大地の住人 ヴィンチの丘で

地球と体に優しいコト ~イタリアから~

フィレンツェの端っこレオナルド・ダ・ヴィンチのふるさとヴィンチの丘に在住。 大地の自然たちと向き合って地球と体に優しい様々なコト、発見・提案・発信!

タグ:Oliveto

IMG_2402

ブドウとオリーブ栽培を
ヨーロッパ基金を使ってトスカーナ州主催の
農業士養成講座の最終試験が
2014年の初夏だった。

その前からぼちぼち
近所の農園のブドウの収穫の手伝いや
自分チのオリーブでオリーブオイルを
搾りだしたりと
興味を持たずにはいられなかった。
そんなところに住んでいる。

小さな息子を連れ歩いて
講座を受けたり、農園の畑仕事を手伝った。
目の前にある資源でしか
私は働けなかった。
そのぐらいの能力しかなかった。

でも日本人で
イタリア文化のブドウやオリーブ栽培を
無料で学ばせてくれたこと
最終試験に合格できてスキル証書も
いただけたことが誇りにおもえるようになった。

経験を積めば積むほど
興味を持てば持つほど
知識や情報が増えていった。
こだわりさえもうまれた。

それと、有機栽培、バイオダイナミック農法で
造っている農園と最初から出会ったことが
作物への労わりの気持ち
自然との共存の認識が
ただ自然が好きという以上に
自分化していった。

IMG_2422

この十年間、気候が著しく変わった。
身にもって感じるほどだ。

2014年の9月、トルネードが
ヴィンチを襲った。
家も車もボコボコにした直径8㎝大の雹が
黒い空からいっぱい落ちてきた。
ブドウの収穫をしている最中の農園は
血だらけになる作業員もいた。
まだまだこれから収穫する農園は
あっという間にブドウが消えた。

オリーブもボトボト落ちていく上に
そういう急激な冷たい石にあたって
オリーブの木が病気になっていく畑が
ほとんどだった。

嵐のあと48時間以内に消毒液を散布しなくては
その病気を防げないが
オリーブの木にまで気に掛ける余裕は
ヴィンチ住人には少なかっただろう。

私が早速管理しはじめたオリーブ畑は
ご近所の農園が散布していたので
ついでに、お願いして散布してもらった。
オリーブの実はないのに。

そのあと、剪定で対応できるところは
剪定でゆっくりゆっくり治していった。

寒波が三月にやってきた年が
この十年で二回もあった。

寒波にやられたブドウの芽は
樹液を凍らせパリパリに枯らした様は
ミイラのようで異様だった。

寒波に耐えられなかったオリーブの木だって
私は目の当たりにした。

もしくは、10月の温暖で
オリーブミバエが大量発生というか
一気に産卵しまくった年。

毎年の猛暑。

毎年、干ばつだったり大雨だったり。

IMG_2424

2023年のヴィンチのオリーブは
凶作に終わった。

トルネードに襲われて
オリーブが落ちたのではない。

去年、十年間ではじめて大豊作だった
ヴィンチのオリーブ。

そこで生まれた種たちは
未来を指令した。
エネルギーの消費を控えろ。

私たちのことではない。
オリーブの木自身でコントロールしているのだ。

私が管理しはじめた畑では
化学肥料を与えない。
刈った草や落ちた葉が
彼らの肥料だ。
猛暑や干ばつで地面が割れ
そこに恵みの雨が入っていく。

木は自力で養分を探しにいく。

虫たちと共存し
生まれ食べられ
土に排出したり還っていく。

こんな方法が有機栽培だったりするとおもう。

だから、私が管理したオリーブの木々は
この十年間で、身体が洗われたはずだ。

抗体をもち、治癒力が身についたはずだ。

私ができることは、剪定をして
日の当たりや風通しをよくすることだった。

IMG_2405

私は、こういう実は貴重な体験を
SNSで写真を、文章でブログを
どこかの誰かが参考になるかな、とか
ヴィンチの四季の色は私の癒し
シェアしたいと想い
記録として残しはじめた。

すると、興味を持ってくださる方がいた。
世界から多言語で声援のコメントをいただいた。

私がこだわるオリーブオイルに
興味を持ってお声掛けしてくださることも
増えてきた。

はじめのうち、友たちに味わってもらっていた。

リクエストが増えることで
私の管理している畑だけでは
賄えなくなってきたこと
私がいちいち全部勉強しなくても
正式に日本へ輸出する方法は
日本行きオリーブオイルの監修を
ヴィンチの農園にかってでて
日本の輸入業者さんに依頼することだった。

ヴィンチの農園は、日本行きには嬉しいけれど
私がオリーブの栽培や収穫方法、搾油所を指定
フィルターの指示、瓶詰、キャップ、汚れ、梱包
さらにはラベルデザインまでオリジナル
それはそれはうるさくて面倒な
日本人だったとおもう。

日本の、オリーブオイルを専門に
輸入されている業者さんは
パンチが強すぎて、値段が高い
トスカーナのオリーブオイルは
日本では人気がない
と散々言われ続けた。

トスカーナ独特のオリーブの品種は
変えられない。
収獲日を遅らせることで
苦味を抑える方法を試みていた。
が、
オリーブオイル文化ではない日本人の舌に合う
後味の辛味が抑えられた
シチリア産やプーリア産のような
オリーブオイルにはいかない。
むしろそうなってはいけないし
トスカーナのオリーブオイルは
トスカーナ料理にあった
苦味と辛味が必要なのだ。

そしてさらには、ロシア戦争で
石油を筆頭に何もかも値上がりしたこと
生産側も同価格では生産できなくなってしまった
輸入側も何倍もの空輸代の高騰で元が取れない。
困った。。。

FullSizeRender

近年の異常気象で
農作物の生産が安定しないこと

生産・送料の値上がり

今後のトスカーナオリーブオイルを
正式にご紹介していく自信がなくなってきた。

2023年のヴィンチのオリーブオイルは
オリーブの凶作で、断念することを決意した。

だいぶ日本風に慣れてきたA農園に連絡すると
多少のオリーブは生産できているということだった。
私は、日本の輸入業者が懸念していたので
オリーブオイルの監修を追っていなかったが
やっぱり監修をしていないと
自分たちの搾油所で搾油してもらう
ということだった。

そこの搾油所はヴィンチでも大きく
搾油量を重視する傾向にあるので
搾油時の温度が高い。

私にとって、搾油機はとても重要だ。
いかに成分たっぷりで濃厚なオリーブオイルを
高品質に抽出するには
ソフトに攪拌して
低温でオイルを抽出し
高性能に水分と油分を分ける
できたら、すぐにフィルターにかけ
劣化成分を即除去することなのだ。

DSC08303

今年は、我が家のオリーブは
B農園と混ぜてもらうことにしたので
そのB農園のはたまた別の
丘の上にある搾油所で搾油してもらった。
が、私が指定する搾油所ではない。
何℃で搾られているかも
どんな機械かもわからない。
でも昨年その搾油所で搾油して
ローカルな範囲でのオリーブオイルコンテストで
このB農園は優勝したみたいなので
上手に絞ってくれるのだろう
そのぐらいの信用だった。

我が家に持って帰ってきたオリーブオイルを
プロがやる風に生で試飲する。

ん?
香りはまぁある。
口にふくんだときの苦味はあるけど
辛味が足りない!
後にも、のど越しの辛味が残らない。
どちらかというと、こういうのを
日本のオリーブオイル輸入業者に求められていた
日本人嗜好なのかもしれない。
でも、トスカーナらしさはちっともない。

今年のオリーブがそうなのか
私の愛用搾油所ではないからなのか
よくわからない。
けど、異常気象だったオリーブのストレス具合
だとしたら、わかる気がする。

DSC06359

つきまして、繰り返しますが2023年収穫の
ヴィンチのオリーブオイルは
残念ながら、ご紹介することを断念いたしました。

以後の予定は未定ですので
引き続き、ゆるりと発信しているブログやSNSを
チェックしていただけると幸いです。



Grazie di aver visitato!
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。
今週も素敵な一週間をお過ごしください。




人気ブログランキング

にほんブログ村 海外生活ブログ ヨーロッパ情報へ
にほんブログ村

IMG_2334

IMG_2333

2023年、オリーブは実らなかった。

我が庭のボスのようなオリーブの木の下で
内側からパラパラあるオリーブを眺めながら
今年を振り返った。

自分の2023年も振り返ったり
家族の今年も振り返ったり.....

FullSizeRender

FullSizeRender

2023年の春
イタリアの各地で洪水となるほど
雨が降った。

ブドウの木はカビの病気になったり
そのときから不作が予想された。

春、異常気象となると
果実の芽生えや開花や結実
さらには病となり
なかなか子だくさんとはいかない。

ヴィンチの旬の果物が
全然食べれなかった年だった。
たまに手にする果物は
ローカルなものはなかった。
スペイン産だったり
南イタリア産だと安心したり。

FullSizeRender

FullSizeRender

ヴィンチのオリーブは
昨年度が豊作だったので
今年は不作の予想はしていたはものの
こんなにひどいとは予想外だった。

今年の異常気象だけが原因ではない。
もう果実を生む指示は
そのまえのオリーブの種のチカラ
指示をしていると、とても興味深いデーターを
農業講座で習ったっけ。

だからここ数年の異常気象に
オリーブたちは制御しているようなのだ。

オリーブは、ヒトのマーケットなんて関係ない。
去年いっぱい生んだから
今年は去年の分でなんとかやって!
みたいなノリだ。

去年のオリーブオイルがまだまだあるし
オリーブオイルの保存と管理がきちんとしてれば
開けるたびに、いい香りが鼻に入ってくる。

我が家のマイオリーブオイルはこだわって
搾油後すぐフィルターに通している。

フィルターに通すことで
酸化を速めてしまう不純物が取り除かれ
安心&安定で長期保存ができるのだ。

フィルターで漉されていないと
酸化して味がどんどんかわっていくので
同じように保存しても賞味期限が全く異なる。

本当のオリーブオイルの美しい味とは
私はフィルター後だとおもっている。

そういうことを知らない
オリーブ文化の国イタリアの民だって
そういうものだと思っていたりするので
興味を持って学ぶことは大切なのである。

IMG_2273

IMG_2275

私は腕を痛めた。

さらには、毎日イタリア人にもまれながら
別の形で食品業に精を出している時期だ。

そして、オリーブ不作。。。

夫にできる分だけ収穫させて
お馴染みバイオダイナミック農法の農主の
収獲されたオリーブに混ぜてもらうことにした。

オリジナルオリーブオイルではなくなるけれど
オイルになる実を放っておけない。。。

だから農主のプログラムで収穫をする。

農主は派遣労働者に数人来てもらって
わーっと収穫してその日に搾油所に持っていく。

収穫後、早ければ早い方がいいけれど
48時間以内だったら、そう変わらないと
データーが出ていると教わった。

だから農主のプログラムに合わせた日に
収獲して、次の搾油日の日に
また私たちも収穫するのである。

10月27日の段階で
オリーブオイルの搾油率
11,5%だったそうだ。...低い。

実が少ない上にオイルの抽出量も少ない...

私たちは、あともう一回ぐらいの収穫。

残った黒オリーブは、塩漬けに
あえてとっておこうとおもう。



よく読まれています。
EVOオイルとは Olio Extra Vergine di Oliva



イタリアでブドウやオリーブ栽培を
学ばせていただきました。
カテゴリーオリーブ OLIVI より
当時の気持ちや状況を盛り込んで
貴重な体験を綴りました
エッセイPhoto Blogです。
もしよかったらお時間のある時に
どうぞご覧ください。
何か参考になることがあれば
これ幸いです!

Instagram @obatamakivinci @realmakici


Grazie di aver visitato!
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。
今日も素敵な一日をお過ごしください。




人気ブログランキング

にほんブログ村 海外生活ブログ ヨーロッパ情報へ
にほんブログ村

DSC08308

DSC08307

私はなまけものだ。
新生活にかまけて、歩くことを忘れていた。
つくることを後回しにしていた。

でもカラダはワタシを忘れない。

新生活の中でも、外の光の変化が視界に飛び込んできて
カラダがうずうずしていたのだ。

外の光の変化は、希望にも感じるし
はたまた落ち込みにも感じる。

その光を浴びるために
ほぼ空しかみえないこのヴィンチの丘で生きているのではないか。

新生活の朝だけは、ときどき私を驚かせることが多い。
けれど、そうだ、行きも帰りももう光は沈んでいるから
なんだか忘れちゃっていたのかもしれない。

その暗闇の丘で、毎朝ジョギングをしている男性がいる。
登り下りがある丘だから、突然現れる感じだ。

きっと彼も光のある時間はじっと仕事をしているのであろう。

暗闇の男性の姿を見ると
孤独感ではなくって、個人感をみせつけさせられる。
私もがんばらなくっちゃと背中を押される感じだ。

さぁ仕事に就くと
何十年もただただ仕事 - 家を繰り返す日々のベテランたちが
あーでもないこーでもないと
小さな世界の話に花を咲かせている。

私はそんな話だって新鮮だ。
私はにやにやラジオのように聴いている。

小さな世界のにやにやラジオは
案外、私に個人感を生ませ
もっともっと個人を工夫して
仕事も生活も個人に楽しみたい!とおもうようになった。

そんなことが私に生まれているなんて
微塵にも察しないベテランたちは
私をラジオのリスナーからパーソナリティーへ導くが
危ない危ない、私はそこでも個人を保たなくてはいけないw

そうやって小さな世界のベテランたちと打ち解けて
時間のありがたさや大切さも学ぶ。

それでも私はニッポンジンなのだ。
何を考えてようが、どう動こうが
私は、MAKI個人よりもこの小さな世界ではニッポン代表なのだ。

その荷はかなりの重さだ。
そう、イタリアに来てからずっとだ。
だから人が少ない丘の上で
私の想いのような光に浴びると落ち着くのかもしれない。
そこでふぅっと個人をだせるのかもしれない。

広大な世界のどこかでたくさんの日本人が
各々の小さな世界で、その荷を背負って表現しているだろう。

ワールドカップの日本代表選手たちが
きれいに使って気持ちを残した更衣室エピソード
はるばる観戦にきた日本人観戦者たちのゴミ拾いエピソード
監督の深々な敬礼エピソード
それはそれは話題になったものだ。

この、誠実さや尊重と感謝の気持ち
私たちが産まれたときから素に持っているような
この人種的なような社会的性格
やっぱり気持ちがよくなることだし平和がうまれる行動は
こんな小さな世界のニッポン代表のそんな荷を持つ私にも
繋がっている感と忘れちゃいけない気持ちを再確認した感じだった。

私の小さな世界のにやにやラジオでは
イタリアではありえない、で処理されたw
ま、いいさ。自分を持って生きていこうとおもう!

DSCN2204

DSCN2209

DSCN2213

DSCN2217

DSCN2216

雨降りの多い師走に突入して
光のある日に、希望のような光を浴びに散歩をした。
ずっとなまけていたことだ。

ここ数ヵ月を振り返ったりしながら歩いた。
もっと前を思い出したりもした。

前は少年と...いや、少年のために散歩をしていたんだ。
今日は一人で歩いている。

いつもの砂利道を通って
いつもの景色の中を歩いて
いつもの教会に辿り着いて

でも何かしら発見があって
でも何かしら違ってて
でも何かしら持ち帰ってくる。

その持ち帰ってきた私のおみやげで
クリスマスリースをつくった。
ただ枝と枝を結んだだけだけど。
気持ちだけでも味わえる。

318876705_532520905451001_2242219954841285968_n

316227383_1151381212149070_349310638854162515_n

栗の粉を買ってきて
小さな世界のにやにやラジオで聴いた
Castagnaccioカスタァニャッチョと呼ばれる栗のタルトを焼いた。

すっごく簡単で
栗の粉(250g)と水(270g)を塩ひとつまみ混ぜて
松の実と干しブドウを生地に混ぜて
上にはクルミやローズマリーを散りばめて
オリーブオイルをかけて
180℃のオーブンで35~40分ぐらい焼く。

私は、松の実のところをピーナッツやクルミだけだったり
干しブドウのところを、夏に天日干しした洋ナシスライスを
干しブドウのように水にもどして
若干ふやふやになった洋ナシスライスを撹拌して混ぜた。

それと私は、キビ砂糖をスプーン2杯ぐらい混ぜた。
オリジナルレシピには砂糖は混ぜない。
栗の甘味を味わうので、お菓子というより
赤ワインやモスカートなどの甘いお酒にも合いそうなタルトだ。
さらに塩系レシピによく使われるローズマリーが
大人の味へ引き出している。
我が家は甘いものは朝食でとることが多いので
お砂糖を加えることにした。

私は、プヨプヨしたCastagnaccioより
さっくりしたケーキっぽい方がよかったので
粉と水の割合がちょうどよかったレシピを見つけられてよかった。

DSC08314

今日は夫の誕生日だ。
仕事ばかりの夫には
大好きな肉週間にして一日だけではない
数日たっぷりご馳走をつくってあげようとおもう。
物でもない旅でもない彼の癒しは、食べれること。
エニマル感たっぷりである。

DSCN2218


今日の一曲。






日本のみなさまに愛を込めて特別につくった
obatamaki監修EVオリーブオイルが販売されております。
ご注文はこちらのサイトよりどうぞ。





Grazie di aver visitato!
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。
今週も素敵な一週間をお過ごしください。




人気ブログランキング

にほんブログ村 海外生活ブログ ヨーロッパ情報へ
にほんブログ村

DSCN2172

313876983_1081269759225715_220449352378142010_n

313885089_866574354707883_3255183952627456212_n

例年だったら10月中の最終週末までには終わらせてしまう。
サマータイムが終わって1時間早く暗くなるし
11月に入るとたいてい霧だの雨だの
オリーブの収穫を気持ちよくするには向いていないからだ。

しかし、オリーブの森の収穫が早過ぎたほど未熟なオリーブで
ポリフェノールは濃厚に詰まっているだろうが
実は小さく油分は少なかったので
こちらの畑は、少しでも成長に合わせた収穫をしたかった。

家の周りにあるオリーブ畑なので毎日のように観察している
このブログでもよく登場するオリーブたちだ。

日当たりがすこぶるよいオリーブたちは
収穫するには面倒なところに位置している。

やっぱり日陰になりがちなところは、熟れがあまい。

ここの畑は、2014年の9月トルネードに襲われた畑だ。
傷からウイルス菌が入って対処をしながら
丁寧に丁寧にゆっくり、剪定と樹形を整えてきた。
もう大胆に主枝をバッサリ剪定してしまおうとおもった木もある。
あまりにもウイルス菌が酷かった2本はバッサリ剪定した。

バッサリ剪定した木はようやく、らしい形になって
実をいっぱいつけるようになった。

バッサリを悩んでいた木には
それでも実のなる残してもいい枝が生まれていたので
枯れた枝を排除し、将来つかえそうな新枝を残していた。
でも思うような位置に生えてくるわけではないので
樹形的には不格好だった。

数年もの間あんなに失望的な木だったのに
今年はなんと、いっぱい最高な状態で実がついてくれた。

やっぱり諦めるものではない。
植物と向き合うことは、とにかく時間がかかるのだ。
私の体力が植物の時の流れに追いつかない。

DSCN2162

DSCN2166

今年は、豊作だ。
去年不作だっただけに、わかっていたことだ。
だから、来年は不作であろう。

それでも、オリーブミバエの被害もなく
収獲の時期を少し遅らせたこともあって
オリーブの実が膨らんで形がいい。

トスカーナ料理にはぴったりだろう
苦味辛味のパンチの効いたオリーブオイルが出来上がってきそうな
オリーブの実だってすぐわかる。

オリーブの実を見て味が想像できるのだ。
それはなんてったって、息子のように育てている
愛おしいオリーブだからである。

収獲の前に、写真や動画なんかじゃなくって
生で見て欲しかったぐらい最高な状態で
すんごい豊作だった!

家から一番近いボスと呼んでいるオリーブの木は
私たちが一番に撫でて愛情を注いでいるからなのだろうか
メンタリティなオリーブなのである。

普段はスマフォで写真を撮ることのない夫でも
誰かに見せたいと撮っていた。
でも伝わんないよなぁ。。。

DSCN2180

DSCN2142

私は、今年も手で持つタイプの収穫機をひとりで持ち続けた。
これで去年は腕をやられたっていうのに。
夫は、少し太めの枝に隠れているオリーブや
上の方のオリーブを手で収穫していた。

それと、夫の仕事はきれいに葉っぱ取り。
それと、それと、カゴを持ったりの力仕事。
それと、それと、それと、網をきっちり敷く係。

もちろん私も手伝うけど
私は首が痛かろう腕が痛かろう疲れていようが
ひたすら収穫をしなくてはいけない。
48時間以内に、予約済みの搾油所に持って行って搾油するのだ。

DSCN2187

DSCN2190

DSCN2193

やはり実がたくさんついていると
当然だけど収穫に時間がかかる。
嬉しい嘆きではないか。

春先、可愛い薄い緑色の芽が粒々ついて
初夏、花が可憐に...でも豪快に花粉を巻き散らして
葉っぱが花粉まみれになっていた。
いつの間にか結実していて、そのときは実の多さなんてわかんないんだ。
真夏、プツプツと実の存在が明確になってきて
晩夏あたりから膨らみ始めて
初秋、オリーブの木はカラフルに色づき
そこでやっと、わーっと胸が躍るんだ。
お互い笑っている感じ。

そんな彼らの成長を毎日のようにながめ見守っていると
まるで親子関係みたいになるのだ。

上の方の実を手持ち振動機でブルブルやっていると
上からオリーブの滝が落ちてくる。
頭にあたったり、顔にあたったり
メガネしててよかった、目にぶつかってきたり。
下の方もオリーブの滝はボトボト落ちていく。

滝から落ちてきたオリーブを集めると
オリーブの川ができるのだ。
その川は、黒光していて、時に色んな色が混ざって
緑から黒紫のグラデーションみたいなのができていて
またそこで、お互いわーっとなるのだ。

DSCN2161

時間がないし、人手は足りないし、体力使うし、大変なんだけど
でもやっぱりこの子たちの変化していく姿をこの目で見届けて
完璧に絞ってくれる搾油所でオリーブオイルにしてあげて
私の体の中に浸透して、栄養にまでなっていく
オリーブとの暮らしは、家族のように居て当たり前のようなのだ。

オリーブの森は手放すけれど
我が家のボスオリーブと家の周りのオリーブの管理はもう
私たちのルーティーンなのである。

DSC08272

DSC08306



私が監修させていただいたオリーブオイルが
日本限定で購入することができます!
コチラより予約注文が本日開始されました。
いつも読んでくださっているブログ読者さんから
発表させていただいた次第です。
おってエピソードやレポートなど
じっくり綴りたいとおもいますのでお楽しみに。



よく読まれています ↓ ↓ ↓ 参考になれば嬉しいです。
EVOオイルとは Olio Extra Vergine di Oliva
オリーブオイルの搾油率 essere olio extravergine
オリーブオイルでスキンケア Oleolito a Freddo

または、親カテゴリー『オリーブ OLIVI』からお楽しみください。
さらに、子カテゴリー内にて様々なヴィンチのオリーブオイル
オリーブ栽培の話が詰まっていますので
お時間があるときにどうぞごゆっくりご覧ください。






Grazie di aver visitato!
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。
今週も素敵な一週間をお過ごしください。




人気ブログランキング

にほんブログ村 海外生活ブログ ヨーロッパ情報へ
にほんブログ村

DSC08256

現在勤務させていただいている食品会社のある同僚は
21歳の若さで出産したそうで
息子さんが35歳だという。

自分の子をからかうように
mio bimbo(私の子ども(小さい子の意味だけれど))はね!
と、嬉しそうにいつも話す。

その息子さんに4歳のお子さんがいて
同僚は56歳だけれどもお祖母ちゃんなのだ。

同僚は、お祖母ちゃんだけれど自分のお母さんもいて
話をよく聞いていると、お祖母ちゃんもいるそうなのだ。

マジ?! すごいね! 5世代じゃん!
同僚のお孫さんからすると、3人もお祖母ちゃんがいるのだ。
nonna、bis nonna、tris nonnaだ。

みんな元気で個人個人
スープの冷めない距離内に暮らしているんだそうだ。

56歳の同僚は、お昼休みにはマンマ(お母さん)のところにいって
お母さんがこしらえたご飯を食べていて
今日のメニューというのをいつも話してくれる。

ある日、みんなが揃ったクリスマスの時の写真をみせてくれた。
変な言い方だけど
本当に3人のお祖母ちゃんたちが並んで写っていた。
私は「素敵だね。」と言った。
こんな環境、真似もできないしお金を払ってもできないことだ。

私は、"もし"を想像した。
思い出と記憶の中で、年齢は止まっちゃってるけど
母や祖母のことを考えた。

我が思春期青少年は、私の母を知らない。
母に会わせたかったな、と思った。
でも母がいたら私はイタリアにいないから
この子も生まれてないんだなぁなんて、いつも考える。
我が子も何度もそれを聞いている。

たとえば40年前、私が今こんな風に生きているなんて
想像したこともなかった。
イタリアにいったり、イタリアで出産したり
ヴィンチで暮らしたり、農業をしたり
現地人と一緒に働いたり

オリーブの栽培を学んで、オリーブオイルを自分でつくったり
そのオリーブオイルで手作り自然派生活したり。

全部、私の母に教えてあげたい。
学んだこと体験したことをとにかく聞いて欲しい。
だってさ、現役の家族って、じつは各々に忙しいから
全部話すことは案外ないものだ。
だから、心の中で私はおしゃべりをする。
今日、満足したことを。

DSCN2097

DSCN2098

DSCN2100

もうすぐでオリーブの収穫がはじまる。
その前に、まだあるオリーブオイルをじゃんじゃん使おうとおもった。

庭のローズマリーでローズマリーのオイル漬けをこしらえた。
数ヵ月後にガーゼで濾して、来年までつかう。
私は、髪の毛にコンディショナー的につかう。
ラベンダーオイルが切れたときは
このローズマリーオイルで顔をマッサージする。

DSC08254

畑の今季最後のナスをご近所さんから頂いた。
形がへんてこりんなので、どうやって食べよう。。
皮も固そうだし、なんか苦そう。

ご近所さんは、オイル漬けをすすめてくれた。

そうだ! 前にshinomaiちゃんのZoomお料理レッスンに
参加させていただいたときに教わった
ナスのオイル漬けをやってみよう!とおもう。
材料はいたってシンプルだ。

ナスは皮をむいて千切りにして
塩水で灰汁をとる。
畑の最後のナスは、この作業を徹底的にやった。

なにしろ少し前にアントネッラの畑の固いナスが
超苦くて気持ち悪くなったぐらいだから
ちょっとトラウマ気味だった。

水を切ったら
酢を少々と月桂樹を入れた水で5分ぐらい茹でる。

茹で上がったらぎゅーっと絞って
ボールにほぐして
ニンニクとかオレガノとか塩とか丸い胡椒をまぶしてかき混ぜて
パラパラと小瓶に詰める。
唐辛子をさして、オリーブオイルをひたひたまで入れる。

翌日以降のお楽しみ。

DSC08253

夕飯はピッツァにしようと発酵させている生地を
ピッツァの一枚分ぐらいをつまみとって
伸ばしてフライパンで焼いたのが
フォカッチャのようなピアディーナのような
トルティーヤのようなナンのような
柔らかいしっとりした薄いパンをランチにこしらえた。

先ほどのローズマリーの花を散りばめて
ナスのオイル漬けをつまみに食べたのであった。

トラウマのナスの苦味がなくって美味しくできた!
ニンニクは、苦いものをまろやかにさせてくれる効果があるようだ。
黒オリーブの塩漬けをしたとき
最後にオリーブオイルと一緒に保存するのだが
その時にニンニクを加えると
とってもまろやかになった学びがある。

オレガノは、この夏シチリアに行ったとき
マルサーラの友のお母様がお土産に頂いたものだ。

最高の出来となり、これからは
最後のナスはオイル漬けでいこうとおもう。
お試しあれ。

DSC08255



私が監修させていただくオリーブオイルが
日本で購入することができます!
詳細が発表され次第
ブログやSNSでお知らせしますので、お楽しみに!



よく読まれています ↓ ↓ ↓ 参考になれば嬉しいです。

EVOオイルとは Olio Extra Vergine di Oliva
オリーブオイルの搾油率 essere olio extravergine
オリーブオイルでスキンケア Oleolito a Freddo



Grazie di aver visitato!
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。
今週も素敵な一週間をお過ごしください。




人気ブログランキング

にほんブログ村 海外生活ブログ ヨーロッパ情報へ
にほんブログ村

↑このページのトップヘ