大地の住人 ヴィンチの丘で

地球と体に優しいコト ~イタリアから~

フィレンツェの端っこレオナルド・ダ・ヴィンチのふるさとヴィンチの丘に在住。 大地の自然たちと向き合って地球と体に優しい様々なコト、発見・提案・発信!

February 2019

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ある晴れた一月のこと

フィレンツェシスターズは、ヴィンチの我が家に二人ぽっちとなり

車も無く、村まで出るのも歩くしかなかった。

それじゃぁ、ハイキングしよう。そう決めればいいのだ。

少年と歩く我が家からの赤白マークのハイキングコースを通って

ヴィンチ村まで行き、村の外れからまた赤白のハイキングコースで

レオナルド・ダ・ヴィンチの生家まで歩いて行った。

シスターズ、歩くの速い!

もう少しゆっくり歩いてくれぇ。

シスターズのご主人もハイキング好きで

二人はいつも歩いているそうだ。慣れってスゴイw

しかし歩くのが速くても、私たちはアレ見たりコレ見たり

立ち止まって観察したり、写真撮ったり、時間は同様にかかる。


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このハイキングコースは、車では通れない。

レオナルド・ダ・ヴィンチの生家まで、車で行けるが

なんてことないヴィンチを観光するなら

歩かなくては面白味が嗜めない。

そして、このStrada Verdeストラーダ ヴェルデ

(みどりストリートとでも訳そう)の途中には

環境保護団体がボランティアで道を舗装した

レオナルド・ダ・ヴィンチが手掛けた堰まで行ける。

森の道を舗装するとは、危険な枝を通りに沿って切り落としたり

崩れた段々になっているオリーブ畑の石の壁を修復することである。

その修復技術を無料でレッスンも行われていた。

この石の壁は、Muratura a seccoムラトゥーラ ア セッコと呼び

セメントなどの接着術を使わず
石だけで積み重ねていく土留め技法である。

だから、再び崩れやすいが、これこそ古風なやり方で

ある意味環境保護なのである。

私は、ヴィンチの環境保護グループに参加しているので

フェイスブックなんかで、彼らの様子を伺っていた。

私も紙の作品をつくるとき、接着剤を使わない方法をよく使うから

簡単なようで難しいことが伝わってくる。

まるで立体パズルのようだ。私はこういうの好きかもしれない。


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堰がある小川の方は、やはりヒンヤリしている。

夏にはもってこいである。少年とある夏に来た

Pescaia del Mulino della Doccia

ペスカイア デル ムリーノ デッラ ドッチャ

ヒンヤリらしくヒンヤリした森の植物が

細い木漏れ日に向かって空気を吸っているように見える。

木々で覆われ、彼らの吐息が充満しているようだった。

すると、妙な鳴き声がする。

フィレンツェシスターズは足を止め、鳴き声がする方へ目を向けた。

木々と木漏れ日しか見えない。

そのまた奥にいるようだ。でもすごく近くにいるように聞こえる。

見えなくていい。ミステリアスぐらいな方がおもしろい。

どんな動物なんだろう?と想像を掻き立てる。

動物なのか鳥なのか。

森を歩くと、全てが共存していることを、足から頭まで感じる。


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また戻ってみどりストリートの緩い傾斜を上って行く。

その道は、オリーブ畑を横切っていくような道になっている。

辺りは、そういうわけで、オリーブだらけ。

私は何度歩いてもそこにある同じオリーブを観察してしまう。

散歩のときもドライブのときも

オリーブの樹形いわゆる剪定術、病気などを観察するのである。

あれ、いつものオリーブ畑が何か違う。

もっとオリーブが広がっていたような。

そこのオリーブはバッサリ根元近くから剪定されており

根元から生えてきた若く細い将来の幹を二本ずつ残してある。

おぉ、これでいい、これでいい。

ここは確かRognaニャ(カサカサ病)がたくさんあった畑だ。

ほとんどの木が病気で汚染されていたから

このくらいの勢いで剪定しなくては、ウイルス菌は蔓延してしまう。

蔓延してしまえば、私は味にも障害がかなり出てくると思うし

まずは木が枯れてしまう。

生産可能になるまでかなりの時間がかかるが、仕方ない。

農園であれば、多少補助金が出るようなことも聞いたことがある。

この勢いの良さに、私は嬉しかった。

私もきっと同じ方法をとっていたからである。

私は本来生まれたオリジナルの枝や幹を残して、生存させたい。

それが一番自然に近い形なような気がするからである。

ブドウもそうだが、台木となる根っこの気と接木された木は

品種が違っても育つ。

仮母?義母?育て親?

接木は、私生児か?

レオナルド・ダ・ヴィンチのような天才私生児もいるから

接木の中には、才能のあるオリーブが生まれるかもしれない?!

それが目的の、接木技法なのである。


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レオナルド・ダ・ヴィンチの生家で、私は結婚式をしたのだが

夫の家族ぐらいしかいなかった式の中に、シスターズもいた。

彼女も懐かしそうだった。

当時、搾油所であった生家の下の階は、行けなかったはず。

当時、現在チケット売り場になってる生家の横は

人が住んでいたように記憶する。

現在は、完璧に修復され、公衆トイレもある立派な観光の場

となり、レオナルド・ダ・ヴィンチのふるさとというより

昔の家を修復した新居みたいな新築覚まで思わせる。

新築された生家では、ビデオなどの解説がある他

展示室もあるが、残念ながら日本語はない。


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同じみどりストリートを通って帰る。

行きと帰りのパノラマが違うことに気がつくであろう。

行きは、モンタルバーノの山へ向かって

帰りは、ヴィンチ村へ向かうのである。

まさにオリーブに挟まれているように見えるヴィンチ村の景色は

このみどりストリートでしか見ることはできない。

行き30分、帰り30分程度の難易度★の簡単コース

是非是非絶対歩いてほしい!

のんびり歩くなら、パニーニ持参でね。


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2019年は、レオナルド・ダ・ヴィンチの死後500

レオナルドが歩いた各地で様々なイベントが催される。

私はなるべくヴィンチ村とその付近のイベントを紹介できたらと思う。



イタリアでは、道路を自転車で何キロも走りまくるスポーツが盛んで

Giro d'Italiaジーロ ディターリアというサイクリングレースが行われる。

511日にボローニャからスタートし

512日にボローニャからFucecchioフチェッキオ入り

そして、513日ヴィンチから出発しOrbetelloオルベテッロに入る。

この1213日の二日間は

まさしくもレオナルドの死後500年を祝うコースで

我が近所をグルグルレースするそうだ。

我が家のパノラマコースもレースコースだ!これはスゴイww

その記念すべき小さな村ヴィンチでは

Uomo Vitruvianoウォーモ ヴィトゥルヴィアーノ

(ウィトルウィウス人体モニュメント)の広場は

Giro d'Italiaのシンボルカラー

ピンクのライトで照らされるのだそうだw

Raiというイタリア国営放送もやってきて

それはそれは大騒ぎの二日間となる。

レース好きにはたまらない期間となるであろう。

どうりでここ数年、自転車のグループがスズメバチのように

ブーンとグループで走っていると思ったら、練習していたのであるw

最後21日目は、Veronaヴェローナがゴールだそう。

関連サイト≫≫≫ヴィンチの市役所La Gazzetta dello Sport
サイクルスポーツ.jp




*私がセレクトした過去の関連記事Best 3 Archivi Selezionati

レオナルド・ダ・ヴィンチが工夫した堰 Pescaia del Mulino della Doccia

レオナルド・ダ・ヴィンチの生家 Casa Natale di Leonardo

オリーブのウイルス菌対処 Potatura degli Olivi ③


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今年の冬は、割と冬らしかったように思うが

慣れない大雪や慣れない大雨には、どうしても慣れない。

年が明けてからあっという間に一月は過ぎ去っていき

割と好きな白っぽい色の空と茶色い大地を眺めながら

日本へ一時帰国をする妄想に耽っていた。


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白い色の空の向こうから、ゴマ粒のような大群がやってくる。

それも物凄い勢いで。

何をめがけてくるのだ?!

どうして群れるのだ?!

何故飛び立っていってしまうのだ?!

黒い大群は、競争しているかのように大地に舞い降りて

何を食べているのであろう。

そして、急に何を思い立ったか

全員で一斉に低い羽音と共に飛び立ち

今度は、オリーブ畑を襲い掛かるように、羽音共に舞い降りる。

遠くから見てると、黒い大群だから黒い鳥なのかと調べると

白い水玉模様のオシャレな鳥なのであるw

街の空にも現れるようなので

フィレンツェの住人も目撃しているであろう。

日本では、西南日本でたまにみられるそうだ。

私が見る黒い大群は、ヨーロッパにいるホシムクドリと呼ぶそうで

イタリア語だとStornoストールノと呼ぶ。

大地の住人たちはイストールニと呼ぶのでそういう名前だと思ったら

i storniイ ストールニと冠詞と複数形で呼んでいたのである。

また語学のセンスの無さがバレてしまうww

イ・ストールニは、大地の虫を食べる他

イチジクやビワ、サクランボやオリーブなどを食べるのだそうだ。

果実に関しては、どれも私の好物ではないかっ!

というわけで、果実園では被害に困っている話を聞く。

多様な環境に適応できる特殊能力、繁殖能力

生きる力が漲る野生の鳥たちは

世界の侵略的外来種ワースト100に選定されているのである。

しかしおもしろい話を、農薬取り扱い免許の授業のとき

若い農学士の講師が教えてくれた。

オリーブに寄生するオリーブミバエMosca dell'Olivo

モスカ デッロォリーヴォを、イ・ストールニは食べてくれるんだよ、と。

だから、オリーブミバエ用の殺虫剤を撒くと

彼らの生態系が崩れ、どこかで障害を生み

新たな崩れた生態系を生み出すことになるんだと。

別の被害を違う被害に転じるのだね。

農薬取り扱い免許は、どちらかというと農薬は使わない方がいいよ

というモラル的な免許である。

有機栽培の個人には必要のない免許である。

私のオリーブにも突いた後はあるが全部ではないので

私は放って置く。

南イタリアの方はわからないが、イ・ストールニが現れるのは

ヴィンチの丘だと冬頃で、オリーブの収穫は終わっている。

冬に眠っているオリーブミバエを食べてくれたら、いいなぁ。

ま、この寒さだったら、初夏のオリーブミバエは

出現は少ないかもしれないと私はみている。

その後、夏の暑さで秋口の出現度が変わるであろう。

と、まだ剪定も始めていないのに、次の収穫のことを考えている!


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先日の雪が降った!と騒がれた翌日にはもう春の気が流れていた。

そろそろオリーブの木の剪定に入ろうと思う。

今がLuna Discendenteだ。地下にエネルギーがいくので

地上の作業はその間にやると樹への負担が少ない。

強そうな畑と弱そうな畑、強そうな樹と弱そうな樹を見つけて

月の天体カレンダーに沿って剪定したいと思う。

私は、バイオダイナミック農法と自然農法

それぞれ良いところをとって、独自の有機農法でやって

無事収穫まで辿り着けたらと願う。

世話をし過ぎるのはコストに響くので、どうしても手を加えたいことを

自然との法則に従いながら進めていきたいと考えている。


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寒い、寒いと思いつつも、着込んで動けば体は温かいし

じっとしてても、熱いお茶をポットで保温してたまに飲めば

(やっとポットを引っ張り出して、水分摂取に努めている。)

体は一瞬温まるような感じがするし体の排出がスムーズになる。


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ある日、冷蔵庫の中が空っぽ事態が発生した。

妄想に集中しているとどうしても生活のペースが狂ってくる。

妄想だけで緊張したりしている私は、それが好きで妄想したりする。

生活より妄想だ!そんな時があってもいいさ。

妄想期を越えると活動期でヘトヘトとなり、また生活が乱れる。

それではずっと乱れているではないか。

イ・ストールニのように気まぐれに、食べ物を有り合わせで食べる。

そんな生活でも工夫する力はついているし

アイデアはいくらだってある。

昨日のパンとジャガイモと玉ネギと冷凍グリーンピース

モッツァレラが一個あった。それでコロッケをつくることにした。

パンを砕いてパン粉にし

玉ネギはニンニクと一緒にキャラメル状態まで煮詰めた。

玉ネギキャラメルにグリーンピースを最後に投入して湯で

モッツァレラを小キューブにし、茹でて潰したジャガイモの中に混ぜた。

カレー粉なんかも入れてみよう。

もうこれだけでも食べれるなぁ。

丸めてフライにするのも大変。

そこで手抜き。いや、手抜きのようで豪華に仕上がった

題してオーブンポテトコロッケ風ww

ごちゃ混ぜマッシュポテトをオーブン用皿に敷いて

自分で作った大き目のパン粉(Mollicaモッリーカ)

上からいっぱいかけて・・敷き詰めて

オリーブオイルをかけて、オーブンで表面を焼くのである。

表面カリッカリに仕上がって見栄えも良く家族に大好評であった!

これは、お弁当に持っていける。

忙しいときオーブンを使えば、待っている間いろんなことができる。

今、お風呂に入っちゃえぃ!


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立春の日、私は温かいお茶のポットを持参し

何種類もいる鳥の動きを観察しながら

オリーブ畑で剪定するのでありました。





*私がセレクトした過去の関連記事Best 3 Archivi Selezionati

天国という名の大地 Terra si chiama Paradiso

オリーブの木の剪定 Potatura dell'Olivo

オリーブ剪定士 Potina


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