大地の住人 ヴィンチの丘で

地球と体に優しいコト ~イタリアから~

フィレンツェの端っこレオナルド・ダ・ヴィンチのふるさとヴィンチの丘に在住。 大地の自然たちと向き合って地球と体に優しい様々なコト、発見・提案・発信!

タグ:幼少時代

あ~もう少し。

手が届きそう。

あの雲、触ってみたいなぁ。

nuvola vicina

すぐ近くに見える雲が現れた。

手を伸ばせば、届きそうなほど近くにいる。

よく見ると、モコモコしたところが煮え立っているかのよにグツグツ動いている。


Cammino


歩いて手が届いた。

歩けること、手の届くことって、こんなに嬉しい。

最近だって、五月の手術後も、寝たきりの赤ん坊のように、下の世話までしてもらった。

そこにある飲み水さえ届かなかった。


Mamma e Figli


母の命日は七夕の日。

痛みを抑えるモルフィネが効いて、笑いながらスーっと天へ上っていった母。

手を伸ばしながらフワフワと織姫となって、天での愛を求めに去ったような。


2anni


私は生まれ、歩き、未来へ向かった。

今日きっと人生の半分を生きている私は、これが未来だったことを知り、その先の未来へまた向かう。

過去と現実と未来を振り返るよい機会が今日のこの日、誕生日かもしれない。


記憶と記録は目の前にある。

しかし姿は、あの雲のように手には届かない。


Primo Pomodorino come la mia guancia


今年のトマト。日照りにも関わらず、トマトは熟れた。

まるで私が2歳の頃のほっぺのよう。

パリッとした歯応えに、濃厚な味。

そうよ、そうよ。私もシャキッとして濃厚な人生を送らなきゃ!



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私にはもう実家はない。

私が帰るところは今の家しかない。

私を守ってくれた家族はもういない。

Libreria di Tesoro

母の部屋にあった本棚を、今の家ヴィンチの丘の家まで運んできた。

思い出や記憶、そして小さなおもちゃが詰っている。

この扉を開けるとゴチャゴチャしてて、いつでもうわ~と胸がふくらむ。

幼少時に返らせてくれる「おかえり棚」である。

neonata obatamaki

誰にでもこんな頃はある。

凡人も天才も。

善人も悪人も。

polvere per neonati

どうしてこんな物を持っているのか、どこで見つけたのか、誰のものだったのか、記憶にはない。

でも、赤ん坊の頃の写真を見ると、似たような物が置いてある。

Giocattolo Antiquariato

これだって記憶にはない。

しかし、実家にあったのだから、誰も捨てられなかった一品なのであろう。

きっと、母の記憶の品なのかもしれない。

Mamma e Figlia

それらこれらをギュッと詰めた棚。

記憶の品というかたみを詰めた棚。

もしかしてもしかすると、家具つくりが趣味だった祖父の作品かもしれない棚。

もう問うことはできない。祖母さえもいない。

記憶と想いを詰めた棚。

少年もこの扉を開けるとワクワクする。

そうっと、大切に。

今日も開けてみよっか、母の命日に。


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