イタリアのトスカーナ地方の11月は珍しく晴れ続きで気温が暖かい。半袖で働いている人もいる。私も汗をかきながら全身運動をしている。

しかし、晴れはいいけど、この時期こんなに暖かいのも何かを意味しているようで、田舎に住む者は何か察知する。


この時期トスカーナ地方は、オリーブの収穫時期である。

我が畑も収穫に大慌て。

この温暖のせいで、オリーブの実が日に日に膨らんで黒づいていくのがわかる。

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2014年のヴィンチ(Vinci)は、6cm大の雹が空から降ってきて、オリーブは不作の年と終わってしまった。一年間手をかけた者としては無念の想いである。

草刈・肥料・病気予防・剪定・収穫。そして搾油費用。

やることがいっぱいある上に、畑の主が技術をもっていないと、元が取れない。

さらに、ここイタリアだって田舎は老人が増え、老人達は畑の管理ができなくなり、売却しなくても畑の全ての管理を委託するケースが増えてきた。

私は、農業講座でオリーブとブドウの剪定の技術を身につけたので、我が家の隣のオリーブ畑と5km離れたチェッレートグイディ(Cerreto Guidi)という地域にあるオリーブ畑、合計で120本のオリーブの木を委託され夫と管理している。


私たちは、ヴィンチの田舎道を入ったオーガニックの搾油工場Balduccio(バルドゥッチョ)で搾油することにした。

今まで私たちがこだわって管理してきたのだから、こだわりの搾油工場でいい。こだわりの低い搾油工場からすると、搾油費は上がるが。

こだわりの搾油工場は、オリーブを持ってくる側にもこだわって欲しいコトがいくつかあった。オリーブ栽培はオーガニックであること・オリーブの実の収穫からの時間・搾油後の容器などなど。

農業講座で、オリーブ栽培の指導をしてくれたSani Graziano(サーニ グラツィアーノ)氏の自ら手がけるオリーブもオーガニックだけに、オーガニック栽培を中心に教えてくれた。収穫に関し、Balduccio搾油工場と同じこだわりを伝授している。

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搾油後帰宅し、Sani Graziano氏から伝授したオリーブオイルソムリエたちがやる試飲の技で試飲をした。

搾油工場の出来がいいのか、栽培の出来がいいのか・・・すぐに口の中に刺激のある辛味のある私が求めていたオリーブオイルが出来上がった。

2015年のオリーブオイル(Olio Nuovo=オリオ ヌオーヴォ)が我が家の食卓に並んだ。
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引き続きヴィンチ村の上レオナルド・ダ・ヴィンチのふるさと、生家があるあたりfaltognano地区のオリーブの収穫のお手伝いが続く。

これが私の全身運動である。