大地の住人 ヴィンチの丘で

地球と体に優しいコト ~イタリアから~

フィレンツェの端っこレオナルド・ダ・ヴィンチのふるさとヴィンチの丘に在住。 大地の自然たちと向き合って地球と体に優しい様々なコト、発見・提案・発信!

カテゴリ:散歩 Passeggiata > Toscana

IMG_2112

夏休み最後の日曜日
私たちは海に行った。

思春期青少年のリクエストだ。

Livorno県の海沿いは
きれいな海岸がたくさんある。

私たちはいつも
San Vincenzoという地の
ビーチに行く。

少年が4歳ぐらいの頃
ビーチからちょっと奥まった
静かなキャンプ場に
はじめてテントをはった記憶は
深く刻まれた様子だった。

少年の小さな自転車で
キャンプ場内を移動したこと
BBQをしたこと
持参のテーブルでご飯を食べたこと
コイン式の制限時間付きシャワーで
一人でバタバタ体を洗ったこと
トイレは遠いところにあること

ニヤニヤしながら思い出していた。

他のことはあんまり覚えてないのに
キャンプの思い出は強いようだ。
毎年、キャンプしようという。

いま、キャンプする気力は
私にはないので
広大な海を見ながら
ゴロゴロすることにした。

IMG_2108

私は8月中、正社員の夏休みの穴埋めに
食品会社で200時間も労働していた。

正社員が戻り始めた頃
土曜日がやっと休みになり
家族サービスをすることにしたのだ。

IMG_2114

イタリアでは、かなり観光客が減った
気温もだいぶ下がって
海水はちょっと冷たくなった透明な
9月の海は人気がある。

それでもパラソルはあると助かるけど
海上がりの冷えた体に
強そうでそうでもない
太陽の日差しは心地よい。

空は澄み渡り、波もほぼ無い。
南方には
Populonia(半島になってる村)が濃く
Isola d'Erba(エルバ島)が薄く
グラデーションになっている。

水平線は空と海の青のグラデーション。
絵になるヨットがプカプカ浮いている。

海の景色はやっぱり自由感があるなぁ。

IMG_2128

食品会社の従業員は、毎日
同じ作業と向かい合った形式の作業台は
恰好の井戸端会議の場だ。

ずーーーっとおしゃべりをしている。
私も時には話に入るけど
バカバカしい話ばっかりしてるので
ほぼ騒音としてしか入ってこない。

イタリア人のオバちゃんたちの会話は
社長の悪口&そこにいない同僚の悪口w
今日の献立&料理レシピ
子どもの成長&学校問題
ひとのドラマ的人生
生活の問題
便利な生活用品
などなど
若い娘たちの会話は
下ネタまででてくる始末。

イタリアでイタリア人と働くならば
会話力は必須。
おどおどしてはダメ。
自分をもっていないと
すぐ孤立してしまう。
イタリア人はおしゃべりと作業
二つのことが同時にできる人が多い。

先日若い新人の契約社員が入ってきて
ベテラン社員が
「動作からして全てがシャイだ」
という話を私にするので
「私も相当シャイで人見知りですけど」というと
「アナタは年齢的にシャイとかではない」
というのである。ふーん。

そういうくだらない会話の日々から
解放された気分になった海日和。

IMG_2117


IMG_2103

思春期青少年は、9月はじめの試験で
進級が決まった。

イタリアの高校は、進級制度が厳しい。
一年間の出席数、最低レベルの成績に
達していないと即落第
一教科二教科最低レベルの成績に
達していないと
夏休み中復習して
9月はじめのチャンステストに
合格しないと一教科でも落第...

夏休み、学校は補習授業を開催してくれる。
各学校、やり方や決まりは違うが
この補習授業を義務化している
学校もあれば
参加は自由と自己に任せる学校もある。

大人的に考えれば
この補習授業に参加することは
進級を手伝っている
とモラル的に捉える。

6月、学校が夏休み入ってすぐ
一ヶ月研修期間に入った。
7月、研修が終わったらその足ですぐ
一週間の補習授業がはじまった。
夏休みまでプログラムされているw

あの週、40℃あるぐらい激暑な中
大人的モラル作戦の補習授業に
参加した思春期青少年少女たち
汗だくでみんなノートを内輪代わりにして
ちっとも頭に入ってこなかった
と愚痴っていたが
とにかく絶対に行け!と煽った。

思春期的に考えたら、ただただ面倒だが
大人的に考えれば、そこがポイントで
来た生徒には褒美として
勉強しておく箇所を教えてくれるはずだ。

夏休み期間バスもない。
そこで活躍したのが
5月に仮免を取ったスクーターだ。
片道20km強、よく通ったもんだ。

それに慣れて
学校方面のサッカーの練習も
そっちのお友だちとも
今や行きつけパキスタン人経営の床屋にも
一人で行くようになった我が思春期青少年。
ブドウ畑のど真ん中にあった
田舎の研修先にだって
田舎道を毎日原チャリで通った。

そして7月の補習授業が終わって
私たちはバルセロナに飛んだのだ。
これもスペイン語と英語の勉強...
と目的付けて。

8月のFerragosto(8月15日祝日)
の週が過ぎると
思春期青少年は、5日間サッカーの強化合宿
合宿後は、まるで何もすることはないだろうと
毎日のように練習x練習。
時には午前午後も。

いつ勉強してたかはよくわかんないけど
練習x練習の間にも
チャンステスト間近の補習授業

日本で
通っている高校で落第するなんてこと
聞いたこともほぼないから
私は慣れてない。
こっちがヒヤヒヤハラハラしたもんだ。

勉強しろ!と言えば
勉強してる、と返ってくる。

わかんないとこわかったの?と聞けば
わかった、と言う。

ニュースでは
夏休み中ずっと勉強していた子の話
家庭教師までつけて勉強している子の話
そんな風に伝えてて
ウチの子は...と不安にさせられた。

テストの数日前
日本人だったらガリガリ勉強するだろうに
地元EMPOLI vs JUVENTUSの
サッカーの試合を観に行ける余裕があって
何を信じてよいかわからなかった。。

IMG_2119


IMG_2135


IMG_2144


IMG_2145

あまり勉強している姿をみなかったけれども
結果、進級することができた。

やっぱり
大人的モラル作戦補習授業の前編の方
激暑の中、参加を自己に任せた補習授業
とっても大切だったそうだ。

前編に参加した子たちは
みんな進級したそうだ。

しかし、8月の後編授業は
見直し程度で
行っても行かなくてもいいぐらい
だったそうだ。

後編だけに参加したお友だち...
落第しちゃったそうだ。

激怒して、我が子に愚痴電話してたが
「お前が勉強しなかったのがいけないんだろ」
と、友に説教している思春期青少年...
それはそれでいい友だち関係だ。

イタリア全国の話だったとおもうけど、
思春期青少年いわく
15人に1人は落第するんだそうだ。

食品会社の同僚ママの息子も落第しちゃって
ママの涙をランチタイムに共にのみこんだ。

その学校は、補習授業が義務にもかかわらず
テストに補習授業でやらなかったことをだし
先生は狂ってるのか笑ってた
と激怒した。

その学校は65人も落第させたそうだ。

2度落第するとその学校に通えないそうだ。

この時期
始業で浮かれている空気があるけれども
その反対には
学校を辞めていく子もいるのである。

テストから始業までの10日間ぐらいで
進路を考えなくてはいけない。
そういう話を今まで聞くことはなかったが
現実が近づきはじめ
イタリアの学校システムを知らない私は
同年代のママたちの話は参考になる。

その後、我が子の落第しちゃった友は
超開き直っちゃって
勉強する量が減るとかなんとかで
前より幸せそうだよ、と
苦笑いしながら語る。

8人ぐらいいたヴィンチのお友だちも半分以下
クラスの仲良しのお友だちたちも落第しちゃって
進級した子たちがなんか変に寂しそう。

私も、何故か涙がこぼれた。

今年は進級できたけれども
翌年はどうなっているのかわからない。

ぎゃんぎゃん言っても本人次第だし
私は頭が良くなくても
母から勉強しろと言われなかった。

落第しても
国立ではなく市立の専門学校で
新たな進路を見つけ
順調に過ごしている例も聞く。

落第が悪いわけではない
というママ友もいるし
学校や先生とのフィーリングもあるみたいだし
専攻を見直すことができるチャンス
だったりもする。

なんとなくネガティブなひびきだし
若いうちに人生の見直しをしているみたいで
こっちがハラハラする。
しかし、こういう時
大人がしっかり守って
進路をアドバイスすることが大切だとおもった。

IMG_2142


IMG_2149

だからこの透き通った清い海と
先は輝く水平線をながめることができた
この日曜日は、大空に向かって大の字に転がれた。
 疲れた夏休みだった。

IMG_2152



今日の一曲






Grazie di aver visitato!
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。
今週も素敵な一週間をお過ごしください。




人気ブログランキング

にほんブログ村 海外生活ブログ ヨーロッパ情報へ
にほんブログ村

IMG_0856

《 こちらのブログは2023年6月の情報です 》



今年の晩春と初夏は雨降りが多く
たくさんの地域で洪水や土砂崩れなどの
被害が出るほどであった。

私は、ブドウの芽掻き作業Scacchiaturaを
手伝いに行っているはずだったのに
気がついたら一人で黙々と4ヘクタールを
長々とやっていた。

反対に、時々農主の娘さんが
私を手伝いにきてくれる
という形になっていた。

一人でやってると時間がかかるだけではなく
気が滅入ることもあったりする。
何度も何度もそんなとき
工場とか窓のない室内で毎日
働いている人のことを考えた。

農主は、草刈りも緑肥刈りもする時間がないほど
展示会に出店し、セラーの仕事をし
転んでしまった94歳のお母様の
ヘルパーさんがいないときの世話をしながら
あっぷあっぷしていた。

でも、気候と成長のタイミングで作業をしないと
特に草刈りなんかは
せっかくブドウの空間をつくっている
芽掻き作業の効果がすぐ出ず
その空間に空気が回らなく
湿気が貯まりすぎて
カビなどの病気が発症しやすくなる。
例えばPeronosporaは厄介だ。

草が多くていいのは、干ばつのときだ。
草がほどよい保湿を与えたりする。
前にそんな例があったから
急がなかったのかもしれない。

ブドウの開花・結実時期の降雨はよくない。
反対にオリーブは、いい。でも今年は不作。
去年のオリーブオイル大切に使え
と、農業関係者にあちこちで言われた。

IMG_0738

IMG_0782

夫は腕をチェンソーで怪我をしてから
だいぶよくなったはものの
いまだリハビリに通っている。

きっと人にもよるのだろう。
夫は「痛い」のトラウマとなり
怪我した辺りの筋トレを
なかなかしない。
だから治りが遅いような気がする。

エニマルな夫は、力仕事ができなくなって
悔しい想いで相当イライラした。
雨が降るともっとイライラした。

そんなイライラと本人は葛藤し続け
私が落ち込むと必ず自分の例をだした。
そんな気持ちだったのか
と、私も理解に努める。

晴れると、やっぱり気分は盛り上がり
やりたいことがいっぱい出てくる。
私もそうだ。
思春期青少年なんかもっとだ。

IMG_0888

ある日、温泉地のイベントのお手伝いの話が
思春期青少年に舞い込んできて
そのイベント先のサイトをみていると...

Montecatini Termeモンテカティーニテルメという温泉地が
ヴィンチから20kmちょい、車で40分ぐらいの所に
温泉と温泉で使われていた17世紀建造物の恩恵で
とっても裕福な町で、5つ星4つ星ホテルが並ぶ
富豪が訪れる観光地がある。

ゴージャスなホテルはゴージャスなスパ付きであろうが
一般市民は、国のユネスコ文化財を見学したり
18世紀建造物とは別に建てられたスパ総合施設で
泥テラピー、マッサージ、オゾンジャグジー
リハビリテーション、室内プールなどなど
利用が可能だ。

イタリアは、温泉国でもあることから
国の医療費控除や免除で
温泉療法という治療も控除枠内なのである。

本当に困っている症状や病気は
ホームドクターにチケットを発行してもらって
施設にアポをとって
超格安で、例えば12回50ユーロで
受けることが可能なのである。
失業者は無料。

IMG_0744

以前...20年ぐらい昔
モンテカティーニテルメの隣町
Monsunmano Termeモンスンマーノテルメという
これまた温泉が沸き出る...というか
洞窟内の気流や吹き出すものが
温泉効果並みに体にいいそうで
そういうわけでそこにもスパ施設があり
私もふくらはぎの血行が悪いという理由で
オゾンジャグジーを12回、その医療費控除で
利用させてもらったことがある。

夫の持病は痛みにまで発症する皮膚病なので
昔も今も理由は同じだ。

夫はそのモンスンマーノテルメでは
メインの洞窟の中のサマーベットの上で
寝っ転がっているだけ。
リラックスもしくはサウナ感覚。

IMG_0877

今回、私も便乗したかったが
そういうわけでブドウのお手伝いがハードで断念。

昔は、12回いつでも行けたけど
今は、チケットが発行されてから18日以内に
12回分を消費することと厳しい条件がある。

モンテカティーニテルメのスパでは
夫は、泥んこテラピー(fango)と温泉に浸かる(vasca)
泥んこテラピーは、ダイレクトに皮膚に塗るのではなく
ラップされた必要な部位だけ塗られ
泥んこのところは40度以上に温められ血行を促すことで
痛みが緩和されるという効果があるんだそうだ。

効くか効かないかは、人次第であろう。
とにかく、根本からリラックスすることが
温泉療法の基本なようだ。

温泉療法をCure Termaliクーレテルマーリとよぶ。

IMG_0878

私もついでにどうしても行きたいので
休みの日や畑にいられないほど暑い午後なんかに
夫は一人の方がリラックスできると言いやがった
けど、数回温泉プール(piscina)の方に浸かってきた。

私は、一般なので1回1時間15ユーロ。
平日は予約なし、土曜日や祭日は要予約。

プールはけっして大きくない。
子ども連れのファミリーがいると
また違うほっこり感はあるけれど
断然ほぼ誰もいない平日がオススメ。

プールには、肩こり解し用の滝があったり
足腰用ジャグジーもあったりする。

温泉水は、飲む温泉水と同じみたいで
ミネラル豊富そうな塩っぱい水。
一瞬、自分の汗かと思ったけど
温泉水が塩っぱいことを後で知った。

IMG_0871

FullSizeRender

IMG_0822

IMG_0840

IMG_0811

IMG_0809

何度も来ているなら観光しよーよ!ということで
私の温泉プール最終日
1700年代建造のTerme Tettuccioテルメテットゥッチョという
ユネスコ文化財の温泉水が飲める建造物を
見学しに行ってきたのである。

プールとほぼ同じ温泉水を飲む体験&見学は15ユーロ
見学のみは6ユーロ。

さすがユネスコ文化財だけあって圧巻。
18世紀なんて近代ヨーロッパなのに
ローマ帝国風でやたらわくわくする。

飲む温泉水の壁にあるタイル画
まさしくもテルマエロマエ風画で
今も昔も絵は同じかい!とニヤニヤ日本人。

30分から1時間ぐらいで回れる
決して大きな場所ではないけれど
昔はたくさんの庶民がここに集まって
塩っぱい温泉水を飲んだり汲んだり
わいわい賑わってたんだろうなぁ
とタイル画を見ながら想像する。

とにかくゴージャスで気分は賑やかな時代に
なんだかタイムスリップするわけだ。

そんな時代の建築物を大切に保存され
見学したり体験できることは
大袈裟だけどやっぱり生きてる価値みたいな
エネルギーをもらってしまうのである。
昔と今を共有できるってのが
今いることの特権だとおもう。

IMG_0757

そのテルメテットゥッチョがある界隈は
静かな優雅な公園となっていて
ちょっと進むと
Terme tamericiテルメタメーリチという
元温泉水が沸き出てたところは
現在素敵なカフェとなっており
ここでイベントや展覧会とか良さげ!
と勝手に盛り上がる。

変に手入れされてない
屋根からの草の茂みが神秘的で
ジブリのポロンポロンしたサントラが
頭の中で勝手にBGMってくれた。

IMG_0750

私は久々の観光と温泉は
束の間の最高の温泉療法だったとおもう。

でもまた現実の日常に帰ってくるのである。。。


⭐︎

旅行&アート インスタはこちら↓
https://instagram.com/realmakici?igshid=MjEwN2IyYWYwYw==


オリーブ&ブドウ インスタはこちら↓
https://instagram.com/obatamakivinci?igshid=OGQ5ZDc2ODk2ZA==



今日のトレーラー。




Grazie di aver visitato!
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。
今週も素敵な一週間をお過ごしください。




人気ブログランキング

にほんブログ村 海外生活ブログ ヨーロッパ情報へ
にほんブログ村

DSCN1910

イタリアは、学校が6月10日で終業だ。

例年だと、不思議と終業後
うまいこと夏らしい陽気になるのだが
今年はもうバカンスがはじまったかのような5月6月。

暑い x 暑い。
週末海に繰り出す老若男女。

イタリア北部の方でも近くの湖に涼みに行くようだ。
ニュースで思春期たちがわーわーケンカになったという報道で
北イタリア住人の週末の過ごし方がわかった(たぶん)。

我が思春期青少年は、ヴィンチの田舎グループと
一般ビーチが僅かしかないほぼ有料ビーチの
セレブ海岸へ向かった。

また何故そのビーチなんだ?
と当然大人は親でなくても思うだろうが
田舎者は「人がいっぱいいるところがイイ」のだそうだ。
狭い無料ビーチに若者が集まるセレブ海岸。。。

祝日が平日にあったこともあって連休する人や会社が多く
観光地はたいそう盛り上がったそうな。

イベントや野外フェスも各地で開催され
もう以前に戻った風で、ヒトは嬉しそうだ。

汗を光らせながらも満面の笑みで
インタビューに答えている。
宿のオーナーさんも観光が戻ってきたと
笑いを隠しきれない。

しかし、飲食経営は夜働いてくれる人がいない
と嘆いている。かなり前から訴えていることだ。

雇用条件に問題があるのではないかと
あるときTrattoria-Pizzeria(ピッツァ屋さん)
の話を聞いて思った。
場合によっては週7も!などと言っている。
きちっとした規則をつくらないと
大人は働いてくれないだろうし
夜遊びをしたい若者たちには過酷過ぎる。

DSCN1911

私は野暮用があってフィレンツェに一人で行った。

もう思春期青少年とフィレンツェに行くことはないだろう
と、寂しい気持ちにもなるが
また以前のように一人で歩く生活がしたいと
強く想いはじめていたので
少しずつこの時がきたかのようにドキドキした。

この日、フィレンツェ在住のママ友と会う約束をした。
それぞれに自立したママたちのうえに男子のママなので
話があうしとても刺激になるし影響される。

駆け足のママ友とも駆け足で乾杯した。
日本に2年ぶりに帰国するんだそうだ。
そういう日本人がいっぱいいる。

この2年間を取り戻したい人たちがいっぱいだ。
日本人だけではない。
フィレンツェを歩いていて活気でわかる。
アジアン観光客はあまりみかけなかったけど
欧米の観光客は取り戻しにきた。

私は正直、取り戻したいとは思わない。
新しい生活に挑みたい気持ちでいっぱいなのだけれど
なかなか自分の思い通りにいかずにモヤモヤしている。

だから取り戻しに生き生きしている人たちの
生き生き度が羨ましくもなるけれど敢えて励みにもなる。
私も生き生きしたい!って。
目的が違うけれど、生き生きしてればそれでいいのだ。
時期というだけで中身の薄い若者のエネルギッシュを
みているだけでオジオバは胸が踊るような感じさ。

ここからの写真は、サンタマリアノヴェッラ薬局にて。

Officina profumo-farmaceutica di Santa Maria Novella

DSCN1919

DSCN1936

DSCN1921

私が一番に住んだフィレンツェのアパートは
Santa Croce教会地区なんだけれど、そこから
陶芸のアトリエで出会ったアメリカ人のお友だちの紹介で
引っ越した先がSanto Spirito教会地区(冒頭写真)
このアパートは大家さんがいなかった分
溜まり場になるは、部屋をシェアするという初体験で
家族のように心配しあえる姉妹ができたアパート。

そんな歩き回った地区を
当時別でやはり同じ地区に在住していたそのママ友と
今日散策することができて嬉しかった。
小路が懐かしかったけれど新鮮だった。

この地区は地元民が住みアトリエが多い。
だからこそ外国人が気になるエリアだったりもする。

DSCN1932

DSCN1935

DSCN1934

住宅街に教会があるのか
教会があるから住宅街となるのか
私は無宗教だけれども
神聖な心の拠り所・守護的な所なのであることはわかる。

私は無宗教でも逃げるところがなかったら
彼らはそれでも受け入れてくれるだろう。
教会の前を通る度に入る度に
そんな彼らの包容さが伝わってくる。

ウクライナの歴史的木造聖堂が砲撃されたニュースで
私も落胆したひとりだった。
私が言うまでもない、避難所だったそうだ。

毎週日曜日や祝日にはPapa Francesco(現ローマ法王)
のお話を、ほんの少しニュースで伝えてくれる。

イタリアに避難してきたウクライナの子どもたちが
Papaに質問をしている。
「ローマ法王さま、戦争を止めることはできませんか」

Papaは鋭く真剣そうな眼差しで「時期というものがある。
時期がきたら私はプーチンに会ってくる」と言った。

ジャーナリストは
Papaがプーチンと対面する意向を表しました、と伝えた。
大人も子どもも同じ想いだ。

その子どもは、Papaに抱きついた。
大人も子ども抱きつきたい。

283342947_1192776374869176_4753199786469159766_n

暑い初夏、バカンス気分のイタリアは
ジリジリした日差しと午後に吹く風と
頭の中はエメラルドグリーン
結実中のオリーブは干ばつと高温で今一かもしれない不安
グリーンパス提示やマスク装着義務がとれたり
もう夏だけど夏に向かってます。



今日の一曲。





Grazie di aver visitato!
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。
今週も素敵な一週間をお過ごしください。




人気ブログランキング

にほんブログ村 海外生活ブログ ヨーロッパ情報へ
にほんブログ村

DSC07648

私は今まで生きてきて学んだことがある。

それは、話すタイミングがあるということだ。

それと、記憶って都合よく忘れたり覚えていたりするということ。

話すタイミングって、今話した方がいいときもあれば
時間を置いて気持ちが落ち着いた時に話した方がいいときもある。

今話さなければいけないときは、全部言ってやろうと緊張し興奮する。

時間を置いて話したいときは、あのピリっとした生の感情が消えている。
フシギだ。
あんなに感情が高ぶっていたのに、ない、ないない。
むしろあの感情を繰り返さないように
話の流れを高ぶらない温和ムードへリードしている。
フシギだ。
時間が解決してくれるとは、こんなことにも使われるのか。

もう二度とこの場はないだろうときは、今言った方がいいだろう。
でも、また会うのなら
できたら平和に過ごせたらいいに決まっているのである。

DSC07658

ある日、友と話している内に、空気が濁ってきた。

空気を読むのは、日本人だけの得意技ではない。
イタリア人だってナニ人だって誰でも空気は読める。

その空気の中、今言っておこうと決めるか
また今度落ち着いたらでもいいよねと感情を抑えて
フレキシブルに平和を保つか、性格なんだとおもう。

やっぱり空気が濁っているときの口調は荒立たしい。
感情のまま、あれもこれも言ったけれど
どんなに言葉を選んでも、感情が声や口調に出てしまう。

その荒立つ自分は、やっぱり好きではない。

DSC07662

弁護するようにその友の側近からの電話だったので
濁った空気の中の当の本人ではなかった。

だから、みんなで話し合いをしようと提案した。

チャットやメールや電話でもなく、顔を向き合わせて話すのだ。

そして、クリスマス休暇の後にしよう、と。

わだかまりで休暇を過ごすことになるのかと思いきや
1日2日で日々の暮らしで手一杯となり
あの時の荒立った興奮した自分なんてあっという間に消えていった。

こうやってすぐに時間が助けてくれるけど
忘れられちゃう自分の記憶の許容範囲が少ないことにも救われた。

その間に、気持ちも落ちつけられたし、別で相談もできたし
話し合うことを考えられたし、未来の提案も用意ができた。

私は、こうやって書いて表現することが好きだけれど
文章だけで伝わることって100%ではないことは
これまた自分の人生の一つの学びである。

表情とか口調とか声とか感情とか、しぐさとか視線とか。

会話のスピードや空気とか尊重とか。

日常のじつは他愛もないことなのだけれど
対面とはとても大切なんだということ

書くときのメリットもあればデメリットもあって
対面のメリットはデメリットを超えるようでもあるとおもう。

それを教えてくれたのが、イタリア人夫である。
「会って分かり合え」

野性的に本能で動く彼をみていると
もちろん現代についていけてないデメリットもあるけれど
じつは、本来ヒトの本質なのではないかと
いつもケンカばかりしていても彼のいいところは認める。

DSC07656

話し合いの日、ドキドキしたけれど
みんながドキドキしてくれていたのか
尊重し合って和解できた。

友や友の側近の性格にもよるであろう。

空気が濁っても、言い合える仲になるとは
むしろ嬉しいじゃないか。

新たに友としての関係が生まれた感じで新鮮だ。
なぜなら、もう私たちは
空気が濁ったときの対応を知っているからである。

DSC07659

DSC07685

思春期青少年は気分の変化が激しい。ようにおもう。

腹立だしいときもあれば、大きな犬のように愛おしいときもある。
がり勉クンっぽい姿を一瞬みせることもあれば
その他はずっと引きこもりという言葉にピッタリの生活をしている。
不良っぽく振る舞うことがほとんどだけど
自惚れスポーツマンでやる気満々のときもある。。

思春期男子との空気はどう読めばいいのか
大人の友との場合とはまた一味違う。

でも共通していることは
やっぱり時間を設けることにあるようなのである。

DSC07673

DSC07675

DSC07676

ときどき今までも、ボソッと告白してくれるときはたいてい
そんな会話をしていないとき、突然言ってくる。

こっちには聞く気もなければヒマもないその突然の間
隙とかでも空気とかでもなんでもない無頓着な間
そういうときに何故か試してくるのである。

そこで「あぁ、時間無いから後で!」というと
もう話してこない。次、開口する日はいつであろう。

その試された間「ヨシ、聞いたろうじゃないか!」と耳を傾けた。
「黙って聞いてね」とか「意見しないでね」とか
条件をつけてモジモジしているけど、約束通り黙って聞いて
自分が話したかったことが言えた瞬間
「え、怒らないの?」とか「え、お母さんも?」と安心して
「あぁぁ、言えてスッキリしたー。」と喜んでいる。

言うだけでスッキリするなんて!

そうなのだ、話すタイミングに話せられれば
私たちはヒトは、ストレスが一つ減るのである。

そのタイミングは、今すぐかもしれない
もしかするとすんごい時間がかかるかもしれない。

私はどんなに時間がかかっても
もしかしたらそれで距離を縮められるのならば
待つことは苦ではないとおもった。

DSC07669

DSC07678



☆こちらの記事もどうぞ☆
人生の一瞬を一枚に scattocon figlio
頭の中はシュルレアリスム Surrealismo a Pisa
少年に寄り添った日のこと il compoprtamento degli uccelli



Grazie di aver visitato!
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。
今週も素敵な一週間をお過ごしください。




人気ブログランキング

にほんブログ村 海外生活ブログ ヨーロッパ情報へ
にほんブログ村

DSC07551

DSC07547

DSC07560

夫と水を汲みに行った。

ヴィンチの山、Montalbanoモンタルバーノの麓
山からの湧き水だから清い無の味だ。

その辺に暮らす人々は、この水と繋がっている。
そして通りがかりやこうやってわざわざ足を運んで
汲みに来る人でにぎわうこともある。

たまに久しぶりの人に出会って話し込んだりもする。
たまに行列をつくって知らない人と話したりもする。

たまに蛇口が突然便利に改造してあったりもする。
たまに煉瓦の一部を椅子代わりに置いてあったりもする。

たまに汚しちゃった人がいてそのまま行っちゃった人もいる。
たまに壁にメッセージが書いてあることもある。
怒ったメッセージがあると次行くと消えていて
感謝とお願いメッセージがあるとずっと残っていたりする。

そんなヴィンチの山の水汲み場は
小さな小さな社交場なのだ。

いつもは孤独に夫が逆に息抜きで独りで来る。

ちょっと前までは少年が一緒にくっついていったり
家族総出の時は私と少年は散歩をした。
もうあの頃の少年は青少年となりついてこない。

今日は夫婦で出かけ、夫がいつものように水を汲み
私は、独りで散歩をした。

DSC07586

DSC07587

慈愛なる友と火をくべりながら話し込んだ。
一晩では全然足りなかった。

友は新生活をするために段取りをしていた。
独りで決断をしながら進めていた。

きっと怖いこともあるだろう。
でもそんなことを見せないしそんな話もしない。
私が勝手に想像しているだけだ。

慈愛なる友の表面に見せないところが好きだった。
そういうところを一番真似したかったところだ。

慈愛なる友の知ってる限りの人生を振り返っても
未来を想像しても、計画してできることではない。
次から次から舞い起こる状況にあわせて
大きな決心を何度もしている。
一番は自分のため、二番は子のため。

彼女の生きざまと彼女が見守る子どもの生きざまは
彼女のことが大好きで真似をしたくても
いろいろ教えてくれていろいろ話したけれど
私や息子や夫に同じことをやらせても
結果は違うことが意図も簡単に想像ができる。

これを改めて人生というのではないだろうかとおもった。

DSC07579

私の人生を振り返っても夫の人生を振り返っても
波瀾万丈な人生には代わりがない。

その波瀾万丈な人生に、もがく私たちが滑稽にみえると
私は落ち込んでしまう。

人が真似できない人生を歩んでいるのだ!とおもうと
笑みが溢れ落ちるぐらいやる気になる。

そうだ、真似のできない人生を歩むのだ。
答えは自分にしか出せない人生を歩むのだ。

気がついてみれば状況ってあとから生まれてきて
それを普通といわれる社会に近づけるよう努力する
が、判断とか決心なんだと気がついた。

そこに人の気持ちと人の人生があって
自分だけではないから複雑になるのだ。

DSC07555

DSC07553

水を汲みに行った小さな社交場は
私の家にもおもえてきた。



新年明けましておめでとうございます。

みなさまの一年が
健やかで穏やかに過ごせますよう
ヴィンチの丘よりお祈り申し上げます。

2022年もどうぞよろしくお願いいたします!
引き続きお付き合いくださいね。


☆こちらの記事もどうぞ☆
雲の上に la gradazione dell'aria
ヴィンチの地平線 Orizzonte
水汲み Fontana



Grazie di aver visitato!
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。
今週も素敵な一週間をお過ごしください。




人気ブログランキング

にほんブログ村 海外生活ブログ ヨーロッパ情報へ
にほんブログ村

↑このページのトップヘ