大地の住人 ヴィンチの丘で

地球と体に優しいコト ~イタリアから~

フィレンツェの端っこレオナルド・ダ・ヴィンチのふるさとヴィンチの丘に在住。 大地の自然たちと向き合って地球と体に優しい様々なコト、発見・提案・発信!

January 2021

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思春期少年は近頃ずっとイライラしている。

イライラしている人に、イライラをやめてくれよ、と言ってもわからない。

それは大人だって同じだとおもう。


少年に言わなければいけないことって、しつけのことぐらいだ。

毎日同じことをいうだけのことだけど

毎日言われることなのにやらない思春期。

面倒臭いが毎日の小言より面倒臭い。


暴力的になっても精神的にも肉体的にも無駄だし

放っておくのも存在的にも時間的にも見捨てる感じで

なんかこう納得いかない。

真似して対抗してもそれはそれで大人気ない。


残りは一つ、寄り添うことにした。


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「なんかさ、最近イライラしてるよね。

なんかあんの?マックでも行かない?」


少年の目はキラキラした。「Siiiii!!行く行く!」

( イタリアのメッセージで語彙を伸ばす時、~を使わず

伸ばしたい語彙の母音をいっぱい書く。SIシィという返事。 )


少年は、こんなど田舎に住んでいるのに

中古のiphoneをバージョンアップして

アプリの色を統一した黄色のページに

何故かマックのアプリをダウンロードしていた。


そのアプリには、メニューと料金、予約するのかテイクアウトするのか

そんなアプリで、近くにマックなんかないヴィンチの丘の少年には

全く必要のないアプリなんだけれども

出番がきました!という感じに、親子でメニューをながめたw


( パニーニの国イタリアにMcDonald'sが登場したのは

1986年ローマのスペイン広場とある。

1990年には8軒、1997年には100

2001年には300軒、2010年には400

イタリアの現役思春期ヤングはそういうわけでマック育ちなのである。

ジェヌインに原産パニーニを食べてればいいものを

ヤンキー風味なジャンクフードとたまり場にはもってこいの

マーケティングにはヤングの心を掴みまくる。 

フィレンツェにマックが登場した'90年代の終わり

日本人の間でとってもがっかりしたのを覚えている。

今や次世代にマックのあり方を教えることになるとは...。 )


少年はワクワクしている。

「ボクは、ベーコンバーガーSetにしようかな。」なに、それ?

「ベーコンが入ってるんだ。」ふーん。

お母さんもさ、子どもの頃はマックとか行ってたんだよー。

マックでは、シェイクと細くてヨレっとしたポテト

ハンバーガーは向かいにあったモスバーガーで買ってたの。

「なに?マックシェイクってぇ。」えっマックシェイク知らないの?!

「なに?モスバーガーってぇ。」アレ?日本で行かなかったっけ?


'70年代、木更津の西友の駐車場近くにあった

マックとモスバーガーにいっつもはしごしてたことを思い出した。

もらったお金を握りしめて走って買ってきて

母親が車の中でラジオを聴きながら待っててくれるの。


おつりはお利口さんにきちんと渡してさ。

我慢できずに帰り道、ちょっとずつポテトを食べちゃうの。

運転しているマキちゃんのお母さんにも食べさせてあげるんだ。

長いポテトはヨレヨレの、そのフニャ感が好きだった。

短いのはカリッとしてて最後に残るヤツ。


少年は、ナゲットが食べてみたいという。

お、いいよ。ちょっと多めに買ってお父さんのお土産にしよっか。

とアペリのつまみを想像していた。

そう調子のイイ返事をきくと、ますます楽しそうだった。


「じゃぁじゃぁ、ナゲットにバーベキューソースをつけていい?」

焼き鳥に塩とタレだったら塩派の私には

ソースもマヨネーズも邪道であった。

25centesimi(セント)する。」え、お金払うの?ソースに?

「うん、でも、ナゲットにはバーベキューソースなんだ。」ふーん。


「お母さんはチーズバーガーでいい?」

イヤだよ。お母さんは、フィッシュバーガーにして!

「え、フィ...フィッシュ?」うん。タルタルソースがかかってるでしょ?

「うーん。」 アプリで、フィレオフィッシュという名で確認。

あるじゃん。それで。


予算出して。「え?」
予算出しておいて。お金渡すから一人で買っておいで。「う.うん。」


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トスカーナはイエローゾーンで、夜間外出禁止ぐらいで

日中州内だったら割とゆるゆるな外出制限だった。


出かける前に今月のお小遣いを渡した。

自分のお金でいろいろ買えるじゃん!「えーw」

一応持ってって。「うん!やったー。金持ちになった気分w」


本当の目的は進学する志望校の様子だけでも見に行くことだった。

学校見学といわれるOpenDayはオンラインで済ませていたので

距離感と位置的なイメージを知っておいてほしかった。


土曜日だったけど、土曜日だから高校は授業をしてて

ちょうど授業が終わる前に私たちはウロウロした。

バス停確認。校舎から校舎の距離確認。

校舎のキレイ度確認。これは今一だった。

世界遺産のような建築物の目の前にある。

うわーうわー私がワクワク興奮した!

「お母さん、指ささないで。恥ずかしいから。」はいはい失礼。


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思春期少年もキョロキョロしながらドキドキしたに違いない。

それだけで、一気にお腹が空いた。


私たちは計画通りマックへ行った。

ドライブスルーっていう手もあるけどどうする?

自分一人で買いたいと言うので

私は車の中でラジオを聴きながら待っていた。


少年は、注文する内容をブツブツと練習していた。

お母さんはフィレオフィッシュね!「うーん、言えない...。」はぁ?

ブツブツ練習しながら、お金を握りしめていざ出陣。


ニヤニヤしながら戻ってきた。どれどれ。

結局、フィレオフィッシュと言えずチーズバーガーを買ってきた。

そして、ナゲットは多めにすると高かったから一番少ないので。

「あ、バーベキューソース忘れた!」なんじゃそれw

高くなって足りなくなったら恥ずかしいから

ギリギリに頼んだと照れながら言う。

いつも金くれ金くれってせがむのに。

どケチと浪費は考えものだけど

気をつけてお金を使うことはまぁいいことだ。


私たちは、中で食べるのも恥ずかしいし、コロナだし

ってんで、目の前の商業施設の駐車場で食べた。

マック内には、親子連れや若者はもちろん老人もいたそうだw

老人...勇気あるなぁ。

そう、イエローゾーンになると途端気持ちも緩むのである。


「明日にはニキビでるなぁ。」

ふーん、そんなことも知ってるし、気にしてんだ。

前に、フィレンツェのお友だちとマックに行った翌日

すぐ吹き出物が出たらしい。


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なんか随分人が少ないね、土曜日なのに。

今日の予定は、志望の高校をチラ見して、マックでランチして

田舎の商業施設の2軒ぐらい目星のある服屋で

セール中のショッピングを少年は狙っていた。


気分転換にいいんじゃないかと

こういうタイミングに機会のプレゼントってなんか嬉しいじゃない

これも思春期少年に寄り添うチャンスだと想ったのである。


少年は最近、本当にイライラしてて、かわいそうになっちゃうぐらい。

話を聞いてあげたいのに、イライラしてて落ち着けないのである。

だから出発する前、あんなにニコニコしてたのを

見たのは久しぶりだし、部屋に閉じこもってたのが

こっちに来ていろいろ喋りはじめたのであった。


もちろんお金はあまり使えないけれども、ささやかに

ワクワクする時間、ワクワクしながら話せる空間

そこにお金を使うのもいいな、と思ったのである。

癖にならない程度に。

不意なアイデアだったから、少年も不意に嬉しかったはずだ。

この不意が気分転換のタイミングなのかもしれない。


なんでどこもお店しまってんだろうね...

あ、思い出した!

イエローゾーン中も週末の商業施設はお休みだったんだ...

うぅ...自由じゃないってこういうことなんだ...


少年はもちろん残念がってショボショボ歩きながら

唯一開いてたホームセンターに入って

私は電球コーナーで切れた電球を探していると

少年は展示品のカラフルなLEDをみて

「ボクの部屋に、こういうカラフルな電気を点けたいんだ。」と

自分の理想の部屋を語りはじめた。


Storni

洋服ダンスには等身大鏡がくっついてて

机にはデスクトップPCLED付のキーボードで。ゲーマーか?

頭の部分が細くなっててローラーがついた手すり付き椅子。ほぅ

ベッドはソファベッド風に背もたれもあって

お客さん用に下からベッドがでてくるのがイイ。お、お客さん?

一緒にゲームをするんだ。はぁ。

壁の色は塗り替えて、青にしたい。えぇっ。なぜ青?!

LEDの電気を部屋中につけたいんだ。部屋中?クリスマス気分?

で、ボクの好きな絵とか写真をいくつか飾りたい。www


要約すると短いんだけど、少年のはしゃぎようは長かった。

興奮と動揺で彼の視線は遠くをみつめて

「あぁ、考えることがいっぱいあり過ぎる。」という。

やっぱりそうなんだ...

「宿題がなにしろ多すぎる。」と。

リモート授業でできなかった分をきっと

宿題で穴埋めしているに違いない。そうとしか考えられない。

進学のこと

でもお友だちと遊びたいけど遊べない

サッカーもようやく週一ではじまったけどもっとしたい

サッカーも観たい

ゲームもしたい

映画も観たい

寝たい

好きなものだけを食べたい

欲しい物がいっぱいある!洋服も靴も電子機器も。

どこか行きた〜い


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部屋の模様替えどころかまだ完成してなかった少年の部屋は

自分でデザインしたいそうだ。お、いいね!

インテリアデザインならお母さんに任して!「いや、ボクがする。」w


洋服だって、いっぱいあるはずなんだけど、どれも着たくないんだって。

何故かというと、お下がりばっかりだから。

自分のセンスで選びたいそうなんだ。

わー、それはよくわかる。


急に自我が出て、急に体も変わってきて

頭はパンパンで、でも自由が効かない。


キミの意向はよくわかった。

欲しいモノが簡単に手に入らないもどかしさ。


社会の根本と人生のはじまりみたいなことに気がつきはじめ

私はなんか嬉しかった。自身の思春期を思い出した。


お金の使い道やお金を手にするための勉強期間

少しずつ自分のモノにしていく楽しさともどかしさ

どんどん妄想してモチベーションを保つこと

ときに買ってみたはいいものの、使い物にならないこともあること

欲しい物を調べること

デザイン(形にするためのアプローチ)しながら研究すること


そんなことを踏まえながら親子ではしゃぎながら話したこの日

久々にキラキラとケラケラと積極的に会話ができたことが

とーってもとーっても楽しかったし嬉しかった。

他愛もないことなんだけど、どうしても記録しておきたかった。


「今日は随分笑うね。」

「ボク、お友だちの前ではいつもこうだよ。ずっと笑ってる。」

へーそうなんだ。私たち親子だ。

これ聞けただけでなんだか全部様子がみえたような気がした。


思い出した。中学の卒業式のみんなで交換っこした色紙に

いっつも笑ってたマキちゃんの笑顔忘れないって

みんなが書いてくれてた。

知らないうちに笑ってるだけなんだけど

ひとからすると私はよく笑う子なんだ。

大人になっても涙を流しながら笑ってるのは気がつくと私だけ。

友たちは降ってきたエピソードをリアルに話してくれて

それを私は想像して自分が体験しているようにゾクゾクする。

そのゾクソク感が笑いになっちゃうんだ。


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些細なことなんだけど、イラついている人に寄り添うって

ヤンキー風に誘って、我慢していたことをやらせてあげて

話をうんうんと聞いてあげること

それだけで閉じていた心はそっと開きはじめる。

それは子どもにも大人にも通じるみたいだ。



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鳥が舞うようこそ立春 Crochettona al forno

モチベーションa wet day

息子へThirteen




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「マキ、SUSHIつくって~。」
と何度も何度も何度も言われ続け
このコロナ禍中、散歩をする人が増えたように思う今日この頃
私もジョギングなんたることをしている矢先
バッタリ散歩中のチャーリーに出会した。

「マキさん、おSUSHIをつくってください。」ww


お金を払うからどーしてもって前々から懇願されてたんだけど
ケータリング風に目的あるイベントだったらしっくりくるし
食事会で費用を割り勘てのもしっくりいくけど
家族のための料理人ぐらいでしかない私としては
テイクアウトSUSHIになんかひっかかっていた。

今度さ、みんなで持ち寄って集まろーよ!
と最後の別れがそれだった。で、コロナでしょ。


お寿司をつくるたびにチャーリーの言葉と顔が浮かんだ。
なんかの機会に絶対つくってあげよう、とずーっと思ってた。

チャーリーのお友だちに子ども服のお下がりが欲しい人がいたっけ。
そうだ、少年の服を引き取ってもらったお礼に
SUSHIをオマケにしよう!とガサゴソ片付けた。
でもまたコロナでしょ。お下がりの服が山積みとなって
ロックダウンを過ごしたわけ。


だからこのバッタリはちょうどよかったのである。

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立ち話中に「じつはさぁ」と告白された。なになに?

彼女そして家族のみなさんコロナに罹っていたそうだ。
え。こんな身近に!いつの話よ?!
「いやもうね、11月の話。12月の半ばにやっと陰性になったの。」

彼女もご家族もみんな超軽症だったけど
ん?と思ってすぐPCR検査受けたら陽性だったというパターン。

どこからもらってきちゃうわけ?
「孫から。」
あら、それって典型的なパターンじゃない。
一番よくない組み合わせ...。

「噂通り、喉が気になりだして味覚がなくなるのー!」 へー!
なんだか流行りにのった人と話しているようで
一瞬、私は流行についていけない田舎者っぽかった。

無事だったからよかったけど、こういうほぼ無症状の例て
いっぱいいるんだろうなぁと思いながら聞いていた。

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緊急にSUSHIをつくることになってサーモンもアボカドもない。
でも日本人は冷蔵庫にあるものとちょっとしたもので
SUSHIはつくれるんだ!というところを教えようとおもう。

ホウレンソウのお友だちBietola(フダンソウ)とタマゴとツナマヨ
ネギもいれちゃおう。お、モッツァレラチーズもいれちゃえぃ。
男子にお使いさせてカニカマスティックを買わせ魚風味を出した。


写真は、1月6日のイタリアのこどもの日みたいなEpifaniaに
お寿司で祝ったときのもの。

靴下を枕元に置いて寝ると、お菓子がギュウギュウに詰まってる
っていう...良い子がお菓子の国のようにほうばれて
悪い子は悪くじを引いたように黒々な炭が当たっちゃうっていうアレ。
Befanaベファーナっていうボロボロなばぁちゃんが
ほうきにのって空からやってくるっていう...ファンタジーな世界だ。

サンタもベファーナもいい子しかひいきしないと少年は諦めて
親にねだりはじめたのはいつのことだろう...

仕方ないなぁ、ファンタジーにも見捨てられ誰も振り向いてくれない
かわいそうな少年に、子を想うのは親しかいないんだ
ということを見せつけるために、ささやかなプレゼントと
明日への未来へ祝福するためにウチはお寿司を食べるのであるw

我が思春期少年は何も言わずにモクモク食べた。

幼少期は生臭いとサーモンさえも受けつけなかったのに
イタリアの友はItalo-Giapponese(イタリアと日本のハーフ)より
日本のことが大好きで、アニメも料理も少年よりずっとうわ手だった。

んで、お友だちとSUSHI屋に行くようになって
ようやく好物となったのだ。
おねだりとSUSHI好きになったのは同時期かもしれない。


チャーリー用のオマケ(お礼)のお寿司をこしらえていたら
「お母さんのお寿司は気に入らないと思うよ。」
と思春期少年はいう。なんでだよ!
「お母さんのお寿司とレストランのSUSHIは違うから。」..なぬ。



暮フィレンツェに行った時日本人の友と
タイ人経営のSUSHI屋に行った。
在住日本人が美味しいっていう情報をもとに。

イタリア人の若者がいっぱいいた!
我が少年もこんな感じなのかー。

若者に混ざって我らがニッポンマダムwはニギリが食べたく注文した。
フツーのお寿司が食べたかったんだけど
なんか新鮮味がなくってパサパサしてて、今一だった。

それでなくても、在住歴長いのに三度目のSUSHI屋は
やっぱり家で食べた方がいいや!という結果を生んだ。

と、紹介してくれた在住日本人に報告したら
「あぁいうところはニギリじゃないのよ。ロールを食べなきゃ。」
ロ..ロール。「ソースとかマヨネーズがかかってるヤツ!」
裏巻きとかいう海苔を隠すワザのSUSHIだ。

そういえば、我が思春期少年も、デザートのSUSHIには
Nutellaのクリームチョコレートが挟んであったとか言ってたな。
想像できずに終わったけど、それだソレ。

イタリアの若者世代で大大流行しているSUSHIは
母国ニッポンの心をもつ我々には想像を絶する代物なのだ。

それじゃぁいかんっ!

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歯ごたえ弾力効果のあるモッツァレッラチーズをいれるだけで
私には革新的だし、ポソポソしてる缶詰のツナをいれるのも
抵抗はあるのだけれど、サラダと主食とおかず大集合寿司
太巻きを三本、ニッポン文化らしく伝えようと思った。


チャーリーはホンモノに大喜びしてくれた。


気を使ってくれて、チャーリーもキューバの食卓料理を
オマケしてくれた。「キューバではね、お豆料理をよく食べるの。」
母国料理の話になるといつもそう言っていたのを思い出した。

お米もよく食べるようで、今回、きっとニッポン人のわたし用に
お米入のお豆料理、お赤飯のような一品をつくってきれくれた。
見た目はまさしくもお赤飯。
しかし味は南国的で、レモンとパプリカで味付けされているのである。
フシギな味。お米と豆なのに、懐かしさが全くなかった。

それに、ふかしたようなポテトもレモン風味。とっても新鮮!

こうやって国の料理は国の人がつくった方が
文化が伝わるような味が出せる。
自分にはない懐かしさ。異国で育った友の人生。
チャーリーは、こういうのを食べて育ってきたんだ。



チャーリーのママは働いてたんだって。
近所で助け合う精神がフツーのキューバでさ
治安なんか全然よくって、みーんなが家族なんだって。
幼い三人姉妹は、いっつも一緒にいたんだって。

ある日、そんなのどかなキューバの村でも
小さな三姉妹が消えちゃったことにママは心配したんだって。
「でもね、私たち三人はなにしてたと思う?」..なにしてたんだろ。
「近所のおウチのソファに三姉妹ちょこんと並んで座って
日本のアニメをみていたのーwww」 カワイイー!


そんな話まで思い出しちゃうの、母国の手料理から。
シチリアのお友だちが毎っ回、シチリアの食卓料理を
ご自慢にご披露してくれるんだけど
それだって、思い出話がきちんとある。

家であまり作らない作れない創作料理や革新料理も魅力的だが
それを超えて友がつくる伝統的な料理は温もりと文化を感じる。


早くみんなで集まってワイワイ交換っこしたいな。
せっかくお友だちができたのに、距離が縮みやしない。
また散歩ジョギングでもしてこようっと。


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先日、Montespertoliモンテスペルトリという地名の自治体が後援で
トスカーナ州のあるオリーブ業協会が主催となって
土地のオリーブオイルを良質に売り出そう!プロジェクト講演会が
コロナ禍だからFacebookのLive配信で開催された。

SNSで拡散していく手段は、今やもう
これしかないんじゃないかというくらい
基本中の基本の手段となってきた。
個人の投稿は生活の共有、企業の投稿は宣伝
協会などの投稿は活動報告など、こういったことを丸ごと含めて
マーケティング化したSNSの勉強会でもあって
伝統的献身農家さんを導いた風でもあった。
誰でも参加型、すごくいいと思う!

こういった勉強会や講演会は、同じ意識の仲間が言い合っても
仕方がないんじゃないかと私は思っていた。
だって知識も意識も目標も興味も全部同じなんですもの。
そういう同じ意識の仲間が講演会を開催して
タイプの違う人たちを導き、異なる世界をアプローチしていくことが
講演会の意味があるんじゃないかなぁと私は思っていた。

無農薬・無添加、有機栽培や伝統的ローカル食品
エコでサスティナブル、地球環境と我々の健康を守っていく会など
実は勉強会講演会はたっくさんあっちこっちで開催されていて
農業の世界に入りたての頃、興味をもって参加していたが
あるとき、聴衆者がいつもと同じメンバーだっていうことに気がついた。
勉強会でも新鮮味が薄れてきた。

それは、会員制の活動で一般人が参加をすると
会員にならなくてはいけなかったからである。
有料会員になることで資金となり、活動が運営されていく
それはごもっともなことである。

しかし、知識というのは共有してこそ
改革に貢献できそうな気がしてならない。
知識を得る場をもっともっと簡易にして
最終的にどこかで販売という形で資金を得るのが良さそうだなぁと
このライブ講演で思ったし、知識を撒くことで
良質な商品を産み、土地とか郷土いう資産を守ることが
敢えて、資源とか資金になっていくんじゃないかなぁと
私は思い耽りながら聴いていた。。

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農業関係なく私たちオーガニックエコチームは、品質改良や農薬
といった形で突き進むと、産物や土地が自力で養えなくなるよ
と謳っている。サスティナブルではないよ、と。
むしろ虫や草はもっともっと凶暴となり
気候が変動していくことを私たちは恐れている。
そして人体も五感も鈍感にさせ
内面で判断せず表面で判断する、嘘の世界と化学の世界が
拡がっていることに気づいたのである。

近所の農家は、何軒も何軒もオーガニックではない。
彼らの言い分を聞いていると、彼らなりに主張がある。
それは二つ、一つは自分チの家計を守ること
つまり、リスクを追わず安定した生産=収入を得ること
もう一つは、今やもう農薬も化学も良くないことはわかっていても
政府や自治体が制限しない限り使い続ける
と責任転換していることにある。
たいていこの手の農家は、代々的に継承してきた
研究心や改革心の薄い、収入を一番に置いている方々に多い。

こういう彼らを振り向かせるにはどうすればいいのだ。
とにかくオーガニックの団体が運動をして活動をしまくって
政府や自治体に届かせて響かせて注目させなくてはいけない。
それが、勉強会や講演会で、知識の共有と拡散なのである。

そういうところはヨーロッパの民は行動的なのでトップに響きやすい。
そしてトップは聞く耳があると思う。だからEU基金や管理下で
養成講座などがたくさん支援されているのである。
それでもまだまだ。
もしかすると日本より進んでいるかもしれないが、まだまだ。

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さてさてさてさて、やっとここで、どんな勉強会になったか
私に響いたことをざっくりレポートしておきたいとおもう。

オリーブ栽培部門からは

放置化されたオリーブ畑をきちんと管理して
外観的環境を整え観光地化させる。

気候変動に伴い、オリーブの油分の形成に必要なときの
水分を人工的に整備する。

オリーブオイルではなくエキストラヴァージンオリーブオイルの生産

伝統技法より最新技術を活用する

オリーブの搾油時に排出されるSansa(かす)や葉などの再利用

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オリーブオイルの鑑定士協会のオリーブオイル部門からは

2020年、油分の形成時に降水量や気温が適してなく
オリーブの実はたくさんあったのにも関わらず搾油率が悪かった。
そして、オリーブの油分や成分を獲得する収穫のタイミングは
重要であるということ。

水分や殿を除去して美味しさを長持ちさせる
フィルターで濾した方がいい理由など。

DSCN8675

マーケティング部門からは

土地や手法を評価するDOPやIGP、BIOなどの商標の利用

ここではじめて、SNSを上手に活用する方法として
BLOGの活用なんかを例にして説明していた。
彼のリサーチでは、Google検索でオリーブオイルに関して
どんな検索がされていたか。 ほぅ、これはおもしろい。

»» オリーブオイルとエキストラヴァージンオリーブオイルの違い
»» エキストラヴァージンオリーブオイルはどのようにできるか
»» エキストラヴァージンオリーブオイルて本当に一番健康なの?
»» 最高に完璧なエキストラヴァージンオリーブオイルてあるの?
»» オリーブオイル石鹸てあるの?

世界的なものかイタリア国内だけの検索かはよくわからなかったが
このような検索が頻繁にされているということ
つまり、人々はこんなにエキストラヴァージンオリーブオイルに
興味を示しているんだ!ということを伝えたかったようだ。
そして、地中海料理の食事療法として
オリーブオイルが紹介されているブログなどが
いっちばん閲覧率が高いという。
口コミだけではなく、ブログを含むSNSをどんどん活用して
Seeding...コミュニケーション密度をネット上で蒔いていこう
という現代的なマーケティング法を力説していた。

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コスメ部門では

石鹸だけでなくシャンプー、ボディシャンプー、クリームなどなど
起床から寝床までオリーブオイルは存在している、と。
平和の象徴オリーブの樹、健康、美容と
Benessereベネエッセレ幸福を伴う壮健さのある古来からの樹と
古来からのオリーブオイルを伝承していこう、と改めていう。

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最後にトスカーナで活躍する星付きシェフたちからの
オリーブオイルを引き出したレシピの披露。
ここでは、トスカーナらしく豆料理を
もう一人のシェフは、オリーブオイルを混ぜ込んだジェラートを

意図的には、講演も料理もごちそうさま!というシメであるw

Oliva nell'autunno

もうちょっとリズミカルな講演だったら
YouTubeに残しても良さそうだ。
それこそBLOGにまとめて残しても良さそうだ。

今回のオリーブ業講演会は、オーガニック推薦!ではなく
地域興しがメインだけれども、オリーブ文化の国と土地を守る
地産地消のメッセージも大いに発信している。

近頃私も、セミナーや話し方や人の好感度やテーマなんかを
研究しているのだが、やっぱりネットで勉強できることは助かる。
無料でこんなに教えてもいいの?て思っても
結局の所実践するのは自分だし結果を出すのは自分で
自分の性格で表現するんだから、無料だっていいのである。
自分が向上していくなら、無料で発信している人は
自身以外の人のために貢献しているのである。
それが今自分にできることってやつなんだとおもう。

人それぞれのスキルで発信できる世の中は
ずいぶん楽しくなったなと想う
コロナ禍真っ只中の今日この頃なのであるのである。



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2021年の幕が開けた。

SNSでは豪華なおせちや年越しそばで賑わっているのを横目に

ヴィンチの丘では、丑年にちなんで

せっせと牛のしっぽを煮込んでいた。

私の少女期青春期、年に一回ぐらいの割合で

「テールが手に入ったわよ~。」と、おばちゃんは

自慢の圧力鍋でしっぽをクタクタにし

デミグラスソース風に仕上げたしっぽの煮込みは激ウマだった。

帰国の度にリクエストした。

忘れられない、どーしても再現したいじゃないかっ!


はじめて牛のしっぽを一本丸ごと買った。

付け根は肉付きがよく太く、先っぽは先っぽらしかった。

関節ごとに切断してもらうと、11個あった。

骨髄みたいなところからゼラチン質のコラーゲンがたっぷり出る。

骨にくっついているどちらかというと少なめの肉は

ずっと煮込めば柔らかくなる。

ただ脂のようで脂ではないねっとりしたゼラチン質は焦げやすいので

ずっと土鍋の横で見守った。


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年が明けてから3カ国の友たちとビデオ通話をした。

昔では考えられない。

Gettoneという公衆電話のコインを握って並んだっけ。

そんな在住経験のあるコイン時代の友たちであった。


ものつくりの友は自身の個展をこのコロナ禍中開催するにあたって

招待と同時に動画やネットでもリアルタイムに発信していくことで

遠方の方や体の不自由な方が訪問できる世界が広がったという。

もちろん生でリアルの方がいいけれど

行けない人忙しい人には、便利な手段であった

と勉強になったそうだ。開き直ると、あえて活発に取り組めるそうだ。


コイン時代、ネットなんか当然なくって個展をするのに

招待状をつくって送って配って配って配りまくって

ただひたすらお客さんを待った自分を思い出した。

体の不自由な方だって忙しい人だって遠い人だってもちろん待った。


今は情報や共感のシェアが身近になって

こんなど田舎のヴィンチにいたって

向こうのど田舎の発信が受け取れることに

コロナ禍の学びで改めて気付かされたことだった。

これを先取ってやってた人はコロナ禍の苦味はないということだ。


Bellissimo Canaiolo che colore!-

我が家は三が日牛のしっぽを食べ続けた。

ワインとトマトで煮込んだ俗in umidoというレシピで。

伴に、農主のCanaiolo Nero(品種)100%のワインで乾杯した。

ねっとりのしっぽにも負けないフルーティさと

カナイオーロ独特な爽快感があった。

情熱的に造ったワインは、いちいち作業とか風景が思い浮かんだ。


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そのワインを買っいに行ったとき、長老は外でうなだれていた。

こんな寒いのに、大丈夫なのかなぁ。

いつも会う度に、家族の一人一人を心配してくれる。

そして、気候変動に失望し、昔のことを語った。

その日、瓶詰めの間もうなだれっぱなしで心配になった。


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あの時のうなだれは、とうとう永遠の眠りとなってしまった。

長老の訃報はあとになって知った。

きっとこんな時だけに家族はひっそりとさせたのだろう。

訃報が速攻伝えられてもこんな時だから向かうことはできなかった。


長老は、老衰だったそうだ。

奥様がアルツハイマーになったあと 長老は腸を壊した。

ブドウ畑にきても、11時頃と16時頃は奥様のもとへ

しっかり戻っていった。それまで私と長老でぶどう畑の作業をした。

長老はだんだん痩せてきた。

腸を壊してから、食べられないと言っていた。

それでもブドウ畑にやってきて

自分ができることをできる分だけこなしていった。

それがとても役に立っていた。


冬の剪定に関しては欲張り剪定で、甥である農主と反対だった。

春の剪定も欲張りだった。しかし、昔の人は

果実は大地の恵みであって捨てられない、それだけのことであった。

農主と農法が違っても、有機栽培には変わりなかった。

ブドウの木の支えにしている笹の枝も長老は

自分で刈り取って、古くなった枝と交換していた。

ブドウの枝を架線から取り外す作業だって

取り外したら、一本一本細かくして暖炉用に仕分けしたり

トラクターで撹拌しやすいようにサイズにあわせて横に並べた。

私と時間をかけるところが違った。


天気のこととか葉っぱの色とか今年の芽の出具合とか

農主より早くに察知しているところがあった。

あれは長年の経験としか言いようがないだろう。


ブドウの収穫Vendemmiaの時、甥がセラー作業のときは

長老が指揮をとった。あっちにサンジョベーゼがある

こっちにトレッビアーノがある、というように。

お昼のテーブルでは長老の席は決まっていた。

私も夫も少年も招待してくれた。

お昼休み、少年とサッカーボールで遊んでくれたこともあった。

私は、手加減してよ、少年! と おじいちゃん転ばないでよ! と

ソワソワして見てられなかったけど

あれも一つの思い出になっちゃった。


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オリーブの剪定も長老がしていた。

農主はオリーブの剪定はしない。大地派剪定を習っていたが

やっぱり時間がないということを理由に長老に任せていた。

長老は、樹形に性格が出てたほど

均等のとれたデザインされたような樹形を決めていた。

オリーブの剪定士としてご近所さんのオリーブも手掛けていた。


でも腸を壊してから、体の機能が衰えていき

はしごが使えなくなった。周りが止めたのである。

オリーブの栽培でいっちばん事故率死亡率が多いのが、このはしご。

はしごの危険性と体力を要する作業だから

私がオリーブの剪定をしていることを

すごく褒めてくれたし応援してくれた。そして、ライバルだった。


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長老と同じ畑で過ごすことが多かったこの残りの数年

私が畑の中にいた距離は、長老の亡お兄さんにみえていたようだ。

タイムスリップさせていたみたいで、それはそれで嬉しかった。

あの頃と似てる...とか、あの頃を思い出す...という

記憶の中のなんでもない平常の温かい空間

その夢心地感を味わえてよかったと想う。


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夢心地の姿や年輪のような手で作業する姿

子ども心に少年と遊ぶ姿、ワインを水で割って飲む姿

きっと私は、家族よりも写真に収めているとおもう。

だからもっともっとより深く思い出に刻まれたし

些細なことも思い出せる自信がある。

家族とは別に私との世界はブドウ畑の仲間だった。


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長老は、ネットの世界なんかコロナの世界なんか

なーんにも知らないで逝っちゃった。

知らないのに、もっともっと昔が良かったって。

進化しては思い出し、進化しては思い出して

私たちの昔って、個々のやっぱり少年期青春期なんじゃないかな

なんておもう。

コロナ禍だって進化の中の少年や青年は

昔は良かったなんていうかもしれない。

私も昭和時代とリラ時代をよかったっていう。


毎日毎日長老がいたブドウ畑の姿をシェアしたいと想う。

ぜったいに忘れないよ、おじいちゃん。



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