大地の住人 ヴィンチの丘で

地球と体に優しいコト ~イタリアから~

フィレンツェの端っこレオナルド・ダ・ヴィンチのふるさとヴィンチの丘に在住。 大地の自然たちと向き合って地球と体に優しい様々なコト、発見・提案・発信!

カテゴリ:オリーブ OLIVI > 収穫 Raccolta

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2023年、オリーブは実らなかった。

我が庭のボスのようなオリーブの木の下で
内側からパラパラあるオリーブを眺めながら
今年を振り返った。

自分の2023年も振り返ったり
家族の今年も振り返ったり.....

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2023年の春
イタリアの各地で洪水となるほど
雨が降った。

ブドウの木はカビの病気になったり
そのときから不作が予想された。

春、異常気象となると
果実の芽生えや開花や結実
さらには病となり
なかなか子だくさんとはいかない。

ヴィンチの旬の果物が
全然食べれなかった年だった。
たまに手にする果物は
ローカルなものはなかった。
スペイン産だったり
南イタリア産だと安心したり。

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ヴィンチのオリーブは
昨年度が豊作だったので
今年は不作の予想はしていたはものの
こんなにひどいとは予想外だった。

今年の異常気象だけが原因ではない。
もう果実を生む指示は
そのまえのオリーブの種のチカラ
指示をしていると、とても興味深いデーターを
農業講座で習ったっけ。

だからここ数年の異常気象に
オリーブたちは制御しているようなのだ。

オリーブは、ヒトのマーケットなんて関係ない。
去年いっぱい生んだから
今年は去年の分でなんとかやって!
みたいなノリだ。

去年のオリーブオイルがまだまだあるし
オリーブオイルの保存と管理がきちんとしてれば
開けるたびに、いい香りが鼻に入ってくる。

我が家のマイオリーブオイルはこだわって
搾油後すぐフィルターに通している。

フィルターに通すことで
酸化を速めてしまう不純物が取り除かれ
安心&安定で長期保存ができるのだ。

フィルターで漉されていないと
酸化して味がどんどんかわっていくので
同じように保存しても賞味期限が全く異なる。

本当のオリーブオイルの美しい味とは
私はフィルター後だとおもっている。

そういうことを知らない
オリーブ文化の国イタリアの民だって
そういうものだと思っていたりするので
興味を持って学ぶことは大切なのである。

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私は腕を痛めた。

さらには、毎日イタリア人にもまれながら
別の形で食品業に精を出している時期だ。

そして、オリーブ不作。。。

夫にできる分だけ収穫させて
お馴染みバイオダイナミック農法の農主の
収獲されたオリーブに混ぜてもらうことにした。

オリジナルオリーブオイルではなくなるけれど
オイルになる実を放っておけない。。。

だから農主のプログラムで収穫をする。

農主は派遣労働者に数人来てもらって
わーっと収穫してその日に搾油所に持っていく。

収穫後、早ければ早い方がいいけれど
48時間以内だったら、そう変わらないと
データーが出ていると教わった。

だから農主のプログラムに合わせた日に
収獲して、次の搾油日の日に
また私たちも収穫するのである。

10月27日の段階で
オリーブオイルの搾油率
11,5%だったそうだ。...低い。

実が少ない上にオイルの抽出量も少ない...

私たちは、あともう一回ぐらいの収穫。

残った黒オリーブは、塩漬けに
あえてとっておこうとおもう。



よく読まれています。
EVOオイルとは Olio Extra Vergine di Oliva



イタリアでブドウやオリーブ栽培を
学ばせていただきました。
カテゴリーオリーブ OLIVI より
当時の気持ちや状況を盛り込んで
貴重な体験を綴りました
エッセイPhoto Blogです。
もしよかったらお時間のある時に
どうぞご覧ください。
何か参考になることがあれば
これ幸いです!

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私が搾油してもらう搾油所は
ヴィンチの山の上のへんぴなところにある。
山だけど、木々は世紀を越えたオリーブの木だらけだ。

そんなところを、スイス人のオリーブ好きが買い取って
オリーブ栽培を手掛け始め
ヴィンチに住むオリーブ友と、何年も何年も研究を重ね
そしてそのオリーブ愛は
ただの愛好家ではおさまらなくなった。

搾油するスペースを設け
これまたマニアックに最新で最高級な搾油機を導入し
自分の農園で搾油をし始めた。
さすがスイス人だなぁ。

しかし彼の農園は、たった5000本しかオリーブは所有していない。
高額な搾油機は、一年に数回使うだけでは勿体無い
ヴィンチ地元民の搾油も承るビジネスを始めた。

彼のオリーブ愛は、有機栽培だ。
除草剤や殺虫剤を毒と呼んでいる。
自分のこだわりで営む搾油所を毒で汚染したくない。
彼は、農薬の注意書きだけではなく
彼が追究したオリーブの収穫におけるマニュアル書をつくった。

私が学んだオリーブ栽培や収穫方法とほぼ同じだが
もっと詳しく書いてあったりする。
さらには、搾油ビジネスに関わる持参する容器の洗い方まである。

その自作マニュアル書を渡され
これが守れなければ、搾油を承らないという。
そんなところも彼のこだわりでオリーブ愛なのである。

ここの搾油所は、ヴィンチのどこの搾油所よりも高い。
でも、この最新の最高級な搾油機と
主のオリーブ愛とこだわりと
主が選んだ搾油所の所長の対応が
私は大好きで、信用しまくっているのだ。

私だけではない。
声が広まって、オリーブ愛とこだわりをもつ人が集まってくる。
値段は、技術とこだわりと信用なのだ。

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搾油機はMORI社の機械を使っている。
このMORI社もこだわり派で
自身の研究を技術者に毎年更新報告する。
こだわり派はこだわり派の信用をかう。

今年は、今までの問題であったオイルと水分を分ける
遠心分離機の部分を大きくして
今までエネルギッシュに脱水していたところを
脱水しやすくして、もっともっとオイルだけを抽出するという
スペシャルな機械が導入されたそうだ。

今年は、300kgまでと指定があった。
予約は300kgで予約され
それ以上は前もっていうことになっている。

なるべく機械にあったオリーブの量で動かせば
意図した理想なオイルが搾れるからである。

私たちは、オリーブの実の量にあわせて
収穫する順番や場所を決めたりしていった。

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日陰のオリーブ畑は10月3週目
早熟品種なのに成熟が遅く緑が多く実も小さかった。
搾油率も最低で、8,9%と油分はなかった。

味は、油分が豊富なようなまろやかさには欠けるが
ポリフェノールの苦味や辛味が効いて濃厚なパンチがある。

家の周りは陽当たりが良く日陰のオリーブ畑より
実も膨らんでいたし、成熟度が良いように見えたが
畑全体に対し、成熟しているオリーブと未熟なオリーブ
半々ぐらいだったように思う。
10月4週目、2回搾油してもらって
12,5% と 12% という結果が出た。

味は、日陰のオリーブ畑よりだいぶまろやかさが増している。
トスカーナらしい、苦味と辛味が
ほどよく調和しているのではないかとおもう。

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さて、私が監修させていただいている
トッレセレーナという名の農園のオリーブは
日本人の舌や繊細な日本食にも合うようにと依頼され
11月の2週目に、私のマニュアルで収穫してもらい
即、私の信用するオリーブ愛のヴィンチの山の搾油所で
搾油とフィルタリングをしてもらった次第である。

搾油率はフィルタリング前で15%と出ている。
それでも15%しかないの?とイタリアでオリーブオイルを
自分たちでつくっている人は思うかもしれない。

こちらの最高級な搾油機は
エキストラヴァージンの規制、搾油時27度以下とあるが
ここは、20度と低温で搾る。
低温で搾ることによって
オイルに出てくる成分が壊されないというメリットがある。

その分、温度で油化させて抽出するところを
低温なので、油化されにくく
オイル量は少な目なところがデメリットかもしれないが
オリーブ愛好家は、高成分と美味を求めるのである。

搾油費用はどこよりも高いし、搾油率は低い。
ちっともコスパではないが、こだわる理由は
断然美味に仕上がる裏切らない搾油機なのである。

そして、収穫を遅くしたことで
どんどん熟れていき油分は増え、それによって
苦味辛味が抑えられよりまろやかになるのである。

是非、興味のある方は
下のサイトより予約販売がはじまりましたので
どうぞお試しくださいませ。



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よく読まれています ↓ ↓ ↓ 参考になれば嬉しいです。
EVOオイルとは Olio Extra Vergine di Oliva
オリーブオイルの搾油率 essere olio extravergine
オリーブオイルでスキンケア Oleolito a Freddo

または、親カテゴリー『オリーブ OLIVI』からお楽しみください。
さらに、子カテゴリー内にて様々なヴィンチのオリーブオイル
オリーブ栽培の話が詰まっていますので
お時間があるときにどうぞごゆっくりご覧ください。



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例年だったら10月中の最終週末までには終わらせてしまう。
サマータイムが終わって1時間早く暗くなるし
11月に入るとたいてい霧だの雨だの
オリーブの収穫を気持ちよくするには向いていないからだ。

しかし、オリーブの森の収穫が早過ぎたほど未熟なオリーブで
ポリフェノールは濃厚に詰まっているだろうが
実は小さく油分は少なかったので
こちらの畑は、少しでも成長に合わせた収穫をしたかった。

家の周りにあるオリーブ畑なので毎日のように観察している
このブログでもよく登場するオリーブたちだ。

日当たりがすこぶるよいオリーブたちは
収穫するには面倒なところに位置している。

やっぱり日陰になりがちなところは、熟れがあまい。

ここの畑は、2014年の9月トルネードに襲われた畑だ。
傷からウイルス菌が入って対処をしながら
丁寧に丁寧にゆっくり、剪定と樹形を整えてきた。
もう大胆に主枝をバッサリ剪定してしまおうとおもった木もある。
あまりにもウイルス菌が酷かった2本はバッサリ剪定した。

バッサリ剪定した木はようやく、らしい形になって
実をいっぱいつけるようになった。

バッサリを悩んでいた木には
それでも実のなる残してもいい枝が生まれていたので
枯れた枝を排除し、将来つかえそうな新枝を残していた。
でも思うような位置に生えてくるわけではないので
樹形的には不格好だった。

数年もの間あんなに失望的な木だったのに
今年はなんと、いっぱい最高な状態で実がついてくれた。

やっぱり諦めるものではない。
植物と向き合うことは、とにかく時間がかかるのだ。
私の体力が植物の時の流れに追いつかない。

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今年は、豊作だ。
去年不作だっただけに、わかっていたことだ。
だから、来年は不作であろう。

それでも、オリーブミバエの被害もなく
収獲の時期を少し遅らせたこともあって
オリーブの実が膨らんで形がいい。

トスカーナ料理にはぴったりだろう
苦味辛味のパンチの効いたオリーブオイルが出来上がってきそうな
オリーブの実だってすぐわかる。

オリーブの実を見て味が想像できるのだ。
それはなんてったって、息子のように育てている
愛おしいオリーブだからである。

収獲の前に、写真や動画なんかじゃなくって
生で見て欲しかったぐらい最高な状態で
すんごい豊作だった!

家から一番近いボスと呼んでいるオリーブの木は
私たちが一番に撫でて愛情を注いでいるからなのだろうか
メンタリティなオリーブなのである。

普段はスマフォで写真を撮ることのない夫でも
誰かに見せたいと撮っていた。
でも伝わんないよなぁ。。。

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私は、今年も手で持つタイプの収穫機をひとりで持ち続けた。
これで去年は腕をやられたっていうのに。
夫は、少し太めの枝に隠れているオリーブや
上の方のオリーブを手で収穫していた。

それと、夫の仕事はきれいに葉っぱ取り。
それと、それと、カゴを持ったりの力仕事。
それと、それと、それと、網をきっちり敷く係。

もちろん私も手伝うけど
私は首が痛かろう腕が痛かろう疲れていようが
ひたすら収穫をしなくてはいけない。
48時間以内に、予約済みの搾油所に持って行って搾油するのだ。

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やはり実がたくさんついていると
当然だけど収穫に時間がかかる。
嬉しい嘆きではないか。

春先、可愛い薄い緑色の芽が粒々ついて
初夏、花が可憐に...でも豪快に花粉を巻き散らして
葉っぱが花粉まみれになっていた。
いつの間にか結実していて、そのときは実の多さなんてわかんないんだ。
真夏、プツプツと実の存在が明確になってきて
晩夏あたりから膨らみ始めて
初秋、オリーブの木はカラフルに色づき
そこでやっと、わーっと胸が躍るんだ。
お互い笑っている感じ。

そんな彼らの成長を毎日のようにながめ見守っていると
まるで親子関係みたいになるのだ。

上の方の実を手持ち振動機でブルブルやっていると
上からオリーブの滝が落ちてくる。
頭にあたったり、顔にあたったり
メガネしててよかった、目にぶつかってきたり。
下の方もオリーブの滝はボトボト落ちていく。

滝から落ちてきたオリーブを集めると
オリーブの川ができるのだ。
その川は、黒光していて、時に色んな色が混ざって
緑から黒紫のグラデーションみたいなのができていて
またそこで、お互いわーっとなるのだ。

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時間がないし、人手は足りないし、体力使うし、大変なんだけど
でもやっぱりこの子たちの変化していく姿をこの目で見届けて
完璧に絞ってくれる搾油所でオリーブオイルにしてあげて
私の体の中に浸透して、栄養にまでなっていく
オリーブとの暮らしは、家族のように居て当たり前のようなのだ。

オリーブの森は手放すけれど
我が家のボスオリーブと家の周りのオリーブの管理はもう
私たちのルーティーンなのである。

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私が監修させていただいたオリーブオイルが
日本限定で購入することができます!
コチラより予約注文が本日開始されました。
いつも読んでくださっているブログ読者さんから
発表させていただいた次第です。
おってエピソードやレポートなど
じっくり綴りたいとおもいますのでお楽しみに。



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現在の勤務先は、ヴィンチの丘を3つぐらい超えたところにある。
毎日、毎朝、同じ丘だけど違う空気と光がある。
いちいち止まって写真を撮りたいぐらいだ。

ある日、霧のある日、モヤモヤした中に丘の上のヴィンチ村や
オリーブ畑やブドウ畑が、なんとなく色なく静かに佇んでいた。

ある日、重そうな靄が地面に近いところだけ覆っている。

ある日、ちょっと軽くなった靄が教会の塔より低く村々を覆っていた。
その上の空は快晴で、朝日が煌々と丘の下から靄の中から照らしていた。

ある日、サマータイムが終わる頃、木々の陰の長さと弱くなった光に
長かった夏をなんとなく思い出した。

ある日、サマータイムが終わって、朝がまた明るくなった。

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9月、まだまだブドウの収穫が長引いていたヴィンチの丘は
晩夏を超えて一気に秋を迎えたように涼しかった。
だから、ブドウのアルコール度数や果実や果汁を増すために
収獲を伸ばしていたのだ。

10月、天気はまぁまぁいいけれど、気温だってまぁまぁいいけれど
オリーブミバエの産卵に適した湿度と気温に
オドオドさせるような天気が続き、場所によっては
ミバエが飛び回っていた地域もあったそうだ。

そんなこんなんで、ものすごく早くから
オリーブの収穫をはじめている人がチラホラいた。

私は、夏の状態でミバエの被害は決まると思っている。
2022年の夏は長かったし暑かったし水不足であった。
ミバエは40℃の気温だと死んじゃうと学んだ。
生き残っても、産卵させるエネルギーてそう残ってないとおもう。

それでも10月のようなあいまいな生暖かい天気が11月も続いたら
遅咲き品種のオリーブはもしかしてもしかすると
調子を取り戻してきたミバエに卵を産み付けられてしまうだろうと
ミバエを近寄らせないオーガニックの方法で手を打っていた農園もいた。

もしくは、オーガニックなんかに耳もかさない農園は
予防なのに殺虫剤を巻き散らしていて
ヒトまで息苦しくなるほどだった。通るだけですぐわかる。

その殺虫剤は、木自体に浸透させて樹液が毒混じりとなって
それを食べるミバエの幼虫たちは這い出て死んでいくという方法なので
オリーブオイルにその殺虫剤が検出されているという事実を
以前の講習会で知って驚いたものだ。

オーガニックの予防は、ブドウでもそうだけど
浸透させる方法ではなく
表面に吹き付ける方法なので
雨などで落ちがちだけれども
搾油の前にきっちり実を洗うときに完璧に落ちるので問題がないのだ。

農薬もオーガニックも、散布は収穫の一か月前まで。

ちなみに、オリーブミバエの天敵は、害鳥呼ばわりされているムクドリ。
大群で踊りながらオリーブ畑からオリーブ畑へ。

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私は、そういうわけでミバエの心配はしていなかったけれども
あの日陰が多くて虫がたむろう
それでも野草や土はいつもフサフサで
隔年性のないオリーブ畑を、観察しに行った。

なにしろ日陰がちなこのオリーブ畑のオリーブは
実が小さく、成熟が遅かった。
全体的に緑のまんまなオリーブだらけだったけど
こいつらが成熟しきるまでにあと一ヶ月はかかりそうだ。

通常だったら雨振りの多い11月に
ぬかる地面での収穫は避けたい。

というわけで、とっとと収穫しちまうことにした!

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毎年毎年実をつける。
ただ日当たりが悪いだけだ。
でも日当たりが良かったら、こんなに土はフサフサしていないだろう。
カラッとしてないから土の中で微生物がたくさん生まれるのだ。
微生物のサイクルがオリーブの肥やしになっているのだ。

あ、ミバエの形跡がある。
中をあけると、3週間は経っているものだ。もう幼虫はいない。
きっと10月の頭頃に産卵したものだろう。
幼虫はいないけれどもフレッシュ感は残っている。

数個ミバエの形跡のあるオリーブを見つけたけれど
パーセンテージで出すほどの数ではない。

さぁ、どんどんいこう。

あぁ。このオリーブの木は、大きく下の方から剪定して
うまいこと生えてきた新枝を主幹にしようと大切に育てていた木だ。
嬉しいじゃないか、実をようやくつけはじめた。
もう4年ぐらいは経ったのではないか。

この枝もあの枝も、意図して残した枝に実が成っている。
いろいろ研究しながら樹形を整えてきた。

私は肩を痛めていたから、前回の冬の剪定はしなかったんだ。

あ、こんなところから主幹として残せそうな立派な新枝が生まれている。
そうすれば、日の当たる上しか実のなる枝が生まれなかった木を丸ごと
バッサリ剪定してしまうことができる。
きっとこの幹の寿命だったのではないかとおもうよ。

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私は、この日陰のオリーブ畑を手放そうとおもう。
亡くなられた奥様が大切にされていたオリーブ畑で
ご主人様が依頼してきたのだ。
そのご主人も亡くなられ、いい歳の娘と娘の夫に
お返ししようとおもう。

スピリチュアルな畑だった。
コロンコロンと妖精のような魂が飛んでいるような
オリーブの森だった。

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私が監修させていただくオリーブオイルが
日本限定で購入することができます!
詳細が発表され次第
ブログやSNSでお知らせしますので、お楽しみに!

日本の料理文化に合うだろう落ち着いた味つくりには
11月のオリーブの収穫を計画しています。
もうしばらくお待ちください。



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サマータイムが終わった10月最終の週末、11月入っての週末
オリーブの収穫をしている一般の家族たちで賑やかだ。

イタリアは..といってもトスカーナ事情しかよくわからないが
一般の人でも普通の野菜畑のようにオリーブ畑をもっている家が多い。
30~150本ぐらいが相場であろう。
ひと家族だけの場合もあれば大家族でシェアする場合もある。

トスカーナの伝統は、11月1日の祝日OgnissantiとかTutti i Santiと呼ぶ
聖人の日以降にオリーブの収穫をはじめるのが通常である。

しかし今では、温暖化の影響で成熟が早くなり
こだわり派はポリフェノールやクロロフィルの効果高を意識して
10月の半ばからはじめる農園や愛好家が出だした。

私もそのかじりで、10月の22日以降
できたらサマータイム内の週末までに終わる目標を
ここ数年たてている。

二家族のオリーブ畑を管理している私は
2021年は10月の第4週末に終わらせることができた。
50%減だからということもある。

でも逆に、とりあえず網は地面に敷く作業は同じだし
ポツポツあるオリーブに振動機を差し込む作業だって同じだ。

ただ、その労力をするほどまでの価値のない数量の
オリーブの木やゾーンは諦めることにした。
時間がきたら予約した搾油所に持っていかなくてはならないので
ちびちびだらだら収穫していられない。

その見極めとか時間の配分は案外難しく
搾油所に持っていくオリーブの実300㎏まで足りないとか
オリーブの木2本の収穫ができなかったとか
毎年よく聞く嘆きである。

こちらの森のようなオリーブ畑のオリーブは
日当たりが悪いので、同じ早熟性の品種だけど
成長が日当たりが良いところより遅い。

だからまだ色づき中で緑交じりが多かった。
一週間遅く収穫してもよかった。

結果は搾油率13,5%だった。
思ったよりあったので
そういう年なのかもしれない

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イタリアには..トスカーナにはそういうわけで趣味や愛好家
家族でだってオリーブ畑をもっているオリーブ文化には
そこらじゅうに搾油所がある。

ヴィンチ付近で持っていけそうな距離に
ざっと思い当たるだけでも10軒はある。

その中で私はもうここしかお願いできないほど
一番信頼している搾油所がある。

なぜここの搾油所に惹かれたかというと
とにかく搾油機がすごいのである。

カット工程がソフトに攪拌されていき
 混ぜこね工程のグラモラ機がより酸化を防ぐだろうといわれる
縦型式であるところは他になかなかないであろう。

そして水分と油分に分ける遠心分離機が
ものすごい精密で、濃厚なオリーブオイルがどわどわと出てくる。

さらには、全工程21度でできているところは素晴らしい。
エキストラバージンオイルは27度以下と規定がある中
6度の差は肌で感じる程である。
その分、成分が減っていない証拠なのであるのである。

もう一つは、オリーブ愛でいっぱいの主は
農薬のことを毒とよぶほどで
有機栽培の人しか絶対に受け付けない。
それと、ぐちゃぐちゃになったオリーブも受け付けない。
だからオリーブ愛で栽培・収穫されたオリーブを
持ってくる人しか来ないし残らない。

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なんにもわかっちゃいない頃
数軒の搾油所に持って行って試したし
最後の2本分をお隣さんと混ぜてもらったこともある。

しかし
口に入った瞬間舌触りから味まで、ぜんっぜん違うのである。

こんなに違いがあっていいの?というぐらいだ。
だから、同じオリーブでも搾油機が違うだけで
こんなにも差がでるなら、オリーブオイルの値段が変わっても
ちっともおかしくないし、搾油所選びというのはとっても大事だ
ということがはっきり言えるようになったわけである。

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しかし濃厚なオイルは
水分と油分がパキッと分けられているが
Novello特有の澱がけっこうあるので
すぐフィルターにかけたい。

フィルターに濾されて出てきたオイルは
キラキラ輝く金のような黄緑色のオリーブオイルができあがり
滑らかな舌触りでかつフレッシュで
清い苦味と清い辛味が味わえるのである。

そしてそれが持続するのである。
フィルターにかける意味はそこにあるのである。

どの搾油所で搾油してもらっても
私はすぐにフィルターにかけることをお勧めしたい。

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愛用の搾油所は、エコロジーにも力を入れていて
除去された葉っぱは肥料に
Sansaといわれる油分が抜かれた実のペーストも肥料に
ペーストと種も分離して、その種はチップストーブに!

広大なオリーブ畑に搾油所をもてたら
オリーブの肥料はオリーブということになる。

オリーブ農園にしては少ない5000本の
オリーブ愛からはじまったオリーブ事業。

エコシステムができているのも
私のお気に入りの搾油所なのである。

世紀に渡ったようなオリーブの剪定も素晴らしい。


【お知らせ】


2021年より、Obata Makiが監修しましたヴィンチ村15㎞圏内の
トスカーナ産エキストラバージンオリーブオイルが
日本のみなさまへ数量限定で
olivewellness.storeより販売が決定いたしました。
生産過程がこのように垣間見れるオリーブオイルは珍しいことと思います。
この機会を是非ご利用ください。
こちらのリンクにて予約注文ができます。



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☆こちらの記事もどうぞ☆
オリーブオイルの搾油率 essere olio extravergine
強調するときの国民性 Frantoio Svizzero
オリーブオイルを美味しくさせる Consiglio di Frantoio Bio




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