大地の住人 ヴィンチの丘で

地球と体に優しいコト ~イタリアから~

フィレンツェの端っこレオナルド・ダ・ヴィンチのふるさとヴィンチの丘に在住。 大地の自然たちと向き合って地球と体に優しい様々なコト、発見・提案・発信!

タグ:オーガニック

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私が搾油してもらう搾油所は
ヴィンチの山の上のへんぴなところにある。
山だけど、木々は世紀を越えたオリーブの木だらけだ。

そんなところを、スイス人のオリーブ好きが買い取って
オリーブ栽培を手掛け始め
ヴィンチに住むオリーブ友と、何年も何年も研究を重ね
そしてそのオリーブ愛は
ただの愛好家ではおさまらなくなった。

搾油するスペースを設け
これまたマニアックに最新で最高級な搾油機を導入し
自分の農園で搾油をし始めた。
さすがスイス人だなぁ。

しかし彼の農園は、たった5000本しかオリーブは所有していない。
高額な搾油機は、一年に数回使うだけでは勿体無い
ヴィンチ地元民の搾油も承るビジネスを始めた。

彼のオリーブ愛は、有機栽培だ。
除草剤や殺虫剤を毒と呼んでいる。
自分のこだわりで営む搾油所を毒で汚染したくない。
彼は、農薬の注意書きだけではなく
彼が追究したオリーブの収穫におけるマニュアル書をつくった。

私が学んだオリーブ栽培や収穫方法とほぼ同じだが
もっと詳しく書いてあったりする。
さらには、搾油ビジネスに関わる持参する容器の洗い方まである。

その自作マニュアル書を渡され
これが守れなければ、搾油を承らないという。
そんなところも彼のこだわりでオリーブ愛なのである。

ここの搾油所は、ヴィンチのどこの搾油所よりも高い。
でも、この最新の最高級な搾油機と
主のオリーブ愛とこだわりと
主が選んだ搾油所の所長の対応が
私は大好きで、信用しまくっているのだ。

私だけではない。
声が広まって、オリーブ愛とこだわりをもつ人が集まってくる。
値段は、技術とこだわりと信用なのだ。

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搾油機はMORI社の機械を使っている。
このMORI社もこだわり派で
自身の研究を技術者に毎年更新報告する。
こだわり派はこだわり派の信用をかう。

今年は、今までの問題であったオイルと水分を分ける
遠心分離機の部分を大きくして
今までエネルギッシュに脱水していたところを
脱水しやすくして、もっともっとオイルだけを抽出するという
スペシャルな機械が導入されたそうだ。

今年は、300kgまでと指定があった。
予約は300kgで予約され
それ以上は前もっていうことになっている。

なるべく機械にあったオリーブの量で動かせば
意図した理想なオイルが搾れるからである。

私たちは、オリーブの実の量にあわせて
収穫する順番や場所を決めたりしていった。

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日陰のオリーブ畑は10月3週目
早熟品種なのに成熟が遅く緑が多く実も小さかった。
搾油率も最低で、8,9%と油分はなかった。

味は、油分が豊富なようなまろやかさには欠けるが
ポリフェノールの苦味や辛味が効いて濃厚なパンチがある。

家の周りは陽当たりが良く日陰のオリーブ畑より
実も膨らんでいたし、成熟度が良いように見えたが
畑全体に対し、成熟しているオリーブと未熟なオリーブ
半々ぐらいだったように思う。
10月4週目、2回搾油してもらって
12,5% と 12% という結果が出た。

味は、日陰のオリーブ畑よりだいぶまろやかさが増している。
トスカーナらしい、苦味と辛味が
ほどよく調和しているのではないかとおもう。

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さて、私が監修させていただいている
トッレセレーナという名の農園のオリーブは
日本人の舌や繊細な日本食にも合うようにと依頼され
11月の2週目に、私のマニュアルで収穫してもらい
即、私の信用するオリーブ愛のヴィンチの山の搾油所で
搾油とフィルタリングをしてもらった次第である。

搾油率はフィルタリング前で15%と出ている。
それでも15%しかないの?とイタリアでオリーブオイルを
自分たちでつくっている人は思うかもしれない。

こちらの最高級な搾油機は
エキストラヴァージンの規制、搾油時27度以下とあるが
ここは、20度と低温で搾る。
低温で搾ることによって
オイルに出てくる成分が壊されないというメリットがある。

その分、温度で油化させて抽出するところを
低温なので、油化されにくく
オイル量は少な目なところがデメリットかもしれないが
オリーブ愛好家は、高成分と美味を求めるのである。

搾油費用はどこよりも高いし、搾油率は低い。
ちっともコスパではないが、こだわる理由は
断然美味に仕上がる裏切らない搾油機なのである。

そして、収穫を遅くしたことで
どんどん熟れていき油分は増え、それによって
苦味辛味が抑えられよりまろやかになるのである。

是非、興味のある方は
下のサイトより予約販売がはじまりましたので
どうぞお試しくださいませ。



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よく読まれています ↓ ↓ ↓ 参考になれば嬉しいです。
EVOオイルとは Olio Extra Vergine di Oliva
オリーブオイルの搾油率 essere olio extravergine
オリーブオイルでスキンケア Oleolito a Freddo

または、親カテゴリー『オリーブ OLIVI』からお楽しみください。
さらに、子カテゴリー内にて様々なヴィンチのオリーブオイル
オリーブ栽培の話が詰まっていますので
お時間があるときにどうぞごゆっくりご覧ください。



Grazie di aver visitato!
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。
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例年だったら10月中の最終週末までには終わらせてしまう。
サマータイムが終わって1時間早く暗くなるし
11月に入るとたいてい霧だの雨だの
オリーブの収穫を気持ちよくするには向いていないからだ。

しかし、オリーブの森の収穫が早過ぎたほど未熟なオリーブで
ポリフェノールは濃厚に詰まっているだろうが
実は小さく油分は少なかったので
こちらの畑は、少しでも成長に合わせた収穫をしたかった。

家の周りにあるオリーブ畑なので毎日のように観察している
このブログでもよく登場するオリーブたちだ。

日当たりがすこぶるよいオリーブたちは
収穫するには面倒なところに位置している。

やっぱり日陰になりがちなところは、熟れがあまい。

ここの畑は、2014年の9月トルネードに襲われた畑だ。
傷からウイルス菌が入って対処をしながら
丁寧に丁寧にゆっくり、剪定と樹形を整えてきた。
もう大胆に主枝をバッサリ剪定してしまおうとおもった木もある。
あまりにもウイルス菌が酷かった2本はバッサリ剪定した。

バッサリ剪定した木はようやく、らしい形になって
実をいっぱいつけるようになった。

バッサリを悩んでいた木には
それでも実のなる残してもいい枝が生まれていたので
枯れた枝を排除し、将来つかえそうな新枝を残していた。
でも思うような位置に生えてくるわけではないので
樹形的には不格好だった。

数年もの間あんなに失望的な木だったのに
今年はなんと、いっぱい最高な状態で実がついてくれた。

やっぱり諦めるものではない。
植物と向き合うことは、とにかく時間がかかるのだ。
私の体力が植物の時の流れに追いつかない。

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今年は、豊作だ。
去年不作だっただけに、わかっていたことだ。
だから、来年は不作であろう。

それでも、オリーブミバエの被害もなく
収獲の時期を少し遅らせたこともあって
オリーブの実が膨らんで形がいい。

トスカーナ料理にはぴったりだろう
苦味辛味のパンチの効いたオリーブオイルが出来上がってきそうな
オリーブの実だってすぐわかる。

オリーブの実を見て味が想像できるのだ。
それはなんてったって、息子のように育てている
愛おしいオリーブだからである。

収獲の前に、写真や動画なんかじゃなくって
生で見て欲しかったぐらい最高な状態で
すんごい豊作だった!

家から一番近いボスと呼んでいるオリーブの木は
私たちが一番に撫でて愛情を注いでいるからなのだろうか
メンタリティなオリーブなのである。

普段はスマフォで写真を撮ることのない夫でも
誰かに見せたいと撮っていた。
でも伝わんないよなぁ。。。

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私は、今年も手で持つタイプの収穫機をひとりで持ち続けた。
これで去年は腕をやられたっていうのに。
夫は、少し太めの枝に隠れているオリーブや
上の方のオリーブを手で収穫していた。

それと、夫の仕事はきれいに葉っぱ取り。
それと、それと、カゴを持ったりの力仕事。
それと、それと、それと、網をきっちり敷く係。

もちろん私も手伝うけど
私は首が痛かろう腕が痛かろう疲れていようが
ひたすら収穫をしなくてはいけない。
48時間以内に、予約済みの搾油所に持って行って搾油するのだ。

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やはり実がたくさんついていると
当然だけど収穫に時間がかかる。
嬉しい嘆きではないか。

春先、可愛い薄い緑色の芽が粒々ついて
初夏、花が可憐に...でも豪快に花粉を巻き散らして
葉っぱが花粉まみれになっていた。
いつの間にか結実していて、そのときは実の多さなんてわかんないんだ。
真夏、プツプツと実の存在が明確になってきて
晩夏あたりから膨らみ始めて
初秋、オリーブの木はカラフルに色づき
そこでやっと、わーっと胸が躍るんだ。
お互い笑っている感じ。

そんな彼らの成長を毎日のようにながめ見守っていると
まるで親子関係みたいになるのだ。

上の方の実を手持ち振動機でブルブルやっていると
上からオリーブの滝が落ちてくる。
頭にあたったり、顔にあたったり
メガネしててよかった、目にぶつかってきたり。
下の方もオリーブの滝はボトボト落ちていく。

滝から落ちてきたオリーブを集めると
オリーブの川ができるのだ。
その川は、黒光していて、時に色んな色が混ざって
緑から黒紫のグラデーションみたいなのができていて
またそこで、お互いわーっとなるのだ。

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時間がないし、人手は足りないし、体力使うし、大変なんだけど
でもやっぱりこの子たちの変化していく姿をこの目で見届けて
完璧に絞ってくれる搾油所でオリーブオイルにしてあげて
私の体の中に浸透して、栄養にまでなっていく
オリーブとの暮らしは、家族のように居て当たり前のようなのだ。

オリーブの森は手放すけれど
我が家のボスオリーブと家の周りのオリーブの管理はもう
私たちのルーティーンなのである。

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私が監修させていただいたオリーブオイルが
日本限定で購入することができます!
コチラより予約注文が本日開始されました。
いつも読んでくださっているブログ読者さんから
発表させていただいた次第です。
おってエピソードやレポートなど
じっくり綴りたいとおもいますのでお楽しみに。



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現在の勤務先は、ヴィンチの丘を3つぐらい超えたところにある。
毎日、毎朝、同じ丘だけど違う空気と光がある。
いちいち止まって写真を撮りたいぐらいだ。

ある日、霧のある日、モヤモヤした中に丘の上のヴィンチ村や
オリーブ畑やブドウ畑が、なんとなく色なく静かに佇んでいた。

ある日、重そうな靄が地面に近いところだけ覆っている。

ある日、ちょっと軽くなった靄が教会の塔より低く村々を覆っていた。
その上の空は快晴で、朝日が煌々と丘の下から靄の中から照らしていた。

ある日、サマータイムが終わる頃、木々の陰の長さと弱くなった光に
長かった夏をなんとなく思い出した。

ある日、サマータイムが終わって、朝がまた明るくなった。

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9月、まだまだブドウの収穫が長引いていたヴィンチの丘は
晩夏を超えて一気に秋を迎えたように涼しかった。
だから、ブドウのアルコール度数や果実や果汁を増すために
収獲を伸ばしていたのだ。

10月、天気はまぁまぁいいけれど、気温だってまぁまぁいいけれど
オリーブミバエの産卵に適した湿度と気温に
オドオドさせるような天気が続き、場所によっては
ミバエが飛び回っていた地域もあったそうだ。

そんなこんなんで、ものすごく早くから
オリーブの収穫をはじめている人がチラホラいた。

私は、夏の状態でミバエの被害は決まると思っている。
2022年の夏は長かったし暑かったし水不足であった。
ミバエは40℃の気温だと死んじゃうと学んだ。
生き残っても、産卵させるエネルギーてそう残ってないとおもう。

それでも10月のようなあいまいな生暖かい天気が11月も続いたら
遅咲き品種のオリーブはもしかしてもしかすると
調子を取り戻してきたミバエに卵を産み付けられてしまうだろうと
ミバエを近寄らせないオーガニックの方法で手を打っていた農園もいた。

もしくは、オーガニックなんかに耳もかさない農園は
予防なのに殺虫剤を巻き散らしていて
ヒトまで息苦しくなるほどだった。通るだけですぐわかる。

その殺虫剤は、木自体に浸透させて樹液が毒混じりとなって
それを食べるミバエの幼虫たちは這い出て死んでいくという方法なので
オリーブオイルにその殺虫剤が検出されているという事実を
以前の講習会で知って驚いたものだ。

オーガニックの予防は、ブドウでもそうだけど
浸透させる方法ではなく
表面に吹き付ける方法なので
雨などで落ちがちだけれども
搾油の前にきっちり実を洗うときに完璧に落ちるので問題がないのだ。

農薬もオーガニックも、散布は収穫の一か月前まで。

ちなみに、オリーブミバエの天敵は、害鳥呼ばわりされているムクドリ。
大群で踊りながらオリーブ畑からオリーブ畑へ。

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私は、そういうわけでミバエの心配はしていなかったけれども
あの日陰が多くて虫がたむろう
それでも野草や土はいつもフサフサで
隔年性のないオリーブ畑を、観察しに行った。

なにしろ日陰がちなこのオリーブ畑のオリーブは
実が小さく、成熟が遅かった。
全体的に緑のまんまなオリーブだらけだったけど
こいつらが成熟しきるまでにあと一ヶ月はかかりそうだ。

通常だったら雨振りの多い11月に
ぬかる地面での収穫は避けたい。

というわけで、とっとと収穫しちまうことにした!

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毎年毎年実をつける。
ただ日当たりが悪いだけだ。
でも日当たりが良かったら、こんなに土はフサフサしていないだろう。
カラッとしてないから土の中で微生物がたくさん生まれるのだ。
微生物のサイクルがオリーブの肥やしになっているのだ。

あ、ミバエの形跡がある。
中をあけると、3週間は経っているものだ。もう幼虫はいない。
きっと10月の頭頃に産卵したものだろう。
幼虫はいないけれどもフレッシュ感は残っている。

数個ミバエの形跡のあるオリーブを見つけたけれど
パーセンテージで出すほどの数ではない。

さぁ、どんどんいこう。

あぁ。このオリーブの木は、大きく下の方から剪定して
うまいこと生えてきた新枝を主幹にしようと大切に育てていた木だ。
嬉しいじゃないか、実をようやくつけはじめた。
もう4年ぐらいは経ったのではないか。

この枝もあの枝も、意図して残した枝に実が成っている。
いろいろ研究しながら樹形を整えてきた。

私は肩を痛めていたから、前回の冬の剪定はしなかったんだ。

あ、こんなところから主幹として残せそうな立派な新枝が生まれている。
そうすれば、日の当たる上しか実のなる枝が生まれなかった木を丸ごと
バッサリ剪定してしまうことができる。
きっとこの幹の寿命だったのではないかとおもうよ。

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私は、この日陰のオリーブ畑を手放そうとおもう。
亡くなられた奥様が大切にされていたオリーブ畑で
ご主人様が依頼してきたのだ。
そのご主人も亡くなられ、いい歳の娘と娘の夫に
お返ししようとおもう。

スピリチュアルな畑だった。
コロンコロンと妖精のような魂が飛んでいるような
オリーブの森だった。

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私が監修させていただくオリーブオイルが
日本限定で購入することができます!
詳細が発表され次第
ブログやSNSでお知らせしますので、お楽しみに!

日本の料理文化に合うだろう落ち着いた味つくりには
11月のオリーブの収穫を計画しています。
もうしばらくお待ちください。



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長かった暑い夏が終わった。
5月あたりの初夏を知らずに夏に突入して
9月あたりの晩夏を知らずに秋に突入した...感じだ。

毎年そうだけど、学校が始業する頃には
バッチリ勉学の秋なのだ。

2022年度のはじまりはようやくマスク無しで
授業が受けられるんだそうだ。
よかった、本当によかった。

シチリアからの帰りの長距離バスのななめ前に座っていた
我が思春期青少年よりひとつふたつ歳が上だろう
パッと見さわやか好青年だけど今風な彼らは
小さな村で、イケイケしてないごくフツーな
それでもキャピッとしたガールズと
バスの運転手さんが「出発するよ」と声がかかるまで
ずっと離れたくない様子の青春4人を
ガールズのどっちかのお父さんが送ってきたのかな
ちょっと離れたところで車に寄りかかってあっちを向いて
娘たちを待っている、まるで映画のワンシーン
そんなこれぞ青春の夏が終わってしまう寂しさと
勉強は面倒だけどやっとクラスメートに会えるドキドキ感
9月の始業時期ってこの感覚がおもしろいイタリア。

おわりとはじまりが交錯するとき。
日本の4月の始業に
ワンシーズン丸ごとの長い夏休み明けがプラスされた感じだろうか。
彼らにとってみれば、新年が明ける感覚なのではないだろうか。

私は、この長距離バスの好青年二人が
妙にいろんな記憶とか感覚を
我が思春期青少年より思い出させてくれたこと
時代のないごくごくこのフツーな光景と
彼らのフツーな青春オーラは
私と我が青少年のプチシチリアの旅の記憶に刻まれた。

我が思春期青少年は、初日どんなファッションでいくか
コーディネートを着比べているw
ちょっと前まではコーディネートのコの字にも
無関心だったのにおかしいな。
そんなことよりも勉強がんばってよ!と言いたいところだが
コーディネートの着比べの楽しみを奪っちゃぁいけない。
学校に行きたい証拠なんだからそっとしておこう。
朝のバス待ちは寒いということで
自分の貯金で買ったパーカーのコーディネート中w

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9月の、そういうわけで始業する週あたりから
朝がめっきり冷え込むようになって
日中もそう気温は上がらなくなった。
とはいえ、最低最高気温の温度差は10度以上は余裕である。

私は、8月中のブドウの収穫には手伝えたけど
実はまだまだ終わっていないところが多いヴィンチの丘であった。

きっと、夏の干ばつで果実が小ぶりでモスト(果汁)が少ないこと
暑かったのでアルコール度数が高いこと、だろう。

雨が降ったり気温が下がることで
多少カビになるリスクは高いが、生産する効果は高い。

9月も後半、まだ収穫していないブドウ畑があるが
次のリスクは、熟し過ぎちゃうことだろう。
収獲期の天候って、ホントやきもきする。
畑や動きから、なんとなく伝わってくる。

農主のブドウも、あれから品種の状態をみながら
収穫の時期をずらしながらやっていた。

収獲しちゃう前にカナイオーロという品種のブドウを数房摘ませてもらった。
サンジョベーゼという品種より酸味が少ない黒いブドウだ。

このブドウでSchiacciata con l'uvaスキアッチャータコンルーヴァという
パン菓子をつくろうとおもう。

いたって簡単で
ピッツァとかスキアッチャータ=フォカッチャをつくる要領に
小麦粉400gを目安に
砂糖をスプーン2さじを生地に混ぜてこねる。
膨らんだら
下の生地を伸ばしてブドウを散りばめ砂糖をスプーン2さじ
上の生地にブドウを散りばめ砂糖をスプーン2さじ、振りかける。
それからまた寝かせる。
砂糖がいっぱいかかってるから膨らむ膨らむ。
180度のオーブンで45分ぐらい焼く。

ブドウは、二房あればぎゅうぎゅうに散りばめられる。

以前はブドウの種が邪魔っぽく感じてたけど
ブドウの種だと思わず、ナッツ系をわざと加えたと思えば
カリカリ感もなんだか乙になってくるパン菓子である。

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男子の朝食用スキアッチャータコンルーヴァはできあがった。
私は、アントネッラのところで
最後かもしれない夏野菜を調達しに行った。

土曜日の午前中、アントネッラはマーケットに出すので
日曜日に行くと、畑からわざわざ欲しい分だけ摘んでくれる。

肥沃な大地にワサワサした畑がもう美味しそうだ。
Portulacaポルトゥーラカ(スベリヒユ)が一面に広がっている。いいなぁ。
オメガ3をもつハーブで積極的に食べたい野草でもある。
土を選ぶこの野草は、そう簡単には移植できない。
が、土が合っていると、ものすごい繁殖率なのである。

アントネッラのワンコが摘んでくれたトマトを食べて
でも、すました顔で私をみている!
私は日本語でワンコに文句を言ってやった。食べるな!

アントネッラんチの長男もすこぶる成長しちゃって
いつだか数年前、思春期だかなんだかで困っていたのを思い出す。
今や立派な青年で、お母さんのマーケットのお手伝いをしている。
とても気が利く青年に育ったとアントネッラは喜んでいた。
技術系商業高校を卒業して
高校の掲示板でみつけた職場に見習いからはじめて
今や正社員で働いているそうだ。

イタリアは今、インフレしまくりで節約しないと生活が苦しい。
なかなか容易に一人暮らしができないのが現実だ。
と、アントネッラが嘆く。。。
何歳になっても家に子が残ってるケースは
ただのマンモーネ(ママの過保護)文化だけではない
経済的な面でもそれが実は常にイタリア文化なのである。

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雨が降った。
雫好きにはたまらない光景だ。
家の一番近くにあるオリーブがもう色づき始めている。
色がつきはじめると、ドキドキソワソワしはじめるのである。

 ☆

今年も私が監修しますオリーブオイルが日本で購入可能となります。
詳細は、決定し次第ブログやSNSでお知らせしますので
お楽しみに!



今日の一曲。





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Extra Virgin Olive オイルの略である。

イタリア語でも Olio EVO と略される。
Olio Extra Vergine di Oliva

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EVOオイルである条件としては

酸度が0,8%以下であること

劣化成分の過酸化物指数が20meg/kg以内であること

どの方法の収獲中搾油中に化学物質が混入していないこと

定められた容器とキャップを使うこと

原産地を筆頭に定められたラベルの内容であること

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EVOオイルを目指すには

オリーブの実が健康で、収穫時地面に触れていないこと
麻袋なんかに積まないでw現代風に風通しの良いカゴに積む!

できたら収穫したその日に搾油できたらいいけれど
48時間以内であれば数値の差はほとんどない。
それ以上の日数だと摘んでから発酵し続けるオリーブの実は
傷みから腐りはじめる。

できたら搾油所は最新技術の機械化されたところで
できるだけ酸化を防ぐ方法を選ぶ。伝統式には申し訳ないけれど。

コールドプレスという呼び方で知られている
Spremitura(Estratto) a freddo
搾油時抽出時の工程の温度が27度以下であること。
熱が高くなることで油は抽出できるが
せっかくの良い成分や風味が減少してしまう。

搾油されたらすぐにフィルタリングし劣化を急がせてしまう澱を取る。
フィルタリングされていないEVOオイルの賞味期限は少ないはずだ。

窒素充填できる真空タンクがなければ
早く市場用の小瓶に詰めてしまう。

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ラベル表記の義務であるEVOオイルの保管や消費の条件は
消費者さんに委ねられる。

開栓していない状態での賞味期限は18か月
開栓したら早めに消費すること
保存は、風通しの良いできたら気温が一定に近い暗室や棚の中

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「エクストラヴァージンオリーブオイルってなんですか?」
「一番搾りってことでしょ?」
「どれを買えばいいのですか?」
「冷蔵庫に保存してます。」
「顔にもつけて大丈夫ですか?」
「飲むと体にイイって聞いたんですけど...」
「大切に使ってます。」

日本でオリーブオイル会を開催したときに多かった質問と
この度プロデュースオリーブオイルをご紹介させていただいて
ご購入してくださった一部の方々のメッセージである。

オリーブオイルそのものの味の比較は
やっぱり実際味わってみないとわからないものだが
知識的に知っていれば
オリーブオイルの選び方や使い方がぐんと簡単になってくると思う。

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「エクストラヴァージンオリーブオイルってなんですか?」

そういうわけで、一般の方がEVOオイルを選ぶ際
EVOオイルと記載されていること。
記載されていることで、EVOオイルの条件が
揃っているということである。

しかし、オーガニックの基準も相当緩いのと同じで
EVOオイルの基準も相当緩い。

味の差は味覚でわかるが、酸度や過酸化物指数やポリフェノール数などは
表記の義務はないので他と比べようがない。

そして、どんなふうに栽培されているのかも収穫されているのかも
搾油機も時間もなんにも見えないしわからない。

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「一番搾りってことでしょ?」

EVOオイルに一番搾りとか二番搾りはない。

エキストラバージンオリーブオイルの他に
シンプルにオリーブオイルと表記されているものは
EVOオイルの条件にそぐわなかったもの。

他Sansaオイルは、それこそ二番搾りとなり
コールドプレスで出てきたオリーブペーストに
熱を加えて最後の最後まで抽出させた
成分を期待してはいけないオリーブオイル。

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「どれを買えばいいのですか?」

どこで良質EVOオイルを購入するかは、ラベル表記をよく見るか
信用のある生産者、輸入者、販売者からとなる。

しかしオリーブオイル文化の国イタリアに暮らすイタリア人でさえ
何を基準にしてよいのかわからなかったり
これを美味しいEVOオイルなんだということを知らなかったりする。

信用のある人が生産者や輸入者、販売者でも
オリーブ栽培のことや収穫・搾油のこと美味しさのことを知らないと
追及されたEVOオイルはなかなか産まれもしなければ届きもしない。

私が監修をさせていただいたEVOオイルは
全工程を知れて、指示さえもできることは
私は自信を持って紹介できるし
この質問に答えることができてまず嬉しい。
...とこの場を借りて伝えておきたい。

そして、欧州であればBIOマーク、日本であればJASマーク
私は、有機栽培を個人的にお勧めするが
自分の食意識にあわせればいい。
けど!有機栽培のリクエストが増えれば生産者も輸入者も販売者も
有機栽培に力を入れて環境にも健康にもよいので
ぜひ生活にオーガニック意識を取り入れてほしい。

しかし、BIO表記は義務ではないので
完全なるオーガニックだけど表記にこだわらないことがある。

店の棚に並ばないとか他の商品と比較しないとか
知人へ、口コミなどの販売方法にある。
生産者への信用のみである。

理由は、申請の労力や費用の節約にある。

BIO申請のメリットは、生産者をよく知らなくても
商品の情報の一つとして、拡散されやすい点であろう。

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「冷蔵庫に保存してます。」ダメです。

EVOオイルの保存は
冷蔵庫ダメ、もしくはガスコンロの近くもダメ
気温ができたら15~20度ぐらいの一定に保てそうな
日の当たらない暗い所がベストである。
開栓してあっても保管条件は同じ。

イタリアの住居はセントラルヒーティングなので
どの部屋も一定に温かい。
ガレージとかで保管しない限り室温は安定している。

それに反して、日本の住居は各部屋に暖房機を置く記憶がある。
廊下は寒かった思い出があるし、トイレも寒かったw
だから、人がいるようなところだと
18度ぐらいで保たれているのではないだろうか。

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「顔にもつけて大丈夫ですか?」

今季に収穫された新EVOオイルは
成分がホヤホヤにつまっているので辛味や苦味が強い。
つまり刺激が多すぎて、肌にはピリピリ感じるはずだ。

私は、特に新モノは食で使うことを勧める。

私は、昨年のEVOオイルをスキンケアに使っている。
それでも効果抜群!

Ricotta con Olio Extravergine di Oliva

「飲むと体にイイって聞いたんですけど...」

わざわざオイルだけ飲まなくても
サラダやスープ、パンや生チーズなどなど
生で遠慮なくドバっとかけて食べることをオススメ。

開栓時最初に、オリーブオイルソムリエさんや専門家さんのように
小さなカップに入れて手で軽く温めて香りをかいだり
シンプルにティスプーンなどで味を知っておくと
違う種類のEVOオイルと出会ったときや
料理にあわて使い分けたりの参考となるので
一度はオイルだけで舐めて味を覚えておくといいかもしれない。

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「大切に使ってます。」ありがとう。

オリーブオイルは毎年毎年産まれ1年で鮮度が落ちる。
ワインのように何年も寝かすことができないし旨みが増すわけでもない。

5年前のオリーブオイルを食べることはできるけれど
あの産まれたときの味も香りも色も成分も鮮度は消える。
一年経ったオイルと搾油したばっかりのオイルさえも違う。

だから生産者は、毎年新しいオイルを売りたいしさばきたい。
一年で使いきっていただけると満足この上ない。

手頃なモノではないからじゃんじゃん使って!とは言えないが
良質なEVOオイルは、食卓調味料のようにほぼなんにでも
生でかけて食すのがオリーブオイル文化である。

野菜のお浸しを、塩とEVOオイルとか
ステーキ肉に、塩とEVOオイルとか
七草粥に、塩とEVOオイルとか

食材をシンプルに召し上がりたいときに
塩とEVOオイルのハーモニーが乙なのである。

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私が監修させていただいたトスカーナ産EVOオイルは
酸度 0.2 % p/p
過酸化物指数 5.5 meg/kg
ポリフェノール 1100 mg/kg
成績はなかなかいい。

ポリフェノールがとても高い数値だが
トスカーナ特有の土地や気候、品種が関係している。

数値が高い割には、口に含んだ瞬間の激しさがなく
奥に押し込んだ時に辛味苦味が広がる感じだ。

そして、酸度も数値だけではなく
味の調和がとれていると思う。

こちらのEVOオイルに興味がある方は
こちらよりお求めください。

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2022年12月 追伸

日本のみなさまに愛を込めて特別につくった
obatamaki監修EVオリーブオイルが販売されております。
ご注文はこちらのサイトよりどうぞ。




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オリーブオイルの保存と管理 l'oliosta nel buio
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