大地の住人 ヴィンチの丘で

地球と体に優しいコト ~イタリアから~

フィレンツェの端っこレオナルド・ダ・ヴィンチのふるさとヴィンチの丘に在住。 大地の自然たちと向き合って地球と体に優しい様々なコト、発見・提案・発信!

タグ:Raccolta

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ブドウとオリーブ栽培を
ヨーロッパ基金を使ってトスカーナ州主催の
農業士養成講座の最終試験が
2014年の初夏だった。

その前からぼちぼち
近所の農園のブドウの収穫の手伝いや
自分チのオリーブでオリーブオイルを
搾りだしたりと
興味を持たずにはいられなかった。
そんなところに住んでいる。

小さな息子を連れ歩いて
講座を受けたり、農園の畑仕事を手伝った。
目の前にある資源でしか
私は働けなかった。
そのぐらいの能力しかなかった。

でも日本人で
イタリア文化のブドウやオリーブ栽培を
無料で学ばせてくれたこと
最終試験に合格できてスキル証書も
いただけたことが誇りにおもえるようになった。

経験を積めば積むほど
興味を持てば持つほど
知識や情報が増えていった。
こだわりさえもうまれた。

それと、有機栽培、バイオダイナミック農法で
造っている農園と最初から出会ったことが
作物への労わりの気持ち
自然との共存の認識が
ただ自然が好きという以上に
自分化していった。

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この十年間、気候が著しく変わった。
身にもって感じるほどだ。

2014年の9月、トルネードが
ヴィンチを襲った。
家も車もボコボコにした直径8㎝大の雹が
黒い空からいっぱい落ちてきた。
ブドウの収穫をしている最中の農園は
血だらけになる作業員もいた。
まだまだこれから収穫する農園は
あっという間にブドウが消えた。

オリーブもボトボト落ちていく上に
そういう急激な冷たい石にあたって
オリーブの木が病気になっていく畑が
ほとんどだった。

嵐のあと48時間以内に消毒液を散布しなくては
その病気を防げないが
オリーブの木にまで気に掛ける余裕は
ヴィンチ住人には少なかっただろう。

私が早速管理しはじめたオリーブ畑は
ご近所の農園が散布していたので
ついでに、お願いして散布してもらった。
オリーブの実はないのに。

そのあと、剪定で対応できるところは
剪定でゆっくりゆっくり治していった。

寒波が三月にやってきた年が
この十年で二回もあった。

寒波にやられたブドウの芽は
樹液を凍らせパリパリに枯らした様は
ミイラのようで異様だった。

寒波に耐えられなかったオリーブの木だって
私は目の当たりにした。

もしくは、10月の温暖で
オリーブミバエが大量発生というか
一気に産卵しまくった年。

毎年の猛暑。

毎年、干ばつだったり大雨だったり。

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2023年のヴィンチのオリーブは
凶作に終わった。

トルネードに襲われて
オリーブが落ちたのではない。

去年、十年間ではじめて大豊作だった
ヴィンチのオリーブ。

そこで生まれた種たちは
未来を指令した。
エネルギーの消費を控えろ。

私たちのことではない。
オリーブの木自身でコントロールしているのだ。

私が管理しはじめた畑では
化学肥料を与えない。
刈った草や落ちた葉が
彼らの肥料だ。
猛暑や干ばつで地面が割れ
そこに恵みの雨が入っていく。

木は自力で養分を探しにいく。

虫たちと共存し
生まれ食べられ
土に排出したり還っていく。

こんな方法が有機栽培だったりするとおもう。

だから、私が管理したオリーブの木々は
この十年間で、身体が洗われたはずだ。

抗体をもち、治癒力が身についたはずだ。

私ができることは、剪定をして
日の当たりや風通しをよくすることだった。

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私は、こういう実は貴重な体験を
SNSで写真を、文章でブログを
どこかの誰かが参考になるかな、とか
ヴィンチの四季の色は私の癒し
シェアしたいと想い
記録として残しはじめた。

すると、興味を持ってくださる方がいた。
世界から多言語で声援のコメントをいただいた。

私がこだわるオリーブオイルに
興味を持ってお声掛けしてくださることも
増えてきた。

はじめのうち、友たちに味わってもらっていた。

リクエストが増えることで
私の管理している畑だけでは
賄えなくなってきたこと
私がいちいち全部勉強しなくても
正式に日本へ輸出する方法は
日本行きオリーブオイルの監修を
ヴィンチの農園にかってでて
日本の輸入業者さんに依頼することだった。

ヴィンチの農園は、日本行きには嬉しいけれど
私がオリーブの栽培や収穫方法、搾油所を指定
フィルターの指示、瓶詰、キャップ、汚れ、梱包
さらにはラベルデザインまでオリジナル
それはそれはうるさくて面倒な
日本人だったとおもう。

日本の、オリーブオイルを専門に
輸入されている業者さんは
パンチが強すぎて、値段が高い
トスカーナのオリーブオイルは
日本では人気がない
と散々言われ続けた。

トスカーナ独特のオリーブの品種は
変えられない。
収獲日を遅らせることで
苦味を抑える方法を試みていた。
が、
オリーブオイル文化ではない日本人の舌に合う
後味の辛味が抑えられた
シチリア産やプーリア産のような
オリーブオイルにはいかない。
むしろそうなってはいけないし
トスカーナのオリーブオイルは
トスカーナ料理にあった
苦味と辛味が必要なのだ。

そしてさらには、ロシア戦争で
石油を筆頭に何もかも値上がりしたこと
生産側も同価格では生産できなくなってしまった
輸入側も何倍もの空輸代の高騰で元が取れない。
困った。。。

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近年の異常気象で
農作物の生産が安定しないこと

生産・送料の値上がり

今後のトスカーナオリーブオイルを
正式にご紹介していく自信がなくなってきた。

2023年のヴィンチのオリーブオイルは
オリーブの凶作で、断念することを決意した。

だいぶ日本風に慣れてきたA農園に連絡すると
多少のオリーブは生産できているということだった。
私は、日本の輸入業者が懸念していたので
オリーブオイルの監修を追っていなかったが
やっぱり監修をしていないと
自分たちの搾油所で搾油してもらう
ということだった。

そこの搾油所はヴィンチでも大きく
搾油量を重視する傾向にあるので
搾油時の温度が高い。

私にとって、搾油機はとても重要だ。
いかに成分たっぷりで濃厚なオリーブオイルを
高品質に抽出するには
ソフトに攪拌して
低温でオイルを抽出し
高性能に水分と油分を分ける
できたら、すぐにフィルターにかけ
劣化成分を即除去することなのだ。

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今年は、我が家のオリーブは
B農園と混ぜてもらうことにしたので
そのB農園のはたまた別の
丘の上にある搾油所で搾油してもらった。
が、私が指定する搾油所ではない。
何℃で搾られているかも
どんな機械かもわからない。
でも昨年その搾油所で搾油して
ローカルな範囲でのオリーブオイルコンテストで
このB農園は優勝したみたいなので
上手に絞ってくれるのだろう
そのぐらいの信用だった。

我が家に持って帰ってきたオリーブオイルを
プロがやる風に生で試飲する。

ん?
香りはまぁある。
口にふくんだときの苦味はあるけど
辛味が足りない!
後にも、のど越しの辛味が残らない。
どちらかというと、こういうのを
日本のオリーブオイル輸入業者に求められていた
日本人嗜好なのかもしれない。
でも、トスカーナらしさはちっともない。

今年のオリーブがそうなのか
私の愛用搾油所ではないからなのか
よくわからない。
けど、異常気象だったオリーブのストレス具合
だとしたら、わかる気がする。

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つきまして、繰り返しますが2023年収穫の
ヴィンチのオリーブオイルは
残念ながら、ご紹介することを断念いたしました。

以後の予定は未定ですので
引き続き、ゆるりと発信しているブログやSNSを
チェックしていただけると幸いです。



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2023年、オリーブは実らなかった。

我が庭のボスのようなオリーブの木の下で
内側からパラパラあるオリーブを眺めながら
今年を振り返った。

自分の2023年も振り返ったり
家族の今年も振り返ったり.....

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2023年の春
イタリアの各地で洪水となるほど
雨が降った。

ブドウの木はカビの病気になったり
そのときから不作が予想された。

春、異常気象となると
果実の芽生えや開花や結実
さらには病となり
なかなか子だくさんとはいかない。

ヴィンチの旬の果物が
全然食べれなかった年だった。
たまに手にする果物は
ローカルなものはなかった。
スペイン産だったり
南イタリア産だと安心したり。

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ヴィンチのオリーブは
昨年度が豊作だったので
今年は不作の予想はしていたはものの
こんなにひどいとは予想外だった。

今年の異常気象だけが原因ではない。
もう果実を生む指示は
そのまえのオリーブの種のチカラ
指示をしていると、とても興味深いデーターを
農業講座で習ったっけ。

だからここ数年の異常気象に
オリーブたちは制御しているようなのだ。

オリーブは、ヒトのマーケットなんて関係ない。
去年いっぱい生んだから
今年は去年の分でなんとかやって!
みたいなノリだ。

去年のオリーブオイルがまだまだあるし
オリーブオイルの保存と管理がきちんとしてれば
開けるたびに、いい香りが鼻に入ってくる。

我が家のマイオリーブオイルはこだわって
搾油後すぐフィルターに通している。

フィルターに通すことで
酸化を速めてしまう不純物が取り除かれ
安心&安定で長期保存ができるのだ。

フィルターで漉されていないと
酸化して味がどんどんかわっていくので
同じように保存しても賞味期限が全く異なる。

本当のオリーブオイルの美しい味とは
私はフィルター後だとおもっている。

そういうことを知らない
オリーブ文化の国イタリアの民だって
そういうものだと思っていたりするので
興味を持って学ぶことは大切なのである。

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私は腕を痛めた。

さらには、毎日イタリア人にもまれながら
別の形で食品業に精を出している時期だ。

そして、オリーブ不作。。。

夫にできる分だけ収穫させて
お馴染みバイオダイナミック農法の農主の
収獲されたオリーブに混ぜてもらうことにした。

オリジナルオリーブオイルではなくなるけれど
オイルになる実を放っておけない。。。

だから農主のプログラムで収穫をする。

農主は派遣労働者に数人来てもらって
わーっと収穫してその日に搾油所に持っていく。

収穫後、早ければ早い方がいいけれど
48時間以内だったら、そう変わらないと
データーが出ていると教わった。

だから農主のプログラムに合わせた日に
収獲して、次の搾油日の日に
また私たちも収穫するのである。

10月27日の段階で
オリーブオイルの搾油率
11,5%だったそうだ。...低い。

実が少ない上にオイルの抽出量も少ない...

私たちは、あともう一回ぐらいの収穫。

残った黒オリーブは、塩漬けに
あえてとっておこうとおもう。



よく読まれています。
EVOオイルとは Olio Extra Vergine di Oliva



イタリアでブドウやオリーブ栽培を
学ばせていただきました。
カテゴリーオリーブ OLIVI より
当時の気持ちや状況を盛り込んで
貴重な体験を綴りました
エッセイPhoto Blogです。
もしよかったらお時間のある時に
どうぞご覧ください。
何か参考になることがあれば
これ幸いです!

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私が搾油してもらう搾油所は
ヴィンチの山の上のへんぴなところにある。
山だけど、木々は世紀を越えたオリーブの木だらけだ。

そんなところを、スイス人のオリーブ好きが買い取って
オリーブ栽培を手掛け始め
ヴィンチに住むオリーブ友と、何年も何年も研究を重ね
そしてそのオリーブ愛は
ただの愛好家ではおさまらなくなった。

搾油するスペースを設け
これまたマニアックに最新で最高級な搾油機を導入し
自分の農園で搾油をし始めた。
さすがスイス人だなぁ。

しかし彼の農園は、たった5000本しかオリーブは所有していない。
高額な搾油機は、一年に数回使うだけでは勿体無い
ヴィンチ地元民の搾油も承るビジネスを始めた。

彼のオリーブ愛は、有機栽培だ。
除草剤や殺虫剤を毒と呼んでいる。
自分のこだわりで営む搾油所を毒で汚染したくない。
彼は、農薬の注意書きだけではなく
彼が追究したオリーブの収穫におけるマニュアル書をつくった。

私が学んだオリーブ栽培や収穫方法とほぼ同じだが
もっと詳しく書いてあったりする。
さらには、搾油ビジネスに関わる持参する容器の洗い方まである。

その自作マニュアル書を渡され
これが守れなければ、搾油を承らないという。
そんなところも彼のこだわりでオリーブ愛なのである。

ここの搾油所は、ヴィンチのどこの搾油所よりも高い。
でも、この最新の最高級な搾油機と
主のオリーブ愛とこだわりと
主が選んだ搾油所の所長の対応が
私は大好きで、信用しまくっているのだ。

私だけではない。
声が広まって、オリーブ愛とこだわりをもつ人が集まってくる。
値段は、技術とこだわりと信用なのだ。

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搾油機はMORI社の機械を使っている。
このMORI社もこだわり派で
自身の研究を技術者に毎年更新報告する。
こだわり派はこだわり派の信用をかう。

今年は、今までの問題であったオイルと水分を分ける
遠心分離機の部分を大きくして
今までエネルギッシュに脱水していたところを
脱水しやすくして、もっともっとオイルだけを抽出するという
スペシャルな機械が導入されたそうだ。

今年は、300kgまでと指定があった。
予約は300kgで予約され
それ以上は前もっていうことになっている。

なるべく機械にあったオリーブの量で動かせば
意図した理想なオイルが搾れるからである。

私たちは、オリーブの実の量にあわせて
収穫する順番や場所を決めたりしていった。

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日陰のオリーブ畑は10月3週目
早熟品種なのに成熟が遅く緑が多く実も小さかった。
搾油率も最低で、8,9%と油分はなかった。

味は、油分が豊富なようなまろやかさには欠けるが
ポリフェノールの苦味や辛味が効いて濃厚なパンチがある。

家の周りは陽当たりが良く日陰のオリーブ畑より
実も膨らんでいたし、成熟度が良いように見えたが
畑全体に対し、成熟しているオリーブと未熟なオリーブ
半々ぐらいだったように思う。
10月4週目、2回搾油してもらって
12,5% と 12% という結果が出た。

味は、日陰のオリーブ畑よりだいぶまろやかさが増している。
トスカーナらしい、苦味と辛味が
ほどよく調和しているのではないかとおもう。

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さて、私が監修させていただいている
トッレセレーナという名の農園のオリーブは
日本人の舌や繊細な日本食にも合うようにと依頼され
11月の2週目に、私のマニュアルで収穫してもらい
即、私の信用するオリーブ愛のヴィンチの山の搾油所で
搾油とフィルタリングをしてもらった次第である。

搾油率はフィルタリング前で15%と出ている。
それでも15%しかないの?とイタリアでオリーブオイルを
自分たちでつくっている人は思うかもしれない。

こちらの最高級な搾油機は
エキストラヴァージンの規制、搾油時27度以下とあるが
ここは、20度と低温で搾る。
低温で搾ることによって
オイルに出てくる成分が壊されないというメリットがある。

その分、温度で油化させて抽出するところを
低温なので、油化されにくく
オイル量は少な目なところがデメリットかもしれないが
オリーブ愛好家は、高成分と美味を求めるのである。

搾油費用はどこよりも高いし、搾油率は低い。
ちっともコスパではないが、こだわる理由は
断然美味に仕上がる裏切らない搾油機なのである。

そして、収穫を遅くしたことで
どんどん熟れていき油分は増え、それによって
苦味辛味が抑えられよりまろやかになるのである。

是非、興味のある方は
下のサイトより予約販売がはじまりましたので
どうぞお試しくださいませ。



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よく読まれています ↓ ↓ ↓ 参考になれば嬉しいです。
EVOオイルとは Olio Extra Vergine di Oliva
オリーブオイルの搾油率 essere olio extravergine
オリーブオイルでスキンケア Oleolito a Freddo

または、親カテゴリー『オリーブ OLIVI』からお楽しみください。
さらに、子カテゴリー内にて様々なヴィンチのオリーブオイル
オリーブ栽培の話が詰まっていますので
お時間があるときにどうぞごゆっくりご覧ください。



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例年だったら10月中の最終週末までには終わらせてしまう。
サマータイムが終わって1時間早く暗くなるし
11月に入るとたいてい霧だの雨だの
オリーブの収穫を気持ちよくするには向いていないからだ。

しかし、オリーブの森の収穫が早過ぎたほど未熟なオリーブで
ポリフェノールは濃厚に詰まっているだろうが
実は小さく油分は少なかったので
こちらの畑は、少しでも成長に合わせた収穫をしたかった。

家の周りにあるオリーブ畑なので毎日のように観察している
このブログでもよく登場するオリーブたちだ。

日当たりがすこぶるよいオリーブたちは
収穫するには面倒なところに位置している。

やっぱり日陰になりがちなところは、熟れがあまい。

ここの畑は、2014年の9月トルネードに襲われた畑だ。
傷からウイルス菌が入って対処をしながら
丁寧に丁寧にゆっくり、剪定と樹形を整えてきた。
もう大胆に主枝をバッサリ剪定してしまおうとおもった木もある。
あまりにもウイルス菌が酷かった2本はバッサリ剪定した。

バッサリ剪定した木はようやく、らしい形になって
実をいっぱいつけるようになった。

バッサリを悩んでいた木には
それでも実のなる残してもいい枝が生まれていたので
枯れた枝を排除し、将来つかえそうな新枝を残していた。
でも思うような位置に生えてくるわけではないので
樹形的には不格好だった。

数年もの間あんなに失望的な木だったのに
今年はなんと、いっぱい最高な状態で実がついてくれた。

やっぱり諦めるものではない。
植物と向き合うことは、とにかく時間がかかるのだ。
私の体力が植物の時の流れに追いつかない。

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今年は、豊作だ。
去年不作だっただけに、わかっていたことだ。
だから、来年は不作であろう。

それでも、オリーブミバエの被害もなく
収獲の時期を少し遅らせたこともあって
オリーブの実が膨らんで形がいい。

トスカーナ料理にはぴったりだろう
苦味辛味のパンチの効いたオリーブオイルが出来上がってきそうな
オリーブの実だってすぐわかる。

オリーブの実を見て味が想像できるのだ。
それはなんてったって、息子のように育てている
愛おしいオリーブだからである。

収獲の前に、写真や動画なんかじゃなくって
生で見て欲しかったぐらい最高な状態で
すんごい豊作だった!

家から一番近いボスと呼んでいるオリーブの木は
私たちが一番に撫でて愛情を注いでいるからなのだろうか
メンタリティなオリーブなのである。

普段はスマフォで写真を撮ることのない夫でも
誰かに見せたいと撮っていた。
でも伝わんないよなぁ。。。

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私は、今年も手で持つタイプの収穫機をひとりで持ち続けた。
これで去年は腕をやられたっていうのに。
夫は、少し太めの枝に隠れているオリーブや
上の方のオリーブを手で収穫していた。

それと、夫の仕事はきれいに葉っぱ取り。
それと、それと、カゴを持ったりの力仕事。
それと、それと、それと、網をきっちり敷く係。

もちろん私も手伝うけど
私は首が痛かろう腕が痛かろう疲れていようが
ひたすら収穫をしなくてはいけない。
48時間以内に、予約済みの搾油所に持って行って搾油するのだ。

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やはり実がたくさんついていると
当然だけど収穫に時間がかかる。
嬉しい嘆きではないか。

春先、可愛い薄い緑色の芽が粒々ついて
初夏、花が可憐に...でも豪快に花粉を巻き散らして
葉っぱが花粉まみれになっていた。
いつの間にか結実していて、そのときは実の多さなんてわかんないんだ。
真夏、プツプツと実の存在が明確になってきて
晩夏あたりから膨らみ始めて
初秋、オリーブの木はカラフルに色づき
そこでやっと、わーっと胸が躍るんだ。
お互い笑っている感じ。

そんな彼らの成長を毎日のようにながめ見守っていると
まるで親子関係みたいになるのだ。

上の方の実を手持ち振動機でブルブルやっていると
上からオリーブの滝が落ちてくる。
頭にあたったり、顔にあたったり
メガネしててよかった、目にぶつかってきたり。
下の方もオリーブの滝はボトボト落ちていく。

滝から落ちてきたオリーブを集めると
オリーブの川ができるのだ。
その川は、黒光していて、時に色んな色が混ざって
緑から黒紫のグラデーションみたいなのができていて
またそこで、お互いわーっとなるのだ。

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時間がないし、人手は足りないし、体力使うし、大変なんだけど
でもやっぱりこの子たちの変化していく姿をこの目で見届けて
完璧に絞ってくれる搾油所でオリーブオイルにしてあげて
私の体の中に浸透して、栄養にまでなっていく
オリーブとの暮らしは、家族のように居て当たり前のようなのだ。

オリーブの森は手放すけれど
我が家のボスオリーブと家の周りのオリーブの管理はもう
私たちのルーティーンなのである。

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私が監修させていただいたオリーブオイルが
日本限定で購入することができます!
コチラより予約注文が本日開始されました。
いつも読んでくださっているブログ読者さんから
発表させていただいた次第です。
おってエピソードやレポートなど
じっくり綴りたいとおもいますのでお楽しみに。



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オリーブオイルの搾油率 essere olio extravergine
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現在の勤務先は、ヴィンチの丘を3つぐらい超えたところにある。
毎日、毎朝、同じ丘だけど違う空気と光がある。
いちいち止まって写真を撮りたいぐらいだ。

ある日、霧のある日、モヤモヤした中に丘の上のヴィンチ村や
オリーブ畑やブドウ畑が、なんとなく色なく静かに佇んでいた。

ある日、重そうな靄が地面に近いところだけ覆っている。

ある日、ちょっと軽くなった靄が教会の塔より低く村々を覆っていた。
その上の空は快晴で、朝日が煌々と丘の下から靄の中から照らしていた。

ある日、サマータイムが終わる頃、木々の陰の長さと弱くなった光に
長かった夏をなんとなく思い出した。

ある日、サマータイムが終わって、朝がまた明るくなった。

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9月、まだまだブドウの収穫が長引いていたヴィンチの丘は
晩夏を超えて一気に秋を迎えたように涼しかった。
だから、ブドウのアルコール度数や果実や果汁を増すために
収獲を伸ばしていたのだ。

10月、天気はまぁまぁいいけれど、気温だってまぁまぁいいけれど
オリーブミバエの産卵に適した湿度と気温に
オドオドさせるような天気が続き、場所によっては
ミバエが飛び回っていた地域もあったそうだ。

そんなこんなんで、ものすごく早くから
オリーブの収穫をはじめている人がチラホラいた。

私は、夏の状態でミバエの被害は決まると思っている。
2022年の夏は長かったし暑かったし水不足であった。
ミバエは40℃の気温だと死んじゃうと学んだ。
生き残っても、産卵させるエネルギーてそう残ってないとおもう。

それでも10月のようなあいまいな生暖かい天気が11月も続いたら
遅咲き品種のオリーブはもしかしてもしかすると
調子を取り戻してきたミバエに卵を産み付けられてしまうだろうと
ミバエを近寄らせないオーガニックの方法で手を打っていた農園もいた。

もしくは、オーガニックなんかに耳もかさない農園は
予防なのに殺虫剤を巻き散らしていて
ヒトまで息苦しくなるほどだった。通るだけですぐわかる。

その殺虫剤は、木自体に浸透させて樹液が毒混じりとなって
それを食べるミバエの幼虫たちは這い出て死んでいくという方法なので
オリーブオイルにその殺虫剤が検出されているという事実を
以前の講習会で知って驚いたものだ。

オーガニックの予防は、ブドウでもそうだけど
浸透させる方法ではなく
表面に吹き付ける方法なので
雨などで落ちがちだけれども
搾油の前にきっちり実を洗うときに完璧に落ちるので問題がないのだ。

農薬もオーガニックも、散布は収穫の一か月前まで。

ちなみに、オリーブミバエの天敵は、害鳥呼ばわりされているムクドリ。
大群で踊りながらオリーブ畑からオリーブ畑へ。

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私は、そういうわけでミバエの心配はしていなかったけれども
あの日陰が多くて虫がたむろう
それでも野草や土はいつもフサフサで
隔年性のないオリーブ畑を、観察しに行った。

なにしろ日陰がちなこのオリーブ畑のオリーブは
実が小さく、成熟が遅かった。
全体的に緑のまんまなオリーブだらけだったけど
こいつらが成熟しきるまでにあと一ヶ月はかかりそうだ。

通常だったら雨振りの多い11月に
ぬかる地面での収穫は避けたい。

というわけで、とっとと収穫しちまうことにした!

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毎年毎年実をつける。
ただ日当たりが悪いだけだ。
でも日当たりが良かったら、こんなに土はフサフサしていないだろう。
カラッとしてないから土の中で微生物がたくさん生まれるのだ。
微生物のサイクルがオリーブの肥やしになっているのだ。

あ、ミバエの形跡がある。
中をあけると、3週間は経っているものだ。もう幼虫はいない。
きっと10月の頭頃に産卵したものだろう。
幼虫はいないけれどもフレッシュ感は残っている。

数個ミバエの形跡のあるオリーブを見つけたけれど
パーセンテージで出すほどの数ではない。

さぁ、どんどんいこう。

あぁ。このオリーブの木は、大きく下の方から剪定して
うまいこと生えてきた新枝を主幹にしようと大切に育てていた木だ。
嬉しいじゃないか、実をようやくつけはじめた。
もう4年ぐらいは経ったのではないか。

この枝もあの枝も、意図して残した枝に実が成っている。
いろいろ研究しながら樹形を整えてきた。

私は肩を痛めていたから、前回の冬の剪定はしなかったんだ。

あ、こんなところから主幹として残せそうな立派な新枝が生まれている。
そうすれば、日の当たる上しか実のなる枝が生まれなかった木を丸ごと
バッサリ剪定してしまうことができる。
きっとこの幹の寿命だったのではないかとおもうよ。

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私は、この日陰のオリーブ畑を手放そうとおもう。
亡くなられた奥様が大切にされていたオリーブ畑で
ご主人様が依頼してきたのだ。
そのご主人も亡くなられ、いい歳の娘と娘の夫に
お返ししようとおもう。

スピリチュアルな畑だった。
コロンコロンと妖精のような魂が飛んでいるような
オリーブの森だった。

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私が監修させていただくオリーブオイルが
日本限定で購入することができます!
詳細が発表され次第
ブログやSNSでお知らせしますので、お楽しみに!

日本の料理文化に合うだろう落ち着いた味つくりには
11月のオリーブの収穫を計画しています。
もうしばらくお待ちください。



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EVOオイルとは Olio Extra Vergine di Oliva
オリーブオイルの搾油率 essere olio extravergine
オリーブオイルでスキンケア Oleolito a Freddo

または、親カテゴリー『オリーブ OLIVI』からお楽しみください。
さらに、子カテゴリー内にて様々なヴィンチのオリーブオイル
オリーブ栽培の話が詰まっていますので
お時間があるときにどうぞごゆっくりご覧ください。



Grazie di aver visitato!
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。
今週も素敵な一週間をお過ごしください。




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