大地の住人 ヴィンチの丘で

地球と体に優しいコト ~イタリアから~

フィレンツェの端っこレオナルド・ダ・ヴィンチのふるさとヴィンチの丘に在住。 大地の自然たちと向き合って地球と体に優しい様々なコト、発見・提案・発信!

カテゴリ:オリーブ OLIVI > Olive Oil

IMG_2402

ブドウとオリーブ栽培を
ヨーロッパ基金を使ってトスカーナ州主催の
農業士養成講座の最終試験が
2014年の初夏だった。

その前からぼちぼち
近所の農園のブドウの収穫の手伝いや
自分チのオリーブでオリーブオイルを
搾りだしたりと
興味を持たずにはいられなかった。
そんなところに住んでいる。

小さな息子を連れ歩いて
講座を受けたり、農園の畑仕事を手伝った。
目の前にある資源でしか
私は働けなかった。
そのぐらいの能力しかなかった。

でも日本人で
イタリア文化のブドウやオリーブ栽培を
無料で学ばせてくれたこと
最終試験に合格できてスキル証書も
いただけたことが誇りにおもえるようになった。

経験を積めば積むほど
興味を持てば持つほど
知識や情報が増えていった。
こだわりさえもうまれた。

それと、有機栽培、バイオダイナミック農法で
造っている農園と最初から出会ったことが
作物への労わりの気持ち
自然との共存の認識が
ただ自然が好きという以上に
自分化していった。

IMG_2422

この十年間、気候が著しく変わった。
身にもって感じるほどだ。

2014年の9月、トルネードが
ヴィンチを襲った。
家も車もボコボコにした直径8㎝大の雹が
黒い空からいっぱい落ちてきた。
ブドウの収穫をしている最中の農園は
血だらけになる作業員もいた。
まだまだこれから収穫する農園は
あっという間にブドウが消えた。

オリーブもボトボト落ちていく上に
そういう急激な冷たい石にあたって
オリーブの木が病気になっていく畑が
ほとんどだった。

嵐のあと48時間以内に消毒液を散布しなくては
その病気を防げないが
オリーブの木にまで気に掛ける余裕は
ヴィンチ住人には少なかっただろう。

私が早速管理しはじめたオリーブ畑は
ご近所の農園が散布していたので
ついでに、お願いして散布してもらった。
オリーブの実はないのに。

そのあと、剪定で対応できるところは
剪定でゆっくりゆっくり治していった。

寒波が三月にやってきた年が
この十年で二回もあった。

寒波にやられたブドウの芽は
樹液を凍らせパリパリに枯らした様は
ミイラのようで異様だった。

寒波に耐えられなかったオリーブの木だって
私は目の当たりにした。

もしくは、10月の温暖で
オリーブミバエが大量発生というか
一気に産卵しまくった年。

毎年の猛暑。

毎年、干ばつだったり大雨だったり。

IMG_2424

2023年のヴィンチのオリーブは
凶作に終わった。

トルネードに襲われて
オリーブが落ちたのではない。

去年、十年間ではじめて大豊作だった
ヴィンチのオリーブ。

そこで生まれた種たちは
未来を指令した。
エネルギーの消費を控えろ。

私たちのことではない。
オリーブの木自身でコントロールしているのだ。

私が管理しはじめた畑では
化学肥料を与えない。
刈った草や落ちた葉が
彼らの肥料だ。
猛暑や干ばつで地面が割れ
そこに恵みの雨が入っていく。

木は自力で養分を探しにいく。

虫たちと共存し
生まれ食べられ
土に排出したり還っていく。

こんな方法が有機栽培だったりするとおもう。

だから、私が管理したオリーブの木々は
この十年間で、身体が洗われたはずだ。

抗体をもち、治癒力が身についたはずだ。

私ができることは、剪定をして
日の当たりや風通しをよくすることだった。

IMG_2405

私は、こういう実は貴重な体験を
SNSで写真を、文章でブログを
どこかの誰かが参考になるかな、とか
ヴィンチの四季の色は私の癒し
シェアしたいと想い
記録として残しはじめた。

すると、興味を持ってくださる方がいた。
世界から多言語で声援のコメントをいただいた。

私がこだわるオリーブオイルに
興味を持ってお声掛けしてくださることも
増えてきた。

はじめのうち、友たちに味わってもらっていた。

リクエストが増えることで
私の管理している畑だけでは
賄えなくなってきたこと
私がいちいち全部勉強しなくても
正式に日本へ輸出する方法は
日本行きオリーブオイルの監修を
ヴィンチの農園にかってでて
日本の輸入業者さんに依頼することだった。

ヴィンチの農園は、日本行きには嬉しいけれど
私がオリーブの栽培や収穫方法、搾油所を指定
フィルターの指示、瓶詰、キャップ、汚れ、梱包
さらにはラベルデザインまでオリジナル
それはそれはうるさくて面倒な
日本人だったとおもう。

日本の、オリーブオイルを専門に
輸入されている業者さんは
パンチが強すぎて、値段が高い
トスカーナのオリーブオイルは
日本では人気がない
と散々言われ続けた。

トスカーナ独特のオリーブの品種は
変えられない。
収獲日を遅らせることで
苦味を抑える方法を試みていた。
が、
オリーブオイル文化ではない日本人の舌に合う
後味の辛味が抑えられた
シチリア産やプーリア産のような
オリーブオイルにはいかない。
むしろそうなってはいけないし
トスカーナのオリーブオイルは
トスカーナ料理にあった
苦味と辛味が必要なのだ。

そしてさらには、ロシア戦争で
石油を筆頭に何もかも値上がりしたこと
生産側も同価格では生産できなくなってしまった
輸入側も何倍もの空輸代の高騰で元が取れない。
困った。。。

FullSizeRender

近年の異常気象で
農作物の生産が安定しないこと

生産・送料の値上がり

今後のトスカーナオリーブオイルを
正式にご紹介していく自信がなくなってきた。

2023年のヴィンチのオリーブオイルは
オリーブの凶作で、断念することを決意した。

だいぶ日本風に慣れてきたA農園に連絡すると
多少のオリーブは生産できているということだった。
私は、日本の輸入業者が懸念していたので
オリーブオイルの監修を追っていなかったが
やっぱり監修をしていないと
自分たちの搾油所で搾油してもらう
ということだった。

そこの搾油所はヴィンチでも大きく
搾油量を重視する傾向にあるので
搾油時の温度が高い。

私にとって、搾油機はとても重要だ。
いかに成分たっぷりで濃厚なオリーブオイルを
高品質に抽出するには
ソフトに攪拌して
低温でオイルを抽出し
高性能に水分と油分を分ける
できたら、すぐにフィルターにかけ
劣化成分を即除去することなのだ。

DSC08303

今年は、我が家のオリーブは
B農園と混ぜてもらうことにしたので
そのB農園のはたまた別の
丘の上にある搾油所で搾油してもらった。
が、私が指定する搾油所ではない。
何℃で搾られているかも
どんな機械かもわからない。
でも昨年その搾油所で搾油して
ローカルな範囲でのオリーブオイルコンテストで
このB農園は優勝したみたいなので
上手に絞ってくれるのだろう
そのぐらいの信用だった。

我が家に持って帰ってきたオリーブオイルを
プロがやる風に生で試飲する。

ん?
香りはまぁある。
口にふくんだときの苦味はあるけど
辛味が足りない!
後にも、のど越しの辛味が残らない。
どちらかというと、こういうのを
日本のオリーブオイル輸入業者に求められていた
日本人嗜好なのかもしれない。
でも、トスカーナらしさはちっともない。

今年のオリーブがそうなのか
私の愛用搾油所ではないからなのか
よくわからない。
けど、異常気象だったオリーブのストレス具合
だとしたら、わかる気がする。

DSC06359

つきまして、繰り返しますが2023年収穫の
ヴィンチのオリーブオイルは
残念ながら、ご紹介することを断念いたしました。

以後の予定は未定ですので
引き続き、ゆるりと発信しているブログやSNSを
チェックしていただけると幸いです。



Grazie di aver visitato!
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。
今週も素敵な一週間をお過ごしください。




人気ブログランキング

にほんブログ村 海外生活ブログ ヨーロッパ情報へ
にほんブログ村

DSC08361

同僚が「マキってこんなことができるらしいよ!」と
私より自慢げに向こうの方で話している。

その話を興味津々に耳を傾けているそのまた同僚たちは
私の方をチラチラみて、私にもよろしく!とジェスチャーをしている。

私のマネージャーを勝手にしている同僚は
「マキ、もっとアピールしなきゃ!」などという。

いやいや、場が違うだろ!とつっこんだが
イタリア人にしてみれば職場の他愛もないおしゃべりは
手を動かしていれば別にいいようだ。
私は何をしてても集中型なので二つのことを同時にするなんて
いつまでたっても身につかない。

そうこうしている内に話は広がって
おもってもいなかった注文が入ってきた。

初回ぐらいはシンプルだけど素敵に包装して
日本語が入っている袋に入れて手渡した。
そういうことをして、わーっと喜ぶ人とノーコメントな人がいる。
そんなリアクションをみるのも私は楽しんだ。

なんで日本人の私が
イタリアの古来のレシピをイタリア人につくるんだ?
自分でつくればいいのに。。。レシピ教えるよ。と言っても
そうだ、冒険を得意としない彼女たちは買う方が早い。
手作りな生活なんて仕事にかまけてして面倒くさぁ~い!

まぁいいさ、こんなことで私はひとのためになるのだったら
嬉しいじゃないか。
学んだこともためになったんだし
手作り生活を心がけてきた甲斐があったじゃないか。
むしろ存在感とか生きてる感が味わえて
こっちがありがとう!だ。
些細なことでも一生懸命やることは
無言で私をアピールすることだ。

DSC08303

クリームを詰めるガラス瓶も調達しに行った。

一番小さい瓶は、30g強詰められる。
その次に大きい瓶は、100g詰められる。

初めのお試し用や携帯用は、30g瓶がいい。
これをいっぱい買うことにした。

DSC04281

私はせっせとガレノスコールドクリームをつくった。

日本語名ガレノスコールドクリームとは
イタリアでは、Cold Cream di Galeno とか
Ceratum Galeni と呼ばれている。
はたまたミツロウクリームというのも日本語で聞いたことがある。

今からおよそ2千年前の古代ローマで活躍したGalenoガレーノ博士
アルケミーを基本に薬剤なども熱心だった医学者が発明した
極まってシンプルなクリームだ。

そんな時代からオリーブオイルとは
体にも肌にも良いと知られていたなんて。

そんな時代からブンブン飛んでる可愛いハチたちの
ハチミツやミツロウが体にも肌にも良いと知られていたなんて。

私が参加した地域のG.A.S.(Gruppo Acquisto Solidale)主催
ガレノスコールドクリームつくりのワークショップで
説明してくれた自家製自然派化粧品愛好家の方は
私たちがいちいち「へー!」「マジ?!」と驚くもんだから
得意げにクリームの効能を教えてくれた。

2千年前、そのクリームが発明されたとき
傷口に塗るだけではなく
骨折の骨と骨の繋ぎにもクリームを塗りこんでいたそうな。

ミツバチの凄さをそんな時代から見抜いて
そんなに大胆に使っていたなんて。
今や気候変動や空気も水も汚染され、ハチがいなくなっちゃうかも。。
と危機を騒がれているっていうのに。

ミツバチたちがこの世からいなくなったら
わたしたち人類も生きていけなくなるともいわれ
ミツバチを守ろうとする団体があちこちで活動している。

その小さな体のミツバチが全身で創り出すミツロウにも
たくさんの成分が含まれている。

私は、成分たっぷりの無精製のミツロウを使う。

オリーブオイルは、どのオイルよりも一番ヒトの肌にあうそうだ。

このコールドクリームの特徴は
ミツロウとオリーブオイルと、水分を加えてゆるくする
油分と水分の結合にある。

ガレーノ博士のオリジナルレシピでは
水分のところはバラの水を使っていたそうだ。
が、私はワークショップで教えてもらったように
アイロンなんかで使う無成分の蒸留水
(Acqua distillata)を使う。

どのサイトをみても、オリーブオイル石鹸より適当で
クリームのゆるい感覚はお好みのようだ。

例えば、そのワークショップでは
オリーブオイル(去年のでもOK) 60g
ミツロウ 20g
蒸留水 20g
と分かりやすく教えてくれた。

あとは、自分でミツロウを12gにしたり
蒸留水を減らして、ハチミツを加えたり。

ワークショップでは
オリーブオイルにミツロウをいれて、湯煎で溶かす。
別で蒸留水を湯煎で温めて、少しずつ加えていく。
けど、私は全部入れちゃう。

油分と水分で分離するので
ひたすら泡立て器でかき混ぜる。

蒸留水を入れきったら
湯煎から外して、ひたすらかき混ぜる。

冷えてくると、ミツロウがミツロウに戻ってくる。
で、出来上がり。だが、固まると容器に入れにくいので
また湯煎につけて、溶けたら瓶に詰める。
この時点では、油分と水分は混ざりあっているので
かき混ぜなくても大丈夫。

DSC08361 nome

このガレノスコールドクリームは
そういうわけで、とっても効果があって
唇、顔、手、足などの肌の荒れ
小さな傷口、乾燥肌
乾燥した日の目元のしわなんかにも効果がある。

で、肌荒れ中、毎日つけてれば
しだいに、2~3日で治ってることが多いので
私は、少しずつつくっている。

だんだん要領がわかってくれば
つくったクリームをほんのちょっとさらに小さな容器に移して
すぅすぅするユーカリのエッセンシャルオイルを垂らして
ぐるぐる混ぜれば、鼻詰まりの時なんかにも使えちゃう。

私は、突然首の回りやお腹の回りが痒くなる。
そんな時、自家製カレンデュラオイルを加えて
ぐるぐる混ぜて、炎症のあるところに使っている。
効く、効く。

。。と用途が広がり、万能なのだ。

DSC08362

同僚は、車椅子のお父様にプレゼントしたそうだ。
お父様は足の乾燥肌で痛かったり痒かったりで
苦しんでいたそうだ。

同僚は、その100gの大きい瓶をあれからすぐに注文してきた。
なぜなら、お母様が旦那様の足にクリームを塗ってあげるんだそうだが
あのクリームを塗り出したら、苦情を言わなくなった!と
喜んでくださったそうだ。

そのまた同僚のお子さんは鼻のかみすぎで
鼻の回りが赤くなってて
クリームをつけて寝たら翌日赤いのがひいていた!と
喜んでいたそうだ。

そういえば、思春期青少年もニキビに塗って文句は言わないw

嬉しいな。
みんな綺麗な健康なプリンプリンの肌でいたいよね。

遠くの友たち
私はすぐにつくってあげられないけど
機会があったらつくってみてください。
みなさんの参考となりますように。



日本のみなさまへ特別にobatamakiが監修した
2022年11月収穫EVオリーブオイルのご注文は
こちらのサイトよりどうぞ





Grazie di aver visitato!
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。
今週も素敵な一週間をお過ごしください。




人気ブログランキング

にほんブログ村 海外生活ブログ ヨーロッパ情報へ
にほんブログ村

DSC08277

先日、日本へ空輸便で、私が監修させていただいた
エキストラヴェージンオリーブオイルが出荷された。

ひとつひとつの工程を写真で送ってもらったり
時間があるときは私も出向く。

私が作成したマニュアルやプログラムに従ってもらう。

農園にとっては面倒なニッポンジンが現れたと
何度も正直に愚痴られた。

農園の主とは農業士養成講座で出会ったもう長い友だけれども
しばし、厳しく意見交換することもあった。

DSC08305

最も頻繁に連絡を取り合って気が張るのは、収穫期。
いっちばんきっちりやって欲しい期間である。
みんながピリピリしている。

収獲の方法や収穫時間には問題がない。
私たち同じ講師に教わっているんですもの。

農園と私の依頼の違いは、収獲の時期と搾油所だ。

農園は、10月の半ばから早々にはじめていたが
私は、今年は成長のばらつきをみて
熟すのに時間がかかったオリーブがいっぱいあったこと
トスカーナ産オリーブオイルは、とにかく苦味辛味のパンチがあるので
日本人が一般的に好むまろやかさへ近づけるには
少しでも収穫を遅くして、濃厚さを抑えることにあった。

しかし農園は、農園のプログラムがある。当然だ。
だから、お互いに歩み寄りが必要だった。

でも収穫を遅くすることで、農園にもメリットがある。
2週間遅くしてもらったら、オイルの量がぐんと増えた。

私たち(私と日本の販売主)は
日本へ輸出する分の数量を限定しているので
余る分には申し分ないが、ギリギリだとヒヤヒヤする。

11月8日の搾油で15%との搾油率だ。いいじゃないか。

私が個人的に搾油した11月2日で12%だったのだから
油分が増した収獲日としては、最適だったとおもう。

DSCN2121

搾油所は、私が最も信用しているところだ。
このヴィンチの山の搾油所の搾油機がとても性能がよく
酸化をより抑えられるという縦式グラモラ機
搾油全工程20度という低温設定
水分と油分をきっぱり分ける遠心分離機で
この遠心分離機は今年、大きく新調したそうで
エネルギッシュに稼働させていたところを
より分離しやすくなったという
毎年どこかしらより良くなっていると所長は自慢気だった。

この搾油所で搾油してもらったら、そのままフィルタリングしてもらう。
こうしてすぐフィルターにかけることによって
オイルの中にある澱やかすをいち早く取り除いて
劣化の速度を早急に抑える
この工程も意外や重要な部分で
時間差で早くやることによって
美味な賞味期間が少しでも長くなるのだ。

オリーブの澱やかすがあってのオリーブオイルを楽しみたい
ノンフィルターを好む人がたまにいるけれども
オリーブの生産地在住で年内ぐらいに食べきれるのであれば
ノンフィルターでもアリかもしれないが
長期に渡って保存するには、フィルター済みはお約束。

DSC08274

日本へ輸出するためのいわゆる特注オリーブオイルなので
保存タンクにしまわないで、瓶詰をどんどんしていき
出荷を待つのである。

ヨーロッパ製のキャップなので傷・凹アリも混ざっている。
なるべくいい状態のものを選んでもらった。
うるさいニッポンジンだったことだろうw

ラベル張りも半機械だけれども
位置を決定するのは人間だ。
ラベル張り作業をしてくれたおねえさん
息を止めながら張り付けていたそうw ありがとう。

出荷時の梱包の箱だって、農園にとってみれば特注だ。
なぜなら、日本へしか250mlは用意しない。
オリーブ生産国は、たいてい500mlが最小だ。
瓶も特注だけれども、その瓶を入れる箱も特注なのだ。

日本分のみどれもこれも特注で少量なので
農園にとってみればちっともコスパなビジネスとはならない。

しかし、監修されることによって
絶対にズルできない正真正銘なオリーブオイルができ
オリーブオイルの日本への流通ノウハウが学べる
素晴らしい体験であることに喜んでくださっている。

そして私も、ほぼ自分のオリーブオイルとして
母国のみなさまの食卓にならび味わってもらえることに
心から光栄におもっています。

どうぞこの機会にご賞味いただけると大変嬉しく思います。




すでにご注文してくださったみなさまへ
12月末頃お手元に届く予定だそうです。
楽しみにしていてくださいね。
ありがとうございました。

DSCN2146



Grazie di aver visitato!
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。
今週も素敵な一週間をお過ごしください。




人気ブログランキング

にほんブログ村 海外生活ブログ ヨーロッパ情報へ
にほんブログ村

DSC08303

私が搾油してもらう搾油所は
ヴィンチの山の上のへんぴなところにある。
山だけど、木々は世紀を越えたオリーブの木だらけだ。

そんなところを、スイス人のオリーブ好きが買い取って
オリーブ栽培を手掛け始め
ヴィンチに住むオリーブ友と、何年も何年も研究を重ね
そしてそのオリーブ愛は
ただの愛好家ではおさまらなくなった。

搾油するスペースを設け
これまたマニアックに最新で最高級な搾油機を導入し
自分の農園で搾油をし始めた。
さすがスイス人だなぁ。

しかし彼の農園は、たった5000本しかオリーブは所有していない。
高額な搾油機は、一年に数回使うだけでは勿体無い
ヴィンチ地元民の搾油も承るビジネスを始めた。

彼のオリーブ愛は、有機栽培だ。
除草剤や殺虫剤を毒と呼んでいる。
自分のこだわりで営む搾油所を毒で汚染したくない。
彼は、農薬の注意書きだけではなく
彼が追究したオリーブの収穫におけるマニュアル書をつくった。

私が学んだオリーブ栽培や収穫方法とほぼ同じだが
もっと詳しく書いてあったりする。
さらには、搾油ビジネスに関わる持参する容器の洗い方まである。

その自作マニュアル書を渡され
これが守れなければ、搾油を承らないという。
そんなところも彼のこだわりでオリーブ愛なのである。

ここの搾油所は、ヴィンチのどこの搾油所よりも高い。
でも、この最新の最高級な搾油機と
主のオリーブ愛とこだわりと
主が選んだ搾油所の所長の対応が
私は大好きで、信用しまくっているのだ。

私だけではない。
声が広まって、オリーブ愛とこだわりをもつ人が集まってくる。
値段は、技術とこだわりと信用なのだ。

DSC08300

搾油機はMORI社の機械を使っている。
このMORI社もこだわり派で
自身の研究を技術者に毎年更新報告する。
こだわり派はこだわり派の信用をかう。

今年は、今までの問題であったオイルと水分を分ける
遠心分離機の部分を大きくして
今までエネルギッシュに脱水していたところを
脱水しやすくして、もっともっとオイルだけを抽出するという
スペシャルな機械が導入されたそうだ。

今年は、300kgまでと指定があった。
予約は300kgで予約され
それ以上は前もっていうことになっている。

なるべく機械にあったオリーブの量で動かせば
意図した理想なオイルが搾れるからである。

私たちは、オリーブの実の量にあわせて
収穫する順番や場所を決めたりしていった。

DSC08287

DSC08290

315886616_811437916787518_4139826064920746930_n

316237019_831421341491827_5687541139085931158_n

日陰のオリーブ畑は10月3週目
早熟品種なのに成熟が遅く緑が多く実も小さかった。
搾油率も最低で、8,9%と油分はなかった。

味は、油分が豊富なようなまろやかさには欠けるが
ポリフェノールの苦味や辛味が効いて濃厚なパンチがある。

家の周りは陽当たりが良く日陰のオリーブ畑より
実も膨らんでいたし、成熟度が良いように見えたが
畑全体に対し、成熟しているオリーブと未熟なオリーブ
半々ぐらいだったように思う。
10月4週目、2回搾油してもらって
12,5% と 12% という結果が出た。

味は、日陰のオリーブ畑よりだいぶまろやかさが増している。
トスカーナらしい、苦味と辛味が
ほどよく調和しているのではないかとおもう。

DSC08283

さて、私が監修させていただいている
トッレセレーナという名の農園のオリーブは
日本人の舌や繊細な日本食にも合うようにと依頼され
11月の2週目に、私のマニュアルで収穫してもらい
即、私の信用するオリーブ愛のヴィンチの山の搾油所で
搾油とフィルタリングをしてもらった次第である。

搾油率はフィルタリング前で15%と出ている。
それでも15%しかないの?とイタリアでオリーブオイルを
自分たちでつくっている人は思うかもしれない。

こちらの最高級な搾油機は
エキストラヴァージンの規制、搾油時27度以下とあるが
ここは、20度と低温で搾る。
低温で搾ることによって
オイルに出てくる成分が壊されないというメリットがある。

その分、温度で油化させて抽出するところを
低温なので、油化されにくく
オイル量は少な目なところがデメリットかもしれないが
オリーブ愛好家は、高成分と美味を求めるのである。

搾油費用はどこよりも高いし、搾油率は低い。
ちっともコスパではないが、こだわる理由は
断然美味に仕上がる裏切らない搾油機なのである。

そして、収穫を遅くしたことで
どんどん熟れていき油分は増え、それによって
苦味辛味が抑えられよりまろやかになるのである。

是非、興味のある方は
下のサイトより予約販売がはじまりましたので
どうぞお試しくださいませ。



DSC08276



よく読まれています ↓ ↓ ↓ 参考になれば嬉しいです。
EVOオイルとは Olio Extra Vergine di Oliva
オリーブオイルの搾油率 essere olio extravergine
オリーブオイルでスキンケア Oleolito a Freddo

または、親カテゴリー『オリーブ OLIVI』からお楽しみください。
さらに、子カテゴリー内にて様々なヴィンチのオリーブオイル
オリーブ栽培の話が詰まっていますので
お時間があるときにどうぞごゆっくりご覧ください。



Grazie di aver visitato!
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。
今週も素敵な一週間をお過ごしください。




人気ブログランキング

にほんブログ村 海外生活ブログ ヨーロッパ情報へ
にほんブログ村

DSC07725

Se piove il tre aprilante, quaranta giorni di durante.
四月三日に雨が降ると、40日間雨続き。

La nebbia di marzo non fa male,
ma quella d'aprile toglie il pane e il vino.
三月の霧は問題ない、四月の霧はパンとワインは頂けない。

Marzo alido, aprile umido. 
三月カラカラ、四月ジメジメ。

などなどなどなど、イタリアの四月はことわざがいっぱいある
果実には決定的なドキドキの季節。

まだ記憶にも浅い...
去年(2021年)の四月の初め頃、パスクワの直後あたりだ

イタリアは南北気候がやや異なるので必ず地域を限定したい
イタリア中部トスカーナ州やマルケ州を襲ったと伝えられたが
私が住むこの目で見たヴィンチのことだけをいうと

ポカポカ目覚めた木々たちは樹液もボトボト流動して
春を満喫しはじめた途端、二日間夜中に突如寒波が襲った。

風はなく氷点下の冷たい靄が、丘のところどころを囲んだ。
そう...風がないから、静かに...白く包まれた春の息吹たちは凍っていった。
そのとき生まれていた芽はパリパリと枯れていった。

その木はのち、エネルギーの放出にいっぱい新枝を生んだ。
目覚めの前だった木たちは、寝ぼけながら生まれてきた。
全体的にブドウなどの果実の収穫が少なく色味が味わえない年だった。

私のオリーブも一本弱っていた木は、この機に
子孫を一本残して枯れたんだ。

オリーブの産出はその寒波の影響とは別に
前の年が豊作だったので今年は不作という
隔年性に沿っただけだとおもう。

隔年性になるということは異常気象が原因と学んだ。
異常気象に耐えられる強い木に育ててあげたい。
我が子が強い子になってほしいのとおんなじ気持ち。

DSCN1781

そんな雨の日、オリーブオイル石鹸と
Calendulaカレンデュラ(キンセンカ)のオイル漬けをつくった。

昨年のつまり2020年のオリーブオイルがもう手元に少ない。
コスメで使うものは、刺激のあるポリフェノールが
マイルドになった一昨年のものを私は使う。

小瓶に分けてあったオリーブオイルはまだまだ美味しそうだ。
キャップを開けた瞬間プワーとまだまだフレッシュ感たっぷりの
あのオリーブオイル独特の香りが鼻に入ってくる。
この香りがやっぱり好き。
小瓶を開けた瞬間がやっぱり好き。

スプーンにたらして味見をした。
まだまだ全然いける。
小瓶で分けるメリットはここにある。
オリーブオイルの賞味期限は18か月。
これだったら大丈夫だ。

DSCN1780

カレンデュラオイルとは
2月半ば以降濃いオレンジ色か濃い黄色の花が咲く
Calendulaという野草の咲いた花を摘んで
オイルに漬けて成分を抽出したオイルだ。
イタリア語だとOleolito di Calendulaで馴染み深い。

初夏に準備するラベンダーやローズマリーの
オイル漬けのレシピとほぼ同じだが
まだ太陽が弱い時期のフレッシュの花だとカビる可能性が高いと
イタリア語のサイトでよくみかけるので
フレッシュの花を使う場合は瓶の蓋を開けたり太陽に晒したり面倒なのと
せっかくのオリーブオイルの効能がとんでしまうのも勿体無いので
ラベンダーやローズマリーの時と同じく
花をしばらく干して乾燥させて
水分を蒸発させてからオイルに浸けて
蓋を閉めて暗室で2か月ぐらい漬けて抽出することにした。

Calendulaの花は、バイオダイナミック農法の農主のブドウ畑にある。
太陽のある日や午前遅くとか時によって
とってもミネラルが豊富そうな香りをぷんぷんさせて
ブドウに寄り添うよう上に向かって花が咲く。

ブドウ畑の作業がお休みの時わざわざ摘みに行った。
この日、太陽は出ているけどなんだか今一
花が咲き乱れる日ではなかった。
そういうタイミングをもつ野草だということは
ブドウの作業をしているときに気がついていた。

咲いている花だけを摘んだが
もっともっと咲いていたらもっともっと摘めたのにな。
またもう一度もっと暖かくなって
成分がマックスの頃に摘みに来ようとおもう。

カレンデュラオイルの効能は...

なぜカレンデュラオイルをつくろうと思ったかって
私は、いつからか関節の皮膚アレルギーが
首のあたりや肘の内側や膝の内側とかに出るようになって
それが痒くて知らずとかきむしってしまう...
皮膚アレルギーの通常の現象だろうが、苦痛だった。
しかし、アトピーみたいに慢性ではなく時期的に現れ
イタリアのErboristeria薬草屋さんに相談したら
アレルギーを治す薬ではないけれど
皮膚の炎症や痒み止めにいいわよ、と勧められたのが
カレンデュラクリームだったのである。
それがまたよく効いた!

クリームはカレンデュラオイルに蜜蝋を混ぜて作ればいい。
オイルだけでもそのままつかえる。

夫も皮膚病だし、息子にもニキビや日焼け後や虫刺され
などなどいろいろ万能なので
今年は花摘みの時期を逃さず実行した!ということなのである。

サイトで調べればわんさか出てくるが
妊婦さんのマッサージや赤ちゃんのおむつかぶれなど
皮膚に超敏感な方々に勧められているところが
この野草の効能の素晴らしさと優しさであるところが
私は気に入っている。ので今年実行できて嬉しい!

DSC07719

DSC07720

そして、オリーブオイルを引っ張り出してくるなら...と
あと2個しかなかったから、オリーブオイル石鹸をつくった。

私はたいていレシピの蒸留水のところを
蒸留水でデコットしたラベンダーやローズマリーの抽出液を使う。
デコットとは、水からハーブを入れて沸騰5分火を消して10分で煮出す方法
私は、冷めるまで煮出し放し!自己流濃厚抽出液にする。

今回の抽出液は、ラベンダーの茎!
花を摘むんで残る茎とちょっとついてる葉っぱ。
花と同時に乾燥させてあって
花を摘むんで骨だけになったような茎を刻んで保存してあったのだ。

だって、茎も葉っぱも花より成分は落ちるけど
効能は同じって書いてあったんだもん。
シンプルな蒸留水だけよりは成分足せたかな!

蒸留水のハーブ抽出液 300g
苛性ソーダ 128g
を室外で混ぜて、むんとした熱い反応が収まったら

オリーブオイル 1000g
に投入して、ハンドミキサーでドロドロになるまで攪拌する。

型に流し込んで、包んだりして保温できる状態と環境で48時間
冬の48時間以下だとまだ中が固まっていないこともあるので
カットしたときに刃物にくっつく。

1週間以上経ってしまうと、固くなって欠けたりするので
この時期だと3日目4日目あたりに石鹸サイズにカットして
風通しのよいところで1ヶ月ぐらい寝かせる。

この石鹸で頭も体も顔も手も洗ってる。
こういうナチュラル化粧品を使うことで病気は治せないが
肌に優しく労わって、幸をもつ生活向上意識Benessereベネェッセレ
環境にも優しい暮らしをしていると想うだけで
役に立つことの一つだと信じてつくっている。

今までにも自家製コスメの投稿をしているので
カテゴリーよりのぞいてみてくださいね!

DSC07721

DSC07723

DSC07724

DSC07726

Sapone all'Olio di Oliva con Infuso di Lavanda 3



私が監修しましたオリーブオイルの再注文が可能となりました。

トスカーナ州独特の品種のオリーブオイルは
味がはっきりして濃厚なのに喉ごしがとてもいいです。
...とコメントも同様にいただいております。

それは、無農薬の純粋なオリーブの味に
じつはオリーブオイルの味の超決め手となる搾油所を
私のこだわりで厳選させていただき
そこでの凄腕搾油技術の結果なのです。

味がしっかりした濃厚なこちらのオリーブオイル
ポリフェノールが1100mg/kgもあるそうです。
数字が出てきたとき、頷いてしまいました。

はじめてこのブログを見てくださっている方も
こちらのオリーブオイルに是非出会ってほしいです。
このオリーブオイルと出会うということは
私(セミ生産者)と出会うということなのです。

このオリーブオイルの監修をしようと思ったのは
日本にいる友たちに、私が学んだ美味しくできる方法で
そしてここの搾油所で搾油したオリーブオイルを
届けたかったことがはじまりです。

私は、農園を開業する力がありませんでしたが
私の気持ちを応援してくださる農園さんと
インポーターさんに出会い、その彼らの支えの元
監修という形で私のオリーブオイルを
日本に送り出すことができました。

どうぞよろしくお願いします。





Grazie di aver visitato!
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。
今週も素敵な一週間をお過ごしください。




人気ブログランキング


にほんブログ村 海外生活ブログ ヨーロッパ情報へ
にほんブログ村

↑このページのトップヘ