快晴な空は、清く澄んでいる。
雲のある空は、空の息が見える。
曇り空じゃなくって
雲のある空。
吐息がゆっくり動いてる。
何か言いたそうだけど、スロー過ぎて。
目を放した隙に、形を変えている。
雲の吐息が、ダンスにも見える。
手をつないだり、離れていったり。
手でハートをつくるように、雲でハートをつくって
太陽を飲み込む。
雲のハートの口で、太陽をのみ込むの。
アーンムッ。
ある時は、太陽に照らされ雲は色を創る。
光によるグラデーションやコントラストは見事である。
雲は、一団となったり、疎らとなったり。
厚くなったり、薄くなったり。
モコモコしたり、サラサラしたり。
***************
フィレンツェで、またブラックが殺された。
人種差別をするイタリア人が犯す。
ブラックは、怒り出した。
彼らは、人権を強く主張するが、脅える。
土曜日、ブラック集団がフィレンツェでデモをするそうだ。
結果は知りたくないほど、気持ちはわかる。
私は、現在ここイタリアで命あって生活させて頂いている。
しかし、ある日、殺される危機は逃れたにしろ
嫌な思いをしたことがある。
私は、夫と出会ったときから、フィレンツェ郊外に住んでいる。
最寄駅から自宅へ歩いている時
自転車で気分良く走ってる若年金者の男が通り過ぎた。
その時
ぺっっ
と私に唾を吐いたのである。
私は、当然固まった。
何で?
男は大股漕ぎで、何事も無く過ぎ去っていった。
言葉を失うとか、声を失うって
残念ながら、こういう時に体験する。
気を取り直したときには
悔しくって悔しくって涙が出てきた。
帰宅して、夫に事情を話し、夫はなだめてくれるが
アナタにはわからない!
とまた悔しさが込み上げてきた。
酷いことはそれっきりだが
たくさんのイタリア人は興味を持って歓迎してくれる。
しかし、外国人であることを感じながら生きている。
生まれ育っていない国で
100パーセント国民になりきることは無理がある。
世界はグローバルに多国民化している。
移民する理由、その国に滞在する理由て
各々に想いがあるはずだ。
スローな雲のダンスは
手をつないだり、離れたり
一段となったり、疎らになったり
色を創りだしたり、のみ込んだり
そんな空が、グローバルな世界にみえることもある。
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『天空と気流』
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