大量の雨は、涸れた大地に浸透しただけではなかった。
植物に潤いを与えた。
ブドウは潤った。しかし、熟度が下がった。
大量の雨は、2度もアルコール度数(=熟度)を下げたそうだ。
こだわりの主は、自然へ任せることにした。
熟度を取り戻すには、太陽の熱と天空の風で潤った水分を蒸発させるのだそうだ。
こだわりの主は、3種の純正ボトル、2種のキアンティボトルを造る。
各々のボトルに合わせ収穫をする。
同じ列を2~3回手をつけることもあった。
一列に複種のブドウが植えてあるからである。そんな畑つくりが伝統のキアンティと呼ばれる畑である。
ブドウのセレクトをする、ブドウの種類を選ぶ、ブドウが傷んでいれば取り除く。収穫も手間隙かけるバイオダイナミック農園。
農主は、イノシシの狩人だ。
ランチにイノシシの煮込み料理の日もあった。
息子が狩をし、Mammaマンマ(88歳のお母さん)が料理をする。
農主とパートナーが歩いて探した美味しいPecolinoペコリーノ(羊のチーズ)に、パートナー作のSalsa Piccanteサルサ ピッカンテ(フレッシュペペロンチーノソース)とSalsa di Cipollaサルサ ディ チポッラ(タマネギソース)はピッタリ合った。
少年は、収穫中、自作Mostoモスト(ブドウの搾り立て汁)をこしらえていた。
これなら大人と乾杯できるね!
Vendemmiaヴェンデンミア(ブドウの収穫)、終了!!
早朝、Rimontaggioリモンタッジョ(ブドウの皮を濡らす作業)を終えた夫が持ち帰ってきたMosto Biancoモスト ビアンコ(白ブドウの搾り汁)。
秋の朝日は、熟れた樹木を黄色に演出する。
朝のVinci ヴィンチは一足早い紅葉ならぬ黄葉が伺える。