大地の住人 ヴィンチの丘で

地球と体に優しいコト ~イタリアから~

フィレンツェの端っこレオナルド・ダ・ヴィンチのふるさとヴィンチの丘に在住。 大地の自然たちと向き合って地球と体に優しい様々なコト、発見・提案・発信!

November 2020

DSC06450

Lo ZOSUI è una specie di
minestra di riso o zuppa di riso,
è un piatto tipico
della cucina giapponese
e molto popolare,
che si prepara con gli avanzi
di riso cotto e il brodo vegetale.
E anche si gusta dopo
il brodo di minestra NABE
(che sono bollitti tutti gli ingredienti
in una pentolona di argilla(DONABE)
o di ferro, e condividere con
i commensali allo stesso tavolo).
E' un piatto veloce, pratico
ed economico, è adatto sopratutto
quando fa freddo o anche poco petito.
Si rilassa tutto il corpo
cosi riscaldando.
Vi consiglio di condire con
il sale e l'olio EVO a piacere.
Io mangio anche dalla mattina(o^∇^o)ノ
Buon appetito e Buona giornata

  le pentole ▶▶▶ @cocciorino
DSC06455



ヴェン友(ブドウの収穫で出会った友の略)から電話があった。
「マキ、元気~?」からはじまって
コロナで物事が先に進まない話をここでもして
思春期少年が家にダラダラいることを愚痴ってw
さてと、今年のオリーブの話となった。

彼らはまだ(11月半ば)収穫をしているようだった。
電話をしまくって自慢したくなるぐらい大豊作だったそうだ。
しかし、彼らの畑は搾油率が10%以下で
ウチの今年最高13%に驚いていた。
彼らはヴィンチより北のピストイア県に入る土地に住んでいる。
他の友も同じことを言っていた。豊作だけど搾油率が悪いって。

なーんにもオリーブミバエ対策しなくても今年は大丈夫だった!
とは言っていたけど、今年は9月10月より8月の半ばから終わり
オリーブミバエの産卵があやうまれたのを私はよく記憶している。
だから私は8月のお盆過ぎに、夫と暑い中、手を打ったのである。
でも産卵適温が日中につき短かったこともあって
被害は少なかったし、その後もなかった。
でもオーガニックは卵を産み付けられてからでは遅い。
予防をしなくてはならないのだ。

そして、ブログでもレポってきたように、熟れが今一であった。
11月半ばにオリーブの実を塩漬け用に摘みに行ったが
その頃がオイル用にちょうど良さそうな色づきだった。
だから搾油率が低かったかもしれないし
なかなか熟れなかったのは夏の気候にも影響しているであろう。
それは、8月の半ばにオリーブミバエを心配したぐらいだから
初秋っぽかったのかもしれない。夜の冷え込み具合とか湿気とか。

DSC06361

それともう一つ考えられるのは、剪定の仕方。
今年は初夏の雨もちょどよかったから結実しやすかったことも
考えられるけど、実の豊作もそうだし葉もたくさん生まれたと思う。
欲張った剪定をしていると、日当たりが悪くて成長が悪い
そして、大量の実へのエネルギーが分散しすぎて
成長に影響がでたのかもしれない。
私の搾油率13%のときのオリーブ畑の様子は
日当たりのいい部分の収穫だった。

私の剪定は切り過ぎなようにみえるし、肥料をしないこともあって
木自体が貧素にみえる。
お隣さんは土にも葉にも化学肥料撒いて、結実剤も使って
枝いっぱいのワサワサのオリーブの木に毎年ゴロゴロ豊作で
鼻にも目にも息苦しいミバエ殺虫剤をいなくても撒き散らす
そこの畑とは大違いだけど
ブドウの芽掻き作業と理屈は一緒で、日の当たりと風通し
エネルギーの分散率を減らすことで、一粒一粒がほどよく
成長することができると私は信じている。
だからお隣なのに、成長度が違うのである。
ブドウの芽掻き作業のような見極め作業を私は
冬の剪定のみで行う。


と、目の前の我がオリーブを眺めながら友の声をきき
ほぼ毎日オリーブオイルをのむように生で噛むのである。

DSC06343

朝の雑炊。(冒頭画像)
ヒマなときは、ひとり朝ごはんを丁寧につくっている。
我が家の男子は、甘党だから勝手にやってくれ。
このコッチョリーノの土鍋ちゃんはカワイイから土鍋がうつわ。
ステンレスの鍋からすすることはできなくても
土鍋ちゃんだったら喜んで!
朝から、土鍋ちゃんの中に野菜たっぷりの野菜出汁に
米粒か残りのご飯を加えるだけ。時には味噌も。
出来上がったらオリーブオイルをタラタラポタポタいっぱい垂らす。
朝の寒色にキラキラ光る黄緑色といい
アツアツの湯気と一緒にオリーブオイルの香りが
モワ~ンと鼻にも肌にも浸透してくるのである。
朝から絶品な雑炊。
あぁ、私ったら一人で健康になっちゃうw

ほぼ毎日コッチョリーノというハッシュタグをツイッターで発見。
ウチもウチも!とニヤニヤしてしまった。
土鍋さん(大)と土鍋ちゃん(小)が仕舞わずに出しっ放しで
そう、ほぼ毎日コッチョリーノで調理しているのである。
煮込みも焼くも炊くもなんでも土鍋さん。せいろがあったら蒸しも。

DSC06353

お昼やおやつやアペリでもとにかく万能なFettuntaフェットゥンタ
(パンの表面をカリッと焼いてオリーブオイル)とか
Pane e Olioパーネ エ オーリオ(パンを焼かずにオリーブオイル)とか。
さらには、Pizza Biancaピッツァ ビアンカ(ピッツァ生地を焼いただけに
オリーブオイル)とか、シンプル素材に新鮮なオリーブオイルで
いただくのが、イタリアオリーブオイル文化の老若男女の
ほぼ毎日のつまみである。
特に今が一番美味しく味わえる時期で。
新しいオリーブオイルと食べるためには美味しいパンが必要で(!)
そういうわけで近頃パンつくりに精を出しているのである。

DSC06465

ほぼ毎日オリーブオイル文化の食卓では
サラサラスープにも、ドロドロスープにも
和風味噌汁にも、うどんなんかの和風だし汁にも
ドボドボ二重三重にも円を描くようにかけて
オリーブオイルという植物性のコクを噛むように味わう。

パスタなんかもオリーブオイルで炒めているにもかかわらず
仕上げに生のオリーブオイルをガバガバかけて、味を引き立てる。
私は、炒めるときは少なめに使って、仕上げの生を多めにしている。

リコッタチーズ、冷奴豆腐、ひよこ豆豆腐なんかは
塩とオリーブオイルで。
サラダもお浸しも、塩とオリーブオイル。

このようにしてオリーブオイル文化の暮らしでは
自然とほぼ毎日オリーブオイルを生で体に浸透させているのである。
オリーブオイルは健康のための飲む薬ではなく
一つの調味料なのである。

Ricotta con Olio Extravergine di Oliva


Udon con le Erbe e Olio di Oliva-


DSCN0873


DSCN1159


私は、オリーブオイルだけが体によい成分がいっぱい詰まってて
無農薬無添加でこだわったホンモノオリーブオイルを
食べてればいいってものではないと思っている。

オリーブを栽培してみて、オリーブの木が元気に成長して
オリーブの実を生むのは、草や虫や菌の共存
光や美味しい空気を吸うこと、ほどよく水分を摂取すること
もっともっと元気なオリーブは、家の近くにあるようなオリーブで
私たちの賑やかな声をきいていること、ケアしてくれる人がいること
それが全部重なって美味しい実を生んでるじゃないかと想う。

そうやってみると、人の生活にもみえてくる。
愛のある健康成分いっぱいのオリーブオイルをかける材料たちも
健康的に栽培され、シンプルに料理され
私たちはポジティブな生活をしながら食することで
ホンモノのオリーブオイルの薬のような効果が
でるのではないかと想っているのである。

Equilibrioエクイリッブリオ(バランス)のある食事と
Benessereベネッセレ(至福を生む壮健さ)のある生活を心がけたい。
そう自分に日々の様々なシーンで言い聞かせている。
特に物事がうまくいかないこの世の中で。



*私がセレクトした過去の関連記事Best 3 Archivi Selezionati*



Grazie di aver visitato!

最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。




にほんブログ村 海外生活ブログ ヨーロッパ情報へ


Instagram
 ≫≫≫ obatamakivincirealmakici


DSC06359

農業士養成講座のある仲間とずっと繋がっている。
仲間といっても農業を目指す若者ではなく
自然好きの富豪マダムで
彼女は農園を開業するために講座を受けていた。

だから彼女の質問はリアルで深刻で
年齢もあって執着した質問は、私にも効果的だった。

年齢的に女子の中では私が一番マダムより
といっても十以上は離れているが、親近感があって
外国人であろうが信頼関係がうまれた。

DSC06392

講座終了後、あの執着していた質問では理解していなかったのか?!
と思われるぐらい忘れちゃったのか自信がないのか
私に執着ある質問の電話がよくかかってきた。

それも一つの目的に私たちは近況報告をしながらおしゃべりをした。
共通点のオリーブやブドウの栽培の話がメインである。

そこでマダムに私が持っていくオリーブの搾油所を教えてあげた。
講師が教えてくれた最高の搾油所は私たちからすると少し遠い。
だから、こだわり派の搾油所が近所にあるってラッキーなことである。
その搾油所に持っていったわよ!とマダムから連絡があった。
フィルターにも濾してもらったそうだ。
でも富豪マダム、自身の農園でもできるように
フィルター機を購入したそうだ。さすがマダム。

富豪マダムだけれど、農園の経営は厳しいそうだ。
運営していかないと資金だって減っていくよね...。
私もオリーブオイルつくってるけど
マダムのオリーブオイルを5リットル、ささやかに応援することにした。

DSC06365

そのとき、もうすぐオープンだったというAgriturismoアグリトゥリーズモ
(農園兼民宿)をみせてくれた。本当だったら夏にオープンだったそう。
でもコロナで衛生的にも厳しくなってるからゆっくりオープンするわ。
今のうちにインテリアのセッティングをして(マダム担当)
イベントのプログラム...例えばお料理教室(ご主人担当)を考える
マダムらしいのんびりさが、私にはあえて必要だった。
安堵感とワクワク感が同時に湧いてきた。
今まで世界中を飛び回っていたご主人もご引退なさって
お料理教室を計画しているキッチンをマダムを急かしながら
じゃーん!とみせてくれた。かわいいお二人!

テラスでランチもご馳走になった。
秋晴れの陽の下は夏を思い出すようにジリジリと暑かった。
マダムはインディゴカラーの麦わら帽子を引っ張り出してきた。
その帽子を被ったマダムは、やっぱりセレブな富豪マダムだった。
マキも被る~?あるわよ~。
ありがとう、大丈夫、背中が暑いだけだから~。

去年2019年に収穫したというワインもご馳走になった。
サンジョベーゼ、カベルネ、シラー、テンプラニッロとかいう
ブドウの品種のミストで、3ヶ月オークの木樽で熟成させたそうだ。
品種のハーモニーがほどよく、オーク樽の加減もちょうどよく
アルコール度数も高すぎず、なかなか美味しかった。
若い農園だが上出来だとおもう!
Agronomoアグローノモ(農学士、アグロノーム)
Enologoエノーロゴ(葡萄醸造技術管理士、エノログ)
学んで経験のある学士に従える純粋さは
転職した若い農園に限るだろうと私は思う。
代々の農園は、受け継いだ技能で十分だと思っているので
革新さがなかなか生まれないところが残念なところである。
ご夫婦は、ご自慢ぶりだった。
もうこればっかり呑んでるよ、という。あぁ私と同じだ。
私も農主のビオディナミワインばっかり呑んでいる。

マキ、オリーブオイルたーっぷり使ってね!
アナタの搾油所で搾ってもらったオイルよ!
こちらもご自慢だ。

今年は、大豊作だったけど搾油率が少なかったそうだ。ウチも。
それと、コロナで営業できなくって出荷先がないという。
だから、二人の息子くんファミリーと夫婦分とお得意先用に
こだわり搾油所で搾ってもらって
残りはヴィンチの共同組合的搾油所で搾って
その共同組合に買い取ってもらったそうだ。
搾ったまま置いていくので、その場で決断しなければいけない。
農園は売り切りたい。
自分で売りさばくより格安になっちゃうけど、それでも売上になる。
農薬農園と有機農園のカテゴリに分けてくれる。

共同組合の搾油所で出てきた地域のオリーブオイルがIGPと
広い範囲でトスカーナオイルとなるのである。
Idincazione Geografica Protetta
イデンティフィカツィオーネ ジェオグラーフィカ プロテッタ
(地理的保護表示と難解な和訳だが
できたら州ぐらい広範囲の産物で
仕上げが伝統的もしくは良質に生産できる方法であること。
産物か生産法など1工程、指定された地域内であること。
生産法が指定地域内であれば産物は他所の地域でもいい。)

さらに地域がぎゅっと凝縮し狭い範囲に限定し
こだわり農園なんかDOPとなる。
Denominazione di Origine Protetta
デノミナツィオーネ ディ オリージネ プロテッタ
(真剣に土地や産物や製造法を保護する目的。
EUが定めたルール内で、原産地を特定できる産物
独特な製造法生産法ズバリ職人ワザが審査される。
農園単独で申請することはできず、DOP審査を行っている
組合や団体が関わっていないといけないようだ。)

審査と表示は無料ではなく投資に近いが、価値は十分にある。

さらに有機栽培をしていていればBiologicoビオロージコ
緑色のバックに白線の葉っぱマークが表示できる。
(Euが指定するオーガニック認定で、栽培・製法・加工・管理
など、検査や審査に合格すること。
しかし、全くの無農薬や無添加とは限らない。
規定内の数値や量だったらオーガニックなのである!)
これも大いに価値はある。
このマークがないと、せっかくビオでやっているのに
農薬ガンガンに使っている農園と同じにみられてしまう。

このヴィンチ共同組合搾油所はイタリアの中でも大きくて
某有名スーパーのブランドオリーブオイルもここで搾油されている。
表示は原産地イタリアとしか書かれていない。
ということは、オリーブの実をイタリア全国から買い上げて
搾油したということになる。それ以外の表記はない。
イタリア産だけれども情報が少なすぎるので
何が添加されているかわからなければ
どう収穫されたかもわからない。
さらにはどう管理されて運ばれたかもなんだかよくわからない。
こだわり度がちっとも伝わらない上に、値段も安すぎる。
しかし、このオリーブオイルしかしらないイタリアのみなさんが
ほとんどかもしれない。このオリーブオイルが飛ぶように売れる。
そしてこのオリーブオイルを楽しみに待っていたりするのである...。
ホンモノを知らないって損だよなぁ。

しかしホンモノは、スーパーのブランドオイルの3~5倍はする。
だから自分で栽培できてオリーブオイルを造っている人は
誇りをもっているのである。

DSC06454

我が家は、もっともっとオリーブオイルがあってもいい。
生食用、調理用、保存食用、コスメ用
それと、来年不作の場合用...。
我が家は50リットルは必要だ。きっともっと。
オリーブオイル文化の生活はこうなのである。
自家製コスメ抜いても必要なのである。
フライ用を違う油にしても必要なのである。

身内のような友たちにもわけていると、しまった、自分のがない!

地域限定の独特な品種をもつ農主のオリーブオイルも
これを機会に5L分けてもらうことにした。

農主のオリーブオイルも品種の配分率とかちっとも考えてないけど
畑を知っている分、私はだいたいわかっている。
農主はワインよりオリーブオイルの知識は劣るけど
晩熟でパンチのある地域限定品種と植物への愛情、収穫時間
私と同じこだわりの搾油所に持っていってフィルターで濾す
これだけ守って小さな地域のコンクールに出品したら優勝した!
そうすると知名度が上がって、レストランからのオーダーも増えた。

でもコロナでレストランが稼働しなくなっちゃって
今年のオリーブオイルが倉庫に残っちゃった。
また開業できたときに...と先送りになってしまったそうだ。うぅ。
レストランはコロナの被害大打撃だが、その下も大打撃である。

DSC06453

そのマダムのオリーブオイルと農主のオリーブオイルの
試飲をすることにした。どれどれ。

わー、マダムのオリーブオイル、さすが地域が違う分、初めての味!
まず香りが違った。草の香り。味も草っぽい。
品種ミックス風味てのもわかるし
新鮮なポリフェノールのパンチ苦味や辛味も同時に利いて
これはこれで美味しいし躍動感を感じる。

おー、農主のオリーブオイル、フィルターがあまかったのかな
上澄みをすくったノンフィルターぽいザラ感がある。
あぁノンフィルターが欲しいっていう人の気持ちがわかる!
今だから感じる新鮮味のザラ感。
時間が経つとこの殿であるザラザラは下の方に茶色く沈殿する。
それが劣化を速める原因であるけれども。
フィルターを二度掛けする人もいるぐらい。
でもこのマットなザラ感が純粋さを物語っているのも特徴である。
さすが地域限定品種の晩熟性のオリーブを
緑の状態で収穫したようで、ポリフェノール感の強いパンチを感じる。
思ったより苦味は優しく後でピリピリと辛味が伝わってきた。
うん、美味しい。私の知ってる味。

DSC06457

たまにはこうやって仲間のつくったオリーブオイルやワインを
試すのはいいものだ。
いつかまたワインとオリーブオイルの会をやりたいな。
来年も小さく応援し合いながら楽しもうとおもった。



*私がセレクトした過去の関連記事Best 3 Archivi Selezionati*



Grazie di aver visitato!

最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。




にほんブログ村 海外生活ブログ ヨーロッパ情報へ


Instagram
 ≫≫≫ obatamakivincirealmakici


DSCN0507

DSCN0509

11月に入って、天候を心配したオリーブの収穫も一段落し

気を緩ませていた連日、ポカポカの秋日和が続いた。

秋の弱く傾いた光にあわせて、ブドウの葉や木々たちが

黄色く透けて輝くように、でも弱々しくしがみついていた。

その弱々しさが大集合すると、全部が輝き出す。

なんだか一丸となって。


DSC06406

家から眺める風景にうっとりしていると

あの光ってる大地の中の燃えるような赤いところに

行ってみたいと思った。一人で行った。

オリーブ畑が視界の縁を囲み

中央に黄色と赤とちょっと緑と黒い大地がみえる。

ここからの位置がポイントで、時間は午後3時。

あの赤い列のあるところに行ってみよう。

赤い列はこの時間、燃えるようにメラメラするのだ。

しかし近くに寄ると、燃えるような赤ではなく薄い赤だった。

そこを離れまた違う角度から赤い列をみると、燃える赤だった。


DSC06410

この日、思春期少年を散歩に誘った。

日曜日だった。そして午後3時を狙った。

「写真撮影をしようよ!」

いつも一緒に出かけるのを嫌がるのに、素直にくっついてきた。

お気に入りの服に着替えてやってきたw

「久しぶりだね。」

手を差し出すと、つないでくれた。

手が大きくなった。

当たり前だ。私より背が高いんですもの。

「こうやって小さい頃はいっつも手をつないでたんだよ、覚えてる?」

すると手を離して走り出した!

照れたな。言わなきゃよかったw

ここで写真を撮りたいと私を呼ぶ。

私がしゃがんで空をバックに下からの角度で撮ってあげた。

「足もいれて」と注文をつけてきた。


私たちは、ブドウ畑を歩いた。

天気がしばらく続いてたはずなのに

日当たりが悪いところと、傾斜の下の方は

グチャグチャで歩くところを選ばなくてはいけなかった。

草の植えを歩けって小さい頃から何度も教えたのに

思春期少年は上を向いて歩いている。

下を向いて歩るくとイノシシの足跡がいっぱいあった。

思春期少年の足跡はまるでイノシシのようであった。


私に遠くから土の塊を投げてきた。

遠くにも投げていた。

大地のもりあがった土の塊を蹴って踏んで蹴って投げた。

見えない空気に向かって投げた。

私も投げた。

私も投げてやった。


DSC06383

その数日後、トスカーナはオレンジゾーンに指定された。

コロナ感染者数と重症者数と病院施設の空き状況などで

危険度をレッド・オレンジ・イエローと決めていくそうだ。

オレンジとなると町から町への移動が禁止になる。

ヴィンチ村だけで必要最低限のものは用は足りるが

大きい隣町に専門店や専門屋がある。

そういうときすごく困ってしまう。

仕事や重要な用事では

自己宣誓書を携帯して移動することになる。

不急でない限り計画を立てないことに限るが

時間ばかりがどんどん過ぎて何も先に進まない。

会って話さないとわからないこともいっぱいある。

と私がぼやいたところでみんなも同じく辛抱してるから

ぜんぶのみこんで腹にためておくことにする。


DSC06419

ひとつ間に合ったことは、オリーブオイルが出来上がってて

身内のような友たちに届けることができただけでもよしとしよう。

食卓が新鮮味にあふれるじゃないか。

香りといい味といい色といい。


そのオリーブオイルの特注の瓶を求め

夫と二人で遠出することになった日がある。

「久しぶりだね。」

ドライブだから手をつなぐことはなかったがw

ゆっくり走ってもらってドライブを楽しみたかった。

夕暮れ間際、Padule di Fucecchioパドゥーレディフチェッキオという

フチェッキオ市の外れにあるヴィンチ村よりの湿地帯には

カモの群れがシルエットに水面と空が夕日に焼けていた。

あぁそうか。レオナルドダヴィンチがここで

ザリガニでも捕まえて遊んでいたのがわかる。

きっとこの水面に浮かぶ夕焼けを見るために来てたんだ。

車を停めてもらって、しばらくその景色を眺めた。

誰もいないんだけど鳥やザリガニぐらいしかいないんだけど

セミロックダウンでもここには来れない。


家に近づく頃にはもう暗くなっていた。

この時間帯の暗さはあっという間に覆われる。

農主のブドウ畑を通りかかっていると

イノシシファミリーぐらいの群れが突然現れ

のこのこ道を横断しはじめた。

車のライトに照らされても、急いで逃げるわけでもなければ

突進してくるでもなかった。小走りぎみに横断していた。

かわいいじゃないか。

不意にでくわすという状況はなかなかない。

私と夫は大人気もなくきっと子ども以上に興奮した。

一頭かもしれないと目をこらえて見ていた。

2頭、3頭、4頭 おぉ5頭!

一瞬もいっときも見逃せない。

だからカメラなんかさささと用意できなかった。


DSCN0506

オレンジゾーンが実施される前日

週末自転車グループと隣町まで走ってきたように

移動できる最後の日だからどっか行ってきたら?と

親が心配に思春期少年に提案したが

平日だったこともあり、返事は

「宿題しなきゃいけない。マリオと電話で待ち合わせをしている。」

という。ふーん、外に行ってきてもいいのに。

先生の説明より数学に強いマリオくんの説明の方がわかるんだそう。

イタリアの数学は答え合わせではなく、答えはもう書いてあって

その答えの説明をするのである。

考え方、理屈、解決法...とにかく文にすることなのである。

日本の、答えがあっていればどう解決しても問題ナシ

だった昭和の教育とはちょいと違うのである。

だからイタリア人は抗議や意志の主張に強いのである。と私は思う。

先生と対面授業で説明がよくわからないのだから

これがリモート授業に戻って、落ちこぼれちゃいそうで心配である。

オレンジゾーンは、全中学生までは登校できるが

レッドゾーンは、中学2年生以上はリモート授業となる。

現在、リモート授業になるかもしれないと

自治体も学校も動きだした。

きっとトスカーナも近々レッドゾーンに入ることを

予期しているのであろう。


DSC06423

Raiの国営放送だけどコロナレポート番組では

第一波の感染拡大はサッカー観戦が原因で拡がったと伝えてて

第二波は、夏休みの浮かれと野外パーティー(ディスコ)などの集合

が原因とレポートされていた。

若者たちの夜ふかしMovidaモヴィーダが注意の的となった。

だから夜間外出禁止令Coprifuocoをメインに

セミロックダウンが実施されたそうだ。

現在の感染拡大の原因は、家族内感染なんだそう。

政治家も専門家も「みんな次第なんだ」と口を揃えて言う。

救急車が列をつくっている映像をみると

救急車の音だけでビクッとする。

だんだんコロナが接近しているようで緊張する。

また気晴らしに細い秋の光でも浴びてこようとおもう。


DSC06425

そう書いているそばからトスカーナも1115日の日曜日から

レッドゾーン入りし、ロックダウンに突入してしまった。

月曜日から中学三年生の思春期少年は

リモート授業となるのである...

前は家に居られると喜んだけど、今回は

友だちといるほうがいい、リモート授業だとわかんないと言い始めた。

私は、人の温かみはリモートではなんか伝わらないのは

よくわかる。画面に映る自分が嫌だからよくわかる。

ロックダウン前に、少年たちは自転車で町内を走ってきたそうだ。

公園の階段を自転車で降りた友だちがいるんだ

と珍しく撮影したビデオをみせてくれた。


DSC06390

ヴィンチの保護者グループにメッセージが転送の転送で回ってきた。

クリスマス間近になってきて、本当だったら

イルミネーションが華やかな街にでてショッピングをしながら

初冬を楽しむのだがそれができない。

ナポリのロックダウン前日は通常の大晦日のようだったと

ニュースで伝えてて、これにはかなり驚いたけど。

行くだけでも楽しかったクリスマスマーケットも禁止になっちゃった。

オンラインショッピングはアマゾンばかりにならず

私たちだったらメイドイントスカーナ、メイドインイタリー

地域の..国産の手芸品工芸品農産物を応援しようね!

そしてこれ以上ゴミが溢れ出ないようなお買い物をしようね!

というメッセージだった。

フェイスブックで私はトスカーナ産を買うよ!というグループに

入っているが、いろんな商品があること

たくさんの工房や農園があること、マーケットができないこと

それでも諦めずに一生懸命さが伝わってくる。

いろんな形で応援し合いたいと想う。

そしてこんな形(ロックダウン)で弱い人たちを労りたいと想う。



*私がセレクトした過去の関連記事Best 3 Archivi Selezionati

人生の色 ilmio colore preferito

イタリアの本性Legocce sulle gemme

親愛なるスクールよDolcein forno



Grazie di aver visitato!

最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。




にほんブログ村 海外生活ブログ ヨーロッパ情報へ


Instagram
 ≫≫≫ obatamakivinci ☆ realmakici

DSC06381

DSC06397

DSC06387

DSC06404

DSC06405

DSC06402

DSC06427

DSC06420

DSC06429

DSC06416

DSC06426

DSC06414

DSC06418




*私がセレクトした過去の関連記事Best 3 Archivi Selezionati*

黄色い丘のオリーブの塩漬け Olive Sotto Sale / Colline Gialle

白と黄と黒とBianco, Giallo e Nero

黄になるホルモン Autunno




Grazie di aver visitato!

最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。




にほんブログ村 海外生活ブログ ヨーロッパ情報へ


Instagram
 ≫≫≫ obatamakivincirealmakici


DSC06379

オリーブオイルの搾油率とか抽出率のことを

イタリア語でResaレーザという。

収穫量に対して搾られて抽出された油の量との比率のことだ。

オリーブオイルだけでなく農作物など全般に使われることが多い。


収穫日によって違ってくる。

タイミングによっても違ってくる。

品種によっても違ってくるだろう。

果実の状態にもよるであろう。

そして天候にも大いによる。

搾油所で比べると、機械でも相当異なる。


DSCN0562

私が信用しているいきつけのFrantoioフラントイオ(搾油所)は

搾油時21℃ときている。

Estrazione (Spremitura) a freddo

エストラツィオーネ (スプレミトゥーラ) ア フレッド

といわれるコールドプレス(低温圧搾法)は、みなさんもご存知

一番自然なままに成分を壊さずに搾り出される方法だ。


ソフトにオリーブの果実を撹拌し

我がFrantoioは最新の超最新で縦に練っていく。

その間に上昇する熱を低温にコントロールする技術である。


Estratto a freddoと記せる温度はMax27℃であるが

低温であればなおさらいい。

Frantoioの最新技術の自慢どころでもあるだろう。


熱を加えて抽出するEstarazione a caldoカールド

オリーブの果肉を練って上昇する気温を29〜30℃に調整し

熱を加えることで発揮するEnzimiエンジーミ(酵素)の力で

油分水分を抽出しまくるのである。

質より量の産業的目的で使われている。

搾られた後、そういうわけで産業的にもろもろと添加しちゃえば

たいしてあれもこれも変わらなくなる。

そんなところが危険だし、そういうものが安く出回っているのである。

印象悪いのでw 表記していない。


DSC06352

そして、油分と水分を分けるデカンター(遠心分離機の部)の

この確実性も物をいう。

ここで油分をより多く抽出させ、水分をどこまで除去できるか。

この辺の技術もマシーンによっては全っ然効果が違ってくる。

水分混じりのオイルの抽出量が多そうにみえて

オリーブオイルの品質にまで大いに関係してくるので

重要な部分である。

この技術は、Frantoianoフラントイアーノ(搾油所の長)も

よく説明できないだろう。マシーンの技術だから。

そうそうFrantoioもころころ投資はできない。

あるもので続行するため、搾油してもらう客が

あちこち試すしかない。


DSCN0586

オリーブの品種はざっと2つに分かれる。

Precoceプレコーチェ(早熟性)かTardivoタルディーヴォ(晩熟性)


ひとつひとつの品種がわからなかくても

せめてこのどっちかがわかると、適切な収穫時期がわかるだろうし

植える時も収穫しやすいように植えられるだろう。

これが混ざっていると、仕方ない

早か晩の割合で一気に収穫してしまう。


どちらも油が形成される時期になってから収穫をするのが最適。

早すぎると、キンキンクロロフィル(葉緑素)の成分が強いまま

体にイイといわれるポリフェノールなんかは強力に抽出できるが

肝心な油分が未熟でオイルの量が抽出できないのである。


Invaiaturaインヴァイアトゥーラ(果実の色づき)が目安にもなるが

毎年違ってたりするので、やっぱり一年を通しての判断になる。


この収穫期の見分けと判断は、栽培者の知識と経験による。


DSC06334

その一年を通して、何を記憶に残して置かなければいけないか

芽生えの時期、開花の時期、結実の時期、そして成長期

この4つの期間の天候と気温である。


雨ばっかりもダメだし、晴ればっかりもダメで

できたら結実期にピッタリ雨が降ると結実しやすい。


成長期は地中海性気候のカンカンで身が締まり

時に雨が降ってくれると油分の形成に役立つ。

油分の形成をイタリア語でInolizioneイノリツィオーネという。

9月いっぱいまでじわじわ形成されているそうだ。


夏はカンカンで、近頃異常気象の晩夏にどーっと雨が降り

プックリ果実が膨らんでキレイな姿となって豊満に重くなっても

あぶらがのってないこともあるのである。


果実の豊富さは、不思議と

前年の種子が翌年の果実となる芽を操作しているのだそう!

これは私たちには説明しきれない果樹のメカニズムなんだそう。

そういうミステリアスなところも魅力的なオリーブ。


DSCN0582

DSCN0580

さあ、いざ今収穫したオリーブの実をFrantoioに持っていき

ワクワクしながら、300kg用のかごに入れ替え、計る。

小さい搾油所はたいてい300kgをベースにマシーンを動かす。


では例えば実が300kgだったとしよう。

大かごの重さを抜いて教えてくれる。

そして出来上がったオリーブオイルの重さを計る。


40kgのオリーブオイルが出来上がってきたとしたら

40kg(オリーブオイル)÷300kg(オリーブ)=0.13333x100(%)

=13.33%となるのである。


この抽出率は搾油所が出してくれるので

自分で計算することはない。

この抽出率をみんなで言い合って自慢しあって反省しあって

収穫の時期、一番交換し合う情報である。


そういうわけで、毎回搾油するごとに違う数字がでてくる。

同じ畑でも違うのは、収穫日にもよるだろう

天候や湿度にもよるであろう、品種の割合にもよるであろう

土地の部分の地質が違うのであろう

星座や月が操作しているかもしれない。


油の抽出量と今日持ってきたオリーブの重さは

オリーブの油分はすでに決まっているところを

今日のオリーブの状態の重さってことも十分にあるのである。

葉っぱがいっぱい入っちゃってても一緒に計られてしまう。

だから夫はきれーいに取り除く。


そして、40kgのオリーブオイルをわかりやすいリッターで考えたい時

1Little=0.916kgなので、1kg=1.0917Littleで

40kg x 1.0917Little=43.668Littleとなるのである。


DSCN0575

2020年10月19日10.1%、22日13%、29日11.7%

どれも早熟性のオリーブを早めに摘んだ。

きっとそれが理由であろう。期待の搾油率より少ない。


2019年10月24日11.4%、28日14%、30日14%

1番が早熟性品種で2・3番目が晩熟性の品種


2018年10月22日13.1%、24日14.5%

11月5日16.9%などと出ている。2019年と順番は同じ。


ある年9%のときもあった。

平均は12~13%ぐらいのように思う。


DSC06371

搾油所の搾油作業の値段は

持ってきたときに計ったオリーブの実の重さで計算される。


たいてい100kg単位で、この辺のトスカーナでは15~25ユーロ

300kg分だったら平均60ユーロの搾油費はかかるのである。

だからResa=搾油率がとーっても関係し

オリーブオイルがたくさん抽出できれば

事実上の費用の重みが薄れていくのである。


DSC06337

そして最後にフィルターがけをした場合

オイルはフィルターに残ってしまう。


人には渡せないフィルターに残ったオイルは

自分で再度濾して、生食用ではなく調理用に利用したりする。

農園としては、使い物にならない部分である。


それを引くと、れっきとしたオリーブオイルの抽出率って

とっても低く、とっても高価なものなのであるのである。


DSC06378

オリーブオイル文化のイタリアでも、オリーブ栽培に関わっていないと

なんのこっちゃわからない人が大半であるが

生産させている人は、味や出来の他に、こんな搾油率で

喜んだり残念がったりしているドラマがあるのである。


例年のオリーブの量からたっくさんのオイルが抽出されれば

それだけ商品となる。売れればの話だけど。

どのくらい生産できるか搾ってみないとわからないところも

オリーブの魅惑的な一つでもある。


商品棚に並んでいるオリーブオイルから

こういったドラマはみえないが

味だけで物を判断されてしまう純な生産物には

大地の恵みの他、育てている者の努力と祈りが

込められているのである。



*私がセレクトした過去の関連記事Best 3 Archivi Selezionati*

オリーブオイルを美味しくさせる Consiglio di Frantoio

オリーブオイルを選ぶとしたら Ecco L'Olio Nuovo

強調するときの国民性 Frantoio Svizzero




Grazie di aver visitato!

最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。




にほんブログ村 海外生活ブログ ヨーロッパ情報へ


Instagram
 ≫≫≫ obatamakivincirealmakici


↑このページのトップヘ