DSCN0293

DSCN0288

雨が降るぞ。

Malvasia Biancaマルヴァジーアビアンカは摘んじゃいたい。

Vermentinoヴェルメンティーノもだ!

おしゃべりばっかりしてないで動け!動け!

汗ダクダク、口モクモク、手チョキチョキ。


DSCN0272

DSCN0273

マジ、暑かった...

どこかで雨が降っている。

そんな湿気混じりの夏も終りのトスカーナだった。


Veronaヴェローナ(ヴェベト州のある県)では

大雨、嵐、雹、洪水の被害を被った。

被害の映像をみるだけで身震いがする。

恵みの雨などといってられない。

嵐後の映像をみると

あの2014年のヴィンチの竜巻被害を思い出す。

ヴィンチの住人はトラウマなのだ。


DSCN0302

2014年の9月19日

tromba d'ariaトロンバダァーリア(tornado竜巻)がヴィンチを襲った。

竜巻の通ったところだけ大地の恵みは

渦に巻き呑み込まれていったようだった。

収穫前のブドウもオリーブもフルーツも野菜も。

cm...いやもっとあったかもしれない大きい雹は

住宅を叩きつけ、車を叩きつけ

木々を叩きつけ、大地を叩きつけ、収穫中の人をも叩きつけた。

ブドウの実どころか葉まで呑み込み

一気に冬がやってきたような風景だった。


家の周りはめちゃめちゃに

小学生の少年は荒れた庭をみて大泣きした。

私もこの先のことを考えると少年と一緒に大泣きしたかった。

車のフロントガラスが割れた。

窓だらけの現代風な家は、幸い現代的な分厚いガラスだったので

割れなかった。しかし、風圧で浮き上がる隙間から

まるで悪魔やオバケが忍び込むように

小さな雹までも入り込んできた。


たった1530分の出来事だった。

私は農主のブドウの収穫でランチタイムであった。

夫は近所のブドウの収穫でランチタイムに入るところであった。

少年は、小学校で仲間と肩を寄せ合っていた。


DSCN0319

いつものVendemmiaヴェンデンミア(ブドウの収穫)

グループチャットにメッセージが7月頃入った。

収穫を体験したい人は

このぐらいの時期に応募しておくといいかもしれない。

主たちがそわそわ収穫の計画を立てはじめる時期だ。

「今年できる人、手を挙げて~!」はい、はい、はい~

みんな家族な家族愛が強いキューバチームがいっぱい名乗り出た

でもあとでわかったことは、キューバチームは二人だけ選抜された。

が、8月はまだまだヴァカンス中で来なかった。


一人男子抜け、二人新規男子が加わった。ほっ。

女子でもできる仕事だけど

やっぱり男の力や体力には敵わないことがある。

Svuota-secchiズヴォタセッキとは、摘んだブドウが入ったバケツを

トラクターのブドウの収穫用の破砕トレーラーに

ブドウの実を放り投げる超肉体労働と

女子にもできちゃうけどこれやってたら疲労が早くきちゃうなという

Passa-secchiパッサセッキとは、ブドウを摘む作業をしながら

外側の列にいる人のバケツをトラクター側に運んであげる人

1台のトラクターにつき4列、1列に二人ずつだと

二人パッサセッキ、一人ズヴォタセッキ

トラクターの列はできたら男子で交代でズヴォタセッキとなると

男子は五人いて女子四人が理想な組み合わせなのである。

もちろん全員若い男子だと、みんなが文句言わずに交代で

めちゃめちゃ頼もしいからそれはそれでいいんだけど

老若男女国籍問わず雇ってくれる主には感謝である。


DSCN0321

近頃そういうわけでボス付き協同組合的グループがわーっときて

わーっと収穫していく方法をとる農園が増えてきた。

しかしこのコロナ禍で、そのわーっとグループが

移民や外国人だったことから、イタリア人にもこの肉体労働が

回ってきたんだけど、職難にもかかわらず

やっぱり収穫の仕事は、疲労にみあわない賃金と

肉体労働ということで、勉強をいっぱいしてきた者たちは

オフィスワークに希望を抱いているようなのである。


だからコロナ禍でも在住外国人のわーっとグループに頼るようだ。

彼らわーっとグループは畑面積や収穫量で見積もるので

わーっと大人数でやってきてわーっと短期間でやってしまった方が

儲かるという仕組みなのである。


しかし彼らを雇う欠点は、忙しないので作業が雑ってところと

外国人ばっかりなのでコミュニケーションが主ととれないところにある。

主とのコミュニケーションは、作業をしないボスとのみ...


DSCN0284

本業アンド只今失業中のグループは、マイペースに時給制である。

利点は、コミュニケーションがとりやすい

主がダイレクトに支持できる、その分作業が丁寧

欠点は、イタリア人のおしゃべりw

だから遅いのなんのって!

でもさ、本人たちは喋ってても手を動かしてる!って主張してるw


ワタシニッポンジン、前に一度農主に注意されたことがある。

マキって静かだよねって。えw

もっとさ力を抜いて喋っていいよって!

喋り過ぎはもちろんNGだけど

一年に一度の収穫で集まるんだから楽しくやろーよって!

そう言われてから、農業のチームワークの心得みたいなことを

学んびはじめた気がするし、そう覚えがある。


作業中におしゃべりを試してみたら

私手が止まっちゃうということがわかった。

なぜなら、話すときは話すときで集中して一生懸命なのだ。

二つ同時にできない。

そういう理由でイタリア人を褒めてやった!

アナタタチは同時にいろんなことができてスバラシイw


だから本題は話の尽きないイタリア人に任せて

私は耳をそばだてツッコミとチャチャを入れるとき

どうしても議論しなければいけないとき

自分がやってることや趣味のアプローチのときなんか

楽しく参加して作業をしているのである。


一度ヴェン友(Vendemmia友だちの略にする)になると

家族構成から人生史、好きなことや好きなもの

嫌いなタイプや面倒なこと、考え方や思考や理想

様々な意見が聞けて、やっぱり一人で悶々と考えるよりは

視野や世界観が広がり、むしろ生きる勇気が出てきちゃうのである。


長年農業を本職としてやってきた新規男子は

どの時代もどのメンバーが集まっても騒々しいのはおんなじだし

あっちもこっちも鼠径そけいヘルニアになっちゃったから

これが最後の収穫だ!と気が抜けるようなことを騒いでも

私はやっぱりブドウの収穫が楽しくて好きだっていうことがわかった。


ウエストポーチに小型カメラ、ティッシュ、身分証明書、携帯電話

それから小さな水筒、ハサミを腰につけて

帽子を被って、長袖かアームカバー、首に手ぬぐい、長ズボン

足首も守るトレッキングシューズを履いて

あ!UVサングラスもつけて、もちろん軍手して

完全防備状態で挑むのである。

近頃、マグネシウム・リン・ビタミンCのサプリをのんでドーピングw

毎朝、農園の主がコロナ熱測って

マスクは携帯して必要な時つけて

作業用メガネも安全のために配ってくれた。


DSCN0308

未熟なブドウをMostoモスト(果実)で欲しい人用と

アルコール度数が低い未熟なブドウで造る

Vino Frizzanteヴィーノフリッザンテ(微発泡ワイン)用のブドウを収穫した。

そして雨が降る前に、実がギュッと引き締まっててカビやすい品種の

Malvasia Bianca100%用も収穫することにした。


日中、暑くて汗が垂れてくる。

水ばかり飲んでいる。

一日八時間。帰ってバタンキュウ。一寝入りしちゃうこともある。

夜、映像のような向こうの雷空をみて怯えながら夕食をとった。

夏は終わった。...そうみえた。



*私がセレクトした過去の関連記事Best 3 Archivi Selezionati

ヴェン友Vendemmia2019 vol.1

まだ夏のブドウの収穫Vendemmia2018 vol.1

早々ブドウの収穫Vendemmia2017①



Grazie di aver visitato!

最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。




にほんブログ村 海外生活ブログ ヨーロッパ情報へ


Instagram
 ≫≫≫ obatamakivincirealmakici