先日、日本へ空輸便で、私が監修させていただいた
エキストラヴェージンオリーブオイルが出荷された。
ひとつひとつの工程を写真で送ってもらったり
時間があるときは私も出向く。
私が作成したマニュアルやプログラムに従ってもらう。
農園にとっては面倒なニッポンジンが現れたと
何度も正直に愚痴られた。
農園の主とは農業士養成講座で出会ったもう長い友だけれども
しばし、厳しく意見交換することもあった。
最も頻繁に連絡を取り合って気が張るのは、収穫期。
いっちばんきっちりやって欲しい期間である。
みんながピリピリしている。
収獲の方法や収穫時間には問題がない。
私たち同じ講師に教わっているんですもの。
農園と私の依頼の違いは、収獲の時期と搾油所だ。
農園は、10月の半ばから早々にはじめていたが
私は、今年は成長のばらつきをみて
熟すのに時間がかかったオリーブがいっぱいあったこと
トスカーナ産オリーブオイルは、とにかく苦味辛味のパンチがあるので
日本人が一般的に好むまろやかさへ近づけるには
少しでも収穫を遅くして、濃厚さを抑えることにあった。
しかし農園は、農園のプログラムがある。当然だ。
だから、お互いに歩み寄りが必要だった。
でも収穫を遅くすることで、農園にもメリットがある。
2週間遅くしてもらったら、オイルの量がぐんと増えた。
私たち(私と日本の販売主)は
日本へ輸出する分の数量を限定しているので
余る分には申し分ないが、ギリギリだとヒヤヒヤする。
11月8日の搾油で15%との搾油率だ。いいじゃないか。
私が個人的に搾油した11月2日で12%だったのだから
油分が増した収獲日としては、最適だったとおもう。
搾油所は、私が最も信用しているところだ。
このヴィンチの山の搾油所の搾油機がとても性能がよく
酸化をより抑えられるという縦式グラモラ機
搾油全工程20度という低温設定
水分と油分をきっぱり分ける遠心分離機で
この遠心分離機は今年、大きく新調したそうで
エネルギッシュに稼働させていたところを
より分離しやすくなったという
毎年どこかしらより良くなっていると所長は自慢気だった。
この搾油所で搾油してもらったら、そのままフィルタリングしてもらう。
こうしてすぐフィルターにかけることによって
オイルの中にある澱やかすをいち早く取り除いて
劣化の速度を早急に抑える
この工程も意外や重要な部分で
時間差で早くやることによって
美味な賞味期間が少しでも長くなるのだ。
オリーブの澱やかすがあってのオリーブオイルを楽しみたい
ノンフィルターを好む人がたまにいるけれども
オリーブの生産地在住で年内ぐらいに食べきれるのであれば
ノンフィルターでもアリかもしれないが
長期に渡って保存するには、フィルター済みはお約束。
日本へ輸出するためのいわゆる特注オリーブオイルなので
保存タンクにしまわないで、瓶詰をどんどんしていき
出荷を待つのである。
ヨーロッパ製のキャップなので傷・凹アリも混ざっている。
なるべくいい状態のものを選んでもらった。
うるさいニッポンジンだったことだろうw
ラベル張りも半機械だけれども
位置を決定するのは人間だ。
ラベル張り作業をしてくれたおねえさん
息を止めながら張り付けていたそうw ありがとう。
出荷時の梱包の箱だって、農園にとってみれば特注だ。
なぜなら、日本へしか250mlは用意しない。
オリーブ生産国は、たいてい500mlが最小だ。
瓶も特注だけれども、その瓶を入れる箱も特注なのだ。
日本分のみどれもこれも特注で少量なので
農園にとってみればちっともコスパなビジネスとはならない。
しかし、監修されることによって
絶対にズルできない正真正銘なオリーブオイルができ
オリーブオイルの日本への流通ノウハウが学べる
素晴らしい体験であることに喜んでくださっている。
そして私も、ほぼ自分のオリーブオイルとして
母国のみなさまの食卓にならび味わってもらえることに
心から光栄におもっています。
どうぞこの機会にご賞味いただけると大変嬉しく思います。
すでにご注文してくださったみなさまへ
12月末頃お手元に届く予定だそうです。
楽しみにしていてくださいね。
ありがとうございました。
Grazie di aver visitato!
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。
今週も素敵な一週間をお過ごしください。
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