Rimontaggioリモンタッジョ(黒ブドウ(赤ワイン用)の果皮を浸す、撹拌作業)がブドウの収穫が終わると始まる。
ブドウの収穫は天候でハラハラし、Rimontaggioが始まるとモンモンと日に数回行われ、小さな農園の農主はヘトヘトとなる。
黒ブドウの果皮にはポリフェノールが含まれる。
そのポリフェノールとはタンニン、アントシアニン(Antocianiアントチャーニ)、酵素(Enzimiエンツィーミ)や芳香(Aromiアローミ)などの各々に活躍する成分のことである。
タンニンは、酸化を防ぎ、色を一定化させ、良性菌を活発にさせ、醸造時に加える亜硫酸(Solfitiソルフィーティ酸化防止剤)を減少させる働きがあるそうだ。
アントシアニンは、赤ワインの”赤”を出す。
そんなスバラシイ成分を持つブドウの果皮を十分に濡らす・浸すことで、酸化防止剤やその他の添加物を加えずにもしくは最小限に抑えられるのだそうだ。
しかし、果皮は浮いてくる。それをモーターで下から汲み上げ人力で浸してあげるのである。
が、私が手伝うバイオダイナミック農園では人力で、発酵が始まる頃まで一日4回行ったりする。発酵具合で回数は減っていく。
ブドウの果実には糖分(Zuccheriズッケリ)があり、その糖分がアルコールに変身する。
作業中、発酵のガスで醸造タンク内は充満するそうだ。
糖分を計りながら、収穫時期を決めたり、Rimontaggioの回数を決める。
バイオダイナミックワインは、検出できないほどのSolfitiを加えるが、それ以外の添加物は一切加えない。
果皮の働きを十分に引き出すRimontaggioを確実にすれば、ほんの少しのSolfitiは次第に消えていく。
だからバイオダイナミックワインを飲んで悪酔いしない。
ブドウがワインに変身しただけである。
Rimontaggio数日後のCanaiolo Nero100%カナイオーロ ネーロのMostoモスト(ブドウの搾り汁)をみんなで試飲。
発酵し始めアルコールが入り、ビリッ・ジワッと舌触り。
果皮からブドウのちからを抽出したら、Svinaturaズヴィナトゥーラ(圧搾)する。
向こうを見ればまだ収穫をしているところもあれば、Svinaturaでてんやわんやしているところもある、ヒヤヒヤ空気が冷たい”暖”が欲しくなるヴィンチの大地でございます。