大地の住人 ヴィンチの丘で

地球と体に優しいコト ~イタリアから~

フィレンツェの端っこレオナルド・ダ・ヴィンチのふるさとヴィンチの丘に在住。 大地の自然たちと向き合って地球と体に優しい様々なコト、発見・提案・発信!

カテゴリ: 少年

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夏休み最後の日曜日
私たちは海に行った。

思春期青少年のリクエストだ。

Livorno県の海沿いは
きれいな海岸がたくさんある。

私たちはいつも
San Vincenzoという地の
ビーチに行く。

少年が4歳ぐらいの頃
ビーチからちょっと奥まった
静かなキャンプ場に
はじめてテントをはった記憶は
深く刻まれた様子だった。

少年の小さな自転車で
キャンプ場内を移動したこと
BBQをしたこと
持参のテーブルでご飯を食べたこと
コイン式の制限時間付きシャワーで
一人でバタバタ体を洗ったこと
トイレは遠いところにあること

ニヤニヤしながら思い出していた。

他のことはあんまり覚えてないのに
キャンプの思い出は強いようだ。
毎年、キャンプしようという。

いま、キャンプする気力は
私にはないので
広大な海を見ながら
ゴロゴロすることにした。

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私は8月中、正社員の夏休みの穴埋めに
食品会社で200時間も労働していた。

正社員が戻り始めた頃
土曜日がやっと休みになり
家族サービスをすることにしたのだ。

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イタリアでは、かなり観光客が減った
気温もだいぶ下がって
海水はちょっと冷たくなった透明な
9月の海は人気がある。

それでもパラソルはあると助かるけど
海上がりの冷えた体に
強そうでそうでもない
太陽の日差しは心地よい。

空は澄み渡り、波もほぼ無い。
南方には
Populonia(半島になってる村)が濃く
Isola d'Erba(エルバ島)が薄く
グラデーションになっている。

水平線は空と海の青のグラデーション。
絵になるヨットがプカプカ浮いている。

海の景色はやっぱり自由感があるなぁ。

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食品会社の従業員は、毎日
同じ作業と向かい合った形式の作業台は
恰好の井戸端会議の場だ。

ずーーーっとおしゃべりをしている。
私も時には話に入るけど
バカバカしい話ばっかりしてるので
ほぼ騒音としてしか入ってこない。

イタリア人のオバちゃんたちの会話は
社長の悪口&そこにいない同僚の悪口w
今日の献立&料理レシピ
子どもの成長&学校問題
ひとのドラマ的人生
生活の問題
便利な生活用品
などなど
若い娘たちの会話は
下ネタまででてくる始末。

イタリアでイタリア人と働くならば
会話力は必須。
おどおどしてはダメ。
自分をもっていないと
すぐ孤立してしまう。
イタリア人はおしゃべりと作業
二つのことが同時にできる人が多い。

先日若い新人の契約社員が入ってきて
ベテラン社員が
「動作からして全てがシャイだ」
という話を私にするので
「私も相当シャイで人見知りですけど」というと
「アナタは年齢的にシャイとかではない」
というのである。ふーん。

そういうくだらない会話の日々から
解放された気分になった海日和。

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思春期青少年は、9月はじめの試験で
進級が決まった。

イタリアの高校は、進級制度が厳しい。
一年間の出席数、最低レベルの成績に
達していないと即落第
一教科二教科最低レベルの成績に
達していないと
夏休み中復習して
9月はじめのチャンステストに
合格しないと一教科でも落第...

夏休み、学校は補習授業を開催してくれる。
各学校、やり方や決まりは違うが
この補習授業を義務化している
学校もあれば
参加は自由と自己に任せる学校もある。

大人的に考えれば
この補習授業に参加することは
進級を手伝っている
とモラル的に捉える。

6月、学校が夏休み入ってすぐ
一ヶ月研修期間に入った。
7月、研修が終わったらその足ですぐ
一週間の補習授業がはじまった。
夏休みまでプログラムされているw

あの週、40℃あるぐらい激暑な中
大人的モラル作戦の補習授業に
参加した思春期青少年少女たち
汗だくでみんなノートを内輪代わりにして
ちっとも頭に入ってこなかった
と愚痴っていたが
とにかく絶対に行け!と煽った。

思春期的に考えたら、ただただ面倒だが
大人的に考えれば、そこがポイントで
来た生徒には褒美として
勉強しておく箇所を教えてくれるはずだ。

夏休み期間バスもない。
そこで活躍したのが
5月に仮免を取ったスクーターだ。
片道20km強、よく通ったもんだ。

それに慣れて
学校方面のサッカーの練習も
そっちのお友だちとも
今や行きつけパキスタン人経営の床屋にも
一人で行くようになった我が思春期青少年。
ブドウ畑のど真ん中にあった
田舎の研修先にだって
田舎道を毎日原チャリで通った。

そして7月の補習授業が終わって
私たちはバルセロナに飛んだのだ。
これもスペイン語と英語の勉強...
と目的付けて。

8月のFerragosto(8月15日祝日)
の週が過ぎると
思春期青少年は、5日間サッカーの強化合宿
合宿後は、まるで何もすることはないだろうと
毎日のように練習x練習。
時には午前午後も。

いつ勉強してたかはよくわかんないけど
練習x練習の間にも
チャンステスト間近の補習授業

日本で
通っている高校で落第するなんてこと
聞いたこともほぼないから
私は慣れてない。
こっちがヒヤヒヤハラハラしたもんだ。

勉強しろ!と言えば
勉強してる、と返ってくる。

わかんないとこわかったの?と聞けば
わかった、と言う。

ニュースでは
夏休み中ずっと勉強していた子の話
家庭教師までつけて勉強している子の話
そんな風に伝えてて
ウチの子は...と不安にさせられた。

テストの数日前
日本人だったらガリガリ勉強するだろうに
地元EMPOLI vs JUVENTUSの
サッカーの試合を観に行ける余裕があって
何を信じてよいかわからなかった。。

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あまり勉強している姿をみなかったけれども
結果、進級することができた。

やっぱり
大人的モラル作戦補習授業の前編の方
激暑の中、参加を自己に任せた補習授業
とっても大切だったそうだ。

前編に参加した子たちは
みんな進級したそうだ。

しかし、8月の後編授業は
見直し程度で
行っても行かなくてもいいぐらい
だったそうだ。

後編だけに参加したお友だち...
落第しちゃったそうだ。

激怒して、我が子に愚痴電話してたが
「お前が勉強しなかったのがいけないんだろ」
と、友に説教している思春期青少年...
それはそれでいい友だち関係だ。

イタリア全国の話だったとおもうけど、
思春期青少年いわく
15人に1人は落第するんだそうだ。

食品会社の同僚ママの息子も落第しちゃって
ママの涙をランチタイムに共にのみこんだ。

その学校は、補習授業が義務にもかかわらず
テストに補習授業でやらなかったことをだし
先生は狂ってるのか笑ってた
と激怒した。

その学校は65人も落第させたそうだ。

2度落第するとその学校に通えないそうだ。

この時期
始業で浮かれている空気があるけれども
その反対には
学校を辞めていく子もいるのである。

テストから始業までの10日間ぐらいで
進路を考えなくてはいけない。
そういう話を今まで聞くことはなかったが
現実が近づきはじめ
イタリアの学校システムを知らない私は
同年代のママたちの話は参考になる。

その後、我が子の落第しちゃった友は
超開き直っちゃって
勉強する量が減るとかなんとかで
前より幸せそうだよ、と
苦笑いしながら語る。

8人ぐらいいたヴィンチのお友だちも半分以下
クラスの仲良しのお友だちたちも落第しちゃって
進級した子たちがなんか変に寂しそう。

私も、何故か涙がこぼれた。

今年は進級できたけれども
翌年はどうなっているのかわからない。

ぎゃんぎゃん言っても本人次第だし
私は頭が良くなくても
母から勉強しろと言われなかった。

落第しても
国立ではなく市立の専門学校で
新たな進路を見つけ
順調に過ごしている例も聞く。

落第が悪いわけではない
というママ友もいるし
学校や先生とのフィーリングもあるみたいだし
専攻を見直すことができるチャンス
だったりもする。

なんとなくネガティブなひびきだし
若いうちに人生の見直しをしているみたいで
こっちがハラハラする。
しかし、こういう時
大人がしっかり守って
進路をアドバイスすることが大切だとおもった。

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だからこの透き通った清い海と
先は輝く水平線をながめることができた
この日曜日は、大空に向かって大の字に転がれた。
 疲れた夏休みだった。

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今日の一曲






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私の母は、享年52歳であった。
7月7日が命日だ。

私はまだ21歳で
ほんの数日後、22歳の誕生日を迎えた。

あれから30年の月日が経った。
30年前の日本の七月は冷夏だった。
30年後のイタリアの七月は猛暑だ。
地球の気候は変動してしまった。

52歳に近づくたびに
45歳ってこんな感じなんだ
50歳ってこんな感じなんだ
て、想いながら過ごしていた。

この52歳になった今日
この世からいなくなっちゃうんだ
と考えたりもした。

52歳って
まだまだやりたいことがこんなにあるんだ
疲れやすくなったけどまだまだ動ける
むしろどんどん誠実に生きるようになって
一日一日に一生懸命だ
欲がぐんと減り、小さいことに心が動く
我慢することの方が多いけど
嬉しいことに涙がでる
悲しいことは、自分の子のように胸が痛くなる

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家にアリの列ができていた。
どこから来るのかおっていった。
巾木はばきの隙間から現れていたので
あっちをふさいでもこっちから出てくるの繰り返し。

しかし、対処しておきたい位置は対処して
ここから出てきてアリの目的物に
私たちが興味なかったら放っておいたりするw
夏の暑い時だけだし。

その対処しなきゃいけない箇所は、納戸だったり
もともと掃除した方がいいところでもあった。
むしろアリのおかげで重い腰をあげて
大掃除や棚を取り付けたりしたものだった。

そこに、日本からコンテナで送られてきた
開かずの段ボールが一つあった。

業者さんが仕分けしたものらしい
業者さんの字で、中身のタイトルが大雑把だ。
だから今まで、20年近く開けなかったんだ。

今回も開けるかどうか迷ったほどだったが
そろそろ断捨離していこうと決心したところだ。

段ボールの中身は、また...
使える画用紙とか
かっこいい画角の雑誌の切り抜きとか
ネガ時代の上手く撮れてない現像済み写真とか
大事そうに、Fastoflexの袋の中に大切な東欧旅行記
Yamaha Pianoのファイルに
現代ブログのような母の闘病日記

探していて見つからなかったものが出てきた。
もう自分の記憶と胸の内だけで終わるのかなぁ
と思っていたものだっただけに嬉しい。
これが私のプレゼントだ!

掃除&整理整頓中、別のところからも
息子の成長日記も。

たくさん書いていたんだな。
これらが出てきても読めるのは私だけ。
家族は読めない。

母の闘病日記は、連載が始まったところだった。
内容を見ても思い出すように書かれている。
闘病日記というより主治医への感謝レターだ。

人生の中で一番大きな講演が全国で開催されること
...思い出す。そうだ、北海道で講演するのに
一人で行くより娘さんと行くならいいでしょう
と言われたと、遠慮しがちに私を誘ってきた。

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私の52歳は
やりたいことができてないから
ぱっとしない生活なんだけれども
家族にいまだに振り回されているような感じで
ぱっとしない生活なんだけれども

母の52歳の連載闘病日記を読んで
感じることや言葉使いが似てるなと
生き方や人生は全く違っても
やっぱり52歳の女ってこんな風に表現するんだなと
なんとなくにんまりしちゃったのである。

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ハラハラさせられる思春期青少年を見守る毎日
思春期青少年が、夏休み入ってすぐにはじまった研修
研修とは言い換えればただ働きだ。

最後の日に。じゃーんと50ユーロ札をみせて
へへへとにやにやしている。
どうしたんだ?と聞くと、もらったとだけ答える。

言葉数少ない思春期青少年に
母はいつも当てにいかなくてはいけない。

ボスでないなら...
フィリピンの人? YES。

私は超久しぶりに
子どもみたいにわーんと号泣して
話せずしゃがみこんでしまった。
思春期青少年は驚いて母をみている。

我が子をよくみてくださった。
我が子に良く接してくださった。

この50ユーロ札だけで
全部見えて全部わかった気がした。

言い方は悪いけどただ働きの研修とは
仕事を覚えることもそうだけど
人間関係やチームで働くこと
絶対誰かは見ていること
行動で伝えること通じること

格好ばかりつけてスマフォばっかりいじっている
でもじつは純で臆病な現代の思春期青少年たち

周りの大人が上手に接すれば
尖ってる青少年でも心は動くんだな
と、私も学んで
ぱっとしない生活にエネルギーが湧いたのだった。

そんなことも私へのプレゼントだ。

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心配事は尽きないけれど
大丈夫と信じて
これかもがんばって生きていこうとおもう。

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今日の一曲。




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思春期青少年は
50ccのスクーターに乗り始めた。

私が、チャリでヴィンチの丘を動き回ることに
ギブアップしたから、買ったスクーターだ。

今は、思春期青少年の
ヴィンチの丘のいちいちの送迎に
私がギブアップしたから
スクーターの免許をとってもらうことに
家族会議で決めたのだった。

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今の子は、本で勉強しない。

ネットのクイズをたくさんこなして覚える方法だ。

自動車学校も授業は人間だけれども
クイズは、PCでやるのだ。

授業は週2回、1時間ずつ。
出席率とか出席確認をするわけではない。
受ければ受けるほどいいというので
私たちが、送迎ができるときは
全部行っとけ!とほぼ毎回行かせた。

それも親はギブアップで
バスで帰ってきてもらったりしたこともある。
が、田舎暮らしは不便そのもの
調度いいバスがなかなかない。

「いつ試験をするのだ?聞いてこい!」
「ボクが決めるんじゃなくて
自動車学校が決めてくれるんだって。」

一ヶ月ぐらい経った頃であろうか
試験日を決めてくれた。

はじめの頃は、1時間でぴったり終わってきたけれど
行くにつれて、クイズにはまって
30分40分オーバーしていた。

家でも、授業のある日は
朝からスマフォでクイズをしまくっていた。

 クイズの出来具合で、試験日を決めるのかな。
自動車学校だって、受かってほしいにきまってる。

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私は日本で運転免許を取得した。
イタリアでは、来た当初は国際免許だったけれども
1年毎の更新なので
現夫とつきあうようになった頃
きっとイタリア在住が長くなるだろうと
こっちでイタリアの免許を取得したのだ。

私は、日本で運転免許の勉強をしているので
こっちの自動車学校には通わず
個人で勉強して個人で試験用の車を用意して
試験を受けたのだ。

私がこっちの運転免許を取りたいと思った年
日本の免許と交換する制度がなかった。

だから私は、教本とクイズ本で当時勉強しまくった。
免許の勉強というよりイタリア語の勉強だ。

試験は、外国人ということで口頭試験
と、通常の実技試験。

受かったときは嬉しかったな。

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50ccの試験も
フィレンツェ郊外の運転免許センターでする。
私が個人で受けたときと同じところだ。

自動車学校にお金払ってるだけあって
きっちりオーガナイズしてくれて
グループで連れていってくれた。

親は自動車学校に送迎するだけだった。

平日の朝からだったので
本業の学校は欠席。。

電話がブドウ畑に響いた。
私はブドウ畑で、
ブドウの芽掻き作業をしているところであった。

思春期青少年だ。
「もしもし」と言った途端
「Idoneo!(受かったよ!)」
とても興奮している様子だった。

あぁそうか、試験に合格するというシチュエーション
初かもしれないね!

こんなことで一番に母に電話してきてくれるなんて。。
「おめでとう!良かったね。」
「いやーこれで自由に動ける!」
え、ちょっと待って。
まだ筆記試験だけじゃん。免許取れてないよ。
これから実技じゃん。

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試験翌日の午後
自動車学校に仮免許(foglio rosa)を
受け取りに行った。
「マジで運転していいのか聞いてこい!」

現在は、町内とか市内での練習とかないそうだ。
ネットで調べても
地域も時間も制限はない。
強いて言えば、交通量の少ないところで、とはある。

保険も特に何もしなくていい
と自動車学校はいう。

でも、万が一のことを考えて
個人的に保険会社へ問い合わせた。

スクーターも保険も親名義なので
ベテラン扱いで設定されているところに
初心者も加えてもらうことにした。
その差額を払う。
想像していた額より全然少なかったので
ほ。

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思春期青少年が幼少期の頃
確か、3歳とか4歳だったとおもう
補助輪付きの三輪車のこぎ方を教えた。

確か、5歳か6歳だったとおもう
補助輪をとって2輪の自転車の乗り方を教えた。

少年が中学生の頃の夏休み
自転車で一人で海に行った。
スマフォだけを頼って一人で行った。

あの時、後で一人で行ったことを知った。
ぎゃんぎゃん怒ろうとしたけど
少年の冒険がはじまった
と思ったりして、怒れなかった。
けど、注意はした。

友だちはいないのかときくと
「冒険できる友だちはいない」と言った。

とりあえず、ちゃんと帰ってきた。

思春期青少年は今、16歳。
私は、スクーターの運転を教えている。

まずは、ヴィンチ村の駐車場まで
次は、隣村のスーパーまで
その次は、サッカーの練習場まで
そして、ちょっと街よりの雑貨屋まで

徐々に距離をのばしたり、交通量があるところを
青少年がスクーターで前を走り
私は車でくっついていって様子をみた。

停まるごとに、ウインカーの出し方や
左の曲がり方を教えた。

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思春期青少年は、幸せそうだった。
自由に動けることが嬉しそうだった。

私も車を買ったときとっても嬉しかった。
一人で動けることが嬉しかった。

思春期青少年はもう、私の知らない世界にいる。

彼は想像を膨らませて幸せそうだ。
私もそんな彼を見ているだけで幸せだ。
そして私まで想像を膨らませて
自分の若かれし頃にタイムスリップしてしまう。

この夏は、友人Cのところに行くぞ!とはりきっている。
一緒にプールに行くんだ
Cのところでゲームをするんだ
一緒にサッカーの練習に行くんだ!

なんてことない望みだが、田舎暮らしには
常に親が送迎だった。

そして、我が思春期青少年は
やっと...やっと...
初めて兄弟のような親友に出会ったのである。

小さな村の子どもたちが
高校生になって、村の子以外と出会って
新たな発見がある。

毎日みていると変化に気づく。

思春期青少年がある日言った。

「Cと出会って300人以上の人と知り合った。
Cといると人がよってくるんだ。」

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毎日、髪の毛のセットに時間をかけている。
自称、人気者なんだそうだw

スクーターの仮免で
学校までの中間地点よりちょっと先の
Cの住む町で集合し
CとCの幼馴染みが通う床屋に
三人で行ってきた思春期青少年。

Cはスクーターの免許を最近取得。
Cが教えてくれるんだと。

とりあえず、ちゃんと帰ってきた。

この夏、どんな夏になるのだろう。

実技の試験は、自動車学校いわく
筆記試験から三ヶ月後なんだそうだ。
すっかり夏休み中。

イタリアはあともう少しで長い夏休み。。。



今日のトレーラー。




今日の一曲。




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2年前の2020年の2月、コロナ第1号がイタリアで確認された。

少年のそればっかりはいつものささやかな誕生日
日本語学校の帰りにフィレンツェの家族友とケーキを囲んだ。

その週、ヴィンチの学校で雪山に行く遠足があったが
学校は全てのイベントをバタバタとキャンセルし
指定されていた雪山用の靴が新品のまま箱の中に眠りっぱなしとなった。

その後、少年はワンサイズ大きくなり、もう履けない。

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1年前の2021年2月、コロナの子がいて学級閉鎖だったんだ。

リモート授業の休み時間、画面の向こうで
おめでとう!の声がキャーキャー聞こえた。

少年は中学最後の誕生日だった。

その誕生日当日、愛用のiphoneの画面が固まり修理に出して
メッセージが見れない...と手持ちぶさたに過ごし
家族とひっそりロウソクを点けたんだっけ。

大好物のプリンを食べる頃には、父はのびちゃって
肝心なときはもう夢心地で気持ち良さそうだったねw

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そして2022年2月、15歳になった思春期青少年は
地元の親友たちと誕生日を過ごした。

とはいうものの、かっこつけでも控え目な性格の彼は
通常通りささやかに家族と過ごす誕生日を想像していた。

思春期青少年は、寿司とラザーニャとティラミスが食べたいと言った。

いつもはTボーンステーキとプリンと生タマゴご飯wなのに
想定外の注文に戸惑ったが、変わっていくことも受け止めたい
こんな世の中のこんな日ぐらい幸せに思える日にさせたいと
母心におもうのであった。

寿司用のサーモンは買った後一度凍らせる。
サルモネラなどの菌は凍らすことでも死滅するらしい。
業務用冷凍-18~20℃あれば24時間ほど凍らせばよいらしいが
ウチのポンコツ冷凍庫では
最低でも4日間は凍らせることが望ましいようだ。

生食サーモンとカチカチアボカドがメインで
イタリアで寿司を拵えようとすると
一週間は見積もらなくてはならない。

!あるある。
ずいぶん前にSNSでアボカドをアルミホイルに包んでおくと
黒くならずに長持ちするという投稿をみて
試している最中のずいぶん前に買ったアボカドがある。
カチカチからプヨっと押せるほど調度よくなっている。

青少年は、サーモンさえ食べれればいい。
私が彩りをつけたいだけだ。

青少年は、先に全部サーモンをたいらげ
次、アボカドの寿司をたいらげた。

その間、友からのメッセージを見ながら食べて
その後、友だちに会いにとっとと出かけてしまった。

そして、メインの夕飯は友だちと過ごすことにし
夫婦は、二人っきりで青少年がリクエストした
アツアツのラザーニャを食べるのであった。
「はじめてだねぇ、息子の誕生日に本人がいないの。。」

思春期青少年は、その夜、笑っていた。
いつもはイライラしてるのに、笑っていた。
何があったんだ。
でも、いい。知らなくていい。
知ろうとするから距離ができるんだ。

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青少年が笑っていたのも束の間
プーチンの侵攻がはじまった。
イタリアでは、戦争(Guerra)というよりInvasione(侵攻)と
タイトルがついた。

その日、思春期青少年のSNSもプーチンの侵攻でうまっていたそうだ。

ウクライナは、1995~2002年生まれの男子を兵隊にするそうだった。
青少年はそれを聞いて不安がった。
「イタリアも戦争するの?」

あのときもいまも、そんな恐ろしいことをしているのが
青年たちだと思うと泣けて仕方がない。
きっと昨日までTicTokをみていた青年たちであろう。。


いとおしい慈愛なる友が、イタリアを撤退した。
ちょうど思春期青少年の誕生日の日だった。
プーチンの侵攻がはじまる前である。

世界の出来事と友の出来事がちょうど時期的に重なった。
人生とは本当に様々にあるものだと身に染みた。

私は、もし私がウクライナの民だったら...とか
私は、もしイタリアで独り身になっちゃったら...とか
私は、もし究極の貧困になってしまったら...とか

いろいろ考えると不安が募っていてもたってもいられない。
ちょうどプーチンの侵攻の日、すごく心臓がバクバクした。

その日、G.A.S.(Gruppo di Acquisto Solidale)の仲間が
支払いに立ち寄ってくれ、立ち話をした。
今の私には話す人は家族しかいないこと
笑っちゃうけど、一歩外に出ても畑で出会うのはテントウムシだ。
仲間は「それ、ヤバいって!今度お茶しようね!」て。


思春期青少年は、あの日、笑っていた。
お友だちが集まってくれて、笑っていた。

懲り懲りの二月なんだけど、笑っちゃうよ、もう。
おめでとう、今あることに、おめでとう。

思春期青少年がある時期のシャワー中よく聴いてた曲。
私の壊れたラジオでもよくかかる。をどうぞ。




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いつの間にか12月だった。
早く時が過ぎ去ってしまうのに
早く時が過ぎ去ってほしいとも思った。

私のその早く過ぎ去ってしまう一日の楽しみは
毎日、早い時間の日が沈む時間であった。

さっき思春期青少年が帰宅してから間もないのに
早々に一日を閉めようと、日が沈んでいく。
ちょっと待って! そのまま光を放って!

青少年はその、日が沈むころ
リラックタイムで引きこもりタイムとなる。
だから、この無のような清い空を見届けて
一日が終わることはない。
残念だけど、彼の人生は長いので急がせない。

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 思春期青少年は9月から高校生だ。
早起き、学校が遠い、帰宅が遅い
クラスがおとなしい、先生がイヤだ、などなどなどなど
ずーっと文句言ってはすねていた。

が、早朝も午後も慣れてきた様子だ。

先生がイヤだ!と言いつつも
良い成績が取れば、振り返りながら喜んで
私に報告しに来る。
中学生の頃、成績が悪かった数学も
クラスのトップ5になったりして
自分で自分に驚いて自惚れているw

お友だちが別のクラスにできたそうだ。
そのお友だちはサッカークラブが同じなんだそうだ。
クラブでもぐっと仲良しになったそうだ。
目が合っただけで、笑っちゃうんだそうだw
先日サッカークラブの忘年会で、深夜に帰宅した。
スーパーグリーンパスの出現で全員参加とはいかないが
少しでも一緒にいられる時間ができるのなら
それはそれで母心が温まる。

新しい生活に慣れてきて
新しい友だちができて
ちょっと成績がいいときが増えて
楽しそうにみえるんだけど
私がその幸せを分けてほしくって
あぁもしかすると私が私の時代にタイムスリップしたいから
根掘り葉掘り聞くもんで
うるせぇぇ!と邪険にされ、余計に口をつぐむ。

それとさ、悪い言葉使いがまぁ目立つ。どうやら
人気ゲーム実況ユーチューバーの真似をしているようだ。
そのユーチューバーに、やめてぇと親が嘆きたい
が、そういうハラハライライラさせて
親が入らない世界が彼の逃げ場なんだろうな
と、自分が思春期だった頃の記憶を振り絞って
フレキシブルに接しようと試みはするが
そううまくはいかない、ぶちギレる時はぶちギレる。

世の中のせいにもしたくなるけど
自分たちの能力のせいにした途端、落ち込む。
お互いがお互いのせいにし合って
ぎゃんぎゃん家族三人でケンカしても
翌朝、静かに「6時だよ」と起こし合って
真っ暗なヴィンチ村の入り口まで送っていく。
帰りは、バスの便が少なく隣村まで迎えに行き
思春期青少年の1時間をつくってあげる。
その1時間を無駄使いしているようにしかみえないが
無駄に気づくには急いではいけない...。

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だから私は今、時間が早く進んでほしいとおもっている。
早く気がついて!とか、早く成長して!とか
早くコロナ終わって!とか、早くお給料日きて!とかw

そうだ、師走は夫の誕生月だ。
浮かない時期だけれども、乾杯する目的があったじゃないか。
そんな日ぐらいは穏やかに過ごそう。
ご近所さんに頂いたFagianoファジャーノ(野鳥;キジ)を
in umidoインヌーミド(赤ワインとちょっとトマトで煮込む)で囲んだ。
(こういうジビエの煮込みに黒オリーブの塩漬けを使う。)

我が家の灯りは、ひっそりヴィンチの丘に灯している。

向こうの丘の窓の灯りにも
家族というドラマや物語があるんだろうな。

フィレンツェの冬を過ごしていたその昔
狭い空を囲むパラッツォ(建物)の窓の灯りを眺めながら
いろんな家庭のいろんな人生を想像したっけ。
絶対に涙だってあるはずだし笑いだってあるはずだって。
20代の頃もフィレンツェでそんな風におもった師走
今もヴィンチの丘でそんな風におもう師走であった。

冬至だから、窓の灯りが長い。

DSC07538

穏やかにクリスマスが過ごせますように。
ヴィンチの丘よりメリークリスマス。



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