オリーブの剪定は2月3月が最適だ。
しかし、トスカーナは
3月終わりから4月の始め頃に起こりやすい
夜の冷たい霜がオリーブ畑を覆うと
弱いオリーブは生気を失う。
ブドウも樹液の流動がはじまって
芽吹いたブドウたちは凍って枯れてしまう。
今年もハラハラした。
そういうことがあるから
大きい枝はできたら一番最後に剪定する。
小さい枝の剪定は
とっとと終わらせる。
切り口の大きさで負傷の度合いがかわる。
一昨年の剪定は
その前のオリーブの収穫で
私は二の腕あたりを痛めていたので
剪定を覚えてくれない夫にケンカしーしー
エネルギーをすいとる枝を除去する剪定を
中心にやってもらって
本格的な剪定はしなかった。
それでも毎年剪定しているので
時にはいい。
しかし、次の年は大変だ。
枝は固くなるし太くなる。
その枝にエネルギーが集中して
実をたくさんつけてほしい枝は
元気がなくなる。
とにかく日に当たらないと
葉っぱも生まれなければ実も生まれない。
調度いい場所にある枝は維持したいじゃないか。
今年は、今まで未熟な私の
残しまくった枝たちを
整理する剪定を中心にやった。
いやいやその前の管理主の
残した枝も整理したい。
オリーブの剪定にはいくつか法則がある。
私も経験を積んでみいだしてきたことだ。
基本中の基本は
オリーブの樹形が
幹が1Mぐらいの高さまであって
そして3本か4本の主軸に分かれていて
その主軸1本ずつが円錐状になっていること。
イタリアでは
Vaso Policonicoヴァーゾ ポリコーニコとよばれる
イタリア中心部では最もメジャーな樹形だ。
私は、この樹形を説明するプロの剪定士も
一番最適な樹形だと思っている。
きっと土地や気候に合うのだろう。
手で持つ振動機の半手摘みの収穫がしやすいし
日にも全体的に当たりやすい。
樹形の中心部は空洞で内側からも日が当たる。
個別円錐状の主軸からは
5~7本の第二の枝が生えている。
剪定の狙いは
とにかく日当たりをよくすること
収穫が速くできる形
おいしい実がたくさんつくように
エネルギーをそっちに集中させてあげること
なのだ。
樹形は、いたってシンプルだし
分かりやすい。
剪定では、どれを剪定するかだ。
基本中の基本はわかった。
次に追っていく法則は
主軸が高くなりすぎないこと
円錐状を小さめにおさえること
第二の枝を長くさせないこと
上の方はそういうわけで
細くなっているのが円錐だ。
上の方は日がよく当たるので
良い枝やエネルギーをすいとる枝が生えやすい。
それを処理していく。
第二の枝の先になるのが実のなる枝だ。
その実のなる枝は柔らかくてクルンとしてて
垂れ下がる感じのグループの枝が
良い実がなる枝。
その実のなるグループの枝から
ちょっと長めに元気の良い
また似たようなグループ枝が生えている。
将来それを使うこともあるし
じつはその枝がエネルギーに満ちていて
長さによってはその枝も剪定する。
直立した新枝の除去はもちろん
主軸や第二の枝の付け根の周りをスッキリさせていく。
内側へ向かっている枝
上へ向かっている枝も。
私は今回
全体の樹形と円錐と円錐の空間
第二の枝の数と長さ
そのエネルギーに満ちた枝の選択
をパキパキ判断していったら
だいぶ速くできるようになった。
そう、もうひとつの法則は
新しい枝ばかり残さないということ。
オリーブの実は、ブドウと違って
1年目の枝にできるのではなく
2~3年経った残した枝に実がつく。
消耗した枝は除去した方がいいけれど
時間を気にするなら
グループの枝を数年後にバッサリの方が
速く剪定できるかもしれない。
それと、完璧は求めない。
届かないところは諦める。
完璧にできてなくても
オリーブは葉から栄養を送り込んでいる。
いっぱい剪定しちゃったけれど
10~20%の剪定で十分なのだ。
剪定をすればするほど
どんどんエネルギーに満ちた直立した新枝が生まれ
次の剪定がまた大変なことになる。
彼らの葉っぱのなければいけない量って
じつはあるのではないかとおもう。
そりゃそうだ
彼らの呼吸と栄養素、糧となる葉だ。
今回私が使った道具は
腰に、剪定ハサミと折り畳み式小さなノコギリ
私のは調節はできないけど1M以上の長いノコギリ
少し太い枝が切れるテコバサミ
電動チェンソー
木に登るだけの二段ベットで使うような短いハシゴ
登る時に便利な枝がないときは
面倒だけど長いハシゴ
長いハシゴのときは必ず木に縛って。
皮の軍手
メガネ
帽子
先が少し固くて底がしっかり刻みのある靴
(木に登る時安全)
日焼け止め(日に向かって剪定をしている)
毎日シャワーを浴びる
(木屑をあびたり、木を抱きつきながら剪定をしている)
絶対にオリーブの剪定で
怪我をしたくない。
これでもかというぐらい慎重にやっている。
オリーブの剪定の事故を度々耳にする。
それでもやっぱり
私は、オリーブの剪定が好きみたいだ。
私より何倍も大きい樹。
剪定をはじめるときはため息つくんだけど
やりだすと止まらない。
中途半端もイヤできっちりやっちゃう。
剪定後収穫まで
芽吹いてきて成長している姿を
観察してるのが好きなのだ。
前のオリーブの収穫が豊作だったので
今年は少ないだろう。
でも、その次の豊作のために私は
空間つくりと
エネルギーを集中させるための道しるべを
つくるのである。
なんかどこか私たちの生活と似ている感が
私には親近感がある。
大変とリスク付きなんか
まさしく生活そのものなのだ。
☆
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最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。
今週も素敵な一週間をお過ごしください。
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