大地の住人 ヴィンチの丘で

地球と体に優しいコト ~イタリアから~

フィレンツェの端っこレオナルド・ダ・ヴィンチのふるさとヴィンチの丘に在住。 大地の自然たちと向き合って地球と体に優しい様々なコト、発見・提案・発信!

タグ:Primavera

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フィレンツェの警察署(Questuraクエストゥーラ)に
紙の家族用永久滞在許可書から
(permesso di soggiorno permanente per motivi familiari)
電子カード(permesso di soggiorno elettronico)に
更新する手続きの申請に行ったのが二月のはじめ。

申請の時に渡された
申請番号(numero di pratica)なんかが書いてある半券の裏に
≪ poliziadistato.it のサイトで
カードができているか確認してから
月と金の9時から15時半の間に
引き取りに来てください ≫
とある。

噂ではとっても時間がかかるそうなので
とりあえず、三週間後にチェックしてみた。
(poliziadistato.it を検索エンジンにかける。
permesso di soggiorno のところをクリックすると
numero di pratica を打ちこめるページにとぶ)
まだ、できていない。。。

そうこうしている内に私も忘れちゃうので
テーブルに出しっぱなしにして
ちょくちょく気にするように
一ヶ月過ぎた頃にまたチェックした。

おぉ、できているじゃないか!
随分フィレンツェの警察も手際よくなってきたもんだ。
ここまでのオンラインシステムは向上したとおもう。

「カード出来上がってます!
SMSで引き取り方をお知らせします」と
まるでオンラインショッピングの注文完了のように出てくる。

私は、在住者のSNS情報や
自分の長年のイタリアあるある感に頼る。
みんなどうしてるのかなぁ。。。
そんな風に思いながら過ごすことって多々あるとおもう。
特にグループに所属してない孤独派だったり
日本人がいないこんなど田舎に住んじゃって会うこともない。
みんな忙しいだろうなぁと変な気ばかり使って連絡不精...

それでも、私より三か月前に申請に行っていた
フィレンツェ在住の友にどうしているのか連絡することにした。

さすがフィレンツェ在住者だ。
そのSMSはこないまま
申請時期はバラバラだが申請者三人で
クエストゥーラに突撃(!)したそうなのだ!

で、取得できた、という。...ほう。

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私は、半券の裏にある時間通り
金曜日の9時半頃出向いた。
うぅぅ、絶句するほど長蛇の列。

とりあえず、ドアマンしている若造警察官にたずねる。
アポはあるのか、と聞かれ
できてるってオンラインで確認してきてますけど、と
スクショしてある「できてます!」ページをみせる。
これはアポじゃない
今日は人がいっぱいいるから月曜日の朝早く来い
と追い返される。

でもこの長蛇の列の方たち...
私も彼らの真似して並ぶことにした。
角まであって先は見えない。
一瞬前進したように思ったのだけれど
ときどきドアマンしてる若造警察官やってきて
アポありの人を確認し
あとはさっきのように追い返しているのだった。

私だけ田舎から出向いてきてて...とは言えず
みんな何時間も待っているだろうし...
この先、何時間も待って若造警察官が言う通り無駄だったら...
なんとなく気落ちして
今日は諦めて退散することにしちゃったのだ。
突撃、失敗。

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でもこの日は9時から17時まで電車のストライキ。
ヴィンチに帰れない。。。

でも、なかなか会えない友に、行くことを知らせてあったので
田舎者がフィレンツェにやってきた!やぁやぁやぁ
と、急遽集まってランチを共にすることができたのであった。
嬉しい...孤独派にも気にしてくれる友はいる。

久々の日本人同士の会話。
そんなこんなんで警察や滞在許可書の報告をしあう。

私は、そう日本に帰ることもなければ旅行することもない。
国境を超えるための滞在許可書の提示には急いではいないが
仕事をしたり手当をいただいたり
イタリア人同様な手続きの申請のときに
私はイタリア国籍はないので滞在許可書の提示が必要
なのである。

ふだんは carta d'identità という紙の身分証明書と
tessera sanitaria というマイナンバーカード
この二つだけで事は済む。
その carta d'identità の発行申請時に
滞在許可書が必要なのである。

で、この carta d'identità も電子システム化され
(carta d'identità elettronica = CIE)
5年の期限が切れ次第、続々カード発行されている。

もしくは、うっかり我が思春期青少年のように
その紙の身分証明書を紛失した際の発行は
カードで再発行するのであった。

イタリア国籍をもつ未成年は
両親のサインで提出してあれば
そのカードでEU内をパスポート無しで自由に行き来できる。
片親のサインのみではそのカードでは
イタリアから出ることはできないそうだ。

この電子IDカード carta d'identità elettronica は
SPID(Sistema Pubblico d'identità digitale)の代わり
ともなるので、面倒なSPID取得より
CIEにしてしまった方が便利だね
と友たちと情報交換。

で、友の話によると
日本からイタリアに戻ってくるとき
当時紙の滞在許可書提示の前に
当時すでにカード化させていた電子IDカードを
ドイツかなんかのイミグレーションで提示したら
ぴっと機械でチェックしてすんなり通れた
というエピソードを聞いて
EUは繋がってるんだねぇと今さら思い知る。

その日、今日も
イタリアはEUの海の玄関であるニュースが流れた。

私は、17時に終わる電車ストライキにあわせて駅に向かった。
駅には、旅行客、仕事終わりの物凄い人でごった返していた。

私は、ホーム番号が出た瞬間
そのホームに駆けつけ乗り込んで
一人だったのでオラオラと前に突き進み
座ることができた。

それでも20分遅れ
エンポリの駅まで25分だけれども
立ってるのはイヤ!

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三人でSMS連絡なしで突撃した友に
報告がてらもっと詳しく時間帯などを聞くと...

友は11月の申請で半券には12時~15時半
友の友は昨年の6月申請で半券には14時~15時半
そのまた友の友は、郵便局申請だから時間指定なし

んで、三人は月曜日の11時半にスクショをみせて
30分並んで、整理券配られて中で3時間待ち
ということなのだ。

ランチ友は、コロナ禍に申請して
SMSが一年以上経って送られてきて
日時通りに行って中で2時間待ち

私は、SMSを待とうか迷ったが
2023年8月3日に紙の滞在許可書は無効になるという
お知らせもいただいたり
時間があるときに、出向いて取得しておかないと
また仕事を休まなくてはいけないこと
あとは、無効になっては急に必要な時に困る
と思って、腹をくくって再度フィレンツェへ
クエストゥーラに出向くことに決心したのだ。
本当にそんな気重い感じなのだ。

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私は、友の真似をした。
月曜日の11時半に出向いて、スクショを見せた。

ドアマン若造警察官はまた同じことを言った。
金曜日に来い、と言った。
もちろん私は今回ばかりは返答した。

アポはとれないのか、と訊いたら
アポを送るSMS作業は郵便局がやってるから
警察側は何とも言えないんだ、という。
責任を擦り付け合うイタリアあるあるだ。

もうわかったぞ、想像はつく
郵便局は半年に一回ぐらいまだ取りに来てない人
例えば300件を処理してるんだろうな、とか。

金曜日の9時半よりは全然人が少なくて
もしかすると4分の1ぐらいだ。
中から指令される若造ドアマンとしゃべってるより
並ぼうとおもった。

今日こそ引き返さない!
だって、この並んでる人たちも私と同じ
フィレンツェ県内に住む外国人で
滞在許可書の取得に来ているんですもの。

私の後にも同じ目的の人たちが数人並びはじめた。
あまり後ろは見ないからよくわかんないけど
じわじわと前に進んでくる?入ってくる南米系の青年がいる。
整理券を常に配っているわけではないから
前には進まないけど、グループで来てたりすると
たまに抜けたり入ったり隙間ができる。
そこに割り込んで進んでいるのだ。

私を追い越して
前の前にいる女の子の隙間を指さして
詰めろと言っている。
彼女は、いやいやここには壁に寄りかかっている
パキスタン人たちがいるから、と
無言でジェスチャーしている。

私の前には、アルバニア人ぽい男性が並んでて
その男性も追い越そうと青年はしてたので
その男性が声を出し、青年の腕を後ろにひっぱった。
青年も声を出したので
私も声を出したw
みんなが正しいよ
アンタは私の後ろにいたでしょうが!
後ろに行きなさい
私の前でケンカするのはやめて

というやりとりを見ていた私の後ろにいた中国人の女性も
じわじわ前に詰めてきていたが
後ろに引っ込んだw

んっもう、こんなことで。。。

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一時間後、整理券を配り始めた!

若造ドアマン、私の方をちらっと見て
「良かったね」と言った。
私はごちゃごちゃ言いたかったけど
「グラーツィエ」と言った。

整理券の番号からして70人前にいた。

彼らも一人に要する時間が把握できないから
人数制限しながら中に入れているのであろう。
一日に対応する人数を減らしたいのかもしれない。
とりあえず追い返しとけ。

午後時間が指定されていた半券をいただいた人は
期間や人数、時間ごとに調整されたのだと想像する。
はたまた贔屓か!

申請に来た時より中はだいぶガランとしていた。
座るところもまぁあった。

本を読んではちょっと居眠りを繰り返し3時間!
内、14時から15時10分ぐらいまで
窓口の方たちのランチタイム。

番号を呼ばれたときはウキウキだった。

カードの滞在許可書は封筒の中に入っていて
その中身を確認して、指紋も確認して
1分ぐらいで完了。っふー。

永久の滞在許可書だけれども
これからは、10年ごとに更新。

10年後、もう少しオーガナイズできてることを
祈るばかりです。
もう懲り懲りだけど。。。



今日の一曲。




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春だ。

日が出てると汗ばむほどだ。

でも風が吹くと気持ちがいい。

庭はマルガリータの絨毯のようだ。

ルーコラ、タンポポ、ボリジの花が
ところどころに咲いている。

オリーブ畑には
日本のより頭でっかちなツクシが
ニョキニョキ生えていて、歩きづらい。

ブドウ畑には
菜の花やカレンデュラ、ボリジ、ビエトラ
マルバ、名前のわかんない草
緑肥のソラマメが勢いつけてきた。

カレンデュラのミネラル豊富そうな香りが
日に当たると
1Mぐらいは余裕で放出して
鼻よりも口の中が充満する。

ソラマメと菜の花によってくるのか
テントウムシがあっちこっちにいて
じっと日向ぼっこをしているようだ。


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ブドウの芽が膨らみはじめた。

そうこうしているうちに、芽が咲いた。

こんなに暖かいのでは
木々は急いで生まれてくる。

早咲きのサンジョベーゼという品種は
涙が溢れ出ている。


遅咲きの品種だってもう
ゆっくりと樹液は流れはじめ
枝は柔らかくなってきた。

こうやって
リンパが流れはじめるタイミングで
枝縛りの作業をする。

剪定されたけれども長すぎる枝を剪定すると
ボタボタ涙をこぼす。

その涙をイタリア語でPiantoピアントと呼ぶ。


私は、今年もこの涙を見ることができた。

そして今年も、この涙に知らずと触れて
ドキッとした。

涙の温度は冷たいのだけれど
ブドウの体温とおもうと
ドキドキするのだ。


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だから春が好き。

閉じたり咲いたりする草花をみたり
花びらが太陽に透けた光をみるのも好き。


一気に生まれだすエネルギーが好き。

私も一緒に生まれだす感覚を
味わうのが好き。


生まれだす彼らも私たちも
未知な未来が待っていると
想像することにワクワクする。

命の液が時期が来ると流動する
その本能に毎度感動する。

きっと私たちだって
時期が来れば知らずと流動しているはずだ。

きっと私たちだって
時期が来れば知らずと放出しているはずだ。

本能と気持ちと心が
シンクロするからややっこしい。

このままじゃいけないと
おもうかもしれない。
もっともっとと求めるかもしれない。

いや、もっと時期が来るまで待とうと
見送るかもしれない。

それとも、このタイミングかもしれない。

ひとの人生って季節には
そうも左右されないかもしれないけど
ヒトとは異なる生き物の一生とか
彼らの人生を時々ながめていると
どこか重なるところがいっぱいある。

生きてるところが同じ
大変なところも同じ
常にリスクを追う生活も同じ
本能も実は似てるかも


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私は、上を見上げれば、見上げなくても
一面の空の下で、日と風に当たりながら
ヴィンチの丘で、ブドウの枝を縛っている。

室内で一日中空を見ないで40年間
生活のための仕事をしている人たちが
いっぱいいる。

そんな人たちのそばにいると
なんかやっぱり私は
自由な生活をしている
と想い知らされる。

何が正解で何が良いのかなんて
ひとそれぞれなんだ。
それが人生なのだ。

それでも私は
毎日ヴィンチ村の塔を
霧の中、青い朝、赤い夕日の中眺めて
ヴィンチの丘の
ブドウ畑とオリーブ畑を
ザクザク歩いてる人生は
やっぱり
どんなに苦しかろうが
後悔のない人生だと
黙って草木や虫と
気持ちを交換するのである。

その気持ちのおしゃべりができるのが
春なのだ。

だから、私は春が好き。



今日の一曲。




日本のみなさまへ特別に obatamakiが監修した
エクストラヴァージンオリーブオイルのお問い合わせは




ヴィンチの丘の、自然の成長など
インスタグラム @obatamakivinci の
ストーリーズで投稿することを試みています。
もしよかったら覗いてみてくださいね。



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いつも四月の半ば頃からはじめるブドウの芽搔き作業は
今年は五月に入ってはじまった。

農主のオーガナイズの悪さではない。
汗ばむ日もあるけれど、なんとなくずっと初春のような
ヒトにとっては爽やかな日々が続いた四月だった。

たいてい農主は、この辺では一番に芽掻き作業をはじめる。
まだまだ誰もはじめていない。

確かに、畑に出向くと、あともう一週間ぐらい後でもよさそうだ。
もう少し成長させないとダブルで芽が出るのかわからない。
ダブルで芽が出たら片方元気のいいやつだけ残す。

早熟の品種Sangioveseを先にはじめる。
しかし、そうこうしている内に他も成長してくる。

農主が一番にはじめる理由は
成長しきる前に余分な芽を掻くことによって
本来の芽にエネルギーを集中させて成長させる意図がある。

この作業を丁寧に期間内にやることで
肥料は緑肥(アブラナ科など)だけでも効果は出ている。

もちろんブドウの量は減るけれど
農薬を使わずにきれいで濃厚なブドウを収穫することができる。

私は他の農園にも手伝いに出動するが
結果は手に取るようにわかる。

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冬、他の農園さんの剪定士募集があって面接に行った。
ちょっと話しただけで、なんとなくブドウへのパッションの有無がわかる。
私が量られる側なのに、私が警戒してしまった。

そのとき、その芽掻き作業Scacchiaturaの話になった。
その農園は、芽掻き作業なんかやらないという。
なんだそれ?という反応であった。

たくさんの農園が、芽掻き作業と誘因作業Allacciaturaと
副梢掻きSfemminellaturaを合同で行う。
はたまた刈り込みCimaturaのときに機械で全部やってしまう
ところもまれではない。

農園に限らず行く先行く先でBIOや有機栽培の話は
なんとなくしにくいのが本音と現状である。
ビジネスとか量産とか産業とか
そういうことを第一に目的を置いている方と話すと
ブドウへのパッションよりヒトが生きていくための手段
となるので、そこで話が止まるのである。

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私は、ブドウの芽掻き作業が好きだ。
芽掻き作業が好きだという男性は今まで聞いたことがない。

芽掻き作業は、ずっと、余分な枝をひたすら取り除く作業である。

農主は、ブドウの木の下の方の芽を掻く機械を使わない。
除草剤も撒かないから、草刈り機はブドウの木の周りは刈れない。

だからヒトが、下の方の芽も
もっともっと下の地面にへばりついてる芽も
背丈の高くなる草も、かたまりとなっている草も
全部手作業でひとつひとつ除去するのである。

そのとき、いちいちかがまなくてはならない。
たったりしゃがんだり、頭を下にしたりかがんだり
面倒だし億劫な作業であることは確かである。

私はそれでもブドウの一本一本の木になる
ブドウが実った収穫時を想像しながらやっていることと
その、他の農園たちで見てきた
機械で芽が掻かれ肌が剥かれたようになったブドウの木の姿
除草剤を撒くところは砂漠のようなブドウ畑で虫さえもいない。
農主のバイオダイナミック農法や有機栽培の畑は
虫がいっぱいで、生命のサイクルを感じる。
そんな生命感を感じながら作業をしているのである。

私は、農主に出会ってラッキーだったと想う。
パッションを選ぶ農主からたくさん学んでいる。
農主と私は同じ姿勢でブドウと向き合っている。

面倒で億劫な芽掻き作業は
パッションのあるヒト向きの仕事だとおもう。

そういう見方でブドウに接しないと
何千本何万本とあるブドウの木に
気が遠くなるだろう。

ブドウの芽が新梢が、あくびに思えたり踊っているような見えたり
ツルが手に思えたり葉が日傘に見えたり
テントウムシの色の違いに気づいたり愛おしく思えたり
母心がこんなところで発揮するとはおもわなかった。

オリーブが息子ならばブドウは娘のようなの!

それでは、今週もいってきます!

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現在思春期青少年がまだまだ小学校低学年の少年の頃
お隣さんチの庭にタンポポがいっぱい咲いてて
そのタンポポの種を我が家の庭にふぅふぅしまくり
ましてや庭にこすりつけたりしたw
だから今、親子で人工的にばらまいた種が植わって
繁殖し続けている!

TarassacoとかDenti di Leoneとイタリア語では呼ばれている
西洋タンポポは、フツーによくある野草なのに
葉も芽も花もましてや根っこまで食べれちゃって
さらには栄養価抜群だそうなので、どんどん繁殖してもOK!

我が家の庭には食べられる野草で埋め尽くしたい。
現在そのタンポポとルーコラとボラジ、チコリやレモンバーム
野生のニンニク、そうだ、野生のフェンネルも増えてきた。

この野草たちは、夫に草刈り機で刈られても
しぶとく生えてくる強い草たちだ。
それだけに、成分も栄養も大地や大気のエネルギーを
吸いまくっている。だから野草を食べるといいのだ。

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きょうは
時間差で咲き続けている満開のタンポポの開いた花を摘んで
タンポポシロップをつくった。

このご時世、きっと誰もがネットでヒットする
一つのレシピだけで挑戦することはないであろう。

私もその一人で、いくつものサイトを参考にして
サイトによって数量は違っても何体いくつなんだ?
ということがわかったり、要領がわかれば割と自分流にできる。

それと、西洋の薬草レシピはできるだけ
唯一わかる西洋の言語の一種イタリア語で検索する。

イタリアの野草だから生活の一部のように取り入れている方が多く
代々受け継がれたようなレシピがあって頼もしい。

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写真のタンポポの花束はだいたい100本。
花の部分をもぎとって計るとだいたい50g。

イタリア語レシピには花をグラムで書いてあることが多い。
でもいったい何本ぐらい摘めばいいんだよ!
と思うのは私だけではなかったはずだw

私の自己流おおよそレシピをここにメモると

タンポポの花 約200本
を花の部分だけもぎとって
水 約1000ml
を水から煮出すデコット法で20分煮て一晩放置。

瓶は煮沸消毒して乾かしておく。

タンポポ液は搾って 850mlぐらいになってて
キビ砂糖 550gぐらい (家にあった分w)
オーガニックのレモンぶつ切り 2個分
を1時間半ぐらい煮る。

そのくらい煮て冷ませば、ハチミツみたいにドロ~となる。
キャラメル状になるまで煮つめない。

私は、レモンが崩れ始めた頃レモンを抜き出した。

この分量で、底に書いてある314mlの蜂蜜瓶 2瓶ができあがった。
冷蔵保存とあるが、どのくらいもつかはわからないw

たいていのイタリアのレシピは
デコットからの水と後で加える砂糖 1:1とあるが
私がやった分量でもぜんぜんできた。

レモンを入れるとレモンの味がメインになるので
コーヒーに入れようと思ったらレモンなしがいいかもしれない。
レモンのないレシピもあった。

タンポポシロップ用に搾った花は、私はコンポストに入れたが
そのまま攪拌機でドロドロにしてジャムにする人もいる。

ジャムの場合はダイレクトに砂糖を加えて煮詰めていくだけだ。

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タンポポシロップの効能の基本は、利尿作用や浄化作用だそうで
体内の余分な水分や老廃物を排出してくれる効能があるのだそうだ。

つまり、解毒作用をしてくれて体内の働きを良くしてくれる
それは、精製されていないハチミツと同じ効果をもつことから
イタリアでは《偽のハチミツ》とまで名がついている。

思春期青少年があまり病気をしないのは
私は、精製されていないハチミツを買い続けているからだと
それぐらいハチミツの栄養と効果を信じているし
甘いもの好きでもハチミツだったら許している。

そんなハチミツと同じ効果があるならばつくらない手はない。

しかも自分の手でばらまいた種で強くなれるなんて
思春期のジャンクフード欲頭脳には理解不能だろうが
母はこっそり偽のハチミツまでつくるのである! 〇



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私は、料理が苦手だった。
苦手で下手だったのは
料理への興味や意識、必要性とか経験不足だった
のだとおもう。

キャリアウーマンでシングルマザーの母と
料理をしているところをみたことがない祖母と
料理に興味を持たない...
たまに生クリームをつかったお菓子作り..いや..
クレープ作りぐらいしか興味がなかった思春期頃の私の暮らしは
その仕事後の母の夕飯を待った。

母は、それでもよくつくってくれた。
今おもうと、料理は私たちのためにつくっていただろう。
料理好きとか得意とかいう味はしなかった記憶がある。

メニューも手の込んだものより
煮物系が多かったような記憶が...今蘇ってきた。
それでもお惣菜は、コロッケぐらいを頼る程度で
割と何でも自分の手でつくっていたとおもう。

それでもある日、母は帰宅して
休憩しながらこたつで寝ちゃって
なかなか起きない日があった。

私と祖母はその時どうしたか覚えていないのが残念だけと
家族の料理人が起きるまで
待っている時間の方が長かったとおもう。
絶対そうだ。

ある頃、母の妹家族が近所に引っ越してきて
ときどきおばちゃんが我が家の台所を仕切った。

家族の料理人である母はアシスタントにまわって
さらなるアシスタント私と従姉妹も加わって
コロッケも餃子もいっぱいつくった。
手でひとつひとつむすんだ
何個も食べられる料理がご馳走にみえる。

ちらし寿司やお赤飯、お祝いの料理も得意なおばちゃん。
母も料理好き妹がいるときは楽しそうだし嬉しそうだった。
そういうシーンはやっぱり忘れられない。

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私は一人暮らしを始めて料理ができないことに気がついた。
できないというか、やったことがないし知らなかった。
料理の基本のような本や雑誌を買った。
その本が今もある。
レタスクラブやオレンジページだ。
レシピ切り抜きやメモファイルもつくった。

私はまかないが食べられる飲食店でアルバイトをした。
仕事感覚というより生活の一部という感覚だった。
若かったから疲れない。毎日働いていた。
毎日そこで食事をさせていただいた。
なんなら余ったお惣菜は次の日のお弁当でもあった。

私は料理をすることに興味がなかった。
誰かにつくってもらうことに慣れてしまっていた。

しかし、学生最後の年には卒業展覧会というものがあり
生活の一部であったアルバイトをやっている時間がなくなった。

誰かにつくってもらう生活だったが
母の手料理だけではなくバイト先で口にしたものを
つくってみる生活がはじまった。
でも、まだ興味とか好きという気持ちはさらさらなかった。

一週間分何食か作り貯めをして冷凍して
毎日小分けされた自作冷凍食品とビールで
うだうだと卒展制作をしていた記憶がある。

それがいけない。
まだ料理をすることが習慣化さえもされてない。

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食のイタリアに渡ってもかなりの間
食にも料理にも興味がなかったことに後悔している。
身近でイタリアの食材でイタリア料理が
つくれて食べれるなんて。

ほんの少し料理に興味が沸いてきたのは
どんどん大人になるにつれて
料理の話をする機会が増えたことだ。

そして友たちを招待し合うことも増えたことは
料理の腕を磨かなくてはいけない!と焦った。

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私が妊娠した時、保健所の新ママ養成無料セミナーに参加した。
体の変化や出産の心構え、産後の対応なんかを教えてくれた。
私は、誰にも相談する人がいなかっただけに
ありがたかったし心強かった。

そのセミナーの一部に栄養の授業が何回かあって
そこには夫と一緒に参加した。

プロテインとか炭水化物とかビタミンとかミネラルとか
食べた方がいい順のピラミッドをそこで初めてみたり
食品の組み合わせや、摂取した方がいいもの
妊娠時母乳時の食生活、離乳食やその後も教えてくれた。

私は、そうやって食に対して細かく考えたことがなかっただけに
ヒトの命を自分が守らなくてはいけない意識がメキメキと芽生え
ここから食生活を意識するようになったのである。

妊娠時にタバコも夫婦でやめたし
妊娠を機に大きく生活や意識が変わった。

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私は、≪子育て≫という呼び方をあまりなぜかしたくない。
なぜなら、子を育てるという感覚より
子と生きることが一つの課題だったような感覚で
どうやって対応してよいかわからないことだらけで
子育てというなんとなく親の上から目線だけでなく
どうやったら家族が健やかに生活できるかを
毎日考えている...向き合うようにおもうのである。

外食にほぼ行くこともなく毎日手作りで
ここでようやく料理への興味や意識、必要性とか経験が生まれるのである。

ヴィンチの丘で夏にはカチカチの畑も体験した。
カチカチの土を人力で耕すことに降参し
耕さずに土をフサフサに保つ自然農法でトマトだけを栽培している。
自分のトマトは水やりをあまりしないから小さいけど
どこにも負けないほど濃厚で甘い。

ワインも自分が自分のブドウのように作業を手伝っているワインだ。
愛着がわいてひとしきりうまい。他がいただけないほどだ。

イタリア料理には欠かせないオリーブオイルなんか
美味しいオリーブオイルができるまでのレシピを学んで
美味しいと不味いのつくり方や味を知った。
我が子もどれが美味しいオリーブオイルか味分けられる。

日々の生活の中の美味しい料理とは
仕上げの味付けだけではなく、材料の選別という原点を
家族で身で学びはじめた。

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先日、海外在住者向けオンライン日本映画祭があって
そこで≪南極料理人≫という映画にであった。
南極へ向かう観測隊に調理人というスタッフが配属され
その調理人は観測隊の食事のことだけを考えればいいのであった。

この調理人は給料が出るだろうけれど
家族の料理人は給料なんか出ない
毎日この調理人と同じことをしている。

観測隊のところが家族の住人で各々に集中しなくてはいけないことがある。
調理人のところが私で家族の食事と満足と健康を考える。

私が季節労働の畑作業でヘトヘトなときも
料理人が私だから勇気を出して台所に立つ。
そこで、ヘトヘトでこたつで寝ちゃった私の母を毎回思い出すのである。
あの時の私と祖母が、今の息子と夫なんだと。
私がのびてウトウトしていても奴らは私を待っている。

ウチは誰も料理のことを褒めない。
「いただきます」もなければ「ごちそうさま」もない。
私一人で「いっただっきまーす」と言い
私一人で料理のコメントをして
私一人で「あーお腹いっぱい、今日も満足!ごち。」としめる。
男たちは、黙って食べて私のコメントにうなずいている。

そして思春期青少年は好き嫌いが思春期になってさらに続出し
残したりすると、ケンカまで起こる始末だ。
そんなことが頻繁に続くと、こっちはつくる気なくす。
それでもここ最近私は開き直って
母(私)ができる間はぐっとこらえて料理をしようじゃないか!
とまた気を取り直した。

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今日、何を書きたかったって...

「パスクワ(復活祭)の日、何が食べたい?」と思春期青少年に聞いたところ
「ラザーニャが食べたい。」という。
「なんでパスクワにラザーニャが食べたいの?」おかしな子だねぇ。。
「お誕生日に食べられなかったから。」なるほど!

そうだ、お誕生日の日、自分で食べたいものリクエストしたのに
お友だちに誘われて、アツアツのラザーニャが食べれなかったんだ。
特別な日ではないと、私だって何が食べたいか聞かない。

私は、パスタの生地もつくって土鍋さんで牛肉のラグーソースを煮込んで
野菜だしとこしょうを効かせたベシャメルソースをこしらえた。

パスタ生地を今回なるべく薄くのばしたので
何層になってても邪魔にならなかった。
美味しくできて奴らはお替りをしていた。
でも、相変わらずノーコメントな男たち。

これが今季最後であろうSchiacciata Fiorentinaもつくった。
このケーキにはオレンジが入る。
G.A.S.で購入したシチリア産のBIOのオレンジでしか私はつくらない。
最近では、擦った果皮と搾った果汁とさらに残った果肉も入れている。
果肉も入れることで生地がさらにしっとりしている。
そしてベーキングパウダーを使わず重曹を使っている。
オレンジの酸味と反応してとってもよく膨らむ。

その夜お客さんが突然来ることもあって
Carciofiとタンポポと鶏肉のフライもAntipastoとして多くこしらえた。
揚げてるそばからつまみ食いに来る男たち。
見張りをするのも家族の料理人の仕事。

さらにタマゴチョコの代わりに
ヴィーガン流カカオケーキをつくったけど苦く感じた。
男たちは、ん?と苦そうな顔をした。

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思い起してみると、どの時代も同じ風景を繰り返しているだけだ。
あるとき料理を放棄したくなるときもあるしあったけど
気を取り直して、私ができるまで
奴らのためと私のBenessereのために引き続き
家族の料理人をしたいと想う。



Grazie di aver visitato!
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。
今週も素敵な一週間をお過ごしください。




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