あ~もう少し。
手が届きそう。
あの雲、触ってみたいなぁ。
手を伸ばせば、届きそうなほど近くにいる。
よく見ると、モコモコしたところが煮え立っているかのよにグツグツ動いている。
歩いて手が届いた。
歩けること、手の届くことって、こんなに嬉しい。
最近だって、五月の手術後も、寝たきりの赤ん坊のように、下の世話までしてもらった。
そこにある飲み水さえ届かなかった。
母の命日は七夕の日。
痛みを抑えるモルフィネが効いて、笑いながらスーっと天へ上っていった母。
手を伸ばしながらフワフワと織姫となって、天での愛を求めに去ったような。
私は生まれ、歩き、未来へ向かった。
今日きっと人生の半分を生きている私は、これが未来だったことを知り、その先の未来へまた向かう。
過去と現実と未来を振り返るよい機会が今日のこの日、誕生日かもしれない。
記憶と記録は目の前にある。
しかし姿は、あの雲のように手には届かない。
今年のトマト。日照りにも関わらず、トマトは熟れた。
まるで私が2歳の頃のほっぺのよう。
パリッとした歯応えに、濃厚な味。
そうよ、そうよ。私もシャキッとして濃厚な人生を送らなきゃ!
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カテゴリー【思い出】
『祖母とマキちゃん』
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