二月の満月、少年は満9歳になった。
一年の間のボクが生まれた日。
少年は、9年目のボクが生まれた日に『時間』を望んだ。
この『時間』とは、少年がプログラムした父と母と共にする時間であった。
「ボクたちの村、VINCIヴィンチに行こう!」
家から村まで・・そして村中を散歩した。
その後、マウンテンバイクでブドウ畑をクロス。
夜、母と一緒に床に着く。少年の頭を手櫛のように撫でる。
少年は、うとうと寝入る。
彼の『時間』は過ぎていく。
今日こそ一日が短く感じたのではなかろうか。
9年の人生を追う少年は、『大切な時間』の意義がわかったかもしれない。
いや、知っていたのかもしれない。大人の私が忘れていたのかもしれない。
私も少年と新たに『時間』を学んだ。
ありがとう、少年。
おめでとう、少年。