卯月(=苗植月の転)に差し掛かるLuna Discendenteルーナ ディシェンデンテ(約28日間のサイクルをする回帰運動中、天体の赤道から見て月が秋分点側の約14日間)のGiorno di Fruttoジョルノ ディ フルット(果実の日。地球の周りで恒星運動をしている12の星座中、Arieteアリエーテ(牡羊座)・Leoneレオーネ(獅子座)・Sagittarioサジッターリオ(射手座)がFruttoフルット(果実)に影響を与えるそうだ。地上の生体力では、Fuocoフオーコ(火)に値する。)に、ブドウの苗木Barbatellaバルバテッラが植えられた。
Barbatellaバルバテッラ(ブドウの苗木)は、Portainnestoポルタインネスト(根になる部:台木)をFilosseraフィロッセラというブドウにしかつかない対敵アブラムシから避けるため、アメリカがオリジナルの台木を使用する。
そして、Innestoインネスト(実がつく部:接穂)は、Sangioveseサンジョヴェーゼなどの品種が接木される。
苗木を仕立てる専門所では、室内で温度管理されているので、私がBarbatellaバルバテッラ(ブドウの苗木)を手にした時は、まだ眠った赤ちゃんのようであった。
大人のVitiヴィーティ(ブドウの木たち)は、急な春の到来で芽が覚めていた。
寒さの残った3月から初夏のような気温で春が訪れると、突然寒さがまたやって来るのではないかと近所の農夫達は心配している。この先、収穫まで気が気でない。
Barbatellaバルバテッラ(ブドウの苗木)も芽が覚めれば、根の部分が膨らんで、自力で大地の栄養を吸い込む。
30cmほどのBarbatellaの根の先を切り落とし・・・・・
Metodo Biodinamicoメトド ビオディナーミコ(バイオダイナミック農法)でCorno Letameコルノ レターメ(雌牛の糞を雌牛の角に詰め込み、土の中で寝かせたちょっとスピリチュアルな肥料)をBotteボッテ(樽)の34~37℃の湯にグルグルと回し混ぜ、その液体にBarbatellaの根を一晩漬けておく。
これをDinamizzareディナミッザーレ(「活力を与える」と辞書にある)と、彼らは呼んでいた。
大地には、Barbatellaの頭をちょこっと出し、根の部分は深々と植え付ける。
我々人生のように何十年も生きるブドウたちは、一度植わったら動かず黙って生きる。
その後、実がつくのは、4~5年先である。
彼らがすぐに美味しい栄養が吸いつけるように、農主はSovescioソヴェーショ(緑肥:Favetteファヴェッテ(小さいソラマメ)、Piselliピゼッリ(エンドウマメ)、Orzoオルツォ(大麦)、Senapeセナペ(カラシ)を農主は選んだ。実のなる前に刈り込み、細かく土を耕す時に混ぜ込む有機方法。)を秋口に蒔き、大地を肥やしていた。
時が限定されつつ手間隙かけたバイオダイナミック農法のブドウの苗木の植え付け作業であった。