DSC05896

同国仲間のイタリア在住者と話をしていると
一つ気がつくことがある。
もちろん全員ではない。

それは、離れた日本のことはとてもセンシティブで
例えば事件とか流行りとかシステムとか
しかし、実際に在住しているイタリアの事情を
よく知らない方が多いように思う。

今まで話しをしていて、おや?と思うことが何度かあった。
もしくは、それ知らない・・・と私がとっても無知な人間に思うことが
しばしばあったけど、それは日本事情の内容だった。
特に、タレントや流行りにはうとい私。ゴメン。

そしてこのコロナ禍、我々の在住先イタリアのコロナ手当が
日々更新されていく中で、私は正直日本のことより
自分が住んでいるところの手当や対応が気になるので
毎日ニュースを欠かさず見て、イタリアの政治家が
どんな話し合いをしてて、どんなことを決定して
どんなことで揉めて、ぎゃんぎゃん言っているのは誰なのか
正当化させたいことは一体何なのか
実は私はイタリア国民的に興味を示しているということが
日本の友たちと話をしていてだんだんわかってきた。

イタリア国民は政治の話やイタリア事情を一日中話している。
どうやら私は、彼らの風習に馴染んできたのかもしれない。
時に私流意見を述べている自分に
やいのやいの平気で意見するイタリアの友たちは
移民の一声を聞いたようで感心している。

我が少年は見てないけれど家族が欠かさす見ているニュースは
案外ちゃんと聴いてたりして、私が少女時代より
いろんな国の大統領の名前を知っていたり
出来事を覚えていたりして、大人のよくあるど忘れにも
一役買ったりする少年である。
おかしい、イタリア事情を熟知しているサーティーン。

DSC05820

我が家は贅沢ができない欲張れない厳しい生活の中
小さな幸せをみつけながら生きている。
私は、不便だけれどこの田舎暮らしに満足しているし
夫は田舎暮らしでやることがいっぱいそして時間がない。
お互いシングル時代にたくさんの旅行をしてきたこともあて
少年には申し訳ないけれど
私たち夫婦は現在、あまり旅行欲がない。
だから家族で数日バカンスをしに行くなんて毛頭にもなかった。

しかし、このコロナ禍手当のいくつかある配給カテゴリで
私たちに該当するコロナ金はどれだ!
と、ニュースに釘付けなんていう日もあった。
いくつかあった中で、ボーナスバカンスという名の支給金が、も!
私たちに当てはまった。
「どうする、私たちにもバカンスできそうだよ。行くか!」
とまぁ5月だったかな、国会で議論中の頃である。

しばらくたって国会で詳しく決定された内容は
(私たちはそういうわけで国営ニュースのRai1で知る)
家族の給料と財産を割り出したISEEという換算が
40,000ユーロ未満の家族に該当する
家族3人は500ユーロ支給される
支給金は一箇所の宿のみ7月1日から12月31日まで有効
その内、80%は即無料となり20%はとりあえず支払い
その支払った分は控除の対象となる
SPIDというデジタル身分証明を取得する
アプリをダウンロードして全てデジタル化で処理をする
と、少しややっこしいが、私は誰にも相談せず
一人でボーナスバカンスを取得できたときは
また小さな喜びがやってきたとそれだけで幸せな気分になった。

DSC05813

連日ニュースではイタリア経済の話でもちきっていた。
コロナ禍で観光業が一番ダメージを受けたと報告している。
それでも海は人が集まってきている様子だった。
むしろ例年より人が多いなどといっている。
海沿いは現在即効アルバイトを募集しているそうだ。
どれほどイタリア国民が夏、海外に旅行していたかがわかる。

そこで、私の誕生日が7月ということもあって
家族内でバカンスの話題で盛り上がった。
コロナ禍のボーナスでバカンスをすることに家族会議で決定。
一度決定したら、もう気分はバカンスだった。

「どこいく?」 どこいこっか。
「海!」 いいねぇ。
「嫌だ。」 えっ!
「じゃぁ、どこだよ!」 もうケンカ気味w

夫は、両親の故郷、自分のルーツを歩きたい、ということであった。
少年も自分のルーツになる地だから二人で賛成である。
海が激混みならそれもアリかな!

DSC05649

彼のルーツはBasilicataバジリカータ州の
Potenzaポテンツァ付近にある。
いろいろなコースやルート、時間、宿なんか何日もかけて調べた。

ところが、その肝心な宿に電話確認していくたびにわかったことは
ボーナスバカンスシステムを扱っていない!というのである・・・。

聞いてもいないのに扱わない理由をいってくる宿の主もいた。
怒っている主もいた。
知らない若宿主もいた。

私たちは焦りはじめた。
10件以上は電話したのではないだろうか。

ボーナスバカンスを扱わない理由は
私たちに即無料となる80%はみることのないお金で
国が宿に支払うのではなく
次期の税金がその分免除されるという仕組みなのだそうだ。
前払いで経費を負担しなければいけない宿サイドは困惑する。
資金の少ない宿は現金が欲しい。
そりゃそうだ。

私は諦め気味に男子二人を説得しはじめた。
が、頑固なヤツラは
行きあたりばったりで行く!などと言いはじめる。
(誕生日の)ワタシを置いていくw なんて言うのである!
主人公ワタシワタシ!

DSC05895

頑固男子2 vs フレキシブル女子1では埒が明かないので
ボーナスバカンスを扱ってる宿はどこだ?!!
と検索キーワードに入れると(もちろんイタリア語でね)
同じ問題にぶつかっているイタリア国民がいっぱいいることがわかり
実は、宿を検索しやすくなっているサイトまで登場していた。

「早くからこれ使えよー」と文句を言うが
こっちの問題にぶつかってみて、向こうの問題を知る
典型的なイタリアンスタイルのイタリア事情を知るチャンスであり
ボーナスバカンスの意味や存在を考えさせられたわけである。

109133071_605118480390705_6964899628440765488_n

ふたをあけてみると
南イタリア地方のボーナスバカンス扱いぶりは、ほぼゼロに近く
中央から北イタリアへ向けて数が増えている傾向にあった。

そのボーナスを扱う宿の検索サイトは、州ごとに分けらていて
クリックして愕然とするが、選択肢がちっともないのである。

北も南も資金のある宿しかできないシステム。
しかし、このボーナスがないと旅行しないだろうイタリア国民。

余裕のある国民は、ISEEの存在もボーナスバカンスの存在も
知らず、常に100%支払い続ける生活が普通で苦痛はない。

支援金を必要とする民は、申請に四苦八苦するが
結局のところ余裕の民に頼っているイタリア事情なのである。
コロナ禍に限ったことではない。ずーっと前から。

DSC05873

彼らのルーツ、バジリカータ州はそういうわけで宿は3件ヒットしたが
距離的に困難と判断し、やっと頑固男子は諦め
トスカーナ州のお隣、マルケ州に行くことになったのだ。

マルケ州も3件ぐらいヒットした内の
一番目に電話したところに決定!
それが、出発日の午前の話であったとさw



*私がセレクトした過去の関連記事Best 3 Archivi Selezionati*
  1. Grazie di aver visitato!

    最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。




    にほんブログ村 海外生活ブログ ヨーロッパ情報へ


    Instagram
     ≫≫≫ obatamakivincirealmakici