一文無しの9歳の少年は、大好きなお母さんの誕生日祝いを贈ることにした。
作品が完成した頃、誕生日は10日も過ぎていた。
誕生日の乾杯は、喜んで2回もやった。
結局のところ2ヶ月弱かけて、大作・長編の絵本を仕上げたのだった。
≪タイトル≫
『Le Foto della Natura di Maki』 マキの自然の写真
≪絵・文≫
ナル
≪あらすじ≫
マキは一人で車に乗って、田舎の道を通り、自然の館で一泊する。
自然を見ると「Che Bello!!ケ ベッロ(わぁぁスゴイキレイ!!)」と喜び、写真をいっぱい撮り、大好きな野菜を食べる、マキの一泊旅行はフリーなシングルであった。
なんだか笑っちゃうようで、涙も浮かぶシンプルさ。
素朴な少年が描く素朴な物語。
大好きなお母さんが見えない時、ボクの知っているお母さんを想像する。
だから、私が仕事以外で一人で出かけようとするとどうしても行きたがる。
この絵本は、ここにつながっている。
母子家庭だった少年と同じ歳、母が仕事で泊まりの時は不安で不安で仕方がなかった。
祖母がいたって、お母さ~ん、お母さ~んと布団の中で泣いていた。
少年・・・不安がとれるまで、お母さん以上の世界に興味を持つまで、一緒にいるよ。
一人で外出が許される中学生になる頃、きっと不安がとれ始めると予感する。
一文無しの少年からの贈り物は、ボクが想像した旅行だった。
ありがとう、少年。
毎日が旅行気分だよ。
自然を見て、写真を撮って、野菜を食べて。