フィレンツェ在住のチェンバリスト山口詠子さんの生演奏を、嬉しくも聴く機会があった。
まず、チェンバロの説明をしてくれた。
私は、初めてチェンバロを見る。
オックスフォードで特注されたというチェンバロ。
チェンバロは、ピアノが生まれる前に広く使われていたそうだ。
ピアノは、弦を叩くことで音の強弱をつけることができる。チェンバロは、ギターのように弦を弾く仕組みになっているが、直接弦を指で弾かず、鍵盤を通して弾くので、音の強弱は演奏者の呼吸と鼓動で表現するそうなのだ。
鍵盤が二段になっており、主に下の段で弾いていた。
上の段を前後に動かすことで響き具合が変わる。曲に合わせて移動していた。
上の段の音はまた一味違い、下の段とのコンビの曲はとてもリズムがあった。
曲の説明を毎曲弾き始めにしてくれたので、作曲者の人生を簡単に知りながら始まる。
17~18世紀のバロック音楽。
彼女の演奏を聴きながら、私の頭の中は、まるで小説でも読んでいるかのようであった。
きっと誰でも一冊のストーリーでドキドキしたりホッと安堵したりする本を読んだことがあるかと思う。
作曲者が上手いこと感情を表現したストーリーを、さらに山口詠子さんの演奏で表現され、私にも伝わってきたことに驚いた。それほど聴き入っていた。
ピアノのようでギターのような弦を奏でるチェンバロに興味が沸いた。
そして、チェンバリストの山口詠子さんの鼓動による弾き語りに魅了した。
Firenzeは初夏の日差しを差す今日この頃、チェンバロの音を思い出しながら、清々しい気分でVinciの家へ帰宅した。
人気ブログランキングへ