamicoメートド ビオディナーミコ(バイオダイナミック農法))にブドウの接木Innestoインネストが行われた。

このVignaヴィーニャ(ブドウ畑)は、4~5年前にブドウの苗木が植えられた若い畑だ。(ブログ『ブドウの苗木Barbatella』参照)

元気なブドウの木は、前年には実をつけ収穫もできた。そして、Forma di Allevamentoフォールマ ディ アッレヴァメント(育樹の形)ができるまでに成長した。(ここでは、トスカーナで一番適しているのではないかと思われるGuyotグヨーという名のFormaフォールマ(樹形)が使われていた。)

しかし、植えつけられた既に接木されたブドウの苗木から生まれてこなかった木もあった。台木(根がある部分)からSelvaticoセルヴァーティコと言われる接木された品種ではない野生のブドウが育っている。葉や茎ですぐわかる。

成功しなかった45年前に接木された苗木を、今回、再度、接木してみようという試みである。

しかし、どの農主もInnestoインネスト(接木)ができるわけではない。

Innestatoreインネスタトーレと呼ばれる接木師を雇うのである。

Innestatoreは、話によると・・・・・・・・とても儲かる職業だそうだ。(!)

Innestoインネスト(接木)が行われるぞ!と声を聞きつけて見物しにくる人もいる。

私もお手伝いの合間に、ちょっと見物。そう滅多に見れることではない。


Innestatoreインネスタトーレ(接木師)が来る数日前に、元気にSelvaticoセルヴァーティコ(野生)から芽が出ているブドウの木の周りの土を、上から一番目のNodoノード(節・こぶ)が見えるところまで、傷をつけないように掘る。今回これが一番大変な作業ではなかっただろうか・・・。
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それをしておくよう、Innestatoreは要求する。InnestatoreInnestoしかする気はない。コストにも関係する。

農主は、今年度の冬の剪定(Potatura Seccaポタトゥーラ セッカ)で、農主自ら選んだ枝の品種を保存していた。黒いビニール袋に入れ、冷蔵庫に入れたり温度管理をしていたそうだ。


芽をつけた20cmくらいに用意された接穂(接木の上になる品種の部分)が持ち運びやすいよう木箱に入れられ、Innestoインネスト・・ブドウの接木作業が始まった。
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木箱の接穂の品種はSangioveseサンジョヴェーゼ。
 

よく見ると、2タイプの接木方法が使われていた。

台木に差し込むタイプ。

接穂に差し込むタイプ。
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手早い作業でどんどん行われていく。

丘の上りに向かって作業をし、上まで着くと下まで歩いて戻ってくる。そして、隣の列でまた上りに向かって作業をしていく。ブドウの木からブドウの木へ移動してはしゃがんで作業をし、Innestoインネスト(接木)作業も容易ではない。


土の中のブドウの木を接木のために切った時、Piantoピアント(樹液の雫)が溢れてきた。(ブログ『ブドウの木の剪定Potatura delle Viti)

Innestatoreインネスタトーレ(接木師)は言う。

苗木を植えたり、土の中での接木作業は、冬のなごりの23月より春真盛りの4月を勧めるそうだ。なぜなら、土の中はまだ冷たいからなのだそうだ。

あのPiantoピアント(樹液の雫)が地上で起こるのは2月の終わり頃から3月。

この接木作業が行われた日の地上は、4月も半ばを過ぎた雨が一ヶ月降らない乾燥した陽の差す2023℃。土の中は、ひんやりした3月だったんだろう。

土の中が冷たいことくらい誰もが知っていることだが、無言な植物のしくみを調べていくと、こんなことがまた新たな学びの一つとなっていた。

きっと、あの樹液が”接ぎ”を良くするのではないかと期待する。

Calendario Lunareカレンダーリオ ルナーレ(月のカレンダー:Metodo Biodinamicoメートド ビオディナーミコ(バイオダイナミック農法))を見ると、Giorno di Radiceジョルノ ディ ラディーチェ(の日。地球の周りで恒星運動をしている12の星座中、Toroトーロ(牡牛座)Vergineヴェルジネ(乙女座)Capricornoカプリコールノ(山羊座)Radiceラディーチェ()に影響を与えるそうだ。地上の生体力では、Terraテッラ(大地)に値する。)の日であった。

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Innestatoreインネスタトーレ(接木師)が作業した後を追って、農園を手伝う者たちが、まず、支え木をブドウの木の横になるよう押しながら置き、粉々にされた土を接木された木の頭が隠れるまで山のようにかける。
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風で舞い上がった応援に駆けつけた近所の農夫の帽子。
服も軍手もボロボロな仕事着を身に着けているのに
こんなオシャレな帽子をまとって仕事をしている。ニクイ。
畑で見つけた鳥の羽なんだろう。

本当は、すぐに水をかけた方が良いらしいが、3日後の雨予報を信じ、農主は自然の力に任せた。

天気予報は当たり、雨が降った。

自然のスケジュールに合わせて、うまいこと日程が組めたことに感心する。



DSCN2280 picasaあっ、こんなところにも。

これも増殖法の一つである。ああやって土で覆うと根が出てくるそうだ。根が十分に出てきた頃にカット。

またどこかで柿の木が植えられる。

卯月(=苗植月の転)に差し掛かるLuna Discendenteルーナ ディシェンデンテ(28日間のサイクルをする回帰運動中、天体の赤道から見て月が秋分点側の約14日間)Giorno di Fruttoジョルノ ディ フルット(果実の日。地球の周りで恒星運動をしている12の星座中、Arieteアリエーテ(牡羊座)Leoneレオーネ(獅子座)Sagittarioサジッターリオ(射手座)Fruttoフルット(果実)に影響を与えるそうだ。地上の生体力では、Fuocoフオーコ()に値する。)に、ブドウの苗木Barbatellaバルバテッラが植えられた。


Barbatellaバルバテッラ(ブドウの苗木)は、Portainnestoポルタインネスト(根になる部:台木)Filosseraフィロッセラというブドウにしかつかない対敵アブラムシから避けるため、アメリカがオリジナルの台木を使用する。

そして、Innestoインネスト(実がつく部:接穂)は、Sangioveseサンジョヴェーゼなどの品種が接木される。

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苗木を仕立てる専門所では、室内で温度管理されているので、私がBarbatellaバルバテッラ(ブドウの苗木)を手にした時は、まだ眠った赤ちゃんのようであった。


大人のVitiヴィーティ(ブドウの木たち)は、急な春の到来で芽が覚めていた。
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寒さの残った3月から初夏のような気温で春が訪れると、突然寒さがまたやって来るのではないかと近所の農夫達は心配している。この先、収穫まで気が気でない。


Barbatellaバルバテッラ(ブドウの苗木)も芽が覚めれば、根の部分が膨らんで、自力で大地の栄養を吸い込む。
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30cmほどのBarbatellaの根の先を切り落とし・・・・・
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Metodo Biodinamicoメトド ビオディナーミコ(バイオダイナミック農法)Corno Letameコルノ レターメ(雌牛の糞を雌牛の角に詰め込み、土の中で寝かせたちょっとスピリチュアルな肥料)Botteボッテ()3437℃の湯にグルグルと回し混ぜ、その液体にBarbatellaの根を一晩漬けておく。

これをDinamizzareディナミッザーレ(「活力を与える」と辞書にある)と、彼らは呼んでいた。


大地には、Barbatellaの頭をちょこっと出し、根の部分は深々と植え付ける。

我々人生のように何十年も生きるブドウたちは、一度植わったら動かず黙って生きる。

作業のしやすいように、整列して植えられる。
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その後、実がつくのは、4~5年先である。


彼らがすぐに美味しい栄養が吸いつけるように、農主はSovescioソヴェーショ(緑肥:Favetteファヴェッテ(小さいソラマメ)Piselliピゼッリ(エンドウマメ)Orzoオルツォ(大麦)Senapeセナペ(カラシ)を農主は選んだ。実のなる前に刈り込み、細かく土を耕す時に混ぜ込む有機方法。)を秋口に蒔き、大地を肥やしていた。
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時が限定されつつ手間隙かけたバイオダイナミック農法のブドウの苗木の植え付け作業であった。

Potaturaポタトゥーラは、剪定の意。

Olivoオリーヴォは、1本のオリーブの木。Ulivoウリーヴォともいう。
複数で、
Oliviオリーヴィ=Uliviウリーヴィとなる。

ちなみに、Olivaオリーヴァは、オリーブの実のこと。複数で、Oliveオリーヴェとなる。


立春の土用は、冬から春へ向けての18日間をいうそうで、不安定な天候を繰り返しながら少しづつ季節が変わっていくとのこと。

土用の頃は、雨が降りやすく湿気が体の中にまでたまるそうだ・・。(マクロビオティック)

ここイタリアでも日本の四季と同様のことが窺える。


Potatura dell'Olivoポタトゥーラ デッロリーヴォ=オリーブの木の剪定は、そんな土用の頃(2月~3)がベストだそうだ。

元々オリーブの生まれ育った土地は、温暖な地中海性気候。

寒さに弱い植物だから、冬まっしぐらの頃より春の走りの土用の頃から、ぼちぼち始まるトスカーナのオリーブの木の剪定。

春を待ち望む芽たちが目覚める前に、リンパの流動の道標をつくるのが、剪定かもしれない。

しかし、この2月の雨続きには、参った。・・・滅入った。

合間を縫って、剪定の”気”に入るが、なかなか天候が許さない。

3月の今も雨で悩む。夜降って翌日晴れても、樹は濡れている。


オリーブの木にも、過去・現在・未来はあるが、ブドウの木とはまた違う。
(ブログ『ブドウの木の剪定Potatura delle Viti)

実をつけ果てた枝、実が成る枝、この枝から実をつけさせようと意図して残す未来の枝。


オリーブの木の場合、一本一本の細い枝が下へ伸びていき、たいてい2年目以降からの部に実が成る。

先っぽの葉がくっついている部分が2年目だったら、今年以降実が成る。落葉した部分にも芽が生まれると、そこからだって実が成る。

葉と枝の間にある芽は、実かもしれないし、枝かもしれない、あるいは眠り続ける怠け者かもしれない・・そうだ。
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まず、Polloneポッローネ(根の辺りから出る若枝)を剪定。

私は、農業講座の講師の教えに従い、この時期に剪定。

オリーブの木の剪定は、いろいろ考え方や方法があり、農園・剪定士に依っては、かなり違ってくる。

Polloneポッローネを残すといつの日か木になる。

そう、オリーブの木を放ったらかしにしておくと、オリーブの森ができあがる。

そのPolloneポッローネは、オリーブの木の状態や空間をみて、独り立ちさせることがある。
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オリーブの木の剪定は、上から始めるのがコツだそうだ。

Succhioneスッキオーネという若枝は、幹や枝のアチコチから生まれ上へ上へと伸び、栄養素を吸い取ってしまう若枝。その若僧の枝を剪定する。

幹の天辺のSucchioneスッキオーネを短めに残し、リンパの方向を位置づける。

Succhioneスッキオーネも2年目には実をつける。

状況(形や空間)をみて、ある若僧を残し、実の成る一人前に育てあげることもある。
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幹の辺りの空間は風通しが良くなるように。

夏のオリーブの木の下は、調度良いパラソルとなる。まさに地中海のイメージではなかろうか。


オリーブの葉は、たくさんの光を浴びて、オイルとなる実の葉緑素をつくる。葉が残るように剪定する。

たまにバッサリ剪定されている木を見かけることがあるであろう。病気になった木などの治療剪定であろうかと思う。


私は、剪定の”気”が、芽の目覚める前に完了できることを祈る。
今月の
Luna DiscendenteDSCN1902 picasa ldルーナ ディシェンデンテは31630日の15日間。(バイオダイナミック)


そして、この滅入る雨続きの湿気と暖冬で、オリーブに対敵の虫たちがぬくぬくと眠っているのではないかと心配である・・・・・・・・・。



二月の満月、少年は満9歳になった。

一年の間のボクが生まれた日。

少年は、9年目のボクが生まれた日に『時間』を望んだ。

この『時間』とは、少年がプログラムした父と母と共にする時間であった。

「ボクたちの村、VINCIヴィンチに行こう!

家から村まで・・そして村中を散歩した。

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その後、マウンテンバイクでブドウ畑をクロス。

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夜、母と一緒に床に着く。少年の頭を手櫛のように撫でる。

少年は、うとうと寝入る。

彼の『時間』は過ぎていく。

今日こそ一日が短く感じたのではなかろうか。

9年の人生を追う少年は、『大切な時間』の意義がわかったかもしれない。

いや、知っていたのかもしれない。大人の私が忘れていたのかもしれない。

私も少年と新たに『時間』を学んだ。

ありがとう、少年。
おめでとう、少年。

イタリアは・・・トスカーナは(にしておこう)、暖冬。

3月8日のFesta della donnaフェスタ デッラ ドンナ(女子の日とでも呼ぼうか)の頃、Mimosaミモーザ(ミモザ。黄色い小さなボンボンの花がつく樹)が満開となり、季節を感じるはずなのに、1月にはあちらこちらで見かけられた。2月半ばの今、枯れがちのMimosa


ブドウの木は、12月に落葉が完了する。

地下の根がエネルギーを蓄え、地上の木は休眠する。(ブログ『ブドウの木の紅葉』にて。)

そんな12月の半ば頃から、ぼちぼちと剪定が始まる。

イタリア語で剪定をPotaturaポタトゥーラという。ブドウの木をViteヴィーテ、複数はVitiヴィーティという。

バイオダイナミック農法だとLuna Discendenteルーナ ディシェンデンテDSCN1902 picasa ld(28日間のサイクルをする回帰運動中、天体の赤道から見て月が秋分点側の約14日間)に剪定を行う。なぜなら、この期間は地下にエネルギーが集中するようで、地上で行われている剪定による傷の影響が少ないからだそうだ。

しかし、大きな農園では、1ヶ月中約2週間ポッキリの期間なぞ従ってはいられない。人間の予定でザックザック剪定していく。そして病気になったら薬で治す。経済のサイクルとでもいいたい。


ブドウの木も私たちの体のようにリンパが流れている。

木がカーブしたところや先端にリンパが溜まりやすいようで、元気な枝が生まれやすい。

全体を元気にさせるには、リンパの溜まりやすい所を、スムーズに通るようにしてあげる。

ブドウの木は、上へ上へ伸びる性質があるので、枝を支える3本のひもの一番下(H.6080cm)に合わせるように調整する。(この低い形は、トスカーナに多い形だそうだ。)

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昨年ブドウを実らせた枝、今年ブドウを実らせる枝、来年ブドウを実らせるだろうつぼみ、そして再来年ブドウを実らせるかもしれないつぼみを見定めていく。

私は、この過去・現在・未来を考えながら進めていく剪定は好きだ。どこか人生と似ているような。

弱ってきた木からヒョッコリ生まれてきた枝を親にして、長老を剪定する。


剪定は、常に枝を更新し、病気になりにくい位置や形に仕上げるためにする。

枝と枝が近過ぎると、枝・葉・実が込み合って、空気の通りが悪くなる。

一本の枝から2房実が成る。できたら一本の木には、8~10房の実が成るようにする。

しかし、どのつぼみからも芽が出るわけではではない。

芽が出てきたら、今度は間引き作業をして、実が育ちやすい環境をつくってあげるのである。


ブドウの木は、必ず接木をされた苗木を植えつける。根の部分からも次第に芽が出て成長してしまう。長い枝となり、本来のブドウの木の邪魔となる。それも私たちの手で切り除いていく。


生まれたての枝の間引き作業の時は、ポキポキと手で折れるほど柔らかいが、実をつけ一仕事終えた枝は固い。

スイス製のFelcoフェルコというメーカーのハサミでも、私の握力では長く続かない。手が痛くなる。

今回はラッキーにも電動のハサミをお借りすることができた。多少重いが、力を入れないで切れると、私の手は長続きする。

剪定で起こりやすい上腕腱鞘炎にも気を付けなくてはいけない。

そこでバイオダイナミック農法に従ってやると、Luna Ascendenteルーナ アシェンデンテ(前述のLuna Discendenteルーナ ディシェンデンテの反対で、月が春分点側の約14日間)では、別の作業となり腕が休まる。自然のサイクルで体も労わりたい。


春の陽気に近づく芽の出る23週間前、ブドウの木は、リンパの流動が活発となり、溢れんばかりの樹液が流れ出す。

これをPiantoピアント(植物の意は「樹液の滴」だが、「涙/泣くこと」が本来の意)とイタリア語で呼ぶ。

私もそんなことを知るまで、そんなタイミングに近づいて観察することもなかったが、剪定を習って身近となり観察してみると、本当に涙を流しているようにポタポタと垂れている。

春を喜んでいるような。


樹液の流動が活発となり、樹体が潤った頃、キュッキュッと滑らかなカーブをつくりながらひもに縛りつけ固定する作業が始まる。これをLegaturaレガトゥーラ(縛ること)という。

私は、Leonardo Da Vinciレオナルド・ダ・ヴィンチが生まれ育ったVinciヴィンチ村から2Kmもしない丘の上に住んでいる。

我が家から見渡す景色は最高だ。ブドウ畑、オリーブ畑、小さな街々、Pistoiaピストイア(トスカーナ州の一県名)の山、Luccaルッカ(トスカーナ州の一県名)の山、そしてVinciヴィンチの山Montalbanoモンタルバーノ(山の名称、ピストイア県とフィレンツェ県の境界の山)が見渡せる。


息子の成長を思い出しながら逆算すると、2011年の夏、特に8月後半、猛暑だったイタリア。人込みの海を避け、我々は、我が家から見渡せる山の頂上へ行こう!と、その年から家族で散歩を上回るトレッキングが始まった。少年も自分の足で大地を歩き始めた。


トレッキングは、歩きながら自然を観察し、歩きに歩いたその先はガラッと景色が変わる楽しさ。耳を欹て、音を聞く。光にも敏感になる。


2014年、雨降りばかりで山にも海にも行く気の起こらない夏、Vinciヴィンチの山、Montalbanoモンタルバーノ(山の名称)Sentieroセンティエーロ(山野内の小道)を試すことにした。

3分で行ける森。3分で着く山。

こんな近くにPistoiaピストイア級の森があるなんて。

小川もあればPiccolo Mulinoピッコロ ムリーノ(むか~し昔の洞窟のような水車小屋)までもある。古そうだ。

Vinciヴィンチの新たな発見をし、家族で魅了した。
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またしても雨が降り、Mulinoムリーノで雨宿り。雫でキラキラ光る森を眺める家族。
≪スケッチ
:オバタマキ≫


そして2016年に入り、AssociazioneMontalbanoDomaniアッソチャッチオーネ モンタルバーノ ドマーニ(モンタルバーノ山を守る会)が企画したPasseggiataパッセッジャータ(ハイキング)Pranzoプランツォ(ランチ)に家族で参加した。

想像を絶する我々のような目的の人々がゾロゾロと集まった。

Comune di Vinciコムーネ ディ ヴィンチ(ヴィンチ地方自治体)からも直々に応援されている為、自治体役員らも参加していた。

道標のない道をAssociazioneアッソチャッチオーネ(協会)のリーダーを先頭に歩いていく。

オリーブ畑を横切ったと思ったら森へ入り、森を抜けると山から見渡す景色。また木々の間へ行き下っていくと、小川にぶつかる。その小川の石の上を歩き渡っていく。

その光景の変化が実に楽しい。
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時に、マウンテンバイクのグループとすれ違う。

ふわぁ~んと鼻に、覚えのあるような香りが入ってくる。Mortellaモルテッラ(セイヨウツゲもしくはボックスウッド)というそうだ。Erboristeriaエルボリステリア(薬草専門店)の独特な香りに似ている。
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Pranzoプランツォ(ランチ)したところもまた眺めのいいところに立地し、地域の畑で収穫された旬の野菜を使ったメニューが並んだ。
 AziendaAgricolaアジエンダ アグリーコラ【IlCerretino】イル チェッレティーノ*Ristorazioneリストラッツィオーネ【L'ORTOA TAVOLA】オルト ア ターヴォラ


Associazioneアッソチャッチオーネ(協会)のグループは、Montalbanoモンタルバーノ(山の名称)をキレイに保ち、たくさんの人々に歴史あるVinciヴィンチの山を紹介していくことが目的だそうだ。

私たちも会員となり、Vinciの山、Montalbanoを発見したいと思う。

秋が終わる冬のはしり、イタリアは霧で覆われた。

先が見えず、希望を失うかのような光景だ。毎日続くと不満な気分に駆られる。風が少しでも吹けば、フ~と取り払うのに。

霧が取れ始めた先の見える景色がこんなに嬉しいなんて。


雨が一ヶ月降らず、スモッグ注意報が街では出ていた。

地上と表面は湿気ていても、地下の水分が足りない植物は元気がない。水を与えた鉢植え植物もあったほどだ。


暖冬。北風が吹かない。北の雪も無いそうだ。


そして急に来る冷たい空気。

それでも太陽さえ顔を出していれば、外気温と裏腹に陽気になる。


四季のある土地は、四季の自然と共存している。

四季が乱れると、自然も我々もサイクルが狂う。

それでも旬で冬を過ごす。

私たちの意識で自然のサイクルを守ろう。


体を温め、老廃物の排泄を助ける根菜。

粘膜を強くするビタミンA、緑黄色野菜。

免疫力を高めるレクチン、豆類。

抵抗力を高めるビタミンC、みかん類。

腎を労わる塩系食材、味噌や醤油・わかめやカキの海産物(マクロビオティック理論)


どれも冬のメニューに欠かせない。

夏には厳しいホカホカのスープものが我が家の食卓によく並ぶ。

そして、ビタミンC たっぷり旬なフルーツ、オレンジは、毎朝のSpremuta d'Aranciaスプレムータ ダランチャ(フレッシュオレンジジュース)で摂取。

少年にも教え込む。
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押せばグルグル回って簡単に絞れる機械は、少年にも楽しい。


身体の予防ケア。

口を開けて睡眠をした後と外出後の帰宅時のうがい。

私は予防に、毎朝塩水で口の中とのどをゆすぐ。
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グラス:Makici=オバタマキ作、陶スプーン:Tamami Azuma作≫


何をしても手を洗うことは日本人の習慣であるが、イタリア人で手を洗う習慣を持つ人は少ない。

公共の場に出向いた日には、シャワーで体も頭も洗って菌を取り払う。イタリア人で体を洗う習慣を持つ人は無いに等しい。一週間に12度程度。


鼻をかむ。

粘膜に着いた菌を取ってあげる。

子供がなかなか覚えない。塩水スプレーで鼻の中を消毒する。

鼻水や咳・たんが出てきたら、膜を張ってしまう乳製品は避ける。

イタリア人は物凄い音を立てて鼻をかんでいる。これは真似できない。が!、音が出ると、私もイタリア体質になってきたか・・と思ってみる。


換気をする。

室内は私たちの体内と同じ。外の質の良い空気を取り入れ循環させる。

室内は、暖房機から発する気体や湿度で空気の質が悪化する。乾燥した家なのにポツポツとカビのようなシミまで壁に出てくる。

外は植物や動物の呼吸の循環で質の良い空気を保っているが、私たちの手でつくり上げる家は、私たちの手で管理をしないと、私たちの体にまで影響してくる。

室内も体内も旬の深呼吸をしよう。


冬は閉蔵の時期で春に備える季節。汗をかかないほどほどの動きにして、おとなしく過ごした方が良さそうだ。旬に逆らい冬に無理をすると、せっかく暖かくなって活動したい春に調子が崩れるそうだ。(マクロビオティック理論)


寿命の長い植物の冬は、根にエネルギーを蓄える。ブログ『ブドウの木の紅葉』にて。≫

春に近づく冬のなごり、月に左右されるリンパの流れを見計らって剪定する。(バイオダイナミック法)

私たちの体も植物と同じようだ。

欲張らず、旬に従おう。

2016年も正月を迎えた。

大晦日と元旦を境とする零時は、唯一世界が一つとなって祝うひとときではなかろうか。私も世界の人々のように新年を祝った。


ここイタリアにいたって正月気分を味わいたい。

友人から、もち米や根菜を分けてもらい、我が家も「お雑煮」でお正月。

もち米を洗って浸して普通に炊き、ステンレスのボールの中で濡らしたすりこき棒でペッタンペッタン。
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この手の作業は少年にもできる。

餅を丸める作業だって少年にもできる。しかし、その場で醤油をつけて食べている。つまみ食いが少年には幸せそうである。
 

時間の経った風味の抜けた海苔だが、あればいい。贅沢は言わない、ソフト削りの鰹節と合わせる。

あ~~~美味しっ。肩の力が抜ける。イタリアだって日本の味がつくれる。私次第だ。
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自家製の餅は、歯でち切れるしのび過ぎず、子供も日本人以外でもイケる。少年は、餅に負け一緒に野菜や根菜も食べていた。

多めにつくった餅は、おやつにとっておく。

くっつかないようにFecola di Patateフェーコラ ディ パターテ(片栗粉)をまぶし、乾燥しないようラップ保存。(冷凍保存も可能)

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餅があるなら餡をつくる。

小豆を洗って浸して茹でてこぼし、再度茹で、砂糖(私はZucchero di Cannaズッケロ ディ カンナ(キビ砂糖)を使用。)を加え、いいところまで煮詰めていく。

餅をちょっと焼いて、なんと贅沢なおやつ「ぜんざい」の出来上がり。
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器:工房Coccirino/TamamiAzuma作≫


多めにつくった餡も、おやつとなる。
(冷凍保存可能)

正月中、「大福」もこしらえ、福を迎える。
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日本にいたら大福をつくるなんて考えもしないが、こちらにいると自分が食べたいがうえに何でも挑戦する。自家製は、とても柔らかく軽い大福が出来上がるものだ。何個でもイケる
(!)
 

そして、七草粥・・・実家では、お雑煮の最終日で、餅と七草の「ハーブ雑煮」で正月を閉める。

大地の七草・・・Bietolaビエトラ(ふだん草)Borragineボッラージネ(ボラジ)Cima di Rapeチーマ ディ ラーペ(カブの葉)Rucolaルーコラ、わさび菜、みず菜、白菜、ネギ・・・と庭のハーブを摘む。
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自家製の餅で消化に良く、自生のハーブで体を労わる。
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こうして我が家のまったり餅正月は過ぎていった。
 

Italo-Giapponeseイタロ・ジャッポネーゼ(イタリアと日本のハーフ)の少年も正月に餅を食べる習慣が見につくであろうか。
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・・・全て母次第である・・・。


今年も一年をまとめる頃が来た。私は、12月となると一年を振り返る。


文章にすると・・・人に伝えようとすると、とてもよく考えるしよくまとまる。人に伝えるには、ポジティブな考え方や言い回しでなくてはいけない。そうすると、日々の生活も必然的にポジティブとなる。とても効果的だ。

イタリアに住む私は、新年の年賀状というより年末のクリスマスカードを一年のまとめとして送っている。


イタリアの郵便事情は相変わらず時間にルーズ。クリスマスの2週間前には投函するように心がけているが、いつ届いているかはわからない。


切手代が値上がりして数年経つ。

201512月現在、封筒に入ったカード一枚日本まで2.20ユーロ(1ユーロ=140円換算だと、なんと308!)、ヨーロッパまで1ユーロ、イタリア国内で0.95ユーロである。


どんなに値上がりしても手元に届く手紙の良さは続けたい。

写真とまとめ文章がカードとなっていると、自分でも手にとって眺めることがある。カードが立てられるように、A5サイズを二つに折って一枚にしている。
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電子メールが発達して手紙を送ることが少なくなっている中、こだわりの切手はまだまだ楽しさを魅了する。
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ネットで2015年版の記念切手をチェックし、地域の大きい郵便局に行って購入する。選ぶ側も楽しいし、きっと受け取る側も嬉しいだろうと期待する。切手代が高い分、複数の切手が貼れる。


私はある時からずっと、日本行きの封筒にはGIAPPONEジャッポーネ(日本)とイタリアの郵便局員が仕分けし易いように宛先の国名だけイタリア語で書き、日本の郵便局員が仕分けし易いように宛先の住所と名前は日本語で書いている。
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それでも毎年届いている。

いつだか中国人がそう投函しているのを見たことがあるからである。

確かに、日本に着いてしまえば、ローマ字より漢字の方がいいに決まっている。差出人私の住むイタリアの住所は勿論イタリア語で記入。


私の日本には、家族もなければ実家もない、帰国する理由も減っていき、なかなかふるさとへ行くこともなくなってしまったが、それでも数年振りに帰ると皆が私を迎えてくれる。息子までも迎えてくれる。きっと、毎年届く手紙(カード)が距離を結んでいるのかもしれない・・と私は想う。


2015年も遠くにいる友を想いながら一年を振り返る。

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