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イタリアのミラノがあるロンバルディア州の
コドーニョという小さな町のある町民が
2020年2月21日、コロナ感染者第一号と診断された。
そして2月22日、コドーニョはロックダウンがはじまった。

我々はあの日、家族みんながお友だちのおウチで
少年の13歳のお誕生日を祝ってもらっていた。

あれからすぐにコロナが騒ぎ始め
学校の課外授業スキーに行くはずだったのに中止になった。
雪山でも歩ける靴を買いに行ったのに
一度も使うことなく箱に入ったままである。
まるで時が止まったようだ。

それから二週間後にはイタリア中緊急事態宣言がでて
ロックダウンになったんだっけ。
でもさ、お誕生日をお友だちと過ごせてよかったじゃん
と騙し騙し今まできた。

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家に閉じこもらなくてはいけなくなってからというもの
スマフォを操って、それも日々の騙しと化した。
それまではもう少し規則正しく過ごせてたような気がする。
プツッと学校もスポーツも外出もなくなって
スマフォが少年の友だちとなった。

今ではスマフォくんとずっと一緒で、テレビさえもみなくなった。
SIMの70GBなんて半月で終わっちゃう。
だから今日、宿題の読書をしていたのに
スマフォくんが不意に落下してフリーズしてしまった。
少年はわんわん泣いた。
「ボクの弟だったのに...。」そんなことを言った。
弟だったのか...。兄ではなく友でもない。

Googleからお知らせがきた。
少年クン、14歳になりますね!
自己管理できますけどどうしますか?お母さん。

イタリアの14歳て、ようやく一人でお留守番できたり
付き添い無しで飛行機にも乗れたり
50ccのスクーターの免許も取れて運転できる。
あとはなんだろう...
成人は18歳みたいだけど
14歳でプレ線引があって、ことな扱いされる。

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スマフォくん調子悪くなっちゃったと同時に
デスクトップPCがやってきた。なんだか運命である。

どこにも行けないからバラバラにネットで購入した。
二つぐらい同じサイトで購入してもバラバラに届いた。
商品を運んでくれた運送屋さんはみんな若者たちだった。

大きな画面でリモート授業ができて資料が読めて作成できる
と母は妄想し、少年は大きな画面でムービーとゲームができる
と、この一年間PCの必要性を感じていた。

勉強机は特に今まであつらえることなく過ごし、居間の大テーブル
もしくは正座して私の学生時代の製図版の上で勉強をしていた。
時にはソファーでやっていたこともあったし、今も
だから勉強机の必要性を誰も感じなかった。

私が小学生の頃、2段式になっているピンクの勉強机を
持っていた。その上段の部分は目線よりちょっと高めで
辞書とか教科書とかがホイホイ出せる棚がついていた。
その棚の下に蛍光灯がついていて
机上には世界地図が挟まってるシリコンの下敷きがあって
下には引き出しがいっぱいあるやつ。
机が届いた日かな、私は喜んでいる姿で写真が残っている。
私も喜んでいたけど、一番喜んでいたのは私の母かもしれない。

でもその机は思春期になるにつれて、とてもダサく感じていった。
最後にはそこで勉強することなく、荷物置き場となっていた。
座敷タイプの机を買ってもらって床に座って勉強していた。
雑誌とかも増えていって、カラーボックスを横にして
本棚にしていた。すでにワンルームの一人暮らし風であった。

だから私は、少年の部屋を未完成にしていたのである。

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この時代のプレ線引された14歳のことなたちは
どこへ向かっていくのだろう。
私のスマフォなんかなかった時代、なにして過ごしてたっけ?
部活やってちょっと勉強してテレビみてマンガみて
友だちとダラダラ遊んでしゃべって、男子意識しながら遊んだり。

席が隣だったまっちゃんという男子がおもしろい子で
私はずっと笑ってた記憶がある。
ある時、にぎりっぺ(オナラを握って鼻の前で手を放す)
されたことがあって、猛烈に臭くって
まっちゃんが大笑いしながらこっち見てる顔は何故かよく覚えてる。
げっぷとかおならとか平気でするような子だった。
と、少年に語ると、そんな事する子は誰もいないという。

中学生に関係なく、でも中学生ぐらいから
グループってABCってある、と思うし思っている。
Aがちょっと不良っぽくて目立つタイプ。
Bが普通でおもしろいタイプ。
Cがガリ勉くんとかオタク系の人前ではおとなしいタイプ。
学校ではそういうのある?グループってあるの?
少年はどんなタイプなの?と聞くと
「グループってあまりない。」とつまらないことを言う。
みんな誰とでも一緒にいられるし
日に日に一緒にいる人が違うそう。
ま、人数が倍違うからね。
ひとクラス40人以上いたんだよ、というとかなり驚いていた。

話がなかなか合わないけど
ある時近所の女子たちの散歩中かな、連絡があったのかな
急に身なりを整えて飛び出していった日があった。
私も似たようなシーンを振り返っていた。
話し合わなくても時代関係なく話が合ったようだった。

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いったいコロナはいつ終わるんだ。
だんだん騙しだってきかなくなってくるじゃないか。
それでも時代と成長に合わせて、ありあわせの勉強机と
辞書や本や資料や声も動画もホイホイ取り出せるPCで
勉強しておくれ。弟のスマフォくんはまた考えよう。
特別な日も毎日もなんだかあまり変わらないけれど
とりあえず祝っとこ。
プレ線引の14歳のことなへようこそ、おめでとう。





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