大地の住人 ヴィンチの丘で

地球と体に優しいコト ~イタリアから~

フィレンツェの端っこレオナルド・ダ・ヴィンチのふるさとヴィンチの丘に在住。 大地の自然たちと向き合って地球と体に優しい様々なコト、発見・提案・発信!

タグ:Biodinamica


もう4月も終わるっていうのに、何も進んでない!

いや、進んでるけど、遅い。

そろそろトマトを大地に独り立ちを考えてもいい頃だし

ブドウの芽掻き作業(Scacchiaturaスカッキアトゥーラ)

中盤か一段落していてもおかしくない。

オリーブの花の芽(MigneミンニェMignolaミンニョラ)

どうにか生まれてきた。Migneを確認するとほっとする。

雨が降ると寒くなるのはわかるが、雹も混じって寒々しい。

向こうの景色は、カラーが一変して

白黒のコントラストが鈍い一面と化していた。

まるで画像ソフトをいじっているかのように。


DSCN1550


ブドウの芽掻き作業を開始して終わらせないと

私は日本に出発できない。・・と自分の中で決めている。

いつ始める?

うん。もう始めてもいいよ、先週一気に成長したから。

どこから始めて欲しい?

サンジョベーゼの奥の畑から。

私は天気と祝日などを見合わせながら始めることにした。

今年は、春休みが長かった。

イースター(21)、解放記念日(25)また週末

少年は11日間の春休み。

少年に先生になると休みが多いと教職の進路を勧めてみたw

もう5年は経験を積んだので要領はわかっている。

芽掻きキットを農主から借りて急いで始めた。

キットとは先の尖った小さなハサミと枝の縛り忘れ用の紐。



芽掻き作業は、質を優先する主であれば必須作業である。

量を優先するようであれば、誘引作業のときに

副梢(Femminelleフェンミネッラ)をも切り落としながら

二つの作業を一度に済ませるであろう。

丁寧にブドウと向き合うと、作業が全て繋がっていることが分かる。

剪定では、今年用と来年用の枝を残しながら樹形を保ち

一番下の架線に縛り付ける作業では、芽掻き作業をしやすく

枝が込み合わないように方向付ける。

芽掻き作業では、次の剪定で使える枝を残し

バランスよく空間をつくり

一本のブドウの木から814房のブドウの実が成るようにし

その他の余分な芽を排除する。

ブドウは上へ伸びていく性質なので、枝縛りを忘れていると新枝は

素直に上へ、しかし縛り付けると横向きになってしまうのである。

だから枝に縛り付ける作業も

芽が出てきてしまってからでは遅いのである。

芽掻き作業も、遅くなると新枝が硬くなってきたりするし

ブドウの実に集中させたいエネルギーが

分散されすぎてしまう。

そして芽掻き作業のメリットは、成長の集中力の他

空間をつくることで風通しが良くなり病気になりにくいことである。

こう柔らかい新枝が誕生してくる頃に雨が降りすぎると

カビが発生しやすい。

だからブドウ畑では今カビを抑える消毒の為の銅を吹き付ける。

その銅に硫黄を混ぜて虫除け効果も期待している。

その柔らかい葉っぱをブドウに寄生する虫たちには好物で

今!を狙って食べたり産卵しようとホルモンがうずくのである。

・・とbio栽培だと消毒と虫除けで

銅と硫黄のミネラル成分を利用する。

農薬栽培のところは、カビも虫も殺すのである。

Bio栽培の場合、表面に散布するのだが

農薬は、浸透させる方法なのである。ブルブル


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農主はまだ緑肥(Sovescioソヴェーショ)を刈っていない。

草も刈っていないところがある。

もうそろそろ急いで刈らないと、ブドウの手が生えてくる。

ブドウは、自ら体を支えようと手が出てつかもうとるすのである。

風でつかむことができたり、手を伸ばしたり。

その手が草につかまってしまうと、草を刈ったときに

ブドウの枝まで折ってしまう事態となる。


DSCN1555

トラクターが壊れちゃってね。

そうなのかぁ、こんなときに。

農主が娘さんと現れた。トラクターの分の時間であろう。

初めて畑に興味を持った娘さんに教えている。

ときどき日常の報告をしている。

バッボ(Babbo お父さん)と言いながらアドバイスを委ねている。

農主は幸せそうだった。

最近ワインも良く売れているそうだ。

幸せそうな人に、でもさ、と忠告するような意見は言いたくない。

しばらく幸せの時間をつかむのもよいではないか。

どうせ問題なんて欲しくなくても降って現れるものなんだから。

私だってついこの間まで幸せだなー順調過ぎるなーと思っていたら

やっぱり自分の思うように進まなく落ち込んでいたんだ。

でも方向や思考を修正すれば、すぐ開き直っちゃうんだけど!

落ち込んでたって仕方がない、前進しなきゃ。

つかみながら成長していくのだ!


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日本でワイン会するのにどれにしようっか。

単種と混種、白1本赤3本にしよう。

トレッビアーノ、サンジョベーゼ、カナイオーロ、キアンティバーゼ

オリーブオイルは、早摘みと遅摘み。

どんなこと伝えようかな。

どんなことが知りたいのかな。

農主のビオディナミワインと私のオリーブオイルの会を開催します。

新宿の小料理店では満員御礼。

日本にいる間にもっとできるかな。

興味のあるレストランはご連絡ください。


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いろんなことを妄想しながら

緑肥のグリーンピース(Piselliピゼッリ)を家族へおみやげ。

あっという間に食べちゃった。

料理で使おうと思ったのに。

11月蒔きのグリーンピースは今が旬!あまい~



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量より質だ!その2 Scacchiaturacontinua

ブドウの芽掻き Scacchiatura

ブドウのダンス Viticcio


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日が差し、風が吹く。

さくらのような果実の花が咲き出すこの頃。

大地は乾いているが、果実のお花見をしていると、どこか潤う。

北風は通常三日間と言われているが、五日間は吹いている。

そして翌週も吹き荒れ、だけど雨は降らない。

風が吹くと表面が乾燥するので、ブドウの枝縛りの作業はお休み。

私も同時にお休みになればいいが

そんな時はオリーブの剪定を続ける。

オリーブも強風では剪定がはかどらないから、小さな木を。

冷たい風が体に当たる。口も開けてはいられない。



きっと強い北風が原因だろう、喉を痛めてしまった。

そして体が冷えてしまい、腕や背中が寒い。

だんだんやる気が無くなり、とうとう諦め、寝ることにした。

日中から床に就くと、無念で仕方が無い。

やることいっぱいあるのに。行かなきゃ行けないところもある。

しかし、午後も寝て、夜も寝た。

汗もかいた。ということは、微熱もあったということだ。

雨が降らないから、ずーっと畑作業をしている。

平日ブドウ畑、休日オリーブ畑。強風の間はオリーブ畑。

時々トマトの芽の様子を見に行き、藤の芽生えにも日々驚く。

日に日に春となり、芽が出て大地のエネルギーが活動する。

このノンストップの日々を早く終えて、頭を切り替えて

他の芽の出に集中したい。が、もうしばらく続く・・・・・。

そうこうしている内に、芽が出て成長し、新たな作業が待っている。


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前々から計画していたブドウの苗木を植える作業を

月と星座の位置がよろしい日、いつものメンバーを呼んで行った。

いつものメンバーだが、今回は人手が少ない。

しかし、頼り甲斐のあるメンバーは気が知れて

冗談も飛び交って、私も冗談の中心になっていた。

途中、ラジオの生中継をやりだす仲間もいるw


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私は、ブドウの苗木Barbatellaバルバテッラのヒゲをカットする係り。

cmくらいまでの長さにハサミで切る。

そんな単純な作業を広大な畑の中に椅子を置いてやっていた。

午前中、おじいちゃんが手伝ってくれた。

時々仲間も、用意されたもう一つの椅子に座り、手伝ってくれた。

そう、仲間たちは、フサフサそうに見える大地に

ブドウの苗木を押し込む作業をしていた。

しかし、フサフサそうに見える大地の下は、雨が降らないせいか

硬いようで、なかなか入っていかないと嘆いていた。

私のところに来て座って休んでいくのである。

この日、強風こそなかったが、心地よい春日和であった。

土の中に植え付けていく作業は力仕事で

仲間たちは半袖になっていた。

今、半袖になったら夏どうするんだ?


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ヒゲを切りそろえたブドウの苗木は、しばらく水に漬ける。

水を十分に吸わせたら、次に水が飲めるときは雨が降ったとき。

雨よ、降れ降れ。

キアンティは、一年目の灌漑は許されているが

その後は、自然に任せることと決められている。

バイオダイナミック農法は、初めから自然に任せることとある。

できれば、水に漬ける水は、それようの活力を与える水で

前日には、大地に活力を与えるよう、活力の水を散布する。

こうすることで、生きる微生物が増え

大地が生きてくるという仕組みである。

しかし、天気予報では、晴れマークが続いている・・・。


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農主がランチを私だけこっそり招待してくれた。

農主の91歳のお母様のお料理である。

お母様、膝を壊していて痛そうだった。

それにしても91歳のお母様よく食べる!

食欲は長生きの秘訣だな。

農主がワインを持ってきた。試飲しろという。

満月の日、セラーのタンクが膨張して

噴出しを抑えるのに取り出したワインだそう。

満月のワインであるw

ビオディナミワインは、生きている。

生きるように土地を作り、生きるように栽培し

生きるように造酒し、生きるように貯蔵する。

できれば生きるように口にすると

生きた味が嗜めるということになる。

生きたワインを飲むと、午後ちっとも体調が崩れない。

ワインの刺激より、天候の刺激のほうが私は体にくるようだ。


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今日は、Malvasia Neraマルヴァジーア ネーラ

Sangioveseサンジョヴェーゼの台木の種類を変えて植えてみるそうだ。

マルヴァジーアネーラは興味がある。

マルヴァジーアビアンカが酸味のあるテイストなので

赤ワイン用はどうなることだろうか。

前に植えつけたCanaiolo Neroカナイオーロ ネーロ

すこぶる丈夫に元気に成長し、見事なブドウ畑となっている。

農主は言う。

土が良いのか、バイオダイナミック農法が成功しているのか

除草剤も化学肥料も殺虫剤もなーんにも使わなくたって

こんなに生き生きした畑を生み出せることは実証された、と。

農主は、もう年金者なのに、何年もかかるブドウを

自分の想いに合わせて植え、ワインの味を想像している。

最近になって、ソムリエのコースに通い始めたそうだ。

この歳になってもまだまだ勉強熱心で、パッションを大切にしている。

地域の農薬反対運動や温暖化対策運動にも積極的に参加し

自分のため、人のために生きている。

農主のエネルギーは、こうやって畑に表れるのであろう。

今日は、さすがに疲れたと嘆いたが

未来が楽しみで仕方がないはずだ。


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私の喉の痛みは、重曹でうがいをし、塩水でうがいをし

リンデンティーを寝る前に飲み

ユーカリオイルを加えた自家製クリームを胸元につけて寝たら

あっという間に直ったが、次の日

今度はアレルギーのくしゃみと鼻水で、苦痛の春を迎えている。

どうしてこんなにも素直に反応するのであろう。疲労かな。



リンデンティーのススメ

鼻が詰まったり、痰が絡んだり、咳が出たり、ぐっすり眠りたいとき

リンデンティー、オススメします!

すぐに効くから、すぐに寝てください。

お休みなさいのクスリ。




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ブドウの苗木 Barbatella

ブドウの苗を植える Piantare

ブドウの接木 Innesto


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ひゅーひゅーと近い距離で空が唸る。

何だろうな、胸騒ぎまでもする。



私は、たくさんの計画や予定を練りながら

その日、ブドウ畑のブドウの枝を縛りつける作業をしていた。

道路から離れ、騒音が流れてこない。

むしろ、人の声の方がよく聞こえたりする。


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金曜日、街は学生でごった返していた。

それは、イタリアだけでなく世界中で。

スウェーデンの女の子の意思は、世界に伝わったようだ。

私なんか何十年もかけて形を変えて訴えているのに

ほんの少ししか振り向いてくれなかったイタリアのあの頃。

おかしいな、と気付き始めた頃には

同じくおかしいなと感じた人はいた。

この運動の成功は、スウェーデンという国だったこと、学校も

そして、そんなことをしている子の親が反対しなかったこと

勉強より、地球の変化を訴える行為を賛成してくれたこと

私は、ストライキした環境は大きく左右したと思う。

世界中の若者は、温暖化やプラスチック、環境汚染

蓋を開ければもっともっと言いたいことはいっぱいある。

ニュースを見ながら、私は涙が溢れ出た。

私の胸騒ぎは、これだった。

私が言いたいことを全て言っている。

涙がこぼれるほど、体は熱くなった。

世界の次世の若者たちの団結力に心を打たれた。

彼らはこれからを生きる者たちだ。

そして、これからを継承していく者たちだ。

私だって年を追っていくけれど、子孫のために残していきたい。

私は、いつだって人が幸せでいることを望んでいる。

それは、狭い人間関係だけでなく、醜い金銭関係だけでなく

共存する空気と水と光と土と。


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何十年も前から訴えていること、自然を大切にしようよ、てこと。

きっと街にいるとどうやって自然を大切にしていいか

わからないかもしれない。

私は田舎暮らしを始めて、一番に思うことは

田舎に住もうと思ったことに幸せを感じたことである。

田舎に住むことは、不便だらけで大変なことのほうが多い。

田舎だったら車を持たないと生活に不便、が一番にあがるであろう。

我が家は、経済面の問題が一番だが

エンポリに通っているときも、私はバス通い。

畑に通うのも、自転車通い。

相変わらず、車一台でなんとか過ごしているのが

我ながらすごいと思う。

田舎に住んでいるメリットは

勿論開けた空に広い大地を独り占めできることであろう。

その広大な空間の中で、大気の音や虫の声

時間ごとの光の演出や雫の演出を観賞できることである。

それを一身に吸い込めること、一身に当たること

これは、街ではできないことである。


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しかし、田舎のデメリットは

自然は、開けたところに住んでいる我々から襲う。

そんないつ起きるかわからない怒りを余所に

稼業として畑を耕す住人は、除草剤、化学肥料、殺虫剤を

ばら撒いてリスクゼロに生きる。

土のバクテリアも草の益虫も池の純度もみな殺しである。

それらを原料に、加工した食品は、化学の旨みを生み

長い保存力でリスクゼロの営業をする。

その化学食品を閉じ込める万能なプラスチックは、リスクゼロ容器。

万能だから解けない。生分解しない。

ついに、ごみの売買も世界で行われ

貧しい国はごみの山と海となる。

ごみたちは、無口な自然に放たれ

無口な生物たちは、ごみによって窒息していく。

ごみだけではない。工場や車の廃棄ガスなどの空気汚染。

家庭からも排出される水質汚染。

暑いから、熱さを外に排出し室内へ涼を送り込むシステム・・・

限が無い。

これらは、便利を生むが公害となる。

経済は回るだろうが、元に戻せない環境を生む。

フツーの一般市民がそれでは間違ってると気が付くのに

選ばれた頭の良い、そして開発に関わる方たちは

ちっぽけな私みたいな疑問はこれ一つ浮かばないのであろうか。


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バイオダイナミック農法のブドウ畑では、緑肥で土を肥やす。

マスタード、グリーンピース、オオムギ等々を11月に蒔く。

大抵四月頃から花が咲き始めるのだが

今年は三月も始め、もう咲いている。

農主は言う。

水不足だと花が咲くんだよ。

花を咲かせることで、サイクルを早ませている。

あぁこれ、今回のオリーブ(2018年の収穫)と同じだ。

湿気はあったが大地の水不足の影響で、実の成熟が早かったこと。

本来の栄養分が届かないとサイクルを早くして

栄養を食い尽くして寿命を早めるのである。

これが自然の法則なのである。

これ、人間にもいえるし、地球にもいえる。


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地球の温暖化も何もかも、人間がつくりだした結果である。

大人たちよ、ビジネスより自然と自分を守ろう。

だから、私は若者たちの無垢な考えや気持ちに耳を傾ける。

少年の行動や意見からも学ぶことはたくさんある。

まだまだ汚染されてない新米だから。




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女のブドウの涙 Pianto

再生した壷たち lamia arte povera

地球と体を守る会 パート1:農薬による危険性



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「ボンジョールノー!今日はいい天気ですね!」

「あぁ、ずっとジョバンニだと思ってたよ。」

???

「今日はいい天気だ。でも朝は寒かったなぁ。」

「早朝だけね。草が霜で濡れてたからゴム靴履いてきたわよ。」

「そうだなぁ。昨日までは土がくっついて重たかったけど

今日はそれでも乾いてきたよなぁ。」



ちょうどすれ違うように作業をしている時おじいちゃんに挨拶をした。

おじいちゃんは85歳ぐらいだろうか。何度も聞いたが覚えてない。

秋頃入院したとかで、顔色が悪かったのを覚えている。

農主は、おじいちゃん(=農主の叔父さんZioツィーオ)には

頼れなくなってきたと言い

私はオリーブの剪定の合間に手伝うことにした。


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農主は電動のハサミで固い枝の剪定をし

私とおじいちゃんは、不要な枝を紐から外す作業をしている。

おじいちゃんは、枝をさらに短くして横並びにし

トラクターが刻みやすいようにしている。

私は、長いまま縦に置き、時間と労力を省いている。

おじいちゃん、ゆっくりでも丁寧に作業をしている。

私は男の作業員のように、ワサワサ作業をした。

こんなに時間がかかるのか、Stralciaturaストラルチャトゥーラて。

時間がない、私はやることがいっぱいある。

オリーブの剪定もしなきゃいけないし

トマトの種も蒔かなくてはいけない。

夕飯も作らなきゃいけないし、お皿も洗わなきゃいけない。

洗濯物もやらなきゃいけないし干したり畳んだりしなくちゃいけない。

少年にやいのやいの言わなきゃいけないし

夫に外でやってきて欲しいことも言わなきゃいけない。

メール作業やブログ作業もしたい。あれもこれも考えたい。

焦れば焦るほどワサワサした。

こんな時に怪我をしてられない。

作業用の・・私の顔になんて合わないのだろうサイズの

透明のメガネをしている。オリーブの剪定でも着装している。

色が薄めのどのサングラスが壊れたから、合わない作業用を買った。


DSCN0969

日焼け止めクリームはまだ塗っていなかった。

ここ最近すごく快晴で穏やかな小春日和が続いている。

腰を曲げる作業ではなく、どちらかというと上を見上げる作業。

日が眩しい。全てのブドウの枝がシルエットに見える。

ブドウのツルが硬くなり黒っぽい色となり、すごくイイ味出している。

どれもこれも同じ形はない。見ていて飽きない。

彼らの掴む手であり、体を支える腕だ。

ぎゅっと巻きついてて取れやしない。

距離に合わせて巻く強さを変えたり

自分で自分に巻きついたりもしている。

隣と隣で抱きついていたりもする。

そしてその瞬間を凍らせたかのように、巻いた状態で硬くなっている。

まるで時間が停止したかのようだ。

その先は無かったように。

農主のブドウの木たちは、夏伸び伸びの枝を切ることはせず

ブドウの枝が自然に伸びてきたエネルギーのまま

一番上の架線に巻きつける。日本語では誘引作業というそうだ。

その作業をイタリア語でCapannaturaカパンナトゥーラという。

こうすることによって、葉はお日様のエネルギーと呼吸することで

子である実に栄養を十分に送り込むことができるのである。

農薬ブドウは、後の作業も楽なように最上架線で切ってしまう。

これをCimaturaチマトゥーラといい

栄養摂取には8~10枚の葉で十分という考えだ。

もちろん。たっぷりの化学肥料で肥やしてあるからね。

だから、グルグル最上架線に巻きつけた枝を取り除く作業は

巻き付けにも時間が掛かるし、外すのにも時間が掛かるのである。


DSCN0985

農主が、向こうの畑に行く途中

おじいちゃんがやってないところやっといてねと言い残していく。

「ねぇ、あなたのお父さんなんていう名前?」

「ジョバンニだよ。」

あぁ・・・

「叔父さん、私のことあなたのお父さんだと思ってるみたいよ」

「叔父さんは、畑でいつもジョバンニを探しているんだ。」

涙が出てきてしまった。

おじいちゃんはずーっと何年も何十年もこの畑で同じ作業をして

同じ空気を吸って、同じお日様に当たり

同じ大地を歩いているのだ。

四季折々の同じ景色を眺め、毎日このブドウ畑にやってくるのだ。

あの頃、ジョバンニという兄とずーっと同じ作業をして

他愛も無い会話を交わしていたのだ。

向こうにおじいちゃんがいるように、向こうにジョバンニがいたのだ。

このブドウ畑には三世代続いた人生が刻まれており

それは各々に物語れているようだ。

私も彼らの畑の人生の一部にいる。

私はジョバンニか・・・。

あの頃と同じように感じるのだね。

私はジョバンニで嬉しかった。



もし私がおじいちゃんぐらいの歳になって

時代を置き換えるとしたら、いつの時代だろう・・・。

私のおばあちゃんもかなり前の記憶を蘇らせていた。

義母も実家でご両親と過ごしていた家族の話をよくしていた。

私はどの時代も大切だし、今なんか歳をとって面白いぐらいだ。

しかし、どの老人も子育てのことは口にしない。

それもなんか今わかる。

子供の成長は楽しいが、やはりどこかで抑えながら生きている。

ちょっと葛藤しながら生きている。

子供の小さい頃は思い出したいけど

自分を思い出したいとは思わないかもしれない。

しかもどんな風に接していたかも覚えていない。

成長度が速すぎて、行き当たりばったり生活なのかもしれない。

このブドウの木の手のようにぎゅっとしがみついて

また伸びて手が出てしがみついて

ある時硬くなってしまうように思い出は静止するのであろう。


DSCN0980

「私、列が終わっちゃったから少し早いけど先帰るね。」

「おぉ、いいぞ、帰れ。女はやることいっぱいあるもんな。」

「そうなのー、やることいっぱいあるのよ!」

「今度君の旦那に言ってあげるよ。

こんなによくやる嫁さんもらって幸せ者だな、とな。」

「わー、言って言ってww」

そうだ、そうだ!おじいちゃんよくわかってる。

帰ってきて鏡を見たら、私はその顔に合わないメガネの後を残し

スキー帰りの人のようにメガネ焼けをしていたのである。

剪定焼け・・日焼け止めクリーム塗っておけばよかった。油断した。




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ブドウの木の剪定 Potaturadelle Viti

ブドウの枝の誘引 Allacciatura

ブドウの枝を縛る Legarele Viti


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私はブログの中で

バイオダイナミックワインという呼び名で統一してるが

言う時に言い辛い。


フレンチとイングリッシュをドッキングさせた

ビオディナミワインの方が言い易い。


しかし、農法を言う場合

ビオディナミ農法よりバイオダイナミック農法だと

ワインだけではなく農作全般に聞こえる。


日本語だけが複雑なだけで

イタリア語はBiodinamicoビオディナーミコひとつなのである。

フレンチもイングリッシュも国の言語で言われているであろう。


ネットで日本語検索してみると

ワインはビオディナミワインの方がメジャーのようである。


今後、ワインはビオディナミワイン

農法は、バイオダイナミック農法で表現しようと思う。


それにしても、フレンチ風ビオディナミワインが

お洒落のアイテムだけにはならないようにしたい。


DSCN1249

先日、ワインアドバイザーが我が農主のワイナリーに訪れた。


私は、栽培アシスタントだから、畑を見せたい。


しかし、農主は、先に試飲をしてもらうよう図った。


環境を見せてワインを想像させるより

ワインを試飲させて、環境を想像させたい、という。


アドバイザーは、トスカーナのビオディナミワインの

取材をしているようだった。


長年のソムリエ経験、多数の講座経験

そして、ビオディナミワインにとても精通で

二社の12本のワインを

一本一本丁寧に評価してくださった。


DSCN1212

アドバイザーは、試飲用に、白いお茶碗をご持参なさっていた。

それも、底に工夫がされていた。


農主が用意していたワイン用のグラスは使わなかった。


古代から造られているワインは

その古代の人々は器で飲んでいた、と。


グラスができたのは
50年前


本物のワインの素質は

古代風シンプルな器で、コミュニケーションしたい、という。




味覚のコミュニケーション。


ビオディナミワインは

栽培も醸造も貯蔵も瓶詰めも全て

地球に存在する生体力を使って造る。


生体力を
4つのエレメントに分けると

火・地・風・水


ワインアドバイザーは

その古代風器で、味覚のコミュニケーションの後

生きるビオディナミワインのエナジーの説明をし始めた。


下へ引く地の力の強さ


上へ抜けるような風の力


両脇に引かれるが真ん中の力が抜けている、とか。


セメントの貯蔵について


発酵後のブレンドについて


樽の大きさについて


接木について。




味覚は、人それぞれでいいと思うから

その人が美味しいと感じればそれでよい。


しかし、ビオディナミワインの生きるエナジーを認識して

言葉に表現して下さる方は、初めてだった。


農主ももう一社の仲間も稀な体験だったのではないかと思う。


DSCN1219

私は、早速家に帰って

前にメディチ時代のお祭りで

(Festa Medievale a Malmantile)

手にしたテッラコッタのコップを引っ張り出して

我が農主のビオディナミワインとコミュニケーションを試みた!


味は至って美味しいのだが

テッラコッタの温かみで

大地を感じるワインを鑑賞することができた。


DSCN0117

アドバイザーは、より自然に近いワインを求め

講座などを通してたくさんの人に紹介しているそうだ。


我が農主のワインを


誠実さ、地に足がついた安定感と自信


自然の包容力を感じる本物のビオディナミワインだ


と評価してくださった。


とても頼もしい評価である。


アドバイザーも、ビオディナミワインは

Demeter認証のDemeter式の認知だったが

我が農主の現代バイオダイナミック農法には

証明書が出せるほどの30年の経験

独自流の技術者がいることを知り

とても興味をもたれたようであった。


DSCN1137

農主は、言う。


私はいつやめてもいい、年金者になったから。


でもブドウへの情熱は捨てられない。


私は生きるためにワインを造らずに済むから

パッションでワインを表現できる。


ビジネス工作の邪念なしにできて私は幸せ者だ、と。


そんな農主の小さなヴィンヤード
(ブドウ畑)を歩けて


毎日毎日パッションの生きるビオディナミワインが飲めて


私も幸せ者である。





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ご褒美とギフトにバイオダイナミックワイン ViniBiodinamici 2018

ブドウの果皮のちから Rimontaggio

ブドウの収穫その2ノ2 Vendemmia2016



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