大地の住人 ヴィンチの丘で

地球と体に優しいコト ~イタリアから~

フィレンツェの端っこレオナルド・ダ・ヴィンチのふるさとヴィンチの丘に在住。 大地の自然たちと向き合って地球と体に優しい様々なコト、発見・提案・発信!

September 2020

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あぁ、この虹に出会うために今日があったようだ。


あぁ、こんな言い伝えに出会うために果実を摘んでいるのだろう。



虹は、奇妙に二色のようにみえた。

黒っぽい雲ともくもく白い雲と薄く染まった青い空と

弱った黄色い光りの複雑な空を

農園の主は何度も何度も不安そうに眺めた。


そんな空に現れた虹をみて

ブドウだけをみつめている私たちに

「赤い色が太いとブドウが豊作で

緑色が太いとオリーブが豊作なんだ。

みてごらんよ、今日の虹は二色しかない。どっちも豊作だ。」

そんな言い伝えが昔から言われてたよなぁ、と主はつぶやいた。


私は男たちと虹をみあげた。

若いブドウの木の収穫はブドウが低い位置にあった。

私たちは腰が痛くてすぐにはピンと伸ばせなかった。

でもその二色のような虹をみたかった。

腰に手を当て、虹とその話にききよった。


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ここの農園は、半分機械化するためのブドウ畑に

ここ数年仕上げてきた。

半分は生産用に残しておく。

その古いブドウ畑のブドウを手で摘んでいる。

手摘みをしている間に、待望の収穫マシーンが

到着するはずだった。

しかし、ここはやっぱりイタリア。予定日の朝には来なかった。

雨が降った前日の夕方にピカピカに到着した。


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なぜブドウ畑を機械化することにしたか。

農園の主兄弟、答えは一つだった。

毎年、人手を集めるのが困難になってきたからだそうだ。


がんばり屋な人材が確保できない。

天候に左右されて毎日続くわけでもない。

いつはじめるかもブドウ次第で正確に伝えられない。

がんばり屋はたまたま失業中で出会ったけど

すぐ仕事をみつけてそっちにいっちゃう。

若者は肉体労働ができる根性はあまりなくって

二日もしたら来なくなる。

個人で本業でやってる人材をキープするのも難しい。

だから熟れた男たち、早く年金に入った男たちに

声をかけちゃうそうなのだ。


人材を呼び込む方法はもっともっとありそうだけど

なかなか違うことに投資はできないし

ITの世界にとびこめる世代の農園はなかなかいない。


去年なんかBracciante(季節労働を仕切るボス)率いる

パキスタングループをよんで、わーっと収穫したそうだ。

我が家の隣の農園なんか

そのパキスタングループを雇って満足してたから

ここの主兄弟も喜んでいるのかと思ったら

「アイツはさ、作業が早く出来てりゃいいんだよ。ウチは違う。」

ボスは労働者に水もあげないでさ、怒鳴ってて

それ見て心が痛くなっちゃった...と悲しそうにいう。...そっか。


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ここの主兄弟の農園は、我が家の一番近くの農園で

以前夫が手伝いにいってた農園だ。

小さな息子を引き連れた私は、当時断られた。


その頃のヴェンデミア(Vendemmiaヴェンデンミアブドウの収穫)は

毎日がお祭り騒ぎのようなランチ付きで

夫は毎日、今日は何を食べたとか私たちに報告する。

収穫終了の夕食会は、私も息子も誘ってくれて賑やかだった。

みんな顔を真っ赤にして踊ってた。

これぞ収穫祭だった。


夫の仕事力とコミュニケーション力がすこぶる頼もしかったことと

近所ってこともあって、それから近所付き合いがはじまった。

そこで誰も知人のいない田舎暮らしでも

何かあったらあそこんチに逃げるんだよ!と息子に教えたほどだ。


私がブドウとオリーブの剪定の勉強をして

あっちこっちで経験を積んでいることを気にしてくれていた。

息子も一人で動く思春期少年に成長し

やっと仕事に集中できるときを待っていた様子だ。

でも遅かった。

手摘みから機械化に世代交代しちゃうなんてぇ...


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機械化に更新するにあたって、新しくブドウ畑を耕すことによって

国からの助成金を実際の経費の三分の一ぐらいかな

もらえるらしいんだけど、申請も工程も経過も調査されるらしい。


そこで、代々受け継がれたヴィンチの丘では珍しい

Pergolaペルゴラ(樹形;ブドウ棚)も解体しなくてはいけないそうだ。

高くて腰を曲げずに作業ができたのに!

趣があってここの農園の謳いどころのような気がするのに。

家の裏にあって、夏場の逃げ場だったそう。

そこからのヴィンチ村の眺めは最高だ。


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雨が降った。

私はまた寝た。

午前中の二度寝は金縛りにあったかのように爆睡して

体温がほどよく保たれて、すっごく気持ちがいい。

ずっと続いてたブドウの収穫で疲れていた。


風が吹いた。

私は歩いた。

オリーブが膨らんで色が変わってきた。

風で下に落ちちゃったオリーブもあった。

それでも強く育てたオリーブたちは何事もなく風に揺れている。

これで気温が下がれば、おいしく熟れる。

虹の緑色はオリーブだ!



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ついにグローバルなブドウの収穫 Vendemmia 2018 vol.3

世代交代 ブドウの収穫 Vendemmia 2017 ④

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私は、人の手をみるのがすきだ。
手が、職業を物語っていたり
なんだか性格までみえるような気がするし
人生みたいなものもうっすら想像しちゃうし
そして、樹木のような年ごとに増えていく成長輪
年輪が手からみえたりもする。

大きい手でがっちりしている手は
力仕事をしてきた汗みたいなのも感じるし
細い指の手は、細かい作業をコツコツしてるんだろうなと想像する。
水仕事を丁寧に毎日してそうなちょっと荒れた手は
手をみるだけで生活の愛情が伝わってくる。

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私の手は、細かい作業にも得意な手だったけど
剪定鋏をもったりノコギリをもったりするようになってから
手に筋肉(?)がついたのか、結婚指輪も入らなくなってしまったw

豊満なブドウは重く、肉を鷲掴みするようにブドウを掴む。
果実は果皮がはじけて真っ赤な果汁が手にしたたる。
まるで血のような果汁は、ブドウの魂のようにも感じる。
彼女(ブドウは女性名詞UVAだから)の血を
私たちは呑んで潤って、生活に艷を与えたり寿をふきこんだりする。

私の手は、そういうわけでブドウの色に染まってしまった。
鋏をもつ手と果実をつかむ手
どちらにしろ危険だから軍手をしてても
黒ブドウの果皮にある色素アントシアニン(伊Antociani)は
手をどんどん染めていく。
レモンやお酢などのクエン酸(伊Acido Citrico)でおちるそうだ。
が、私の手は染まり放し。
ブドウの一部になったようで、染まった手がすきだったりもする。

軍手に穴があいている。
3回ぐらい犬にパクッと軽く噛まれたような痛みの切り間違えをした。
きっとその時かもしれない。
それとも枝や草に引っかかってあいたのかもしれない。
軍手をしててよかったと思うことが何度もある。

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8月からやっていたワイワイ農園が一段落し
次は、年輪がくっきり刻まれた熟れた男たちのチームに紛れた。

どこに行っても、世代が違っても
癖があったりおしゃべりな人ってどこにでもいる。
おしゃべりな人ってね、ホント一日中喋ってんの。
沈黙が怖くなるのか、自身のアピール法なのか
自慢なのか社交的にすべてを共有させたいのか。

一列につきあっちとこっちでペアとなってブドウを収穫するのだが
だんだんペアとなる人は自然と決まってくる。
人が足りないときには、人のいないところについたり
朝やランチ後の集合具合でペアがずれたりする。
そういうわけで半日ペアは変わることなく、列を移動していく。

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ある半日、おしゃべりとペアになったとき
こんな私でも辛くなった。
私が返事をしなくても声は大きいから誰かが相槌をうっている。
誰かが返事をするからおしゃべりはNon Stopなのである。

私は人が話をしているときにメディテーションができる。
そのおしゃべりは雑音ぽい場合である。
しかし、その雑音はボリュームに関係することがわかった。

一番向こうの列まで聞こえるおしゃべりのボリュームは
私のメディテーションを邪魔するのであった。
そうすると大音量の雑音と雑念で
だんだんイライラしてきてUffaと何度ため息をついたことかw

しかしこのおしゃべりの手も黒く染まって
同じ豊満なブドウを掴んでいた。
おしゃべりは、一年中ブドウ畑で作業をしている手だ。
そして几帳面に、小さなブドウ(Femminella)も掴んでいる。

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おしゃべりとは打って変わって
難聴の男は無口に黙々と作業をしている。
汗が額だけではない、顔中に粒々となってくっついている。
心配になるぐらい汗だらけだ。
ヴィンチの丘の上で風が吹いたとき
私と彼は両手を広げて汗を拭った。

言葉なんていらないと思うときが何度も何度もある。
何かが欠けてても、共有できることはいくらだってある。
何かが欠けてる人は、何かが優れている。

この年輪のある男の得意は、根気強さと作業の速さのようだ。
そしてその分厚い手が止まると、とたん優しい表情を無口にみせる。

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半日だけ、農主のブドウの収穫を手伝いにいった。
おじいちゃんに挨拶をすると
「おー、どこに行ってたんだ。」 えへ。
この娘は一年の作業をやってくれるがんばりやさんだ。
この全部の畑だぞ!
とみんなに紹介してくれた。よかった覚えててくれて。
おじいちゃん、いつもの鋏をいれる牛の角をぶら下げて
ブドウを収穫していた。

おじいちゃんの手はね、年輪のある筋肉が減っても
穂軸の間に指を入れられる細かいことができる手なのだ。

おじいちゃんの手も、真っ赤なブドウの血でまみれていた。
私たちは果実の狩人みたいだった。


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暑くはじまって、まだ暑いまま。

数年前からヴェンデミア(Vendemmiaブドウの収穫)が
8月からはじまりだして、気候の変化に嘆きはじめた。
“La vendemmia di Agosto...mamma mia!”
暑くて、具合悪くなっちゃう人が出て
体の強さとか外の仕事の慣れとか
そんなことが浮き彫りになる季節労働だった。

去年はどうにかこうにか9月にはじまって
10月のはじめに終わったのをよく覚えている。
オリーブの収穫が間近で、オリーブの話をいっぱいした。

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今年は8月の終わりから私たちはずっとヴェンデミアをしている。
具合の悪い人が出ないように
暑い日の労働時間を午前中に集中させて
水もいっぱい提供してくれた。
あまり少ない労働時間だと収穫にならない。
セラーのタンクをいっぱいにしなければいけないからだ。
早朝から長めの休憩をはさんで14時まで通し。

その休憩のときにイタリア式第二のColazioneコラッツィオーネ(朝食)を
するのである。Merendinaメレンディーナ(ちょっとおやつ)ともいうし
Merendaメレンダ(本気おやつw)ともいうかしら。
ランチタイムがない分、その休憩でワイワイダラダラするのである。

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仲間が「昨日摘んだやつだよ!」と
Merlotメルロー品種のブドウのスキアッチャータ
(Schiacciata con l'uva)をつくって持ってきてくれた。
おいしくできたじゃん!
本当のレシピはこのブドウの品種でつくるとおいしいよ
というのがあるのだが、なんでもよさそう!
甘くてフルーティなCanaioloカナイオーロなんかもイケそう。

塩派の人は、私がPizzaのときにほぼ必ずつくる数日保存できる
Schiacciata secca(カリカリスキアッチャータ)白ごま入りが
気に入ってボリボリおせんべえのようにつまんだ。とまんないねw

あとは疲労や日焼けに必須、ビタミンたっぷり旬の果実を
みんなで分け合った。
プルーン(Prugneプルーニェ)だったり、洋ナシ(Pereペーレ)だったり
すっごい栄養価のあるナツメ(Giuggioleジュッジョレ)だったり
この時期に成るイチゴ(Fragolaフラーゴラ)て美味しいんだよね!
どれもトスカーナの田舎の家にはメジャーすぎるほど
植えてある果実たちである。

Uva da tavolaウーヴァダターヴォラ(生食用の実が大きいブドウ
テーブルグレープ)をみつけると、それをみんなで分け合った。
テーブルグレープて買うととても高いよね、という話になった。

トスカーナ、特にキアンティのワイナリーでは、この手の品種は
畑のところどころに植えられていて、偶然発見することが多いw
あ、こんなところに!
で、忘れちゃうことが多いので、その場で食べちゃうことが多いw

スーパーや果物屋さんでみかけるテーブルグレープは
たいてい南イタリア、特にシチリア産が多いそうだ。
しかし、見た目重視のフルーツは農薬をいっぱい使いがちだそう。
農薬反対運動をしているここの農園の主が力説していた!
種無しブドウは農薬プラスホルモン調整された人工的ブドウだそう。
ということで、庭にテーブルブドウを植えて育てて食べた方が
安心だね、ということになった。
藤もいいけどブドウの棚もよくみかけるトスカーナ。

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ニワトリを飼ってるという仲間が
フレッシュタマゴをお裾分けしてくれた!ありがとう!
そのタマゴを生卵ご飯に、房総・富津の金谷で出会った
漁師料理かなやのワカメとカジメのインスタントスープで完璧である
と、仲間にいうと...
ウェェ...と嫌な顔してこちらを見る。
そう、こちらの人は、生でタマゴを食べれる人が少ないのだ。
アツアツごはんに生卵、最高じゃん!と豪語すると、もっと引くw
茹で卵より生卵のほうが消化にいいんだよ!といっても興味ナシw

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食べ物の話はどこに行っても共通の話ですぐ盛り上がる。
たいてい食べ物の話をしだすのは、お昼近くなってきてからだ。
空腹時にグルメ情報交換して
妄想しながら収穫している私たちを想像してほしいw
10時頃のおやつが消化して、気温も上がってきた
13時から14時の間が一番辛かった。
でも無言になることはないおしゃべりイタリア人。

そして、遅いランチの後の昼寝がまた気持ちいいのだ。

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そろそろあっちこっちでもヴェンデミアがはじまる様子だ。
準備をしてるのかトラクターの音が聞こえてくる。
暑くてもなかなかアルコール度数が上がらなかったブドウが
いい状態になってきたという話をきいた。
近所のブドウの収穫も手伝ってこようと思う。
これからはいよいよ気温が初秋に入りそうな予報だ。
通常労働時間に戻り
早くヴェンデミアを終了させることが先決となる。



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「マキ、ヴェンデミア終わっても友達でいてね!
何度も何度も会いたいなぁって思ってたんだけど
時間ばっかりすぎちゃって、再会するのは
またヴェンデミアになっちゃった...。それがすごく残念なの。」

うぅぅ、なんと素直な人なのだ!
私も、これは彼女と行きたいなとか食べたいなとか
この話は彼女としたいなとか、そんなときが一年にいくつもあった。

ブドウの収穫(Vendemmiaヴェンデンミア)をやってると
ランチタイムも四六時中一緒にいるわけだからテーマは尽きない。
それを全部ココに書き残したいぐらいおもしろい。
似た者同士の集まりでもなく、友だちでもなく
ただただヴェンデミアの仲間なんだけど
話せば話すほど、家族のように心配しあって考えあって意見して
そんな仲間の正直な意見や思考が
自分を知るいいチャンスにもある。
しかも、イタリア人だけじゃない、多国籍だからおもしろい!

「フェデ、二人でさ、ハメッドの生まれ育ったモロッコに行かない?!
南仏とスペイン横断してさ、船で渡ろうよ。
物価安いらしいからレンタカー借りてさ!」
きゃぁ、いいね、いいね!SI, SI!!!
隣の列にいたモロッコ人のハメッドが
調子よくいろいろアドバイスをしてくれる。
「ハメッドも一緒に行くんだよ!案内してくれなきゃ!」

「マキ、キャンパー手配してさ、次のヴェンデミアは南仏行こうよ!」
SI, SI! 私も考えてたところ!
ピエモンテ(州)にリンゴの収穫でもいい!
マルケ(州)にモモの収穫でもいい!

こうやって私たちは、叶えられそうな願望をいいあう。
これを若い内にやっておけばよかったなぁと想った今日この頃だった。
我が思春期少年に仲間との話をポロッとしたら一番喜んでいた。
きゃぁ、いいね、いいね!ボクも行くー!
話さないほうが良かったかな
このままだと勉強放棄して本当にアドベンチャーしそうだ。

このパンデミックで外国人の季節労働者が減って
トレンティーノ(州)のブドウの収穫は人手不足で困っているそうだ。
職難なはずなのに。
こんなに人間味のある仕事なのに。

あるヴェン友がボクの誕生日だからと
ご自慢のピッツァとフォカッチャを焼いて持ってきてくれた。
休日の翌日は、昨日焼いたというお菓子をみんなで頂いた。

パンデミックのせいでワインの売上はお手上げだ。
レストランは開いていない、観光客は誰もいない
セラーには去年のワインでいっぱいという農園がたくさんいる。
しかし、収穫はしなければ...。
日照りや不作だった農園にブドウの実やモスト(搾りたて果汁)を
泣く泣く売買するところも多いようだ。
そのお金は、この収穫費用に当てられる。

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近頃よくおもうことがある。
それは家族のそれぞれがもつ独り時間である。
だんだん親との距離が必要になってきた
思春期少年の成長とともにはっと気がついた。
あえて独りと表したかったのは、ただ単に一人になるのではなく
独りの世界に浸ることが私の気持ちだ。
寂しいのではない。あえて望むのである。

近頃思春期少年にきちんとしたおこづかいをあげることにした。
それは友だちと出かけたり、好きなものを手にしたり
もしくは我慢したり貯金してみたり
お金の管理をとにかく自分でしてほしかったからだ。

もっともっと小さかった少年期に一日のお給料と
ジャラジャラ小銭をあげて、たまに両替して
またジャラジャラ小銭給料なんていう時期もあった。
いつの頃かそれでは足りなくなってくる歳を迎えていた。
友たちのお誕生日会は小銭給料の別払いであった。

思春期少年は毎月のおこづかいが楽しみなようだ。
特に交換条件は無くはじまったがゆえ、嬉しいに決まっている。
思春期少年は、スマフォ機器をゴチャゴチャ買いはじめた。
機器を一人で調べて一人で買いに行ってるようだ。
自分の分身のようなそしてお守りのようなスマフォを
そうやって強い見方にして、独り時間を楽しむようになった。

どこにでも行けそうな気がするし
どこでも誰かと一緒なような気がするのであろう。
そのバーチャル感が彼の独り時間なのかもしれない。
私がヴェンデミアであくせく働いているとき
そのスマフォ機器を並べて音楽をガンガンに聴いているようだ。
おかしい。機器には時代の差があっても
やってることは両親の時代と同じだ。
夫もそれを知って微笑むしかなかった。

私は未来をバーチャルさせてヴェン友と妄想に喜び合う。
去年日本で収穫体験できたのでそう遠い妄想ではないはずだ。
いつかまたあの頃のような旅をしたいと想うし
さらにはオプションをつけて旅したい。
そう想うとこれからまたがんばれそうな気がするし
10年後や10年間が楽しみで仕方がない。

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イチジクが熟れだすと夏の終りを感じる。
この夏の思い出を保存したい。
ひとつは晩夏の日に照らして。
もうひとつはコッチョリーノの土鍋さんでジャムにしよう。

この土鍋さんを通して出会いもあった。
友から友へ、情から情へ
それを温め煮込みたいと想った。

友たちは遠くにいても友たちで、独り時間でも想いが込み上げ
バーチャルの中にも存在して
その想いを積み重ねながらまた新しい友と出会うのだ。

パンデミックの夏でも出会いがあったり
友情を確かめあったり、想いを送れる
灼熱とはまた温度差のある余熱感の今
わたしはとてもきもちがいい。

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