大地の住人 ヴィンチの丘で

地球と体に優しいコト ~イタリアから~

フィレンツェの端っこレオナルド・ダ・ヴィンチのふるさとヴィンチの丘に在住。 大地の自然たちと向き合って地球と体に優しい様々なコト、発見・提案・発信!

タグ:Olive

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現在の勤務先は、ヴィンチの丘を3つぐらい超えたところにある。
毎日、毎朝、同じ丘だけど違う空気と光がある。
いちいち止まって写真を撮りたいぐらいだ。

ある日、霧のある日、モヤモヤした中に丘の上のヴィンチ村や
オリーブ畑やブドウ畑が、なんとなく色なく静かに佇んでいた。

ある日、重そうな靄が地面に近いところだけ覆っている。

ある日、ちょっと軽くなった靄が教会の塔より低く村々を覆っていた。
その上の空は快晴で、朝日が煌々と丘の下から靄の中から照らしていた。

ある日、サマータイムが終わる頃、木々の陰の長さと弱くなった光に
長かった夏をなんとなく思い出した。

ある日、サマータイムが終わって、朝がまた明るくなった。

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9月、まだまだブドウの収穫が長引いていたヴィンチの丘は
晩夏を超えて一気に秋を迎えたように涼しかった。
だから、ブドウのアルコール度数や果実や果汁を増すために
収獲を伸ばしていたのだ。

10月、天気はまぁまぁいいけれど、気温だってまぁまぁいいけれど
オリーブミバエの産卵に適した湿度と気温に
オドオドさせるような天気が続き、場所によっては
ミバエが飛び回っていた地域もあったそうだ。

そんなこんなんで、ものすごく早くから
オリーブの収穫をはじめている人がチラホラいた。

私は、夏の状態でミバエの被害は決まると思っている。
2022年の夏は長かったし暑かったし水不足であった。
ミバエは40℃の気温だと死んじゃうと学んだ。
生き残っても、産卵させるエネルギーてそう残ってないとおもう。

それでも10月のようなあいまいな生暖かい天気が11月も続いたら
遅咲き品種のオリーブはもしかしてもしかすると
調子を取り戻してきたミバエに卵を産み付けられてしまうだろうと
ミバエを近寄らせないオーガニックの方法で手を打っていた農園もいた。

もしくは、オーガニックなんかに耳もかさない農園は
予防なのに殺虫剤を巻き散らしていて
ヒトまで息苦しくなるほどだった。通るだけですぐわかる。

その殺虫剤は、木自体に浸透させて樹液が毒混じりとなって
それを食べるミバエの幼虫たちは這い出て死んでいくという方法なので
オリーブオイルにその殺虫剤が検出されているという事実を
以前の講習会で知って驚いたものだ。

オーガニックの予防は、ブドウでもそうだけど
浸透させる方法ではなく
表面に吹き付ける方法なので
雨などで落ちがちだけれども
搾油の前にきっちり実を洗うときに完璧に落ちるので問題がないのだ。

農薬もオーガニックも、散布は収穫の一か月前まで。

ちなみに、オリーブミバエの天敵は、害鳥呼ばわりされているムクドリ。
大群で踊りながらオリーブ畑からオリーブ畑へ。

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私は、そういうわけでミバエの心配はしていなかったけれども
あの日陰が多くて虫がたむろう
それでも野草や土はいつもフサフサで
隔年性のないオリーブ畑を、観察しに行った。

なにしろ日陰がちなこのオリーブ畑のオリーブは
実が小さく、成熟が遅かった。
全体的に緑のまんまなオリーブだらけだったけど
こいつらが成熟しきるまでにあと一ヶ月はかかりそうだ。

通常だったら雨振りの多い11月に
ぬかる地面での収穫は避けたい。

というわけで、とっとと収穫しちまうことにした!

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毎年毎年実をつける。
ただ日当たりが悪いだけだ。
でも日当たりが良かったら、こんなに土はフサフサしていないだろう。
カラッとしてないから土の中で微生物がたくさん生まれるのだ。
微生物のサイクルがオリーブの肥やしになっているのだ。

あ、ミバエの形跡がある。
中をあけると、3週間は経っているものだ。もう幼虫はいない。
きっと10月の頭頃に産卵したものだろう。
幼虫はいないけれどもフレッシュ感は残っている。

数個ミバエの形跡のあるオリーブを見つけたけれど
パーセンテージで出すほどの数ではない。

さぁ、どんどんいこう。

あぁ。このオリーブの木は、大きく下の方から剪定して
うまいこと生えてきた新枝を主幹にしようと大切に育てていた木だ。
嬉しいじゃないか、実をようやくつけはじめた。
もう4年ぐらいは経ったのではないか。

この枝もあの枝も、意図して残した枝に実が成っている。
いろいろ研究しながら樹形を整えてきた。

私は肩を痛めていたから、前回の冬の剪定はしなかったんだ。

あ、こんなところから主幹として残せそうな立派な新枝が生まれている。
そうすれば、日の当たる上しか実のなる枝が生まれなかった木を丸ごと
バッサリ剪定してしまうことができる。
きっとこの幹の寿命だったのではないかとおもうよ。

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私は、この日陰のオリーブ畑を手放そうとおもう。
亡くなられた奥様が大切にされていたオリーブ畑で
ご主人様が依頼してきたのだ。
そのご主人も亡くなられ、いい歳の娘と娘の夫に
お返ししようとおもう。

スピリチュアルな畑だった。
コロンコロンと妖精のような魂が飛んでいるような
オリーブの森だった。

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日本の料理文化に合うだろう落ち着いた味つくりには
11月のオリーブの収穫を計画しています。
もうしばらくお待ちください。



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EVOオイルとは Olio Extra Vergine di Oliva
オリーブオイルの搾油率 essere olio extravergine
オリーブオイルでスキンケア Oleolito a Freddo

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さらに、子カテゴリー内にて様々なヴィンチのオリーブオイル
オリーブ栽培の話が詰まっていますので
お時間があるときにどうぞごゆっくりご覧ください。



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現在勤務させていただいている食品会社のある同僚は
21歳の若さで出産したそうで
息子さんが35歳だという。

自分の子をからかうように
mio bimbo(私の子ども(小さい子の意味だけれど))はね!
と、嬉しそうにいつも話す。

その息子さんに4歳のお子さんがいて
同僚は56歳だけれどもお祖母ちゃんなのだ。

同僚は、お祖母ちゃんだけれど自分のお母さんもいて
話をよく聞いていると、お祖母ちゃんもいるそうなのだ。

マジ?! すごいね! 5世代じゃん!
同僚のお孫さんからすると、3人もお祖母ちゃんがいるのだ。
nonna、bis nonna、tris nonnaだ。

みんな元気で個人個人
スープの冷めない距離内に暮らしているんだそうだ。

56歳の同僚は、お昼休みにはマンマ(お母さん)のところにいって
お母さんがこしらえたご飯を食べていて
今日のメニューというのをいつも話してくれる。

ある日、みんなが揃ったクリスマスの時の写真をみせてくれた。
変な言い方だけど
本当に3人のお祖母ちゃんたちが並んで写っていた。
私は「素敵だね。」と言った。
こんな環境、真似もできないしお金を払ってもできないことだ。

私は、"もし"を想像した。
思い出と記憶の中で、年齢は止まっちゃってるけど
母や祖母のことを考えた。

我が思春期青少年は、私の母を知らない。
母に会わせたかったな、と思った。
でも母がいたら私はイタリアにいないから
この子も生まれてないんだなぁなんて、いつも考える。
我が子も何度もそれを聞いている。

たとえば40年前、私が今こんな風に生きているなんて
想像したこともなかった。
イタリアにいったり、イタリアで出産したり
ヴィンチで暮らしたり、農業をしたり
現地人と一緒に働いたり

オリーブの栽培を学んで、オリーブオイルを自分でつくったり
そのオリーブオイルで手作り自然派生活したり。

全部、私の母に教えてあげたい。
学んだこと体験したことをとにかく聞いて欲しい。
だってさ、現役の家族って、じつは各々に忙しいから
全部話すことは案外ないものだ。
だから、心の中で私はおしゃべりをする。
今日、満足したことを。

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もうすぐでオリーブの収穫がはじまる。
その前に、まだあるオリーブオイルをじゃんじゃん使おうとおもった。

庭のローズマリーでローズマリーのオイル漬けをこしらえた。
数ヵ月後にガーゼで濾して、来年までつかう。
私は、髪の毛にコンディショナー的につかう。
ラベンダーオイルが切れたときは
このローズマリーオイルで顔をマッサージする。

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畑の今季最後のナスをご近所さんから頂いた。
形がへんてこりんなので、どうやって食べよう。。
皮も固そうだし、なんか苦そう。

ご近所さんは、オイル漬けをすすめてくれた。

そうだ! 前にshinomaiちゃんのZoomお料理レッスンに
参加させていただいたときに教わった
ナスのオイル漬けをやってみよう!とおもう。
材料はいたってシンプルだ。

ナスは皮をむいて千切りにして
塩水で灰汁をとる。
畑の最後のナスは、この作業を徹底的にやった。

なにしろ少し前にアントネッラの畑の固いナスが
超苦くて気持ち悪くなったぐらいだから
ちょっとトラウマ気味だった。

水を切ったら
酢を少々と月桂樹を入れた水で5分ぐらい茹でる。

茹で上がったらぎゅーっと絞って
ボールにほぐして
ニンニクとかオレガノとか塩とか丸い胡椒をまぶしてかき混ぜて
パラパラと小瓶に詰める。
唐辛子をさして、オリーブオイルをひたひたまで入れる。

翌日以降のお楽しみ。

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夕飯はピッツァにしようと発酵させている生地を
ピッツァの一枚分ぐらいをつまみとって
伸ばしてフライパンで焼いたのが
フォカッチャのようなピアディーナのような
トルティーヤのようなナンのような
柔らかいしっとりした薄いパンをランチにこしらえた。

先ほどのローズマリーの花を散りばめて
ナスのオイル漬けをつまみに食べたのであった。

トラウマのナスの苦味がなくって美味しくできた!
ニンニクは、苦いものをまろやかにさせてくれる効果があるようだ。
黒オリーブの塩漬けをしたとき
最後にオリーブオイルと一緒に保存するのだが
その時にニンニクを加えると
とってもまろやかになった学びがある。

オレガノは、この夏シチリアに行ったとき
マルサーラの友のお母様がお土産に頂いたものだ。

最高の出来となり、これからは
最後のナスはオイル漬けでいこうとおもう。
お試しあれ。

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il POKE a modo mio
si può chiamare SUSHI-DON

la base è 
il riso varietà originario cotto in pentola
dopo cotto ho aggiunto subito l'aceto già preparato con
tanto zucchero e un pizzico di sale
ho mescolato e ho fatto a raffreddare
coprendo con un panno umido

il salmone crudo che ho comprato al supermercato
ho tenuto nel mio congelatore almeno 3giorni 
in questo modo dicono che i batteri non ci sono più
allora posso preparare anche Maki e Nighiri!

la frittata di uova semplice sottile
ho aggiunto un pò di zucchero e salsa di soia
ho tagliato a striscie fine fine

l'avocado tagliato a cubetti

le erbe che ho trovato nel giardino sono
la rucola e il tarassaco

poi ho messo la parte bianca della cipolla fresca

il condimento è semplice uguale del sushi
ho preparato prima la salsa di soia con wasabi
poi metto tutto sopra, oh vai!

Buon appetito!

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ポケ丼のつもりでつくってみたはいいものの
私が「コレがPOKEだ!」と家族につくっていたものは
どこからみてもすし丼である。

イタリア語サイトのPOKEのレシピは
すし丼のレシピがあったりするので
今回も混乱させてしまうだろうが
すし飯さえ覚えれば
バリエーションが広がることを期待したい。

やはり我が家は、ポケ丼であろうとすし飯を使ったメニューは
なにかしら記念日などの祝い事がある日に拵える。

そんな特別な日を
家族の料理人は全部把握してなければならない。

宗教の行事があるイタリアの祭日だって
無宗教の我々も特別っぽくよそおう。

思春期青少年の始業アンド終業日も祝おうじゃないか。
試験が合格した日だって特別な日だ。

各々の誕生日には、もっともっと酢飯を大量につくって
握って巻いてアイデア加えてフュージョンSUSHIだ。

そして、9月の最終日は、我々の結婚記念日で
やっぱりそれだって特別な日とよびたいではないか。

当日は、イタリアの友のお誕生日会があって
翌日の夜、セリエAのEmpoliのサッカーの試合を
我が男子たちは観戦しに行くということで
さっとポケ風すし丼をこしらえた運びとなったのだ。

写真は、男子たちを見送ってからゆっくりつくったもの。

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私たちは22年前、そういうわけで無宗教なので
ヴィンチ市の所有物であるレオナルド・ダ・ヴィンチの生家で
市長さんに宣誓した式を挙げたのだった。

宣誓の中で、困難があっても協力するという誓いをしたとき
ドキドキした記憶がある。
困難とはなんなんだろう。。

平和な生活とは
少しでも多くの時間穏やかに過ごせる時を維持することだ。
そして、心にゆとりがあるときのような気がする。

困難な時って
家族の一員が体調を崩すことによって
家族が寄り添って支え合うけど
生活のリズムがくるうことを困難ともよぶかもしれない。

仕事がなかなかにないとき
インフレしまくりプラス出費がかさむとき
経済的に苦しいとき、まさしくも困難であろう。

仕事が自分の思うようにいかないとき。
気の合わない人がいるだけで
いちいちイライラしちゃうネガティブな我が男子。

好きなように時間が使えないとき。

子どもファーストでなんとなく犠牲感を感じる私。

振り返ってみると
ずーーーっと困難続きで、「幸せ」とは何か忘れちゃう。

幸せなんて、口にして噛みしめるほど長く感じたことはないけれど
ちょっとした笑いやちょっとした優しさが
どんなに毎日が困難でケンカばっかりでも
一緒に生きてきた意味ってあるんだな、なんてふっと想うとき
あの宣誓を思い出すのだ。

家族が各々に時間を過ごしていても
無理に一緒にいなきゃいけない感はない。
私たちが親のもとで暮らしていたときのような
あの居て当たり前感、離れていても繋がっている感
そういう関係が生まれてくることがわかったのだ。

私たちは、各々に生きていて各々にコントロールしなきゃいけない。
各々に時間を使って各々に集中して各々に発散するのだ。

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私は、現在フルタイムでイタリアのある食品会社で
働かせてもらっている。
オリーブの塩漬けやオイル漬けなんかが得意としている。
でもイタリアのことだから、いつ契約が切れるかわからない。

それでも学びが山ほどあって
仕事の経験以上に人生経験まで学ばせてもらっている。

大きなインダストリーだと思ったら
一歩さがってみると、小さな小さな村なのだ。

時間をかけて信頼をつくっていく人
フィーリングで信頼関係が生まれる人
愚痴を言っている人
黙って仕事をしてる人
おしゃべりが好きな人
目をひからせている人
ずっと考え事をしている人
声が小さい人
声がよくとおる人

仕事とは、とどのつまり
毎日ほぼ同じ事をするのが仕事だ。

あるとき私はぽろっとこぼした。
「この材料、あとどのくらいあるんですかね?」
「あと4タンクあるわよ。アナタ他に何がやりたいっていうの?」
あぁ確かに。
ちょっと忍耐力が必要な作業だったのだが
一瞬にして目が覚めた。
それからというもの私は、大変さが半減した。

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私は、生活の中の様々な困難に
ある意味無機質な仕事をこなして
経済という個人の基盤をつくり
心のゆとりを私たちの生活にくべたら
とおもうようになったのだ。

今まである意味自分勝手な想いの自由業を
生活にはめ込んでいたから
困難を引き起こしていたのかもしれない
とおもうようになった。

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私たちは、このように困難な中で
気づき、学び、行動している

困難を乗り越えるという言葉の学びは
あのドキッとした宣誓にあったのであった。


オリーブを栽培し続けている理由のひとつに
オリーブを剪定したり収穫したりしているとき
私と夫も意気込みが同じだから、気付き合い、労り合い
日々の暮らしに欠ける同じパッションがあるものに関しては
そっとしておきたくなる。
だからなお、オリーブの収穫、オリーブオイルに関して
気合いが入るのである。自分のために、家族のために
そして興味を持ってくださる方へのために。



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長かった暑い夏が終わった。
5月あたりの初夏を知らずに夏に突入して
9月あたりの晩夏を知らずに秋に突入した...感じだ。

毎年そうだけど、学校が始業する頃には
バッチリ勉学の秋なのだ。

2022年度のはじまりはようやくマスク無しで
授業が受けられるんだそうだ。
よかった、本当によかった。

シチリアからの帰りの長距離バスのななめ前に座っていた
我が思春期青少年よりひとつふたつ歳が上だろう
パッと見さわやか好青年だけど今風な彼らは
小さな村で、イケイケしてないごくフツーな
それでもキャピッとしたガールズと
バスの運転手さんが「出発するよ」と声がかかるまで
ずっと離れたくない様子の青春4人を
ガールズのどっちかのお父さんが送ってきたのかな
ちょっと離れたところで車に寄りかかってあっちを向いて
娘たちを待っている、まるで映画のワンシーン
そんなこれぞ青春の夏が終わってしまう寂しさと
勉強は面倒だけどやっとクラスメートに会えるドキドキ感
9月の始業時期ってこの感覚がおもしろいイタリア。

おわりとはじまりが交錯するとき。
日本の4月の始業に
ワンシーズン丸ごとの長い夏休み明けがプラスされた感じだろうか。
彼らにとってみれば、新年が明ける感覚なのではないだろうか。

私は、この長距離バスの好青年二人が
妙にいろんな記憶とか感覚を
我が思春期青少年より思い出させてくれたこと
時代のないごくごくこのフツーな光景と
彼らのフツーな青春オーラは
私と我が青少年のプチシチリアの旅の記憶に刻まれた。

我が思春期青少年は、初日どんなファッションでいくか
コーディネートを着比べているw
ちょっと前まではコーディネートのコの字にも
無関心だったのにおかしいな。
そんなことよりも勉強がんばってよ!と言いたいところだが
コーディネートの着比べの楽しみを奪っちゃぁいけない。
学校に行きたい証拠なんだからそっとしておこう。
朝のバス待ちは寒いということで
自分の貯金で買ったパーカーのコーディネート中w

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9月の、そういうわけで始業する週あたりから
朝がめっきり冷え込むようになって
日中もそう気温は上がらなくなった。
とはいえ、最低最高気温の温度差は10度以上は余裕である。

私は、8月中のブドウの収穫には手伝えたけど
実はまだまだ終わっていないところが多いヴィンチの丘であった。

きっと、夏の干ばつで果実が小ぶりでモスト(果汁)が少ないこと
暑かったのでアルコール度数が高いこと、だろう。

雨が降ったり気温が下がることで
多少カビになるリスクは高いが、生産する効果は高い。

9月も後半、まだ収穫していないブドウ畑があるが
次のリスクは、熟し過ぎちゃうことだろう。
収獲期の天候って、ホントやきもきする。
畑や動きから、なんとなく伝わってくる。

農主のブドウも、あれから品種の状態をみながら
収穫の時期をずらしながらやっていた。

収獲しちゃう前にカナイオーロという品種のブドウを数房摘ませてもらった。
サンジョベーゼという品種より酸味が少ない黒いブドウだ。

このブドウでSchiacciata con l'uvaスキアッチャータコンルーヴァという
パン菓子をつくろうとおもう。

いたって簡単で
ピッツァとかスキアッチャータ=フォカッチャをつくる要領に
小麦粉400gを目安に
砂糖をスプーン2さじを生地に混ぜてこねる。
膨らんだら
下の生地を伸ばしてブドウを散りばめ砂糖をスプーン2さじ
上の生地にブドウを散りばめ砂糖をスプーン2さじ、振りかける。
それからまた寝かせる。
砂糖がいっぱいかかってるから膨らむ膨らむ。
180度のオーブンで45分ぐらい焼く。

ブドウは、二房あればぎゅうぎゅうに散りばめられる。

以前はブドウの種が邪魔っぽく感じてたけど
ブドウの種だと思わず、ナッツ系をわざと加えたと思えば
カリカリ感もなんだか乙になってくるパン菓子である。

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男子の朝食用スキアッチャータコンルーヴァはできあがった。
私は、アントネッラのところで
最後かもしれない夏野菜を調達しに行った。

土曜日の午前中、アントネッラはマーケットに出すので
日曜日に行くと、畑からわざわざ欲しい分だけ摘んでくれる。

肥沃な大地にワサワサした畑がもう美味しそうだ。
Portulacaポルトゥーラカ(スベリヒユ)が一面に広がっている。いいなぁ。
オメガ3をもつハーブで積極的に食べたい野草でもある。
土を選ぶこの野草は、そう簡単には移植できない。
が、土が合っていると、ものすごい繁殖率なのである。

アントネッラのワンコが摘んでくれたトマトを食べて
でも、すました顔で私をみている!
私は日本語でワンコに文句を言ってやった。食べるな!

アントネッラんチの長男もすこぶる成長しちゃって
いつだか数年前、思春期だかなんだかで困っていたのを思い出す。
今や立派な青年で、お母さんのマーケットのお手伝いをしている。
とても気が利く青年に育ったとアントネッラは喜んでいた。
技術系商業高校を卒業して
高校の掲示板でみつけた職場に見習いからはじめて
今や正社員で働いているそうだ。

イタリアは今、インフレしまくりで節約しないと生活が苦しい。
なかなか容易に一人暮らしができないのが現実だ。
と、アントネッラが嘆く。。。
何歳になっても家に子が残ってるケースは
ただのマンモーネ(ママの過保護)文化だけではない
経済的な面でもそれが実は常にイタリア文化なのである。

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雨が降った。
雫好きにはたまらない光景だ。
家の一番近くにあるオリーブがもう色づき始めている。
色がつきはじめると、ドキドキソワソワしはじめるのである。

 ☆

今年も私が監修しますオリーブオイルが日本で購入可能となります。
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フシギだなぁ
雨が降らないのに、それでもこんなに潤った果実が毎年なる。

8月の終わり頃
家族付き合いの農家の
ブドウの収穫Vendemmiaを
家族で手伝った。

私たち大人は、BIOワインが欲しかったり
自家製Prosciutto(生ハム)が欲しい
ほぼ物々交換だ。
それと、Vendemmia終了の食事会にも興味がある!
思春期青少年はお小遣いをいただいた。

私たちは8月の最週末の午前中だけ手伝った。
その頃、これから雨予報が出てるくらいだったので
めっちゃ湿気がすごかった。

朝はヒンヤリしてるんだけど
しばらくして太陽が湿気のモヤモヤの向こうにいると
やたらと暑い。

我が青少年は、農家の家族の同い年の息子さんのグループで
のんびり賑やかに収穫をしていたようだ。

息子さんは農業高校を選択して
将来、ブドウ農家を目指している。
学校がお休みの日には、剪定やいろんな作業を
少しずつ手伝ってくれるそうだ。スバラシイね。

反抗期とか思春期がないのではないかというぐらい
落ち着いていて社交的でしっかりしている。
お父さんの影響が強く
お父さんの言うことをきちんときいてそうだ。スバラシイ。

そんな息子さんと我が青少年がご一緒させていただくことになって
正反対の二人はさぞかし影響しあって
むしろ楽しそうにみえた。
我が青少年からは愚痴ひとつ無かった。

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私はうってかわって
パキスタン人のグループに混ざって
アジアにでも旅行しているかのように
ずっとパキスタン語を聴きながら収穫していた。

「アナタたち、何人なんですか?」
「パキスタンだよ。君は?」
「日本人です。」
「マジ?!  ボクら、日本に行きたい!」
イタリア人も何人も、みんな日本に行きたいって
いつものことなんだけど
彼らは、滞在許可書ビザについて問いてくる。
「ビザ?ビザって要らないんじゃないの?」
と答えてみたはいいものの、家で調べてみると
パキスタンに行く日本人も
日本に来るパキスタン人も
ビザが必要だっていうことを初めて知った。

彼らはインド人に似ていて
私には、どこの国の人かわからない。
「アナタたちインド人と似てるんだけど
決定的に違うところって何??」
「彼ら(インド人)は彼らの宗教で服装が違う。
ボクらは、イスラムかカトリックでイスラムが多い。
でも、カトリックと仲がいい。争うことはない。」
なるほど!服装ね。

ブドウの収穫には、このパキスタン人半分
ワイシャツに長ズボンだ。
我が夫もこのスタイルが一番涼しいと言っているので
夫の姿がいっぱいいるようで焦ったw

とにかく彼ら全員長袖だ。
何度もブログでレポっているように
暑い国の人ほど、暑そうに長袖を着込んでいる。
直射日光が一番暑いという彼らの理屈である。

それに関しては、私も賛成!
海に行ってもそうだし、肌に直射日光はとにかく熱い。
長時間耐えられない。

それにしても湿気にモヤモヤ太陽なので暑い!
熱中症までいかないけど、だんだん動きが鈍くなるように重くなる。
みんな汗だくでびっしょりだ。

がしかし、イタリア語が話せる一人のパキスタン人は
「疲れた?」と私に聞く。
「え。疲れてないの?」
「まだ大丈夫。」などと言う。
マジかよ。やっぱ暑い国の人って体のメカニズムが違うんじゃないの?!

彼らは、5リットル入りの水タンクで全員分を持ってくる。
で、使い捨てのプラスチックコップではなく
なんかそのへんはとってもエコロジーで
アルミやましてや陶器の取っ手付きのカップを持参するのである。
朝はそれでチャイを飲んでいるようであった。

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それと、もうひとつ気になったことは
よくタバコを吸うのである。
んで、ゴホゴホ咳をしていたりする。
「タバコ吸い過ぎなんじゃないの?」と言うと
わかっているようで返事をしないで、私をギロッとニヤッと見る。

タバコを吸わない人もなんかタバコをつくるような仕草をしているので
それは何かと聞くと、自家製チューインガムだ、という。
タバコがチューインガムになったような
草がネバエバした丸まったものだった。
「お前もいるか?」いらないよ、絶対。

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で、あまりにもパキスタン語でずっと話してるから
声を掛け合ってる様子のとき、その言葉を真似をしてみた。
みんな笑ってる。
やっべ。「もしかして変なこと言っちゃったの、私?」
「いやいや、みんなブラボー、ガンバレ!という意味だよ。」ほっ。
変なこと言わせないでね!

あるとき、彼らはスマフォを取り出してブドウの写真を撮りだした。
ブドウと自撮りまでしている。
そのブドウは、Uva da tavolaと一般的に呼ぶ
ワイン用ではなく食卓で食べる大きめの粒の白いブドウだった。
「え、もしかしてパキスタンにはブドウないの?」
「いや、あるんだけど、こう大きい粒のブドウはないんだ。」
へーそうなんだ。みんな嬉しそうに写真や動画を撮って味見をしている。

イタリア語もままならないパキスタン人たちは、異国で
暑いブドウの収穫でもこうやって発見のあるいいことがあった。
私は彼らと数時間いて、私までパキスタン人になりかけた。
彼らが休憩で集合してると、こっちが異国にいるようで
トスカーナとはおもえない空間であった。
帰る時、彼らはそれでも日陰に寄って並んで
私たちに手を振っていた。とにかく異様な風景だった。

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ブドウは、干ばつで小粒な品種やブドウもあったが
らしく成ってらしく熟れているブドウがほとんどだ。
果肉がいっぱいある食卓用のブドウも好きだけど
これがワインに変わるんだと想像しながら食べる
ワイン用のブドウも大好き。
特にVinsanto用だったり甘めの白ワイン用のSan Colombanoという品種は
食卓用の大きい粒のブドウにに続いてよく出てくるブドウだ。
私たちはこれだけで十分。

暑くて大変なんだけど
やっぱりブドウの収穫は私は好きだ。

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9月に入って日中の気温も落ち着いたし朝なんかひんやりだ。
この湿気と暑さにオリーブミバエの心配もしたけれど
5月からの夏と干ばつで、ヴィンチの丘にはミバエの姿はない。
オリーブの実も小粒に育ったようにみえるけど
もしかするとあと数回9月中に雨が降れば
ぷっくり膨らむかもしれない。
木にもよるけど、オリーブは豊作だとおもう。

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最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。
今週も素敵な一週間をお過ごしください。




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