大地の住人 ヴィンチの丘で

地球と体に優しいコト ~イタリアから~

フィレンツェの端っこレオナルド・ダ・ヴィンチのふるさとヴィンチの丘に在住。 大地の自然たちと向き合って地球と体に優しい様々なコト、発見・提案・発信!

タグ:日本人

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2020年、早く過ぎ去ってくれないかなぁと思わなくても

いつのまにか年が暮れていました。


動きたい抱きつきたい密りたい独りになりたい思春期少年と

ロックダウン不可能でマイペースにネガティブな野生夫と

その二人にかまう日々とそんなにいつもと変わらない

ポジティブな私でもコロナで気が滅入りました。


家の中に閉じこもっているとまだ他人事のような気もするのに

社会の対応に思春期少年が変わっていくのをみて

そして犠牲者の数もそうですし、商いができないこともそうです

人を集めた何かができない、仕事は減る、探しても仕事はない

世の中が大変なことになっていることに

ワナワナと押し倒されていました。


振り返ってみると、記録にも残したかったこともありますが

この一年のブログでも、コロナの話題で何度も泣いています。

申し訳ございません...でしたが

ちっぽけな自分の小さな世界だけのことを語れなくって...

唯一明るい話題で夏のコロナ気休めボーナスバカンスで

ふと息を吐いたぐらいです。

我々にとってはけっこうゴージャスな旅行でした。

イタリア政府がわざと扉を開けてくれたようにも振り返ります。


暮の今、イタリアはワクチンの投入で

政府は期待一身感に溢れています。

それは、コロナワクチン例が無いことへの挑戦と

これで犠牲者は減るだろう安堵感。

第一線の方々と弱い方々が優先されています。


しかし、やっぱり薬しか手はないのか...

健康な人を操作するのか...

脳と心をもつ人間だからこそ何が何でも治すんだけど...

私は植物に対しては無農薬派だし

人を変えるほどの厳しいロックダウンを経験していると

正直とっても悔しくなります。


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私は、小さなバイオダイナミック農法のブドウ畑で

農主が手に負えないとき、お手伝いをさせていただいてます。


バイオダイナミック農法の特徴は

月や星との繋がりで植物のリンパの流れが支配されていること

4つのエレメント、火・風・水・土の生体力を活用していること

日のエネルギーを利用していること

薬草や緑肥などの栄養を与えることで虫まで喜ぶこと

鉱物のエネルギーも月や星や日の傾きのタイミングで得ること

詳しくいえばもっとあるのですが

月火水木金土日を言いたかったので並べてみました。


それでも上の4つは

どの畑にもどの人でもできそうな気がしてなりません。

天空と地球上の生きている力を活用するので

すごくエネルギッシュな生き物が食べ物として生まれます。


私は、管理人がいなくなったご家族の

野放しにされそうなオリーブ畑の管理をボランティアで

オリーブの生産維持ときれいに畑を保たせています。

ボランティアなのでお金をあまりかけずに

実験的に経験を積み重ねていますが

せめて上の3つの力を信じて、丈夫なオリーブを育てています。


この丈夫になってきたオリーブたち、貧弱そうなんですが

量ではなく、不思議なエネルギーのある果実を生むんです。

何もしてないのに無敵になってきて毎年驚かされます。


農主のブドウも、年々強くなってきて

輝く色の果実から超濃厚な果汁が絞れます。

でも、他のバイオダイナミック農法のブドウ農園さんで

人任せにしたり手を抜くと、やっぱり手抜きの果汁になるんです。


こうやってエレメントたちが共存しながら

生きる力を目の当たりにし真に受けると

私たちの体調や生活に当てはまるのではないかと思っています。


コロナでメソメソすることもあるんですが

私はこの植物たちに助けられました。

いろんな色の実がなって、色に見合った味ができて

丈夫で、へっちゃらな顔して美しく収穫されるんです。

っもうどんなに勇気づけられたことか。


いろんな人がいて、その人の性格があって

人生があって、困難や幸せがあるのと、同じなんです。


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きっと友たちが口添えを囁いてくれたのでしょう

トスカーナ日本人会さんから会報アルノという冊子の表紙に

ザ・トスカーナの写真提供のお話がありました。

Facebook(オバタ マキでフォロー可にしました)の写真一覧と

Instagram(@obatamakivinciと@realmakici)のプロフィール画面で

検索してもらうことにしました。

風景の写真を選ぶのかなぁと待ち遠しくしていると

な、なんと、バイオダイナミック農法の

農主のきらめくVermentino(品種)を選ぶとは!


表紙のコンセプトは、トスカーナらしくを筆頭に

翌年の2021年にはダンテ・アリギエーリ没後700年を記念して

古代から続くイタリア文化の葡萄酒を謳う神曲にマッチしていること

そして何よりも、この暗い世の中に光を差すような明るいシーンを

ということだったそうです。


私は、ピッタリだったんじゃないかな、と自分ながらに胸が踊りました。

トスカーナ日本人会さんの会報アルノは

配布先を公表しておりませんので、どこで出会うかわかりません。

今回も在住日本人さんたちの活躍と情報が満載です。

子女の通う日本語補習授業校の様子も伺えます!

なかなか手にする機会を許さない世の中ですが

発見したときには是非目を通してくださいね。


ときどき農業写真を褒めてくださる方がいます。

私の好奇心とカメラ好きが相俟って

畑の中を小型カメラを持ち歩いて

マクロないっろんなシーンに遭遇し目撃し

作業中にもかかわらず写真を撮っていますw

もう農主も仲間も公認?アレ?黙認ですww

こういう類を農業カメラマンと呼ぶそうです。

(どうぞよろしくおねがいします)


どのブドウも個性的で性格があって輝いていて、でも

ときにカビにやられていたり、ハチに果汁を吸い取られていたり

ある病気で木ごと変装しちゃってるブドウもあるんです。


あのカラフルなブドウは、ホントわーっと胸が膨らむような

驚きがありました。じつはあのカラフルさは

果実特有の色付きの真っ最中なんです。


あのカラフルは一粒ずつの成長の違いでもあります。

成長の違いとは、リンパの流れる部分の速度とか濃度とか

風の当たりや日の当たりなどにも関係してきます。


違う視点からみると

房の一粒一粒は血の繋がった兄弟のようです。

私は、あのブドウを「命の色」と呼ぶことにしました。


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私は無宗教だけれどもキリスト教の国に在住して

学んだことがあります。

生まれてくるものはみな自由で平和で平等で兄弟であるそうです。

自分勝手な解釈かもしれませんが

みんなが兄弟なんだと思うと、怖がっちゃいけないし

むしろ勇気が出てくるし助けたくなります。


私たちはあの一粒一粒のように成長の違った個性のある兄弟です。

あしたの世界の栄養となるように

一粒一粒輝きながら生きていきたいです。


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翌年来る年の2021年、みなさまの健康と発展を祈っております。


距離はあっても心の支えになってくださった友のみなさん

フォローしてくださってブログを覗きにきてくださったみなさん

訳してまで読んでくださってる世界のどこかのみなさん

ブログを紹介してくださったみなさん

いろんなところで気をとめてくださったみなさん

本当に本当にありがとうございました。


ある意味このブログを軸に、日々の暮らしや活動を

より意識しながら過ごすことができました。

2021年も是非ともよろしくお願いいたします。


どうぞ距離を温めながら心温かい新年をお迎えください。

それでは2020年の幕を閉じたいとおもいます。



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一年の終わりFine giornata e poi fine anno

1ページのあとがきsono in un giornali

小さくテーブルを囲んでi miei pranzi di Natale




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私には近い友と見守る友がいる。

その中でも、イタリアにいて田舎暮らしだから

見守る友の方が圧倒的に多い。


ヴィンチに行きたいと会いに来てくれる行動派もいるし

心を想いで繋げるそっと派もいる。

毎日ふと元気かなと友たちを思い出し

一人自分に心を友に向けながら一日がんばっちゃうときもある。


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ある日、友からメッセージがあった。

「モンタルチーノのワイナリーに一泊で行かない?」

本心、先月家族バカンスをしてきたばっかりだから

私は満たされていた。

そして、ブドウの収穫やオリーブのミバエ対策で

頭がいっぱいだった。

なのに、思春期少年にヤキモキしている最中だった。


そう、コロナのせい(!)で”家族”はさらにもっと引き寄せられ

家族との三密にもがきはじめた頃だった。

そして、一步下がって眺めてみよう。

私は常に独りの時間が欲しくて欲しくて

若いときなんか、独り時間を優先して

平日4日出勤を実行していたぐらいである。イタリアで。

仕事で独りになるのではなく

同じ屋根の下でバラバラに独りになるのではなく

独りポッキリ空間と時間を望んだのである。

だから、思春期少年の独り行動欲も十分理解できる。

夫の独りポッキリタイムはたいてい

メディテーション(?!)に費やされるw


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「行こうかな。」

私は、それでもヤツラに旅行先のお土産を考えながら

保冷剤と保温バックとカメラをカバンに詰めて、出発した。

エンポリの駅まで、ヤツラが揃って送ってくれた。

ホームには、友が私を探していた。


きゃぁきゃぁいいながら、熟女二人は電車に乗り込み

大笑いしたり深刻に眉を寄せたり

電車の旅はあっという間におわり、シエナに着いた。


シエナって...電車で来たのははじめてだ。

フィレンツェからはバスだったし、ヴィンチからは車だった。

それだけでも初体験で盛り上がった。

シエナの駅のちょっと近代的な新しそうなショッピングモールを見て

あぁここもかとちょっと残念におもえた自分がいた。

不便とか質素ぐらいがちょうどよかったりイタリアっぽいのにな。

むかしイタリアをグルグル歩いた頃を懐かしんだ。


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シエナのホームの出口にお世話になる友が待っていた。

きゃぁきゃぁと熟女たちは、再会を喜んだ。

この再会ムードは

日本の友やまだまだ会えない友へも想いを重ねた。


シエナの友がよく行く素敵なワイナリーに行くことが

今回の旅の目的である。

早速、彼女のハイブリッド車を静かに発進させた。


シエナから小一時間はかかったんじゃないだろうか。

そして、ワイナリーって田舎にあるから道に迷いやすい。

迷ってもわからないほど、どの道もどのパノラマも新鮮だった。

丘から丘へ、ハゲたような丘は麦畑らしくもう刈り込まれていた。


そろそろ近づいてきたようだ。

成長が止まって熟れていくブドウがぶら下がった畑が見えてきた。

こっちはまだ2~3年目の若いブドウ畑だ。

こっちはトスカーナの伝統的な樹形だ。それでも若い。

綺麗に丁寧に作業をされていることがわかる。

丸太で架線が引っ張られている。

ここは手摘みを愛する農園だ。

この丸太をみるだけでホッとする。


ブドウ畑の真ん中にセラーも家も食堂も居座っていた。

車が入ってくるやいなや、奥様らしき方が迎えてくれた。

ママの後を追うように、妖精のような子どもたちは

じっとこちらをみている。

ワイナリーの奥様はこんがり日焼けした日本人であった。

はじめまして~の挨拶はイタリア人であった。ほっ。

小さくて可愛らしい奥様の笑顔は接客慣れもあるだろうけど

きゅんきゅんはねた私といくつも離れた若々しさが眩しかった。本音。

なんだかはじめましてではないような

心を繋げる想いのそっと派友のように、遠くにいるっていうだけの

久々の再会のようにきゃぁきゃぁ出会った。

この日3回目のきゃぁきゃぁ。


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奥様は、セラーを案内してくれた。

中はヒンヤリ。こんなに外気温と違うのか。

セラーは建物もタンクもなにもかもが新しかった。

そして高級そうだった。

ステンレスタンクは二重層になっていて温度を調節できる。

温度調整のためにその層の間を水が流れるのだそうだ。

床冷房のしくみである。

木製タンクはみるからに高級そうだ。

発酵も熟成もできるから便利だとおっしゃっていた。


現在ビオ(無農薬)の申請中だそう。

モンタルチーノ規制ブルネッロ登録でのビオ申請は

その何年間というブルネッロ独特の熟成方法を達した期間後に

ビオ標章がもらえるのだそうだ。はがゆい。

あの緑マークがあるだけで全然違うんだよね。

本当に無農薬で予防して造り上げている農園の

一番わかってほしい部分。味はともかく。


お隣の部屋は、ブルネッロの隠れ家のようなオークの樽が

格式高く静かに佇んでいた。

Merlot100%の樽、Rosso di Montalcinoの樽

Brunelloの樽、Vinsantoの樽

どうしてこの樽なのか、こだわり理由も教えてくれた。

樽の丁寧な管理の仕方も教えてくれた。

樽とブドウから生まれる菌を継承させることも教えてくれた。

ふと、樽で造る小豆島の醤油セラーを思い出した。


こちらの農園は三代に渡って継がれているそうだ。

その三代分の歴史と技法を継承していくことが

決定的なブドウの造酒となるようだ。

バイオダイナミック農法とはまた違う月の力を利用していること

ニ世帯家族と家族のような作業員で細々と

しかし投資は惜しまず堂々と

天から降りてきたようななんでもできちゃう凄腕ニッポン人妻と

生活も仕事も元気でこれまた凄腕義母さんのフェミニンパワーで

この農園を切り盛りしていることに圧倒される。

ヴィンチにはなかなかないゴージャスさを感じちゃったのである。


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この別棟はプロシュットやサラミをねかす部屋。わー、ゴックン

先代、養豚農家だったそうだ。

その伝統的な技法をここでも継承させ

この丁寧に揉まれ吊られたプロシュットは

ワインのテイスティングのつけあわせでドーンと

オリーブの木のまな板プレートにのってやってくる。ワオ

常夏の八月のイタリアの空気に脂肪の白いところが溶けてきた!

口の中でとろける前に、とろけたプロシュットを口にすると

どうしてこんなに美味しいの?! ジュワ~

どんどんいけちゃうw やだ、食いしん坊にみられちゃうわ!

口の中で永遠に続くジュワをお土産用に無理いって

数日分譲ってもらうことにした。あぁ、おばちゃん丸出しw


ジュワジュワプロシュットは溶けるわ

樽の味やら歳を追ったブドウ酒やら

そして出会い&熟女再会やらで、テイスティングは宴と化した。

凄腕ニッポン人妻=奥様と妖精のような子たち

子の世話と接待で大忙しでも時々顔を出しにきてくれたファミリー

一つになっててとっても素敵だった。

コロナ禍で大変な思いをしているのはどこの農園も同じなんだけど

他にない贅沢さとこだわりがあるこのファミリー農園

ささやかに応援したく訪問し

ささやかに紹介したくここに残したいと想う。

いつの日か観光業の復帰を祈り

またきゃぁきゃぁ再会したい見守るそっと派友となりますように。


Santa Giulia diMontalcinoさま

長い時間ありがとうございました。


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農園を出てすぐ、なんだかZabriskie Pointの映画のような

裸の丘が一面に広がった。

そう思うと、頭の中でBGMが流れ出しちゃう。



まるで幻想のようだった。

日の傾いた丘はコントラストが薄く長く、丘は白黒のようだった。


シエナの友が、ここはオルチャ渓谷だよ、と教えてくれた。

あぁ、また走ることができた。

数年前も家族でアミアータ山をめがけて走ったっけ。

今日はアミアータ山を横目にシエナに向かった。

行けども行けども丘だらけであった。

道に迷ったという友の心配を他所に

日が暮れ周りは青くなった裸の丘は静かに光り

私は真っ暗になるまでZabriskie Pointを聴いていた。



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峡谷で極上サラミを食べるの巻versole Marche vol.4

バイオダイナミックワインの瓶詰めImbottigliamento

前は今は後はversoil cielo



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コロナウイルスの危険情報が日々もしくは時間差で

在イタリア日本国大使館からメールが届く。

たびレジに登録した人へ発信しているサービスだ。

大使館から知らせがくるとなんだか緊迫感を感じる。

私はさらにイタリアの国営放送のRaiニュースなどを見るなり

ラジオ聞くなりして、情報をなるべく一括して

SNSなどに惑わされない情報で(!)

もしかすると身近に感染している私たちの生活にも

冷静に判断し動いていきたい。

閉鎖や封鎖、隔離や休校、休館、危険度レベル、あちこちで

感染を防ぐであろう人混みを控えさせる方法で指令され

効果が出ていることを期待しつつも、経済が回らないことに

不満が隠しきれない様子だ。

この感染症は、国で世界で一団となって対応していかなくては

弱い命を守ることはできないだろうと私も思う。

私やアニマル少年が感染しても治るであろう、となぜか自信がある。

しかし感染中に体の弱い人に感染させてしまったら・・・なのである。

世界で経済が回らない・・・ 一人の経済が回らない時は

ただの情報にしか過ぎない。そんな風にもぼんやり考える。

例えば、異常気象でブドウやオリーブが収穫できなかったら

農家は一年間の収入はない。

異常気象も私たちの生活スタイルや行動で取戻すことができたら

化学を必要としない美味な作物を収穫できるかもしれない。

そして、農薬取り扱い免許取得の授業で

農薬の使用の住宅からの距離の数値より

農薬を使えば使うほど生物は強化を増して

人間に対抗してくるという話がやたらと忘れられない。

今回のウイルスもなんだか人間vs自然(微生物)なんじゃないか。

ウイルスにも歴史があるであろう。

ウイルスの原因には文化があるはずだ。

ウイルスの予防は日頃の栄養と鍛えと清潔にたどりつく。

そんなことを考えながら一人畑でこのコロナのことを考えていた。



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オリーブの木にもウイルスがある。

私が一番嫌いなのは、Rognaロニャというがんしゅ病である。

私の電子辞書ではカサカサ病とあるのでずーっとそう覚えていたら

先日日本からオリーブの苗木商人さまがヴィンチを訪ねて下さって

Rognaは癌腫がんしゅ病と読み書きすることを教えてくださった。

なぜそういう日本名かというと

癌のような黒く醜く硬いこぶだからだそうだ。

私も癌のように見えてしかたがないから大嫌いなのである。

この病気は、特に雹などの異常気象的な異物にあたった傷口や

ただ単に異常気象に耐えきれずに発生してしまう場合もある。

発生後の感染は、風であったり、雨であったり

収穫中であったり剪定中であったりする。

このウイルスに感染し放置しておくと、そこは次第に枯れてくる。

しかし、丸ごと木が枯れることはない。

私は、美味しいものは健康なものからつくられるとそう信じている。

できることなら病らしい症状を、早急に剪定で除去したい。

それが無理なら、有機栽培用の治療法を最終手段として使う。

過去のRognaの記事とあわせて参考にしてほしい。

農園が、収穫も剪定もみんな違う労働者に任せると

病に気が付かない。雇われ人は病なんぞ興味はない。

農園の主が知識をもって畑を歩き回り

病を発見して指示をしないといけない。

しかし、ほとんどそんなことは誰もしない。

私のように病に気がつき除去できるのは

収穫から管理、剪定まで全部自分でやるからである。

そういう人はたいてい個人で少量に栽培していて

他に提供できる分は少ないところが欠点である。

Rognaは味に影響しないという声もあるが

先に述べたように、私は健康な人(木)の旨味を絞り出したほうが

断然美味いに決まっているとそう信じて疑わない。



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2019年の5月の開花頃天気が最適ではなかった

そして初夏の強烈な猛暑以外は過ごしやすい夏であった。

控えめに結実した分、枝がわんわん生えてきた。

それを取り除く作業にチェンソーまで役に立つほど!

そして、今まで大地派剪定で行っていたが

長いハサミで高いところを剪定すると

切り難いところは1~2cm以上の切り残しが出てきて

そこから大小と新枝がいっぱい生えてくるという欠点をみつけた。

だから今年は、はしごに登って、木に登って

切り残しと新枝を除去する作業をしているのである。

そしてワタシ流剪定論では

幹から3~4本枝分かれした主となる大枝の南側にあたる枝や

上の剥き出しとなる部分や枝を

夏の炎天下で焼けないように

小さな枝を残したり切残したりする方法はいらないと気がついた。

なぜなら、冬に残さなくても春夏に自ら生えてくるからであるw

私がわざわざ意図して残した部分は

結局の所多すぎてカビているのである。これではダメだ。

だから夏の新枝剪定を私はせず

自ら生えてきた彼らの意味と意志を受け取ってあげたいと

想うのである。収穫中邪魔になることもあるが我慢。

夏の剪定が刺激になるという声も聞いたことがある。

伝統農家は夏にきっちり全部新枝を取り除く作業をわざわざする。

夏の新枝除去作業は

やはりわかっている人や冬の剪定士と同一人物であれば

こいつは使える未来の枝まで取り除いてしまうことはない。



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健康なオリーブの木を無農薬で保つには

すべてが繋がっている作業で

病の対処法を知っていなくてはならない。

剪定士は、オリーブの外科医のようなものである。



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オリーブに関わること、オイル・化粧品・苗木・盆栽・イベント

そして、聖なるイスラエルのオリーブオイルやワインを

輸入したり研究したりしているとーってもオリーブ博士な

オリーブガーデンさまのニュースレターで紹介していただきました。

こちら

ヴィンチご訪問ありがとうございました。





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イタリアのオリーブオイル鑑定士shinomaiちゃんの

人気ブログで紹介していただきました。

こちら

ありがとうございました。

大地の住人、ばっちり顔出てますwww





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オリーブのウイルス菌対処 Potatura degli Olivi ③

大地派剪定 Potatura da Terra

オリーブ剪定士 Potina


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私が小豆島に行きたかった一番の理由は

日本のオリーブ畑を歩きたかったからである。

小豆島にフェリーで着いた途端、オリーブの木があちらこちらにある。

バスまでもオリーブバスなどという名称になっている。

島は、オリーブで有名になり島の経済を回しているようだ。

オリーブ牛、オリーブ豚、オリーブ素麺、オリーブソルト・・・

勿論オリーブオイル、オリーブオイルドレッシング、オリーブ塩漬け

オリーブ茶、オリーブソープ、オリーブローション

オリーブオイルクリーム、オリーブオイル化粧品・・・

日本人の開発力やビジネス力に驚く。

オリーブを使ったことでオリーブの効果がどこまで発揮できるか

私は疑問だが、土地興し的なマーケティングは日本に向いている。


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しかし、小豆島に着いてすぐに気がついたことがある。

私は、トスカーナに住みオリーブ栽培をトスカーナで学び

トスカーナで独自栽培をしていることもあって

小豆島のオリーブの樹形や剪定の仕方が

私が学んだ剪定と全く違うことに一目瞭然だった。

私たちがざっくり二つに区別しているフルーツ樹形と

正真正銘オリーブ樹形(それでもいくつもあるが)に例えたら

フルーツ樹形っぽく、なんかモサモサしているのである。

枝もヒョロっと上へ伸び、中心部も枝だらけ。

目にするオリーブがどれも似たような剪定でなんか納得いかない。

なんでだろうな。


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小豆島で唯一か数少ないであろう有機で栽培している

オリーブ業一本で賄っている農園を訪ねることにした。

この人もいい人だ。わざわざ宿舎まで迎えに来てくれた。

島の不便さを分かっているからであろう。

有機農園のご主人も、東京からの移住者であった。

オリーブに魅了され相当の情熱があっただろうと想像する。

ご主人は、土地を数件借りてやっているそうだ。

私と同じだ。移住者は土地を持っていない。

だから島民が面倒見きれなくなった土地を管理しているのだ。

だからあっちこっちにあるそうだ。


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それで、剪定の質問をすると

「あの樹形は間違ってはいないんですよ。」

「あ、そうなんですか?」

「小豆島はもともとみかんの栽培が盛んだったんです。」えーっ!

あのフルーツ樹形だなーと眺めていた樹形は

みかんの木の樹形だったのであるw

みかん農園の方たちが、巷でオリーブが騒がれ始めて

オリーブ農園に切り替わったのだそう!

だから、オリーブ栽培はみかん栽培のつづきなのだそうだ。

収穫もみかんのように一粒づつ収穫しているんだそう!

地面に編みを敷いてガタガタと振動機で落とす

イタリアの収穫風景なんて未知の世界なのであろうか

それとも野蛮な世界なのであろうかw

イタリアのオリーブ栽培からすると

手摘みでお腹のポケット(籠とか)に仕舞い込むやり方は

大袈裟に言うと100年前の話かもしれない。

オリーブ文化の国は、どれほど収穫に時間をかけてはいけないか

そこで採算があわなくなってくることを知っている。

収穫してすぐに搾油した方が良いことは日本人も認識済みで

各農園に少量でもできる小型搾油機を持っているそうなのだ。

人件費をつかってまでも丁寧に摘んで

様々なオリーブ商品に展開するのが日本のやり方なのである。

オリーブの収穫をイタリアより早々から始めているのも

塩漬け用だったり

、超ポリフェノール満点のオリーブオイルだったりと

オリーブオイル文化の国と違う商品を目指しているそうなのだ。

時期をずらして化粧品用オリーブの収穫をして

肌にしっとり馴染ませるベトつかないオリーブオイルを生産したりする。

食品として使うには不味なオリーブオイルは

実は、収穫期を遅らすことで強力なオリーブの持つ成分を抑え

アレルギー肌にも対応し、香りもソフトになり

化粧品として最適になるのだそうだ。

オリーブオイル100%の無添加には間違いない。

そしてお茶の国ニッポン。

オリーブの葉の効能に注目し

飲料のお茶や飼育用に葉だけ栽培していたりする。

ちなみにイタリアでオリーブの葉のお茶が一般に出回らないのは

薬草として肝臓の病に効果があると知られている。

摂取過ぎに要注意と薬草師は言う。

そんな葉摘み用オリーブの木は若く、実をつけない状態で

葉だけ刈り取られていくそうだ。

だからオリーブの苗木屋さんを見かけるし

小さなオリーブの木もあちこちに点在する。


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しかし、日本でオリーブ栽培は不向きなのではないだろうかと

ご主人は言う。

まさに私が伺った梅雨真っ最中の小豆島は

草が生い茂る時期である。

ご主人は、刈っても刈っても生えてくる草刈りの日々。

トスカーナでオリーブ栽培してる私がここにいられるのは

トスカーナは、初夏の草刈りをすれば

乾燥で草は生えてこないのである。夏は茶色い大地のイメージ。

年に2回ほど草刈りすれば大丈夫だったりする。

それをご主人に言うと、驚かれそして項垂れた。


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そして日本でオリーブ栽培に不向き

なんじゃないかという決定的なことは

日本にしかいないオリーブアナアキゾウムシとかいう

寄生虫が存在していることである。

イタリアでの寄生虫はオリーブミバエという

オリーブの実に卵を産み付ける小さいハエである。

ミバエの産卵期が収穫時期に近いと収穫したオリーブの実と共に

搾油されてしまい酸味が強くなってしまうところが欠点。

オリーブの実の成長期に産卵されてしまうと

三週間で飛び立っても、実が傷んでしまう。

日本に生息するオリーブアナアキゾウムシは

オリーブの根本や新梢や葉を食べて

オリーブの木を枯らしてしまうそうなのである。

枯らしてしまっては大変だ。

そこで有機栽培のご主人、毎日毎日畑を見回り

ゾウムシをひっ捕まえているのである!

日本でなかなかオリーブの有機栽培ができないのは

その寄生虫をやっつけるために

殺虫剤を撒かなくてはいけないそうなのである。

そこだけが難点な部分なようだ。

イタリアでミバエ退治の有機栽培は

色で誤魔化す方法で、白くカオリンや石灰を撒く。

それだけで全然違うんだから、ゾウムシの研究できっと

有機で簡単に予防できる方法が見つかるはずだ。・・と思う。

ご主人は、ゾウムシを飼って、日々研究している。

ご主人のオリーブ栽培の情熱が、ゾウムシ退治の研究まで・・・。


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ポリフェノール満載のオリーブオイルも是非試飲してみたかったし

もっともっと情報交換でもしたかったが、農業人に時間はない。

ご主人の血と汗の有機オリーブオイルは

東京の方が応援してくれることが多いそうだ。

私も微妙に察したことは、地方の人たちより

都会の人たちのほうが、地方に興味をもって応援している。

島での開業は

移住者と島民との引き合いでぶつかることもあるであろう。

それでも島の外は、やはりいいことといいものを見分け求めてくる。

一刻も早くアナアキゾウムシ予防法を生み出すことを祈っている。

・・祈っています。ありがとうございました。

ご主人に、オリーブ公園まで送ってもらった。


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オリーブ公園でランチをすることにした。

オリーブ豚と瀬戸内産レモンのチャーシューラーメンと

温かいオリーブ素麺を注文した。

なんだか味的にあまりよくわからないけど

お土産にしない代わりに土地で食べておく。

オリーブ公園には、小豆島にオリーブが植えられた歴史館がある。

日本の中で一番地中海性気候に近い場所

それは小豆島ということで国が試験的に植え

定着したことから、オリーブの研究と生産が始まったらしい。

しかし、日本でオリーブの何を求めたのであろう?

公園内のオリーブは大きく、トスカーナをイメージさせるが

枝が多すぎるのと葉に元気がない。

どれも台風で倒れないよう支える設置がしてある。

「もう少し中央の風通しを良くしたらどうですか?」

「そうですね。風が抜けやすいかもしれないですよね。」

ともう一軒オリーブ農園を訪ねた栽培部の若い部長さんが答える。

彼も東京からの移住者。総務さんも関西からの移住者。

情熱をもったオリーブ好き移住者と

ミカン栽培から移転した島民。

こんなにオリーブ騒ぎじゃ、もうオリーブ業から離れられない。

オリーブだけでは生計が困難なことは世界どこでも同じようだが

マーケティング上手なニッポン人は第六次産業まで展開していく。

島興しから始まった瀬戸内芸術祭もかなり恩恵を受けてそうだ。

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海に囲まれ、オリーブは常に海の風に揺れている。

歩くビーチには誰もいない。

雨が降ってきた。誰もいない海の家で雨宿りしよう。

誰もいない海の家だと思ったら、主がいた。

「あぁいいよ、雨宿りしていきなさい。

この雨でわしはちっとも儲からんよ。」

雨が多すぎてもいけないし、暑すぎてもいけない。

農業もほどほどの一年が毎年来ればいい。

土地を守りながら、土地に合う農業で、土地に合うビジネスで

土地に合う暮らしができたら最高なんじゃないかと思った。



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・ つづき ・
差し出された透明傘とコンビニの超軽量傘をさしながら
大粒の雨の中、歴史あるお醤油の蔵ヤマロク醤油を訪ねた。
雨だから外には誰もいない。
「すみませーん、観光客でーす!」
と私が大声を出すと少年は嫌がる。母は気にしないw
ここまで来て閉まってるなんて悔しいじゃないっ。
「あ、いらっしゃいませー」
よかった・・、誰かいた。
わざわざ来るんだから蔵を見たいに決まっている、のであろうか
早速、見学案内して下さった。
見学の前に一つ。
服に着いている菌を落としてくれ、という。
なんだか本格的になってきたぞ。
どうしてここに来たのか尋ねられた。
なぜなら、ここ数年立て続けにTVで取材されまくって
イギリスのBBC局まで取材をしに来られたそうだ。
その後、一度見てみようと訪問されるお客様が
後を絶たないのだそう。生産も追いつかないそうだ。
ヤマロク醤油のもろみ蔵は100年以上前に建てられ
国の登録有形文化財に指定されている。
その時からの梁や土壁には酵母菌や乳酸菌たちが暮らしていて
そんな蔵の杉桶も醤油造りに欠かせない菌たちがいて
成り立っているのだそう。生きる菌の音まで聞こえるそうw
だから訪問者が連れてくる菌に気をつけているそうだ。
醤油造りに必要のない菌が生まれると
また違うものになってしまうのは、納豆等も同じであろう。
蔵の中の桶の上を歩かせてもらったが
確かに微生物の生命力のようなものを感じぞっとした。
醤油をつくるのは職人ではない、蔵と桶の菌だという。
その微生物の力は、なんだかワインにも似ているようにも思えた。
ビオディナミワインを造る農主も似たようなことを言っていた。
私たちはブドウに手を貸すだけだと。
私は専ら大地を歩く助っ人で
知識と腕と力を要する蔵の造酒はなかなか勉強不足だが
それでもブドウをそのまんま収穫して
発酵させて熟成させて
安全に果実を酒にするのだから
果皮のちからやそのものにくっついてきた・・生まれた菌のちからは
未知の世界で神秘な世界なのである。
見えないものに魅了されると
時間と経験とそして私たちがもつパッションで
その見えない世界たちと交信できると私は信じている。
彼らも自然の力で威力を発揮し
私たちも私たちがもってうまれた六感を発揮すれば
双方の力で、美しい味が生まれ、食が豊かになると信じている。
逆を言えば、添加物で調合しなくても、美味は生まれるのである。

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現在、100~150年はもってしまう桶の
桶作り職人がいなくなることに危機を感じ
次世に承継させる木桶職人プロジェクトを呼びかけている。

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蔵の様子を説明してくれた見えない世界に魅了された従業員は
千葉県出身の方でこれまた意気投合した。
少量生産なのに需要が増えてしまったせいで醤油は品薄だった。
仕方なく小瓶で数本ずつ
あっさりした口当たりに後で甘味を残す煮込みに最適な醤油と
二年熟成させた醤油でさらに仕込まれ熟成された
濃厚でまろやかなかけ醤油に最適な醤油をゲットした。重い・・・。

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帰り方などを質問していると、土地に詳しいという従業員の方が
顔を出してくれた。この方もなんと東京からの移住者。
帰り方どころか、小豆島の歩き方をいっぱい教えてくれた!
オススメランチ、オススメディナー、オススメジェラート
オススメそうめん工場、オススメ佃煮工場etc.。
「わー、明日早速行ってみます!!!」

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まだまだ雨が降る小豆島。
開き直って親子は雨の中を歩く。
すると、「乗っていきなさい。」と女性が車から声をかけてくれた。
「え、え・・・」
「いいから、いいから。私もヤマロクの従業員よ。」
「えー、ありがとうございますー!」
彼女は島民だそうだ。車中おしゃべりに花が咲く。
徒歩とバスじゃぁ何時間もかかるのに
やたらと帰途が短く、おしゃべりの時間もあっという間に過ぎていった。
なんだか不思議だなぁ、小豆島って。
向こうから助けの手を差し伸べてくれる。

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東京からの移住者Sさんの小豆島コースを歩いてみよう。
宿舎に戻って、佃煮工場にメールでアポをとる。
佃煮屋さん、いい人そうだ。
心配して行き方や時間をいろいろ考えて下さった。

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やっぱりいい人だった。
私と少年の訪問のために
昆布の佃煮を一から拵えてくれていたのである。
こちらの佃煮は、ヤマロクさんの煮込みに最適なお醤油を
使っているそうで、佃煮まで生きる菌が乗り込みそうな勢いだ。
薄暗い工場のその醤油で煮込んでる釜から出る湯気は
それもまた生きる湯気に見えて仕方がなかった。
ちょっと早く着いてしまった。
小豆島食品の主は、私たちが着いた頃に佃煮が仕上がって
ホカホカを試食!という計らいだったそうだ。
「私たち、何時間でもいますっ!」
なんというご縁なのであろう・・・ 佃煮を見学していると
ヤマロクさんの東京からの移住者Sさんがやってきた。
「うわー、もう一度会いたいと思ってたんですー!!!」
またおしゃべりに花が咲いた。
Sさんは、マイ瓶持参で佃煮を調達しに来たそうだ。
っもう、美味しすぎて、ご飯がすすんじゃうんだそう。
こちらの小豆島食品の佃煮は原材料にもこだわり
その原材料がもつ旨味を十分に引き出した
シンプルさが美味を生んだ佃煮なのである。
昆布で出しをとり、ヤマロクさんのお醤油で汁をつくり
ビッグカットな鰹節をどっさり加え、千切りの昆布を加え
無漂白の砂糖を加え、ひたすらかき混ぜるのである。
かき混ぜるところを体験させてもらったが
材料の濃厚さに、重いのなんの。これ毎日やってるのー?!

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主がかき混ぜている間、Sさんは近所の麹所の味噌を
調達しに行くということで、これはおもしろい!
私たちもくっついて行ったw
作業はしていなかったが、工場を見学し、お話を伺った。
この麹屋さんで、生味噌を三種ゲット。
スーパーの味噌は、発酵止をしているので
冷蔵庫に仕舞う必要はないのだそう。
しかし、生味噌は、発酵し続けているから
低温なところに置いておくことで、発酵進度が遅くなるのだそう。
ということは、生味噌は生きているのかっ!

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東京から移住してきたSさん、小豆島に恋している。
小さい島なようで何でも揃ってて不便はないそう。
「ネットでお買い物しても翌日着くんだよ!」ワオ
とにかく島の人々が優しくって人間味があって
この暮らしを味わってしまうと東京に帰れない、と。
玄関には、ご近所さんから野菜の差し入れがあるそう。
何も言わなくても、向こうから親切を運んできてくれる、という。
あぁ、傘のおばちゃんのことだ・・・

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私たちは、出来たてホヤホヤの佃煮の試食会を始めた。
この昆布の佃煮は、生卵ご飯と食べるために作った佃煮。
アツアツのご飯に
ホヤホヤのたまこまめごはん佃煮をたっぷりのせて軽く混ぜ
島の放し飼いのニワトリさんのプリップリ卵を落としてかき混ぜる。
別口でお醤油を足すのではなく、この甘辛い佃煮で嗜むのである。
こんなに美味しい生卵ご飯食べたことないっ!
本当だったら、3回ぐらいお代わりしたいw
ということで、佃煮をイタリアへお土産にして
イタリアで再現することにした。すぐ終わっちゃうよ。

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Sさん、ありがとう。
私は海外移住者だけど、国内移住者と気分は同じだと思う。
移住先の住人の受け入れ方と移住者の表現で
全然暮らし具合は変わってくるのはこういうことだ。
Sさんは、島から頂いた親切をこうやって
私みたいな旅人に親切を分け合っている。
みんながいい気持ちになって、なんて素敵なことなんだろう。
私もどこかで親切を分けたい。
それは日常の中だって、家族だっていいはずだ。
とっても大切なことをこの島で知って、私は来た甲斐があった。


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