大地の住人 ヴィンチの丘で

地球と体に優しいコト ~イタリアから~

フィレンツェの端っこレオナルド・ダ・ヴィンチのふるさとヴィンチの丘に在住。 大地の自然たちと向き合って地球と体に優しい様々なコト、発見・提案・発信!

タグ:少年

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11月に入って、天候を心配したオリーブの収穫も一段落し

気を緩ませていた連日、ポカポカの秋日和が続いた。

秋の弱く傾いた光にあわせて、ブドウの葉や木々たちが

黄色く透けて輝くように、でも弱々しくしがみついていた。

その弱々しさが大集合すると、全部が輝き出す。

なんだか一丸となって。


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家から眺める風景にうっとりしていると

あの光ってる大地の中の燃えるような赤いところに

行ってみたいと思った。一人で行った。

オリーブ畑が視界の縁を囲み

中央に黄色と赤とちょっと緑と黒い大地がみえる。

ここからの位置がポイントで、時間は午後3時。

あの赤い列のあるところに行ってみよう。

赤い列はこの時間、燃えるようにメラメラするのだ。

しかし近くに寄ると、燃えるような赤ではなく薄い赤だった。

そこを離れまた違う角度から赤い列をみると、燃える赤だった。


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この日、思春期少年を散歩に誘った。

日曜日だった。そして午後3時を狙った。

「写真撮影をしようよ!」

いつも一緒に出かけるのを嫌がるのに、素直にくっついてきた。

お気に入りの服に着替えてやってきたw

「久しぶりだね。」

手を差し出すと、つないでくれた。

手が大きくなった。

当たり前だ。私より背が高いんですもの。

「こうやって小さい頃はいっつも手をつないでたんだよ、覚えてる?」

すると手を離して走り出した!

照れたな。言わなきゃよかったw

ここで写真を撮りたいと私を呼ぶ。

私がしゃがんで空をバックに下からの角度で撮ってあげた。

「足もいれて」と注文をつけてきた。


私たちは、ブドウ畑を歩いた。

天気がしばらく続いてたはずなのに

日当たりが悪いところと、傾斜の下の方は

グチャグチャで歩くところを選ばなくてはいけなかった。

草の植えを歩けって小さい頃から何度も教えたのに

思春期少年は上を向いて歩いている。

下を向いて歩るくとイノシシの足跡がいっぱいあった。

思春期少年の足跡はまるでイノシシのようであった。


私に遠くから土の塊を投げてきた。

遠くにも投げていた。

大地のもりあがった土の塊を蹴って踏んで蹴って投げた。

見えない空気に向かって投げた。

私も投げた。

私も投げてやった。


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その数日後、トスカーナはオレンジゾーンに指定された。

コロナ感染者数と重症者数と病院施設の空き状況などで

危険度をレッド・オレンジ・イエローと決めていくそうだ。

オレンジとなると町から町への移動が禁止になる。

ヴィンチ村だけで必要最低限のものは用は足りるが

大きい隣町に専門店や専門屋がある。

そういうときすごく困ってしまう。

仕事や重要な用事では

自己宣誓書を携帯して移動することになる。

不急でない限り計画を立てないことに限るが

時間ばかりがどんどん過ぎて何も先に進まない。

会って話さないとわからないこともいっぱいある。

と私がぼやいたところでみんなも同じく辛抱してるから

ぜんぶのみこんで腹にためておくことにする。


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ひとつ間に合ったことは、オリーブオイルが出来上がってて

身内のような友たちに届けることができただけでもよしとしよう。

食卓が新鮮味にあふれるじゃないか。

香りといい味といい色といい。


そのオリーブオイルの特注の瓶を求め

夫と二人で遠出することになった日がある。

「久しぶりだね。」

ドライブだから手をつなぐことはなかったがw

ゆっくり走ってもらってドライブを楽しみたかった。

夕暮れ間際、Padule di Fucecchioパドゥーレディフチェッキオという

フチェッキオ市の外れにあるヴィンチ村よりの湿地帯には

カモの群れがシルエットに水面と空が夕日に焼けていた。

あぁそうか。レオナルドダヴィンチがここで

ザリガニでも捕まえて遊んでいたのがわかる。

きっとこの水面に浮かぶ夕焼けを見るために来てたんだ。

車を停めてもらって、しばらくその景色を眺めた。

誰もいないんだけど鳥やザリガニぐらいしかいないんだけど

セミロックダウンでもここには来れない。


家に近づく頃にはもう暗くなっていた。

この時間帯の暗さはあっという間に覆われる。

農主のブドウ畑を通りかかっていると

イノシシファミリーぐらいの群れが突然現れ

のこのこ道を横断しはじめた。

車のライトに照らされても、急いで逃げるわけでもなければ

突進してくるでもなかった。小走りぎみに横断していた。

かわいいじゃないか。

不意にでくわすという状況はなかなかない。

私と夫は大人気もなくきっと子ども以上に興奮した。

一頭かもしれないと目をこらえて見ていた。

2頭、3頭、4頭 おぉ5頭!

一瞬もいっときも見逃せない。

だからカメラなんかさささと用意できなかった。


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オレンジゾーンが実施される前日

週末自転車グループと隣町まで走ってきたように

移動できる最後の日だからどっか行ってきたら?と

親が心配に思春期少年に提案したが

平日だったこともあり、返事は

「宿題しなきゃいけない。マリオと電話で待ち合わせをしている。」

という。ふーん、外に行ってきてもいいのに。

先生の説明より数学に強いマリオくんの説明の方がわかるんだそう。

イタリアの数学は答え合わせではなく、答えはもう書いてあって

その答えの説明をするのである。

考え方、理屈、解決法...とにかく文にすることなのである。

日本の、答えがあっていればどう解決しても問題ナシ

だった昭和の教育とはちょいと違うのである。

だからイタリア人は抗議や意志の主張に強いのである。と私は思う。

先生と対面授業で説明がよくわからないのだから

これがリモート授業に戻って、落ちこぼれちゃいそうで心配である。

オレンジゾーンは、全中学生までは登校できるが

レッドゾーンは、中学2年生以上はリモート授業となる。

現在、リモート授業になるかもしれないと

自治体も学校も動きだした。

きっとトスカーナも近々レッドゾーンに入ることを

予期しているのであろう。


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Raiの国営放送だけどコロナレポート番組では

第一波の感染拡大はサッカー観戦が原因で拡がったと伝えてて

第二波は、夏休みの浮かれと野外パーティー(ディスコ)などの集合

が原因とレポートされていた。

若者たちの夜ふかしMovidaモヴィーダが注意の的となった。

だから夜間外出禁止令Coprifuocoをメインに

セミロックダウンが実施されたそうだ。

現在の感染拡大の原因は、家族内感染なんだそう。

政治家も専門家も「みんな次第なんだ」と口を揃えて言う。

救急車が列をつくっている映像をみると

救急車の音だけでビクッとする。

だんだんコロナが接近しているようで緊張する。

また気晴らしに細い秋の光でも浴びてこようとおもう。


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そう書いているそばからトスカーナも1115日の日曜日から

レッドゾーン入りし、ロックダウンに突入してしまった。

月曜日から中学三年生の思春期少年は

リモート授業となるのである...

前は家に居られると喜んだけど、今回は

友だちといるほうがいい、リモート授業だとわかんないと言い始めた。

私は、人の温かみはリモートではなんか伝わらないのは

よくわかる。画面に映る自分が嫌だからよくわかる。

ロックダウン前に、少年たちは自転車で町内を走ってきたそうだ。

公園の階段を自転車で降りた友だちがいるんだ

と珍しく撮影したビデオをみせてくれた。


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ヴィンチの保護者グループにメッセージが転送の転送で回ってきた。

クリスマス間近になってきて、本当だったら

イルミネーションが華やかな街にでてショッピングをしながら

初冬を楽しむのだがそれができない。

ナポリのロックダウン前日は通常の大晦日のようだったと

ニュースで伝えてて、これにはかなり驚いたけど。

行くだけでも楽しかったクリスマスマーケットも禁止になっちゃった。

オンラインショッピングはアマゾンばかりにならず

私たちだったらメイドイントスカーナ、メイドインイタリー

地域の..国産の手芸品工芸品農産物を応援しようね!

そしてこれ以上ゴミが溢れ出ないようなお買い物をしようね!

というメッセージだった。

フェイスブックで私はトスカーナ産を買うよ!というグループに

入っているが、いろんな商品があること

たくさんの工房や農園があること、マーケットができないこと

それでも諦めずに一生懸命さが伝わってくる。

いろんな形で応援し合いたいと想う。

そしてこんな形(ロックダウン)で弱い人たちを労りたいと想う。



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人生の色 ilmio colore preferito

イタリアの本性Legocce sulle gemme

親愛なるスクールよDolcein forno



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つづき


熟女三人は、Pienzaピエンツァへ向かった。

ここには、6年前に家族と来た。

あの時もこの町を急いで観光したような記憶がある。

その日、マーケットがあったからか

そしてバカンスをやっとはじめた我が家のような

もしくはバカンスから帰ってきたこんがり焼けた人々で

賑わっていたことをよく覚えている。


小さな町は、入口が違っても辿り着くところは同じだ。

あの時もDuomoドゥオーモ(大聖堂)の中を拝観した。

そして、ピエンツァ特産のPecorinoペコリーノ(羊乳のチーズ)屋さんが

軒を並べていたのをよく覚えている。

今年はコロナのせいか人は少なめに感じたけど

それでも店は日曜日なのにだいたい開いていたようにおもう。

観光地なだけに嬉しい。

マスクを道端でもしている人が多かった。

お盆を過ぎて、感染者が増えたニュースをやってたばかりだ。


私たちは、今晩のつまみにトリュフ入りペコリーノチーズを

ちょっとだけ買うことにした。

さすがに丸ごと買うことはできないが

小分けに真空パックで保存されているそれを買った。

真空パックだとかなりの期間もつ。

日本に帰国するときなんか、真空パックで注文する。

独特の香りもしまい込めてとっても便利。


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6年前は、Bagno di San Filippoバーニョディサンフィリッポという

森の白いクジラともいわれるそんな形に石灰が固まった

温泉が湧き出る無料の自然温泉へ行って

家族三人がぬるい滝の下で打たれ座っていた。


夜は、Monte Amiataモンテアミアータという山の

キャンプ場のキャラヴァンを借りて

初の内装にドキドキしながら寝たことは忘れられない。

その頃まだグーグルマップが我が家にはなく

真っ暗に辿り着いちゃったけど、突如キツネ一家が出現し

きゃぁきゃぁ七歳の少年とはしゃいだ記憶は鮮明だ。

私たちは強行に予定通りBBQをして

暗闇の中を動く動物のようでおかしな家族だった。


翌日、Bagno Vignoniバーニョヴィニョーニという小さな温泉地へ行って

でもこちらは、自然を人工的に昔の人が工夫して

もしかするとまるでテルマエ・ロマエ風の温泉に浸かった。

プールのようで日本の温泉風なこじんまりさがあって

静かに波を立てずにそーっと入る。熱くはない。


その家族旅行はVal d'Orciaヴァルドォルチャ(オルチャ渓谷)

周遊旅行だったなぁ、思い起こしてみると。

そのあとピエンツァに駆け足で行って

それから今日と同じコース、シエナの友宅に泊まらせてもらったんだ。


友と友の子どもちゃんの写真もでてきた。懐かしい。

大人はちっとも風貌は変わらないけど、子どもたちが...。

我が少年もこんなにかわいかったんだ...。

あんなにぴったりくっついて。

今や距離を喜ぶ思春期少年になっちゃった。


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今、こうやって、家族をおいて

熟女たちだけで旅行しているのが、なんだかおかしかった。

きっとこれからこういう機会が増えていきそうな気がした。

家族に終わりはないけれど、出産してから今まで

自分を家族に80%ぐらい注いできたところを

もっともっと減らして、独りの時間だって各々にもって

ちょっと成長した共同生活が送れたらいいな

なんて思うようになった。去年からw


私は、人がいう「子育て」を感じながら生きてきたことはない。

同居人が小さいから時々世話をしているみたいな感じだった。

この小さい同居人のことを誰も面倒みてくれなくって

私が引き取ったような感覚なのだ。

出産したときの痛みなんかとっくに忘れちゃったし

プワ~とあくびしながら出てきた4㎏近い赤ちゃんは
お腹の中でちょっと成長しちゃってて赤ちゃんぽくなかったw

だから動物的母性ってのをなんだか感じないまま過ごした気がするし

本能とか気持ちはあるけれど、子育てというより
環境に応じて生活している感がつよいのである。

人生や生活の中で常に優先順位ってのがあって
時に一番がその小さい家人だったり
時に一番が仕事だったり、時に一番がお金であったり
時に一番が勉強することだったり
時に一番が食べることであったり
時に一番がカラダのことであったり
時に一番が家族団欒だったり
時に一番が独り時間だったりする。
そして時に一番が、それがしょっちゅう自分だったりするのであるw


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熟女たちは、シエナの友宅のお庭でまた乾杯した。

友たちはコンタクトを外してメガネをつけた。

メガネの向こうにある目が少し小さくなるのが可愛らしかった。

その小さな目でケタケタおしゃべりしてる姿をみるのが私はすき。

進化したコンタクトより道具のようなメガネの方が

私は親近感を覚える。だって私コンタクト装着怖いんだもん。


ご近所はもう寝ちゃったのかな、静かだった。

私たちの笑い声がときにサイレンのように響いたw

笑うたびに肩をすぼめた。


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翌日、シエナの友はB&Bのような朝食を用意してくれた。

一度食べるために座るとまた話が始まっちゃって

なかなか次に進まない。きっと容易に想像つくであろう。

それでもシエナの友は、Castellina in Chiantiカステッリーナインキアンティ

村へ行かない?と提案してくれた。

もうお昼も近い、軽くランチをしに行こうということになった。


とても近くにその村はあった。

ちょっと標高が高く、気持ち良い風も吹いていた。

村の一本の道を歩けば城もあれば教会もあった。

シエナの友はこの村で働いていたこともあって

あちこちチャオ~と住人に声をかけていた。


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もういくところは決まっていた。

そこは、お肉屋さんなんだけど

ちょっと軽く一杯とかランチができるのよ~と友オススメのようだ。

私たちはふむふむとついていく。すすめられるともっと楽しみになる。


ここよ~。

へ~。確かに人気店ぽい。

外は満席だ。中が空いてるみたい。

しかし、予約されていた...。

でも予約までだったらいいよ!と友の顔がきいたw


ここでもサラミとペコリーノチーズの盛り合わせ。

熟女には野菜必須でナスのマリネやトマトサラダもつけた。

そして地元のテーブルワインで小さなテーブルを囲んだ。

ここもプロシュットやサラミ類が美味しい。

美味しいプロシュットは脂が美味しい。

チーズとかもそうだけど、食べる数時間前

常温に近い温度に戻すといわれている。それかもしれない。

だからこの溶け具合は味覚が増すようなきがする。

ペロペロ食べれちゃうし、塩味でワインもグイグイ呑めちゃう。


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最後の最後まで熟女たちは話が尽きなかった。

私は非現実的な旅行のようにも感じたけど

シングル時代を思い出した気分で懐かしく楽しかった。

いいきっかけとなって誘ってくれた友たちにありがとう!


エンポリの駅にヤツラが揃って迎えにきてくれた。

土産話をしたいのに、ヤツラはサッカーの話をして

興味無さそうだった。私はサッカーに興味が無かった。

家に着いて、お土産のプロシュットを食べながら

土産話をすることになった。それでいいのかもしれない。

そのときはヴィンチのワインをグイグイ呑みながら。



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友とブドウ酒を舐めた una connazionale a Montalcino

友たちよ un tocco di giappone

フィレンツェシスターズ Amica come Sorella vol.2



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新聞に、ある16歳のティーンエイジャーの投稿があった
と、ママグループのチャットに飛び込んできた。
«親愛なるスクールよ、ボクにキミの何が足りないって»
と、いうタイトルであるw
これは、スクールという名のキミへ送ったラブレターであった。
特に中学卒業の頃を今と置き換えて書いているようだ。

「スクール、元気かい?」から始まる!
そんな問いはみんな忘れちゃってるかもしれない。
まるでボクらが平常の生活を引き離したかのように
スクールとも引き離れちゃった。
前よりももっともっとスクールが恋しい。
気付くの遅いかな。そんなことないよね。
次、会えるのはいつだろう?4月中?5月?9月?
知ってる?親愛なるスクールは、ボクたちを発狂させてるんだ。
それはね、エドゥケイション ディスタンスって呼ばれるやつだよ。
教師がモニターの中にいてね、声は一人。
仲間が喋って、そしてボクが喋る。一人ずつなんだ。
オンラインの間、ボクらはずっと聞いている。
Giga数が捲られるようにボクの頭の中も知らずに捲られていく。
黒板は無くなっちゃって、隣の席の子もいないんだ。
どれもこれもボクの周りにはいない。
集中しようとモニターを見ながら、Webcamに向かって微笑む。
習得は基礎知識の集計で
予習と復習が繰り返されているだけだ
と、みんな口を揃えて簡単に言うけれど
どうすればいいの?もしわからなかったら?
手を上げることはできないの?
先生や仲間の視線はどこ?
チャイムは鳴らないの?
ボクがヒイキしてる事務員はどこ?
ボクの反応はどう表現したらいいの?
親愛なるスクールよ、以前はさ、建物に向かって
時間が長いとか文句ばっかり言ってたけど
今になったら、それが夢になっちゃった。
価値がわかったよ!
それをシニョールコロナ氏は教えたかったのかな?
OK、それでもいいさ。でももう懲り懲り。
学年プログラムの成績をつけなきゃだから
仕方ないのはわかってるよ。
でも、プログラムってなくなったんじゃないの?
授業時間数が重要だったんじゃなかったっけ?
いくつも疑問が出てくるよ。
ボクの落胆や不安をこばもうとする人もいるだろうよね。
成績は必要だけど
親愛なるスクールよ、もっとキミが必要なんだ!
みんなが集る場で、ニキビだらけのボクらの感情が交錯する場で
みんなそれぞれに小さなところでいっぱい発見をしてるんだ。
キミは、成長するボクらの脳ミソの運動場なんだ。
困難に向き合ったり、恋をしたり、夢をもったり、膨らんだり。
キミは、閉鎖された建物じゃなく、そう、チャンスを盗んだ海のようだ。
ボクら、それともキミ、スクールが
この状況に馴染まなければいけないの?
幸いボクの言うことをわかってくれる人が出てきたよ
この食い止められず引き続いている最悪な出来事に
戸惑うティーンエイジャーや少年少女たちが賛同してきた。
ボクらは、仲間や親戚を亡くしてしまった。
ボクらは、今ちっとも幸せなんかじゃない。
なんだかぜんぶおんなじにみえる。
でもボクらは、ヴァカンス休暇じゃない。それだったらよかった。
親愛なるスクールよ、寂しい、寂し過ぎる!
最後の別れもしてないじゃないか。
今年は涙は一滴もない、最後のチャイムの音で卒業できない
ボクは架空の3Dに陥ったよ。
ボクの中で空虚が残り、最後のチャイムで自由の叫びができず
好きだった先生に抱きつけず、仲間と抱き合えず
さようならを言えず、辛かった学校期間の後の夏のワクワク感
そうボクらは想いを目に浮かばせていた。
それなのになんだよこの様は・・・。
親愛なるスクールよ、ボクらを忘れないでね
ずっとボクらの中にいてね。

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我が少年が語っていることを想いながら訳していると
このように聞こえてきて、私が代わりに涙を目に浮かべた。
表現してみるとこういうことだよね。
上手だと思う。正直だと思う。
この日、自粛・自宅待機・検疫・隔離の意をもつ
Quarantenaウアランテーナ、40日間が過ぎた。
今まで起こった感染病で
人類が学んできた隔離の期間が40日ということから
そうQuarantenaとイタリアでは呼んでいる。
この日を過ぎた頃から、イタリアは感染率もかなり低いし
国も人々もフェーズ2の話で持ちきりだ。
最初は、命が最優先であった。
今度は、経済が優先だ。
そして最後が学校なのである・・。

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我が少年は、このレターの子のような正直な気持ちを
ストレートに表現できないが
素っ気ないオンライン授業に気づき、みんなに会いたい、という。
私には授業風景を見られたくないようで
自分の部屋に行っちゃうが、はじめの頃居間でやっていたとき
声は聞ける、みんなも見れる、よかったね、とは思ったけど
先生は、誰がいるか常にチェックし
少年はボーっとしてたり、答えのページを探してたり
暗闇の中をもがきながら、声を頼りに授業をしているようで
私もすぐに寂しいなと気づいたものだった。
そして、このレターのティーンエイジャーがいうように
質問は、親だったり個人的に友だちだったりするのである。
それは時間が限られているからである。
授業中に解決することはなかったりする。
いつでもできる子はいいけれど
わからない子はわからないままなのである。
人生の内の40日間ではないか、数ヶ月ではないか
それでも、成長にスピードのある彼らには
置き換えることのできない貴重なかけがえのない時間なのである。
大人は、あまり感じないことだけど、彼らの世界は
あの三密のスクールが絶好の思春&青春の場なのである。
そして、少年に
「コロナが終息したら、一番に何がしたい?」
「サッカーしに行きたい。」
集まる場、触れ合う場、体を動かして表現する場は
彼らにとって必要不可欠で
こういう生身の場で成長し、社会にでていくんだよなぁ
と、ロックダウンボーイズを眺めながらいち大人は考えるのであった。

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地理の授業でアイルランドを勉強しているそうだ。
どうせヒマだろうからとアイルランドの郷土菓子でもつくってみなさい
という課題が出た。もちろん親がいることが前提の課題だ。
アイルランドの首都ダブリン在住のシスターズに聞くことにした。
いろいろお菓子やレシピを聞いて、キャロットケーキに決定した。
そういえば、アイルランドはじゃがいもと人参と鶏肉ばかり
食べていると言っていた。その内のニンジンだ。
たくさんあるレシピを拾い上げると
トスカーナのスキアッチャータフィオレンティーナという
カーニバル期の旬のオレンジを使った
スポンジケーキのレシピにとても似ていて
オレンジの部分をニンジンに置き換えればできそうであった。
これだったらいつも作っているケーキだから失敗が少ないだろう。
私は怒りを抑えながら、少年に全部やらせて
キャロットケーキを作った。ふぅーーーっ。ビシッバシッ。
これっ、これなんだ!親が教えるのと学校で習うことの違いはっ!
お互いの性格にもよるのだろうが
表現の仕方が親子と仲間や先生とは違うのだ。
だから日本語学校に通わせている訳で。

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アイリッシュ風のキャロットケーキは
スポンジケーキの中にさらに干しぶどうを入れること
焼き上がったケーキの上に、サワークリーム、私たちは
レモンとキビ砂糖を入れたリコッタチーズをクリーム状にして
トッピングに細かくしたピスタチオやナッツを散りばめた。
まるで甘い生活を望むかのように、甘く仕上がって
私には甘過ぎたけど
甘いもの好き少年は喜んでペロリとたいらげた。

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ヴィンチの丘は、旱魃となり始めた大地に
恵みのように雨が降った。
そう、ブドウの成長がいつもより遅いなと思った頃だった。


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少年が起きてこない。

起こしに行った。いつものことだけど。

「あぁぁ、今、起こさないでぇ。イイ夢みてるの。」

「へ~、どんな夢みてるの?」

「あーん、嫌だ、寝かせて!」

「え、え、でもさ、夢ってすぐに言わないと忘れちゃうんだよぉ。」

「みんなでビーチに行ってる。」 そうなんだ、誰と?

「みんな。」 お母さんいる?

「うん、お母さんいる。お友だちもいる。みーんな。」 何やってるの?

「Festeggiare(お祭り騒ぎ)してる。」 何の?

「コロナが終わったから。」 そうなんだ。

それはイイ夢だね。もうしばらく夢の中にいさせてあげよう。



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ヴィンチの丘は、春がとっくに来て、地面の花は咲き乱れ

藤棚のフジは咲き乱れ、ここしか花がないかのように

ハチはやってきて飛びまわり、貯めてある雨水を吸っていく。

よくみるといっろんな種類のスズメサイズの鳥たちもやってきて

パンくずつまみにきたり、こぼれた種をつまみにきたり

刈った草まで持っていってる姿は巣でもつくるのかな。



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パスクアの日(Pasqua/復活祭/イースター)

閉じこもりなんてしていられないほど天気が良かった。

私たちは、肉を焼いて、スキアッチャータを焼いて、ポテトを焼いて

アボカドサラダにタンポポの莟の塩漬け混ぜて

農主のビオディナミワインで乾杯した。

ボクも、とG.A.S.で購入したBioのリンゴジュースを持ってきた。

よし、乾杯~。

いつもの三人じゃなんだかつまらないんだけど、いつものことだから。

なんせ今日、三人揃ってランチを外で食べている。

眩しい・・とか、暑い・・とか、必ず文句が出てきて

ハッピーエンドに終わらない家族で(いつものこと)

最後に外に残っているのは私だけ。

結局食後家族バラバラ、私はサマーベッドの上で昼寝した。

あぁ、気持ちよかった。

少年に「夢の続きはどうだった?」と聞くと

「お母さんが何回も邪魔したから続きが見れなかったよ!」

何度もあのシーンに戻ろうとしたけどできなかった・・・と

残念そうに言う。ごめん。



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パスクワの日Tg(TVのニュース)で

ロックダウン下のイタリアの街の一人パスクワを取材していた。

そういう人はいっぱいいただろうな。

だからクリスマスやパスクワなんかに家族が大集合するんだもの。

私も季節の行事に合わせて実家に帰っていた。

それができずに、友だちとも会えずに、外にも出れない。

一人暮らし時代を思い起こした。

イタリアではマンション内で手作り料理をエレベーターで送りあったり

テラス越しで隣人と乾杯しあっているほっこりシーンであった。

人がいるから笑えるし、人がいるから悲しむんだよね。

人のために仕事して、人のためにお金を使うんだよね。

自分のためのようで、人がいるから自分が成り立っているんだよね。

人が繋がるから社会なんだよね。

日本の一人暮らし時代のあのマンションでは・・・

そんなことが起こりえるかなぁと疑問が湧いた。大昔だけど。

隣の人の顔は知らなかったし、誰が住んでいるかもわからかった。

こんなに人が近くにいるのに寂しい環境だったよなぁ

と今更ながらに思い出した。

もしあのときロックダウンになっていたら。

そんな風に置き換える時代がいくつかある。

もしあのとき・・・。



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時代を置き換えることもできるが

終息後の未来も想像しなくてはいけない。

そして、その前になぜ感染病が拡がっていったのか。

過去の自分はどうだったのか。

ちっぽけな私が立つ地球はどうなのか。

ロックダウンで何に気がつき何を学んだのか。

考えることがいっぱいある。

この時代に生きて、これらも考えずに簡単に忘却して

終息乾杯はなんだかできない。

今、だからいっぱいいっぱい考えたい。

一人で考えたい。

静かに考えたい。

生活しながら考えたい。

そして、思い出したい人との繋がりを。



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近頃、こうやって振り返るドキュメンタリーやレポートなどの

番組や記事、本までもが出ている。

納得することがいっぱいあるし、人の言葉や考え方によって

気付かされることもいっぱいある。

とても刺激的でむしろポジティブになりやすい

厳しい考え方や明快なもの語り。

過去の忘れたくないこともあれば

過去を繰り返してはいけないこともある。

未来に生まれてほしいこともあれば

未来へ続けてほしいこともある。

まだ私には記録する自信がないからまとめないけど

そんなことを考えながら春を過ごす。

サマーベッドの上で、春の香りと春の音を聞きながら。



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世代交代 ブドウの収穫 Vendemmia 2017④

天国という名の大地 Terra si chiama Paradiso

緑の中でお昼 la mia famiglia


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「おかあさ~ん、髪の毛切って~。」

「学校行かないからいいじゃん。誰にも会わないし?」

LIVE授業がはじまるんだ。」

あ、そっか、LIVE発信で生中継で授業するのか。


自分でバリカンを充電して、床屋セットを用意しはじめた。

「片付けるの面倒だから外だよ!」

「うん、いいよー。」

直行シャワーが浴びれるように上だけ裸で(幼少の頃からw)

前に美容師の友から頂いた本物の袖付きナイロンポンチョを着て

少年は畑の中で待っていた。

「いらっしゃいませー。」

「前みたいにね。」

「前みたいってどんなんだったっけ?」

「え、え、後ろすっきりで上ちょっと長く。前髪もうちょっと短くして。」

しかし幼少の頃から、じっとはしていない。

少しすると、首がかゆいだの、なんだのと動き出す。

「早くー!」

本人は鏡を見ていないからどこまで切っているのかわからない。

私を信用するしかないのである。

「もうちょっと待て。これから仕上げするから。動くなっ!」

下を向け!といえば10秒も下をむいていられない。

横を向け!といえばすぐこちらを見るw

顔が戻ってくるかんじ!

終わると逃げていくように走ってシャワーを浴びるかと思ったら

スマフォみてる・・・。ったく。早く風呂入れー!


私の背を超え始めてもまだ子どもだから畑で切る。

なぜ畑で髪の毛を切るかというと

髪の毛は、リンを多く含み土の肥料になるのである!

爪も庭で切る。

爪も肥料になっているのである。



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夫の髪の毛もヒゲもバリカンとハサミで切る。

我が家の男子は床屋知らずである。

プロの床屋さんゴメンなさい、どんなに節約していることか。

私は思春期頃、美容師になりたいと思ったことから

ヘアースタイルやスタイリングにとても気をつかっていた。

サロンで切ってもらいに通っていた頃、職業ではなくても

じーっと美容師の切り方を目に焼き付けていた。

後頭部の研究は、隣の人が切られているところを

待っている間に盗み見していた。雑誌をみている暇はなかった。

細い櫛を使ってサクサクと切っていくのか。

写真で研究する時は、やはり横向きの写真が役に立つ。

耳周りの処理が難しかったりするのである。

特に私が自分で切るときに。

自分で切ると、切っては鏡で確認の繰り返し。

後頭部も触りながら長さの確認をしたり

でもハサミと髪の毛を持つ動きがいつもと変わるから

そこだけが至難の業となる。


自分を含め、家族の床屋さんをもう何年もしているおかげで

コロナで外出禁止でも、床屋の問題は我が家にはない。

出張床屋とかが発生しているのかな

市長さんたちが、声を張り上げてSNSに投稿しているのを見た。

政治家とかTVに出る人はどうしてるのかなぁ。

髪の毛ボサボサになっちゃうのかなぁ。



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さて、LIVE授業(私はそう呼んでいる)がいよいよ始まった。

学校が指定してくるアプリをインストールして

宿題や黒板的な役目のコーナーに先生がいろいろ載せてるみたい。

見るな!というから見ないけど、ちょっとだけ見せてもらった。

LIVEの生中継は、私のタブレットでは

アンドロイドのバージョンが古くて見れなかったw

少年は日本で友のアイフォンの中古を買い取ったおかげで

自分のスマフォ(生意気にアイフォンだけど)で授業をしている。

ヴィンチの学校はLIVE授業の出だしが遅く今週から。

「学校がなくて寂しくない?友だちに会えなくて。」

「全然。チャットで話せるから。」

なんて冷めたことを言っていたが

LIVEでみんなの顔を見れて嬉しそうだった。

先生も興奮ぎみで、全然授業になっていなかったw

チャットでは表情は伝わらない。

やっぱりみんなの笑顔は、元気の源だね!



DSC04788

先日、Tg特集でディマイオ外相がインタビューに答えていた。

輸出入に関してで、マスクをはじめ医療品と医療機器が

いろんな国が送ってくれているという話だった。

中国が大変なときは、イタリアからもマスクを送ったそうだ。

今は、中国からマスクの寄付もあったり

大量のマスクや必要とされる医療器具を

イタリアへ向けて送ってくれているという。

その他の国もマスクをいっぱいいっぱい送ってくれているそうだ。

こうやって友好関係が世界で広がっているとも言っていた。

外相はそれを伝えたかったようだ。

胸を詰まらせているようにもみえた。

少年のLIVE授業と同じく

外相の表情も表現も私にはそう伝わってきた。

私まで胸が詰まってきたのか鼻のあたりが熱くなった。

イタリアでは空港が閉鎖され輸出入も全面ストップしているようだ。

イタリアの食品を食べればいいと言っている。

そうなんだ。イタリアには、食には困らないほど産出している。

イタリアの農産物は国民をまかなえる。

さらにもっともっと地元の食品を食べるようにすれば

季節のものを食べるようにすれば

免疫力だって上がるのである。

飛行機が飛ばなくなって交通が不便になって空気が浄化され

ローカルの食品を食べ、今まで忘れていた家族との時間や

自由な時間に発想をもって、この感染病は時代が変わることへ

何かメッセージを送っているのではないかと前向きに想う。



DSCN3092

草の成長が著しくなる前、3月の初め頃

ブドウ畑では、木の根元の草を生やさないように除草剤を撒く。

今、その効果がでて草が焼けるように赤らめている。

広大な農薬のブドウ畑のパノラマは今が一番醜い。

芽が出てくると柔らかい芽を食べに来る虫に向けて

殺虫剤が撒かれる。それは4月の終わり頃だ。

Tgで、コロナ退治に手をよく洗って表面をきれいにしてというが

先日、化学石鹸で手を洗って!

漂白剤を極薄にした消毒液で表面を拭いて!と言っていた。

化学素材じゃないと死なないという。

それって・・殺虫剤と同じだ・・・

外出しないことが私にはあってそうだ。

免疫力をつけることが私にはあってそうだ。

ローカルのG.A.S.(Gruppo di Acquisto Solidale)

引取時に気をつけながら通常通り活動している。

イタリアの農産物を食べて、家族といるだけが、コロナ対策なんだ。

コロナなんかに負けるものか。



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