大地の住人 ヴィンチの丘で

地球と体に優しいコト ~イタリアから~

フィレンツェの端っこレオナルド・ダ・ヴィンチのふるさとヴィンチの丘に在住。 大地の自然たちと向き合って地球と体に優しい様々なコト、発見・提案・発信!

March 2021

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「ボンジョルノ!」
は?ビックリ。誰

通りすがりの人かな、よくあることだ。
な、なぬ!近寄ってきた!
「君は、いつもこんな仕事をしているの?」
あ、はい、まぁ、そうですけど。

私は、農主のブドウ畑で、ブドウの枝縛りをしていた。
腰には、生分解可能な紐とゴム製の紐を袋に入れて
ハサミと生分解可能紐を縛る道具をセットでベルトにぶら下げている。
さらに、お茶の入った水筒もプラスした
貴重品入れウエストポーチを体に巻いて

っもう体にはジャラジャラいっぱいぶら下がっているが
列の長いブドウ畑では、体に巻き付けていないと気が気でない。

田舎での通りすがりのおしゃべりなんて日常茶飯事だ。
散歩する人、同じく畑で働いてる人、近所の人…
おしゃべり下手にはちと面倒なシチュエーションであるが
慣れれば、天気のことと世間的に話題のことなんかを話しておけば
全然大丈夫。今はワクチン打つか打たないかの話かしら。

僕、これこれこんな畑を持っててね…と、自己紹介が始まった。
ようは、2年目のブドウの枝を真っ直ぐ支え棒に縛り付ける作業を
やってほしいというのだ。…はぁ。
一番辛い作業じゃない?というと、遠くを見つめてニヤニヤしていた。

農主のとこが終わって、試験が終わって
それから手伝ってあげますよ。ということにおさまった。
どの辺に住んでるかとか電話番号を交換した。
約束の日の前日に電話ください。

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約束の日の午前中に電話をもらったみたいだが
枝縛りに夢中ででれなかった。
私はガラケで通話、ネットものはタブレットと分けている。
お昼に、タブレットの中のメールやチャット連絡を確認をすると
男のメッセージも紛れ込んでいた。
「さっき電話したんだけど。17時頃また電話するね。」
スミマセン、18時にしてくれると確実に電話でます。と返信。

18時ちょい過ぎにかかってきた。
あ、ボナセーラ、さっきはスミマセン、今帰ってきました。
「うん、知ってる。見てたよ。」
えーーーーーーーなんで???ドキドキドキ。
え、え、見られてるって気になるぅ……
そんな反応できないから、待ち合わせ場所と時間をさっさと決めた。

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翌日、私はちょっと早めに着いて、男を待つことになった。
ピッタリに着こうと思えば着ける距離だ。
スクーターで1分とかからない場所。
約束の3分前に彼は現れた。

男は自転車で、私はスクーターで後ろを追った。
こんな道知らない。でも近所なのである。

「ここにスクーター駐車して。」あ、はい。
地面て平らかどうかって問題にしてはじめてわかる。
自転車だと走ってみて坂道かどうかわかるように。
慣れないスクーターの向きを変えてたら
「手伝ってあげる。」と、スクーターが倒れないように彼はおさえていた。
けど、おさえてたら前に進めねーじゃねーかよ!
すんません、一人でやるんで、手を放してください…。よっこらしょ。

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うわー、ここに辿り着くのか!
わー、ウチ、丸見え!
こっから見てたのかー!
あぁ、でもヴィンチが見える。
あ、あの木は夕焼けを撮るときの丘の木だ!
あら、ウチからみえる向こうの丘の天辺にいるんだ。
ヴィンチはトスカーナでも早々レッドゾーンだけど
我がことな青少年はリモート授業ちゃんとやってんのかなー
そんなことを思いながら泥棒の監視もしつつ我が家を眺めた。

男は、自分が買ってきたゴム紐を私に見せて
「これでいいかな?」と聞く。
いいけど、何個買ったの?「2個。」
え、すぐ終わっちゃうじゃん。大丈夫かなぁ。
ついでにさ、生分解できる(biodegradabile)紐も買ってきて。

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将来幹となる枝を支え棒に近づけ真っ直ぐに保つよう
導くために縛る作業である。
重要であるが、すでに真っ直ぐに生まれた枝には
そう手をかけることも時間をかけることもない。

しかし!男は、ご丁寧に3か所しばりつけている。大丈夫かなぁ。
オリーブの剪定もそうだけど、時間をかけてきっちりやるところと
そこはパスしても大丈夫な場合がある。
そこを見極めることができるのは、知識と経験しかない。

男は、ブドウ畑のオーナーとなるが、経験はゼロであった。
相続した土地にブドウを植え
ブドウを売ることを副業にしたいそうだ。


男はものすごくノロい…
この仕事は好きでなきゃ続かないよ。パッションのみ。
というと、男は「そうだよなぁ。キミの言う通りだ。」
大丈夫かなぁ。


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立って移動して、しゃがんで縛り付ける。
それを1Mごとにやっていく。何本も何本も。
ブドウ畑を1,2分ごとにうさぎ跳びする感じ?
腰より太ももの筋肉痛。

これ、去年もやった。

オーナーはやりたがらないから作業員がやる。
そういう辛い作業のとき私は
誰かがやってる作業なんだからがんばろう
て何度も何度も自分に言い聞かせる。

一日目は調子いいんだけど、二日目から筋肉痛がはじまり
三日目は家の中でも早く歩けない状態。
でも不思議なんだよね、作業中は気にならなくなってくる。
リラックスした家で大変。
寝てても体中が痛くて目が覚めちゃう。

この男、ノロいけど一緒に付き合ってやってくれている。
ときどき社交的に話しかけてくれたりもする。
90%私がやった。きっと喜んでくれてるはずだ。

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あと数日で満月にもなる。それもあるのかなんなのか
この日やたらとブドウは涙を流していた。

リンパは、溢れ出し幹を白くさせ地面に円を描くように濡らした。

気が付くと、時差が嫌いなサマータイムに突入し一日が終わらない
ロックダウンのパスクワ(復活祭)休暇がはじまる。
四季はなんとなくわかるけど
行事やカレンダーがこのコロナ禍でボケはじめている。



☆ 関連過去記事 ☆
拳をもった新緑を導く L'allacciatura
ロックダウンスプリング Pasquarentena
三月の風物詩 Pianto delle viti



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生まれたばかりの細い月をみつけた日
私にも何か生まれたようでドキドキした。


煌々とした丸い満月よりも魅惑的だった。
薄っすらと本来の丸い月の形がみえた。
あの丸い形にじわじわと完結させていく。


いや、丸い月は早々と完結し、また一からのやり直し。
生まれるたびにドキドキして、完結させて、そして生まれ変わる。
なんだかちょっと私たちの生活とか人生にも重ねてみえてきた。
こう速いサイクルではないけれど。


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その月の誕生した夜、私はドキドキしながら勉強をしていた。
緊張して覚えられるのか、覚えてられるのか
そんな不安でなんだかもう頭の中に入っていかなかった。


我がことな青少年もテストがある前日に勉強して
テーブルの周りを時計回りにまわりながら
口頭試験の準備をしている。
こっちはイライラするけど、彼の集中法ならば仕方がない。
それは小学生の頃からそうだった。


最近は、滝に打たれるようにシャワーの下でブツブツ言っている。
夜中のときもあれば、早朝のときもある。
私も真似してシャワーの下で単語を羅列させてみたが
お湯の気持ちよさに、あぁぁぁとリラックスして頭は働かない。
ことな青少年が「そんなんじゃダメだね」なんて言いやがった。


10cm
の厚みはあるテキスト..というか、スライダーのコピーを
ほんの10ページにまとめた。
きっと読んで書いただけで、頭に入っているさ。


明日は普通の日ではない。
しかも午前中のあのたった1時間
そう今日過ぎていったあの1時間、春の木漏れ日に眩しく
家のテーブルに向かっていた1時間とはわけが違う。
そう考えるとどんどん緊張していく。へんなの!


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っもうなんとかなるさっ!と肝を据えると
おばちゃんっぷりが発揮して度胸がついてくる。
そう、このおばちゃんぷりの度胸というのはとっても便利で
どちらかというと老若男女イタリア式対話法?
怖がらず自分を出す!という表現で、海外生活だけでなく
試験や面接、提案とか告白なんかに役に立つのであるw


そんな度胸がムキムキあふれ、口頭試験では
こっちが「もう終わりでいいんじゃないっすか~あはは」と
まん丸の煌々とした月が頭の中に浮かんでいた。


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肝が据わっても体の中はドキドキしていた。
久々のドキドキだ。
こんな歳でもドキドキするんだ。
あの月が生まれたドキドキと同じだ。
何かはじまるのだろう。
いや、月と同じではない。
グルグルまわって勝手に生まれていくのではなく
私たちは仕掛けていくのだ。
ちょっと先のことを妄想しながら。
信じるとか期待とか希望とかそんな気持ちをもって。

私がドキドキするんだから、きっとゴロゴロしてても
ことな青少年もドキドキするときはあるはずだ。
私の14歳だった時代と比べるからいけない。
大人が心配するよりことなたちは度胸たっぷりで
ドキドキさえもして、ゴロゴロしながら笑ってる。
時代が違うんだ。
そう想うと、自分のことにもっと一生懸命になっちゃおうと
思い始めちゃったら、月の回転と同じくらい速く
いつの間にかドキドキと完結がまわっていたのである。

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試験は合格した。
次への妄想を、平日ブドウ畑で、週末オリーブ畑でする。

ブドウ畑では、まだまだブドウの枝縛りとか支え棒を縛ったりとか
とにかく指先を使う。あまり頭は使わない。

オリーブ畑では、とにかく消耗した枝とエネルギー吸い取り枝を
除去しまくる作業だから、これまた頭は使わない。
だからひたすら妄想するのである。

それでも、頭をあまり使わなくても体力は消耗してて
指先も手首も腕も脚も痛いしヘトヘトだ。
夫に手を揉んでもらった。
「えー、こんなにプヨプヨした手をしてるんだ。」
そんなこと今更言う。
俺の手をみてごらんよってガチガチの分厚い手をみせる。
なんだかブドウの涙ぐらいの涙を浮かべながら笑っちゃった。
そうなんだよ、プヨプヨの手で男みたいな作業してんだよ。

家事の中で食に興味をもって、新しいことやってみようと勉強して
目の前でできそうなことは疲れる仕事で
我が子より無口に愛おしい植物たちを
ぜーんぶひっくるめた完結編に人生向けられないだろうか
と妄想しているのである。
そしてドキドキしているのである。

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大地からニョキッと静かに逞しく生まれ
硬い蕾からパカッと静かに芽を出し
はたまたゴツゴツの樹からホニャホニャな芽がいつのまにか誕生する。
静寂の中にエネルギーが生まれる春がやってきた。

ヒョロローヒョロローと鳥の鳴き声がする。
静寂なのにザワザワしている大地に目をやっても見当たらない。
だんだん近づく鳴き声は空からだった。
カモらしき渡り鳥がイメージ通りV字に飛んでいる。
どこへ向かっていくんだ。
春の知らせを教えてくれたかのようだった。




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芽生える Nascere

足をとめて Pre-Primavera

女剪定士の弱音 Potatura degli Olivi ④




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農主も言ってた。
毎日気分次第で剪定が変わるって。
昨日剪定したところを眺めると
なんでこんな風に剪定したんだろう?
と疑問に思うことがあるんだ。

わかるー!私も!
でも剪定した本人は同じだから、理由は思い出せるけど
一瞬なんでこうしたんだっけ?て考えちゃうことがあるよね。
だから、剪定した木は見直さないほうがいいw
ってことで意見が一致した!

剪定て性格がすごーく出る。
樹形のスタイルも人によって全然違う。
気が付いてみると何故か最終的に樹形はほぼ同じになってくる。

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思い出す。
講座でまだまだ学び奮闘中の頃
自分が剪定する一本の枝でさえ自信がなくって
いちいち講師にたずねてた。
「せんせー、これ切っていいんですかー?」ってw
これ、仲間もみんなこうだったから、講師忙しく対応してた!

グループを組んで一本のオリーブの木を剪定していくんだけど
みんな学んだことを、呪文のように唱えながら剪定していくの。

Regola uno、小さい枝は取り除いていく。でも全部ではない。
Regola due、使えそうな枝は...これかなぁ、残しておく!
Regola tre、消耗した枝も、とっとと取り除いていく!
Regola quattro、これはちょっと伸びすぎてるので使える枝だけど剪定しちゃう。
それをTaglio di Ritornoっていうんだよね!と確認しあいながら。

それでも意見が分かれることもあって
私だったらそこは剪定するとかしないとか。

講師がやってきて、私ともう一人の女子チームの剪定を一番気に入ってくれた。
お褒めの言葉に、この剪定はもの凄くアーティスティックだ!と言ったw
こんな剪定みたことない!と...。え?
褒められてんだかなんだか。
でもその辺から自身がついてきたように振り返る。

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いつのまにか自信がついた上に、理由も言えるようになって
忘れる前に実践するとか経験とか続けるって大事だなぁと、改めて思った。
だから、そういう境遇に出会ったこともラッキーだし
ご近所さんが私の体験を応援してくださって
オリーブ畑の丸まる管理をさせてくださったことも
ラッキーもそうだけど、感謝しなければなのだ。
お互いに、よかったのである。

何故、お互いによかったかというと
私は、実は高価なオリーブオイルを自分でつくれること
無償の人力の他に、いろんな経費も諸々あるのだけれど
自分が栽培したオリーブのオイルを味わえる満足感
そして、先にもいった経験が積みあがっていくこと。

畑の主のメリットは、畑が常にきれいで管理が行き届いてて
そして何しろ一番重要なのが、生産性のあるオリーブ畑を保つこと
これはものすごーく大切で、次管理する人に渡せる状態に維持する
オリーブ畑の野放しを3年でもしてしまうと
次に管理してくれる人が現れないのである。

なぜなら、生産性と樹形と樹の健康を取り戻すのに
それこそ時間が3年はかかり
お金にかえられるオリーブオイルを産出ができないということは
とにかく3年ただ働きプラス経費があって
マイナスになっちゃうのである。

管理しきれない...でもお父さんの畑だから手放したくない...
そんなこんなで3年は手を付けてない...
なーんていう畑の依頼が何度も何度も何度もきて
ぜーんぶお断りして、アドバイスだけしたのであった。
お金出して、剪定師(士)さん呼んで樹形整えてもらって
庭屋さん呼んで草刈ってもらって
健康で生産性のある畑じゃないと
売りたくても価値がぐんと下がって売れないよ、と。
そうだよね...とみなさんがっかりされるのだが
残念ながらこれが実情でオリーブ文化のイタリア事情なのである。

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私だっていつまで自分の体よりでっかいオリーブの木の剪定ができるかわからない。
でもでも、まだまだ、オリーブが愛おしい。
今になってオリーブと意思疎通ができるようになってきた。
と言葉にすると変な人だけど
なんとなく彼らのメッセージを受け取っているように感じるのである。
動物飼うのと同じ感覚かもしれない。

こんなとっからこんな小さな芽が生えてくるの。(冒頭写真)




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もうすぐで93歳になるの農主のお母様が
第一発目ののコロナ対応ワクチンを打ちに行くという。
イタリアは、第一線の医療従事者や教師などの他に
80歳以上のお年寄りが優先的にアンチコロナワクチンが開始して
田舎のおばあちゃんまで届いた。
よかった。

ど田舎のヴィンチ村にもコロナ変異種ってのがやってきて
ことな青少年のクラスにもコロナ陽性の生徒が出現して
それはそれは父兄で慌てふためいて、不安に襲われて
10日間ことな青少年を隔離、その10日後にPCR検査して
といっても元気すぎてなんの変化もない隔離されたことなは
当然のごとく陰性で、私たちは安心したけれど
マスクのおかげだね~とこれからも徹底させた。

1ヶ月ごとなのかな、学校から束になったマスクが手渡される。
私は使い捨てにできない性分で、数回洗ってリサイクルする。
ゴミより新品マスクのほうが多くなっていくけれど
家族で使わせていただいてる。
現在、変異種コロナが狂暴すぎて
学校は布製よりサージカルマスクを義務化している。

農主のお母様は、「93歳になるんだけどさ
ワクチンする必要あるかしらねぇ」という。
コロナで死んじゃうの悔しいじゃん!
ってことをアナタのお母さん言ったよって農主に言ったら
渋顔で、「ボクの友だちで55歳の体格のいいヤツがいるんだけど
コロナに罹って死に際までいったそうだよ。」と語り始める。
酸素が足りなくなるから呼吸困難になって一旦眠らされるそうだ。
その間生命維持装置みたいなので生命が維持されて
そこで生還したら、コロナに勝った!ということだそう。
そのお友だちのホームドクターは、タバコ吸ってなくってよかったね
と言ったそうだ。タバコ吸ってたらマジやばかったよ、と。

コロナで陽性だったクラスメートのママは、未だに入院している。
ときどきクラスのママたちが心配して
安否の確認をクラスチャットで送る。
すると、チャット好きコロナ陽性ママは
Grazieとハートマークで返事する。体重減っちゃったけどね!と。

ヴィンチ村までやってきたけど、まだコロナに罹ってない我が家族。
ヴィンチ村の隣の町はピストイア県なのでレッドゾーンだ。
コロナ陽性ママも言ってたけど
レッドゾーンからオレンジゾーンの病院に
患者が運ばれてきているそう。
何年も何年もインフルエンザに罹ったことのない私たちでも
コロナに罹っちゃうのか。
おばあちゃん(農主のお母様)、がんばろ!

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芽生え寸前時期は忙しい。
畑もそうだけどなんかいろんなことが。

アネキのような友が、2月が誕生日のことな青少年に
祝いのメッセージを送ってくれた。
「とても良い季節に生まれたね。この季節は
人間も植物も土も水も力が緩む時期だものね。」と。
いわれてみると、ホントいい時期かもしれない。
元旦とかよりも、芽生えの«今»かもしれない。

私も自分が動いてるからそう流れているのか今はわからないけど
私の中でも芽生えがたくさんあって押さえつけられない。
6つも7つもやらなきゃいけないことが同時にあって
あたふたウロウロしてるのが現状で。
そういうときに限ってPCが固まったりとか
余計な問題がよりによって起きる。
集中型の私には、同時進行より時間を配分させて動くほうがいい。
おちつけ。

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私の気持ちはザワザワしてるのに、頭はパンパンなのに
ブドウの枝からは、しっとりしたたかに涙を浮かべている。
上を向いていれば、まるで涙をグッとのみ込んでいるよう。
下を向いていれば、ポタ、ポタ、とゆっくり滴る。
悲しいのか嬉しいのか芽生えなのか防御なのか
それはブドウにしかわからない。

そのブドウの涙=樹液の流動は、空気=外気に触れると
ゼラチン質と化する。
涙は、体内に戻ることはない。
ゼラチン質と化した涙は、菌をも寄せつけない。

あえて涙は今溢れ出る。
私はブドウの涙に触れた。
案外、冷たかった。
でも、ドキッとした。
冷たいのに生きてる温もりを触れた感触だった。
本当に、ヒヤリとドキドキした。

この樹液の流動は、ブドウの涙(Pianto)、三月の風物詩である。
ブドウの枝はしなやかになる。
きっと私たちもしなやかに
芽生えの準備をしているのではないだろうか。
3月8日女性の日、芽生え寸前にいい日じゃないか。

このしなやかの時期にブドウの枝縛りをするのである。


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あるSNSがふと目にとまった。
オリーブの剪定師が来てくれました~という投稿で
剪定師...。ふむ。
私は、剪定士と謳っている。

調べたところ、日本ではオリーブとか果樹などの
剪定のスキルを取得できる試験が無いとのこと
剪定士と認定されるのは街路樹剪定のみなんだそうだ。
あとは師匠がいて見様見真似で覚えていく職人業で剪定師と
師に分類されるそうなのだ。

さすがオリーブ文化の国イタリアでは
オリーブの剪定スキル試験がある。
しかし、ただ試験を受ければいいだけではない。
割と長い時間講座に通わなくてはいけない。

イタリアは、目移りするぐらい様々なコースの高校を
13歳でなんとなく進路を選択しなければいけないので
後から進路変更したい人のために
職業養成講座や資格、ライセンス講座が多々ある。

有料が一般だが、EU基金で州がプロジェクトしていると
たまーに無料で1年も通えるしっかりした講座に出会うことがある。
EU基金を活用した州のプロジェクトなどは
失業者を対象にしているので、職安に登録してから審査に入る。

州のプロジェクトの目的は、職業の知識の向上と確実性と安全
労働の質を良くするためである。
それは、代々受け継がれてきた知識とは対照に
科学的に実証された学問的知識がメインとなるので
いちいち行動するごとに理屈が生まれる。
もちろん師匠からの伝授は、長年の培ってきた経験ほど
これまた正確なことことはない。
養成講座ではそのいいとこどりで研修期間というのもある。

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私が通わせて頂いてた、300人以上の応募があったという
倍率約20倍の大人気の農業士養成講座では
履歴書審査、入試、面接と始まる前から難関だった。

イタリアらしく長い夏休みを挟んで1年間丸々通い
途中途中、テーマごとに中間テストがあって
それは隣の子のカンニングしたり、ヒソヒソ教えあったものだったw

中間テストの出来もそうだけど、70%の出席率
最終試験には、筆記、実技、口頭とこれまた汗だくな試験だった。
大人が1年間時間を集中させて、これで落ちたら洒落にならない。
ママと家事放ったらかして
久々にがむしゃらに勉強した日が続いたのを覚えている。

講座的には農業士養成講座と私はダイレクトに近い訳にしたが
スキルの内容には、剪定・栽培・管理・安全
そしてトラクターのメンテナンス・管理・運転と記されている。
トラクターに限っては、トラクター免許の時間数まで
あともうちょいというところだったので
希望者だけ追加で講習して免許をとった。
私は、斜めに運転することが怖かったので練習はしたけど
本格的にやっている自分が浮かばなかったから
免許までは到達しなかった。
剪定を中心にした授業は
トスカーナ特産のオリーブとブドウがメインとなった。

それでも大人になって需要のある部分だけ習える学校とか
講座とか資格ってなかなかないので
これはれっきと私は剪定士とそう謳うのである。

でもオンナだから...自慢ごとなのにちっとも自慢できない。
まぁ自慢しても仕方ないから、ささやかに知識をアピールしながら
男たちの会話に入って、さらに知識を磨いて
黙々と働いて、農主の話をうんうんと聴いて
ボランティアやアシストをしながら経験を積んでいるのである。

あんなに勉強したのに、まだまだまだまだ足りない。
引き続き勉強と発見の日々である。
だんだん勉強と発見に完結はないことがわかってきた。
そうおもうと、新しい発見がこれも勉強とすんなり入ってくる。
めちゃ前向きw

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さてさて、今年のオリーブはいかがかな。
今年は寒い日と雨の日が2月に入っても続いていたので
2月の半ば過ぎてからはじめた。

昨年オリーブの実が豊作だったのでエネルギーを使い果たしたのか
枯れ気味の枝が多い。
その消耗した枝を除去する細かい作業と
実も豊作だった上にエネルギーを吸いまくる新枝も
たくさん生まれたので、それを除去するのにも時間がかかる。

そういうわけで次回の収穫は絶対に不作もしくは
前回よりはかなり少なめとなる予想なので
技術を要する大きな剪定はしない。
上にピンと伸びてる新枝をとにかく剪定しよう。
消耗した枝を剪定をしよう。

大地から長いハサミで剪定しているので首が痛い。
首が痛すぎるときははしごを持ってきてよじ登って
上から剪定をはじめて、上部をキレイすっきり剪定する。

長いハサミの欠点は、細かい部分に入り込めないから
切り枝がだいぶ残る。で、来年その残った数センチの枝から
小さい枝がニョキニョキ生えてくるのである。

腰もキーンと痛めたけど、作業しだすとあまり気にならない。
不思議だ。横になると、痛みが気になって仕方がない。

オリーブの剪定しながら落ちた枝を拾ったり
トマトの種蒔いたり、ブドウの枝縛り作業手伝いに行ったり
勉強したりなんだりで、そうこうしていると痛みも和らいでくる。

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しかし、オリーブの剪定は、3月までに終わらせること。
4月の半ばには芽がわっと出てくるのでそれまでに剪定をする。
樹液の流動が休眠中に剪定をするのが、傷の炎症を防げる。
そしてリンパの流れを導くことでエネルギーが集中して
旨味のある実が生まれやすい。

樹液の流動がわかりやすいのがブドウで
その自然の法則を目の当たりにすると
3月までに剪定を終えなくてはいけない理由がよくわかる。
ブドウは樹液の流動がはじまる3月、枝が柔らかくなり
枝縛りがはじまる。
枝からポタポタ樹液が涙のように滴るのである。
それは3月のブドウ畑の風物詩である。
それでは、あっちこっち行ってきます。



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