大地の住人 ヴィンチの丘で

地球と体に優しいコト ~イタリアから~

フィレンツェの端っこレオナルド・ダ・ヴィンチのふるさとヴィンチの丘に在住。 大地の自然たちと向き合って地球と体に優しい様々なコト、発見・提案・発信!

December 2015

今年も一年をまとめる頃が来た。私は、12月となると一年を振り返る。


文章にすると・・・人に伝えようとすると、とてもよく考えるしよくまとまる。人に伝えるには、ポジティブな考え方や言い回しでなくてはいけない。そうすると、日々の生活も必然的にポジティブとなる。とても効果的だ。

イタリアに住む私は、新年の年賀状というより年末のクリスマスカードを一年のまとめとして送っている。


イタリアの郵便事情は相変わらず時間にルーズ。クリスマスの2週間前には投函するように心がけているが、いつ届いているかはわからない。


切手代が値上がりして数年経つ。

201512月現在、封筒に入ったカード一枚日本まで2.20ユーロ(1ユーロ=140円換算だと、なんと308!)、ヨーロッパまで1ユーロ、イタリア国内で0.95ユーロである。


どんなに値上がりしても手元に届く手紙の良さは続けたい。

写真とまとめ文章がカードとなっていると、自分でも手にとって眺めることがある。カードが立てられるように、A5サイズを二つに折って一枚にしている。
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電子メールが発達して手紙を送ることが少なくなっている中、こだわりの切手はまだまだ楽しさを魅了する。
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ネットで2015年版の記念切手をチェックし、地域の大きい郵便局に行って購入する。選ぶ側も楽しいし、きっと受け取る側も嬉しいだろうと期待する。切手代が高い分、複数の切手が貼れる。


私はある時からずっと、日本行きの封筒にはGIAPPONEジャッポーネ(日本)とイタリアの郵便局員が仕分けし易いように宛先の国名だけイタリア語で書き、日本の郵便局員が仕分けし易いように宛先の住所と名前は日本語で書いている。
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それでも毎年届いている。

いつだか中国人がそう投函しているのを見たことがあるからである。

確かに、日本に着いてしまえば、ローマ字より漢字の方がいいに決まっている。差出人私の住むイタリアの住所は勿論イタリア語で記入。


私の日本には、家族もなければ実家もない、帰国する理由も減っていき、なかなかふるさとへ行くこともなくなってしまったが、それでも数年振りに帰ると皆が私を迎えてくれる。息子までも迎えてくれる。きっと、毎年届く手紙(カード)が距離を結んでいるのかもしれない・・と私は想う。


2015年も遠くにいる友を想いながら一年を振り返る。

おととし鉢でいただいたPEPERONCINO ACRATAペペロンチーノ アクラータ。料理では、乾燥させた実を使うタイプ。日本の唐辛子の鷹の爪に似たような。

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昨年は大きな雹でやられ、数本生き残った実の種を残し、今年の2月の終わり頃、種を蒔いた。

芽の出る確率は高い。間引きをしたり、本葉の出た根を分けたりして、鉢には一本に。

鉢植えも大地植えも、2015年の夏の猛暑にも耐えた。高温に強く低温に弱い植物だそうだ。

根は浅く張るようなので、乾燥に注意し水遣りを怠らない。水が足りないとすぐわかる。そしてすぐ蘇る。
 

害虫や病気にも割と強いようで、簡単にオーガニック栽培ができる。
 

調べてみると、発生しやすい害虫の一つに「テントウムシ」なんていうのもあった。テントウムシは害虫なのか?!テントウムシは、植物に着くアブラムシをムシャムシャ食べまくる役に立つ虫で、私は養殖したいくらいだ。しかし、カメムシも発生しやすいそうなので、要注意。
 

どの植物も空気の通りを良くするために混み合っているところを間引きすることを勧める。その間引き作業中の若葉は煮ると美味しい、なんていう情報もある。お試しあれ。


このPEPERONCINO ACRATAペペロンチーノ アクラータ、白い花は恥ずかし気に下を向いて咲き、実は自慢気に上へ向かって実る。その実は、小さい緑から始まり黒へと変わり、最後にはイメージ通り赤と成るのである。
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赤く色付いたものから収穫し、乾燥させる。枝は折れやすいので、手で千切らずハサミを使うことを勧める。


PEPERONCINOペペロンチーノは、発汗及び強心作用、胃腸を刺激し食欲増進。食欲が落ちる夏にはより効果がありそうだ。暑い国の人は、汗をかいてでも食べるんだから生きていく上での一つの手段なのであろう。今後の世界は暑くなる傾向にあるのだから、彼らを見習っていこう。

体脂肪を燃焼させる辛味成分カプサイシン。ひとふりふたふりして肥満予防!


辛いモノ好きの私は、自分のお皿に直接ハサミでチョキチョキ細く切って乾いた辛味を味わうか、しばらくオリーブオイルに漬けてOLIO PICCANTEオリオ ピッカンテ(唐辛子で辛くしたオリーブオイル)をつくってしっとりした辛味を味わうか。


じつは友人の肩身となってしまったこのPEPERONCINOペペロンチーノ。

来年も再来年も子孫を残し栽培し続けようと想う。

2015年、師走。

日本もイタリアも、お歳暮・クリスマス+プレゼント・忘年会と一年の締めくくりをする時期がきた。

そんな締めくくりに、私が住むヴィンチ村付近の・・そして私も時に彼らと大地を歩き回った「たから」の詰ったバイオダイナミックワインを紹介しようと思う。

包みは例。洋風な布に和風な風呂敷包みなんてどうだろう。

私がセレクトした5種、ピュアー100%

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白ワイン 『
Aurea』 2013

Trebbianoトゥレッビアーノ100% 13%vol

とてもフルーティで日本食にピッタリ。お寿司に似合う白ワイン。




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白ワイン 『
Aithera』 2013

Malvasia Bianca マルヴァジーア ビアンカ100% 13.5vol

こちらはすっきりとした辛口白ワインで、魚介とオリーブオイルが似合いそう。




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赤ワイン 『
Il Cavaliere』 2011

Sangiovese サンジョヴェーゼ100% 14vol

厚みのあるしっかりした味。煮込みの肉料理やチーズに似合う。もちろんパスタにも。




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赤ワイン 『
Merlot』 2012

Merlot メルロー100% 13.5vol

木の樽(In legnoインレーニョとかBarricatoバッリカートとイタリア語で呼ばれている)で熟成されたワイン。木の樽の風味と舌に残る余韻を楽しみたい。




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赤ワイン 『
Tindilloro』 2013

Canaiolo Neroカナイオーロ ネーロ100% 13vol

しっかりとした味に渋みが効いた飲み応えのある一本。メインメニューのTボーンステーキにでも合いそうだ。




5種全てバイオダイナミック法で造られている。オーガニックよりさらに厳しく自然に従った有機栽培の一つである。

年間の栽培は、農主の植物と大地、自然への想いから丁寧な作業が行われていく。私は栽培に関わり、この目で見ている。そして彼らと語り合う。彼らにはウソがない。自然に対する想いが伝わってくる。

これらのワインには、大地の「たから」が詰っている。

2015年の自分へのご褒美に、そして愛しい方へのプレゼントへ、地球と体に優しいワインで私も一年を締めくくろうと思う。

2015年のイタリアの夏は猛暑だった。

日本の梅雨期、雨降りの中を歩くと肌寒いほどの気温だっていうのに、電話の向こうにいる夫の声は「イタリアは40度近くで午後は外に出られん!」と嘆きの声を思い出す。


オリーブの実に卵を産み付ける種のハエ(Mosca dell’Olivoモスカデッロリーヴォ)は、猛暑の為産卵期を逃し、オリーブの実は順調に成長期を過ごした。

10月前半の豪雨明けには、収穫を始めているところもあった。ハエたちの心配もなく、トスカーナのオリーブの実は、無事にオイルへと絞られたことであろう。

暑さに強い植物であり、ハエの産卵期を乗り越え、2015年のトスカーナのオリーブオイルは、どの農園でも出来が良かったのではないかと私は想像する。


一般的に売られているオリーブオイルを大きく二つに分けてみると、一つは表記されていないFiltratoフィルトラート、もう一つはGrezzoグレッツォとかNon Filtratoノン フィルトラート表記されている

Filtratoフィルトラートは、一般的に市場に出回っているものだ。フィルターでオリーブオイルを漉してあるオイルで、余計な成分を取り除き長持ちする。

Grezzoグレッツォ=Non Filtratoノン フィルトラートは、その逆で、フィルターに漉されていない純なオリーブオイルということである。しかし、時間が経つと沈殿物ができ、その沈殿物を除去しなければならない。沈殿物の中にある成分は、オイルの劣化を進める成分がある。容器から容器へと移し、沈殿物を除去する作業をイタリア語でTravasareトラヴァザーレという。10リットル以上のの大量購入をした場合、年に1~2回はTravasareトラヴァザーレをすることを薦める。


イタリアの小さな農園で直売しているオリーブオイルは、たいていGrezzoグレッツォのオリーブオイルである。フィルターで漉すには手間と時間と費用がかかる。

しかし、私は、少しでも美味しさを保たせる為に、フィルターで漉したオリーブオイルを薦める。

フィルターで漉したオリーブオイルは、冷凍することもできる。11月の搾り立ての味が夏に味わうこともできるのだ。講座で、こんな目の飛び出るような話を聞き、講師オススメのFrantoioフラントイオ(搾油工場)でこだわりのオリーブオイルを購入し、早速冷凍してみた。(高価でこだわりのあるオリーブオイルは、たいていフィルターで漉されてあるものが多い。)

7月の私の誕生日に解凍し、待ちに待ったオリーブオイルを試飲。うぉぉぉぉぉ!!忘れもしない搾り立ての味。感動・感激!

これは、特許を得たAntinoriアンティノーリ社の技法だそうだ。

一度解凍したオリーブオイルは再度冷凍はできない。小分けにし冷凍してみるのもいいかもしれない。


オリーブオイルの保存は、緑の葉緑素が飛ばないように暗室で、透明ガラスの容器の場合はアルミホイルや新聞紙でも巻きつけ、とにかく遮光することは鉄則である。できれば、20度程度一定温度が保てる場所で保存し(冷蔵保存はNG)、火の近いところでは放置しない。

少しでも長くおいしいオリーブオイルを味わって欲しい。

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