大地の住人 ヴィンチの丘で

地球と体に優しいコト ~イタリアから~

フィレンツェの端っこレオナルド・ダ・ヴィンチのふるさとヴィンチの丘に在住。 大地の自然たちと向き合って地球と体に優しい様々なコト、発見・提案・発信!

タグ:搾油

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私が搾油してもらう搾油所は
ヴィンチの山の上のへんぴなところにある。
山だけど、木々は世紀を越えたオリーブの木だらけだ。

そんなところを、スイス人のオリーブ好きが買い取って
オリーブ栽培を手掛け始め
ヴィンチに住むオリーブ友と、何年も何年も研究を重ね
そしてそのオリーブ愛は
ただの愛好家ではおさまらなくなった。

搾油するスペースを設け
これまたマニアックに最新で最高級な搾油機を導入し
自分の農園で搾油をし始めた。
さすがスイス人だなぁ。

しかし彼の農園は、たった5000本しかオリーブは所有していない。
高額な搾油機は、一年に数回使うだけでは勿体無い
ヴィンチ地元民の搾油も承るビジネスを始めた。

彼のオリーブ愛は、有機栽培だ。
除草剤や殺虫剤を毒と呼んでいる。
自分のこだわりで営む搾油所を毒で汚染したくない。
彼は、農薬の注意書きだけではなく
彼が追究したオリーブの収穫におけるマニュアル書をつくった。

私が学んだオリーブ栽培や収穫方法とほぼ同じだが
もっと詳しく書いてあったりする。
さらには、搾油ビジネスに関わる持参する容器の洗い方まである。

その自作マニュアル書を渡され
これが守れなければ、搾油を承らないという。
そんなところも彼のこだわりでオリーブ愛なのである。

ここの搾油所は、ヴィンチのどこの搾油所よりも高い。
でも、この最新の最高級な搾油機と
主のオリーブ愛とこだわりと
主が選んだ搾油所の所長の対応が
私は大好きで、信用しまくっているのだ。

私だけではない。
声が広まって、オリーブ愛とこだわりをもつ人が集まってくる。
値段は、技術とこだわりと信用なのだ。

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搾油機はMORI社の機械を使っている。
このMORI社もこだわり派で
自身の研究を技術者に毎年更新報告する。
こだわり派はこだわり派の信用をかう。

今年は、今までの問題であったオイルと水分を分ける
遠心分離機の部分を大きくして
今までエネルギッシュに脱水していたところを
脱水しやすくして、もっともっとオイルだけを抽出するという
スペシャルな機械が導入されたそうだ。

今年は、300kgまでと指定があった。
予約は300kgで予約され
それ以上は前もっていうことになっている。

なるべく機械にあったオリーブの量で動かせば
意図した理想なオイルが搾れるからである。

私たちは、オリーブの実の量にあわせて
収穫する順番や場所を決めたりしていった。

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日陰のオリーブ畑は10月3週目
早熟品種なのに成熟が遅く緑が多く実も小さかった。
搾油率も最低で、8,9%と油分はなかった。

味は、油分が豊富なようなまろやかさには欠けるが
ポリフェノールの苦味や辛味が効いて濃厚なパンチがある。

家の周りは陽当たりが良く日陰のオリーブ畑より
実も膨らんでいたし、成熟度が良いように見えたが
畑全体に対し、成熟しているオリーブと未熟なオリーブ
半々ぐらいだったように思う。
10月4週目、2回搾油してもらって
12,5% と 12% という結果が出た。

味は、日陰のオリーブ畑よりだいぶまろやかさが増している。
トスカーナらしい、苦味と辛味が
ほどよく調和しているのではないかとおもう。

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さて、私が監修させていただいている
トッレセレーナという名の農園のオリーブは
日本人の舌や繊細な日本食にも合うようにと依頼され
11月の2週目に、私のマニュアルで収穫してもらい
即、私の信用するオリーブ愛のヴィンチの山の搾油所で
搾油とフィルタリングをしてもらった次第である。

搾油率はフィルタリング前で15%と出ている。
それでも15%しかないの?とイタリアでオリーブオイルを
自分たちでつくっている人は思うかもしれない。

こちらの最高級な搾油機は
エキストラヴァージンの規制、搾油時27度以下とあるが
ここは、20度と低温で搾る。
低温で搾ることによって
オイルに出てくる成分が壊されないというメリットがある。

その分、温度で油化させて抽出するところを
低温なので、油化されにくく
オイル量は少な目なところがデメリットかもしれないが
オリーブ愛好家は、高成分と美味を求めるのである。

搾油費用はどこよりも高いし、搾油率は低い。
ちっともコスパではないが、こだわる理由は
断然美味に仕上がる裏切らない搾油機なのである。

そして、収穫を遅くしたことで
どんどん熟れていき油分は増え、それによって
苦味辛味が抑えられよりまろやかになるのである。

是非、興味のある方は
下のサイトより予約販売がはじまりましたので
どうぞお試しくださいませ。



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よく読まれています ↓ ↓ ↓ 参考になれば嬉しいです。
EVOオイルとは Olio Extra Vergine di Oliva
オリーブオイルの搾油率 essere olio extravergine
オリーブオイルでスキンケア Oleolito a Freddo

または、親カテゴリー『オリーブ OLIVI』からお楽しみください。
さらに、子カテゴリー内にて様々なヴィンチのオリーブオイル
オリーブ栽培の話が詰まっていますので
お時間があるときにどうぞごゆっくりご覧ください。



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サマータイムが終わった10月最終の週末、11月入っての週末
オリーブの収穫をしている一般の家族たちで賑やかだ。

イタリアは..といってもトスカーナ事情しかよくわからないが
一般の人でも普通の野菜畑のようにオリーブ畑をもっている家が多い。
30~150本ぐらいが相場であろう。
ひと家族だけの場合もあれば大家族でシェアする場合もある。

トスカーナの伝統は、11月1日の祝日OgnissantiとかTutti i Santiと呼ぶ
聖人の日以降にオリーブの収穫をはじめるのが通常である。

しかし今では、温暖化の影響で成熟が早くなり
こだわり派はポリフェノールやクロロフィルの効果高を意識して
10月の半ばからはじめる農園や愛好家が出だした。

私もそのかじりで、10月の22日以降
できたらサマータイム内の週末までに終わる目標を
ここ数年たてている。

二家族のオリーブ畑を管理している私は
2021年は10月の第4週末に終わらせることができた。
50%減だからということもある。

でも逆に、とりあえず網は地面に敷く作業は同じだし
ポツポツあるオリーブに振動機を差し込む作業だって同じだ。

ただ、その労力をするほどまでの価値のない数量の
オリーブの木やゾーンは諦めることにした。
時間がきたら予約した搾油所に持っていかなくてはならないので
ちびちびだらだら収穫していられない。

その見極めとか時間の配分は案外難しく
搾油所に持っていくオリーブの実300㎏まで足りないとか
オリーブの木2本の収穫ができなかったとか
毎年よく聞く嘆きである。

こちらの森のようなオリーブ畑のオリーブは
日当たりが悪いので、同じ早熟性の品種だけど
成長が日当たりが良いところより遅い。

だからまだ色づき中で緑交じりが多かった。
一週間遅く収穫してもよかった。

結果は搾油率13,5%だった。
思ったよりあったので
そういう年なのかもしれない

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イタリアには..トスカーナにはそういうわけで趣味や愛好家
家族でだってオリーブ畑をもっているオリーブ文化には
そこらじゅうに搾油所がある。

ヴィンチ付近で持っていけそうな距離に
ざっと思い当たるだけでも10軒はある。

その中で私はもうここしかお願いできないほど
一番信頼している搾油所がある。

なぜここの搾油所に惹かれたかというと
とにかく搾油機がすごいのである。

カット工程がソフトに攪拌されていき
 混ぜこね工程のグラモラ機がより酸化を防ぐだろうといわれる
縦型式であるところは他になかなかないであろう。

そして水分と油分に分ける遠心分離機が
ものすごい精密で、濃厚なオリーブオイルがどわどわと出てくる。

さらには、全工程21度でできているところは素晴らしい。
エキストラバージンオイルは27度以下と規定がある中
6度の差は肌で感じる程である。
その分、成分が減っていない証拠なのであるのである。

もう一つは、オリーブ愛でいっぱいの主は
農薬のことを毒とよぶほどで
有機栽培の人しか絶対に受け付けない。
それと、ぐちゃぐちゃになったオリーブも受け付けない。
だからオリーブ愛で栽培・収穫されたオリーブを
持ってくる人しか来ないし残らない。

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なんにもわかっちゃいない頃
数軒の搾油所に持って行って試したし
最後の2本分をお隣さんと混ぜてもらったこともある。

しかし
口に入った瞬間舌触りから味まで、ぜんっぜん違うのである。

こんなに違いがあっていいの?というぐらいだ。
だから、同じオリーブでも搾油機が違うだけで
こんなにも差がでるなら、オリーブオイルの値段が変わっても
ちっともおかしくないし、搾油所選びというのはとっても大事だ
ということがはっきり言えるようになったわけである。

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しかし濃厚なオイルは
水分と油分がパキッと分けられているが
Novello特有の澱がけっこうあるので
すぐフィルターにかけたい。

フィルターに濾されて出てきたオイルは
キラキラ輝く金のような黄緑色のオリーブオイルができあがり
滑らかな舌触りでかつフレッシュで
清い苦味と清い辛味が味わえるのである。

そしてそれが持続するのである。
フィルターにかける意味はそこにあるのである。

どの搾油所で搾油してもらっても
私はすぐにフィルターにかけることをお勧めしたい。

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愛用の搾油所は、エコロジーにも力を入れていて
除去された葉っぱは肥料に
Sansaといわれる油分が抜かれた実のペーストも肥料に
ペーストと種も分離して、その種はチップストーブに!

広大なオリーブ畑に搾油所をもてたら
オリーブの肥料はオリーブということになる。

オリーブ農園にしては少ない5000本の
オリーブ愛からはじまったオリーブ事業。

エコシステムができているのも
私のお気に入りの搾油所なのである。

世紀に渡ったようなオリーブの剪定も素晴らしい。


【お知らせ】


2021年より、Obata Makiが監修しましたヴィンチ村15㎞圏内の
トスカーナ産エキストラバージンオリーブオイルが
日本のみなさまへ数量限定で
olivewellness.storeより販売が決定いたしました。
生産過程がこのように垣間見れるオリーブオイルは珍しいことと思います。
この機会を是非ご利用ください。
こちらのリンクにて予約注文ができます。



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☆こちらの記事もどうぞ☆
オリーブオイルの搾油率 essere olio extravergine
強調するときの国民性 Frantoio Svizzero
オリーブオイルを美味しくさせる Consiglio di Frantoio Bio




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オリーブオイルの搾油率とか抽出率のことを

イタリア語でResaレーザという。

収穫量に対して搾られて抽出された油の量との比率のことだ。

オリーブオイルだけでなく農作物など全般に使われることが多い。


収穫日によって違ってくる。

タイミングによっても違ってくる。

品種によっても違ってくるだろう。

果実の状態にもよるであろう。

そして天候にも大いによる。

搾油所で比べると、機械でも相当異なる。


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私が信用しているいきつけのFrantoioフラントイオ(搾油所)は

搾油時21℃ときている。

Estrazione (Spremitura) a freddo

エストラツィオーネ (スプレミトゥーラ) ア フレッド

といわれるコールドプレス(低温圧搾法)は、みなさんもご存知

一番自然なままに成分を壊さずに搾り出される方法だ。


ソフトにオリーブの果実を撹拌し

我がFrantoioは最新の超最新で縦に練っていく。

その間に上昇する熱を低温にコントロールする技術である。


Estratto a freddoと記せる温度はMax27℃であるが

低温であればなおさらいい。

Frantoioの最新技術の自慢どころでもあるだろう。


熱を加えて抽出するEstarazione a caldoカールド

オリーブの果肉を練って上昇する気温を29〜30℃に調整し

熱を加えることで発揮するEnzimiエンジーミ(酵素)の力で

油分水分を抽出しまくるのである。

質より量の産業的目的で使われている。

搾られた後、そういうわけで産業的にもろもろと添加しちゃえば

たいしてあれもこれも変わらなくなる。

そんなところが危険だし、そういうものが安く出回っているのである。

印象悪いのでw 表記していない。


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そして、油分と水分を分けるデカンター(遠心分離機の部)の

この確実性も物をいう。

ここで油分をより多く抽出させ、水分をどこまで除去できるか。

この辺の技術もマシーンによっては全っ然効果が違ってくる。

水分混じりのオイルの抽出量が多そうにみえて

オリーブオイルの品質にまで大いに関係してくるので

重要な部分である。

この技術は、Frantoianoフラントイアーノ(搾油所の長)も

よく説明できないだろう。マシーンの技術だから。

そうそうFrantoioもころころ投資はできない。

あるもので続行するため、搾油してもらう客が

あちこち試すしかない。


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オリーブの品種はざっと2つに分かれる。

Precoceプレコーチェ(早熟性)かTardivoタルディーヴォ(晩熟性)


ひとつひとつの品種がわからなかくても

せめてこのどっちかがわかると、適切な収穫時期がわかるだろうし

植える時も収穫しやすいように植えられるだろう。

これが混ざっていると、仕方ない

早か晩の割合で一気に収穫してしまう。


どちらも油が形成される時期になってから収穫をするのが最適。

早すぎると、キンキンクロロフィル(葉緑素)の成分が強いまま

体にイイといわれるポリフェノールなんかは強力に抽出できるが

肝心な油分が未熟でオイルの量が抽出できないのである。


Invaiaturaインヴァイアトゥーラ(果実の色づき)が目安にもなるが

毎年違ってたりするので、やっぱり一年を通しての判断になる。


この収穫期の見分けと判断は、栽培者の知識と経験による。


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その一年を通して、何を記憶に残して置かなければいけないか

芽生えの時期、開花の時期、結実の時期、そして成長期

この4つの期間の天候と気温である。


雨ばっかりもダメだし、晴ればっかりもダメで

できたら結実期にピッタリ雨が降ると結実しやすい。


成長期は地中海性気候のカンカンで身が締まり

時に雨が降ってくれると油分の形成に役立つ。

油分の形成をイタリア語でInolizioneイノリツィオーネという。

9月いっぱいまでじわじわ形成されているそうだ。


夏はカンカンで、近頃異常気象の晩夏にどーっと雨が降り

プックリ果実が膨らんでキレイな姿となって豊満に重くなっても

あぶらがのってないこともあるのである。


果実の豊富さは、不思議と

前年の種子が翌年の果実となる芽を操作しているのだそう!

これは私たちには説明しきれない果樹のメカニズムなんだそう。

そういうミステリアスなところも魅力的なオリーブ。


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さあ、いざ今収穫したオリーブの実をFrantoioに持っていき

ワクワクしながら、300kg用のかごに入れ替え、計る。

小さい搾油所はたいてい300kgをベースにマシーンを動かす。


では例えば実が300kgだったとしよう。

大かごの重さを抜いて教えてくれる。

そして出来上がったオリーブオイルの重さを計る。


40kgのオリーブオイルが出来上がってきたとしたら

40kg(オリーブオイル)÷300kg(オリーブ)=0.13333x100(%)

=13.33%となるのである。


この抽出率は搾油所が出してくれるので

自分で計算することはない。

この抽出率をみんなで言い合って自慢しあって反省しあって

収穫の時期、一番交換し合う情報である。


そういうわけで、毎回搾油するごとに違う数字がでてくる。

同じ畑でも違うのは、収穫日にもよるだろう

天候や湿度にもよるであろう、品種の割合にもよるであろう

土地の部分の地質が違うのであろう

星座や月が操作しているかもしれない。


油の抽出量と今日持ってきたオリーブの重さは

オリーブの油分はすでに決まっているところを

今日のオリーブの状態の重さってことも十分にあるのである。

葉っぱがいっぱい入っちゃってても一緒に計られてしまう。

だから夫はきれーいに取り除く。


そして、40kgのオリーブオイルをわかりやすいリッターで考えたい時

1Little=0.916kgなので、1kg=1.0917Littleで

40kg x 1.0917Little=43.668Littleとなるのである。


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2020年10月19日10.1%、22日13%、29日11.7%

どれも早熟性のオリーブを早めに摘んだ。

きっとそれが理由であろう。期待の搾油率より少ない。


2019年10月24日11.4%、28日14%、30日14%

1番が早熟性品種で2・3番目が晩熟性の品種


2018年10月22日13.1%、24日14.5%

11月5日16.9%などと出ている。2019年と順番は同じ。


ある年9%のときもあった。

平均は12~13%ぐらいのように思う。


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搾油所の搾油作業の値段は

持ってきたときに計ったオリーブの実の重さで計算される。


たいてい100kg単位で、この辺のトスカーナでは15~25ユーロ

300kg分だったら平均60ユーロの搾油費はかかるのである。

だからResa=搾油率がとーっても関係し

オリーブオイルがたくさん抽出できれば

事実上の費用の重みが薄れていくのである。


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そして最後にフィルターがけをした場合

オイルはフィルターに残ってしまう。


人には渡せないフィルターに残ったオイルは

自分で再度濾して、生食用ではなく調理用に利用したりする。

農園としては、使い物にならない部分である。


それを引くと、れっきとしたオリーブオイルの抽出率って

とっても低く、とっても高価なものなのであるのである。


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オリーブオイル文化のイタリアでも、オリーブ栽培に関わっていないと

なんのこっちゃわからない人が大半であるが

生産させている人は、味や出来の他に、こんな搾油率で

喜んだり残念がったりしているドラマがあるのである。


例年のオリーブの量からたっくさんのオイルが抽出されれば

それだけ商品となる。売れればの話だけど。

どのくらい生産できるか搾ってみないとわからないところも

オリーブの魅惑的な一つでもある。


商品棚に並んでいるオリーブオイルから

こういったドラマはみえないが

味だけで物を判断されてしまう純な生産物には

大地の恵みの他、育てている者の努力と祈りが

込められているのである。



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私のオリーブを持っていくところは

ヴィンチの山の奥にある。


この搾油所はスイス人が主である。


トスカーナのオリーブに魅了され、移住してきた夫妻である。


奥様を見かけることはない男の世界で築き上げたオリーブの虜

ご主人は、スイスでジャーナリストをしていたそうだ。


私も夫も、搾油所に行くたびに、彼と握手して挨拶を交わす。


最後の搾油日、そのまま帰るのではなく

私は、どうしても挨拶をして帰りたかった。


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いつも寛容なご主人は、社交的に交流し、差別がない。


若者を応援するし、女性へも応援する。


困った農園たちとも請合うし、自分の客を一番に考える。


そして地域へ貢献し、無農薬運動をしている。


彼こそサステナビリティを呼びかける

スイス人オリーブ農園経営者である。


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挨拶をしようと探したら

ご主人は山から見渡す天からの光をカメラに収めようとなさっていた。


私と同じ白髪はくはつで、首にいつも赤いバンダナをし


コーデュロイのジャケット姿は、まさしくもジャーナリストスタイル。


「私もよく天からの光の写真撮りますよー

私の家からは夕日が見れるんです。」


「えーと、夕日って太陽が沈む方だよね?」


「そうそう!」


「ぼくのカメラはイタリア製だよ!」


と見せてくれたのは、
NIKONだった。


イタリア語だってわかってるかわかってないかでも

人の穏やかさで、言語なんてどっちでもいい。


冗談好きなご主人は、イタリア製とスイス製を強調したいときに使う。


あぁ、それだ。


私が一番最初にこの搾油所に依頼したときに質問した。


「ここの搾油所は他と何が違うの?」


「何が違うって、この機械はスイス製だよ!」


ぼくのこだわりはスイス製で、貢献と記録はイタリア製なんだ。


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私のオリーブはイタリア製で、オイルは精密なスイス製。

(機械はイタリア製。
その中でも彼が探しに探し抜いたマシーンということで
彼のこだわりをスイス製とよんでいる。)


オリーブの品種が変わっただけで、搾油の精密さは抜群。


オリーブ本来の味を抽出してくれるのである。


優しく粉砕し縦方向で均一に攪拌する


そして、確実に油分と水分とペーストを別け


ペーストから取り除いた種は、冬の暖として使われるのである。


精密なスイス製オリーブオイルは

Olio EVOオリオ エーヴォと呼ばれる。

(最新の機械で27度以下のコールドプレスされたオリーブオイルのこと。)


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「今年は暖かいからオリーブの種が売れないよ。」

(ストーブ用オリーブの種をNocciolinoノッチョリーノという。)


Pellet(
木質ペレット)で熱を起こすストーブは

オートマチックにシステム化することができる。


オリーブの種は、他の木質より熱が高く効率的だそうだ。


汚染されたどこで作られたかわからないペレットより

オーガニックのオリーブしか扱わないご主人の搾油所から出た

オリーブの種は安心して使える。


残念だなぁ、我が家は薪暖炉しかない。


夫は、剪定で出てきた枝を薪にするつもりだ。


中くらいの枝は
BBQ用にしている。


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今年もオリーブの収穫が一段落し


楽しみに応援してくださる友たちにも

イタリア製日本製スイス製である

オリーブオイルをお届けすることができた。


ご主人がぼくのお客さん・・と一番に口にして一番に考えるように

私も一番に友たちのことを考えたい。


リピートする友たちは、ワールド製法のオリーブオイルと

大地の住人の足跡をなぞっているのではないかと想う。


間接的に自分を表現する産物は

栽培というクリエイトなアートにも思えてくる。


創り出すアートには、過去現在未来があり

瞬発的にはできないはずだ。


産物という名のアートには

クリエイターのサステナブルな想いが込められて出来上がる。


それは、イタリア製であり日本製でありスイス製なのである。



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心を込めて感謝を申し上げます。


応援してくださる友たちのお気持ちを握りしめて

また新たにオリーブの一年を歩んでゆきたいと想います。


ありがとうございました。



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我がオリーブオイルのヒミツ Frantoio d'Oro di Vinci

オリーブを囲む大地を守る その③ オリーブオイルBIO生産を業とする Olivicoltura BIO

オリーブオイルを美味しくさせる Consiglio di Frantoio Bio



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この時期、イタリア中オリーブオイルの香りで充満する。


我が家の近所にもトスカーナでは大きい搾油所があり

きっとそこから発するオリーブの搾油のにおいで

外に出た瞬間、鼻にふわ~んと入ってくる。


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Tòfu fatto in casa + Erbe + Olio di Oliva + Sale


その香りと同時に走り回るオリーブオイル関係者。


できたてホヤホヤの
Novelloノヴェッロ(新油)

オリーブの実の垢付き超純粋なオリーブオイル

Grezzoグレッツォ(ノンフィルター)


見て嗅いで味わって鑑定し想像し表現する。


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一般のオリーブ栽培Hobbistiオッビスティ(愛好家)たちや小さな農園は

ノンフィルターのまま保存して

ノンフィルターのままご近所に提供していることであろう。


しかし、クオリティーを望む
Hobbistiと農園は

搾油をしたらすぐにフィルターで濾す。


すぐにこの作業をすることで

オリーブオイルの劣化を一刻も早く手を打つことができる。


搾油直後の温かさが残っている間にフィルターにかけるのがベスト。




その一瞬の間に味見をしにくるオリーブオイル関係者。


Uscito

私は、こだわりの搾油所に持っていくんだから

最後までこだわって、我がオリーブオイルをフィルターにかける。


しかし二人っきりの収穫の量では、搾油所では受け付けない。


最低量ってのもあるし、さらなるコストとなる。


搾油所でのフィルター掛けの

メリットは、搾油後直後であることと完璧であること。

デメリットは、コストとフィルター後のオイルが少量になること。


それでは、私が提案するみんなのオリーブ栽培ではない。


搾油所でフィルターを依頼する農園は

たいていレストランなどに販売したりする場合が多い。


一般家庭で使用するオイルは

無駄なく且つ長持ちするオイルを生産することであると私は思う。


自分での作業は、道具さえ手にすればお金こそかからないが

時間を要するプラス作業である。


私は
30リットルずつ濾す漏斗型ドロップ方式で行う。

濾す時間はかかるが

出来上がったオイルは垢が取れ透明で美しい。


そして、一年間美しさと味を保ち

フィルター後は小分けして冷凍だってできる。


私は自信を持って満足している。


一般人が使うオリーブオイルとしては上出来であると思う。


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オリーブオイルフィルター使用とノンフィルター


家庭で使うオリーブオイルは

トップシェフが使うようなトップのオリーブオイルは必要なのか。


それに近いオリーブオイルと出会い、信頼をつくることが

オリーブオイルの真実を知る鍵なのではないかと私は思う。


出会ったオリーブオイルを口に含んで想像したことを

メディアだちはどのように紹介するのか


そこが生産者と消費者の気になるところであり


生産者のパッションをどこまで追求して伝えるか


それは受賞歴なのか味なのか


美しさなのか大地の恵みなのか


私たちが求めるオリーブオイルとは何?


Frantoio Bio Balduccio

垢取り前の私のオリーブオイル、ノンフィルターを味わいに

駆け足でヴィンチを訪れた第一線で活躍するオリーブオイルソムリエ様。


友人を介してわざわざヴィンチまで足を運んで下さった。


オリーブだらけのヴィンチの丘をドライブし


山の搾油所をご案内し


生き返ったオリーブの畑を視察し


我が家でビーガンランチとノヴェッロでもてなした。




シンプルでも自慢のトマトソースのパスタ。


私が美味しく作るのではなく

私の自然農法のトマトそのものが美味しい。


ソースにしてもこの濃厚な味は消えない。


実は、まだ大地で生きている自然農法の私のトマト


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夏の訪問者がおもしろく表現した「花のおにぎりと野草の冷奴」では


祈願を込めた「文字のひとりごと」


舌の想像力「料理のひとりごと」


そのサラダ風に盛り付けた自家製豆腐の野草添えには

ノヴェッロのオリーブオイルと塩で食した。


控えめなお豆腐とにぎやかな野草


双方に相乗効果のある生まれたてのオリーブオイルは

なんともいえないハーモニー(彼らのディスカッションとでも言おうか)となり


これからヴィンチの丘で流行の一品となりそうだ。


ヴィンチの「豆腐はとってもおしゃべり」ですって!




生産者の想いやパッション、オリーブの・・畑の・・ストーリーを

その目で確かめたいと巡業するオリーブオイルソムリエ様


ヴィンチの大地のおしゃべりが聞こえたかしら?


ご訪問ありがとうございました。



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オリーブオイルを試飲する

我がオリーブオイルのヒミツ Frantoiod'Oro di Vinci

夏の訪問者 LoYukata



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