4月も終わり頃
ブドウの苗を植える作業を手伝った。
もう3回ほど参加させていただいている。
そうしょっちゅうある作業ではない。
一度植えてしまえば50年は植え替えることはしない。
前回までは
おじいちゃん(農主の叔父さん)と一緒に
ブドウの苗木の根を剪定する作業をした。
今回は、農主の娘さんが
亡くなったおじいちゃんの代わりをしている。
おじいちゃんの私とだけの思い出がいくつか
このブドウ畑にはある。
個人個人の思い出とは、そういうものだ。
家族でも身内でもない私でも
彼らの知らないところで
交流して知らずと思い出をつくっている。
そういう些細なことが
些細な出来事や思い出が
はるばる日本から移住してきた私は
とても大切で
これまた移住していない家族とも共有できない
時間なのである。
そう、思い出とは、時間なのである。
トラクターの荷台に椅子も積んで
ブドウ畑に椅子を並べて
昨晩から浸けてあるブドウの苗木を
ひたすらハサミで
1cmくらいに残して切っていく。
柔らかいヒゲは根元から切ってもよし。
枝の方から生えているのも切ってしまう。
男たちは、水の入ったバケツに重くならない程度に
剪定済みのブドウの苗木を入れて持ち歩き
それらを一本一本土の中に深々と植えていく。
年金者だろう時間のある方たちが
手伝っている。
力仕事なので、ご苦労様だ。
土の固いところと柔らかいところがあるようだ。
農主は、ぜーぜー言いながら寄ってきて
もっと根っこを短く切ってくれ、という。
なかなか入っていかないと
ブドウの根っこがニワトリの爪にみえるそうだw
私は、時間のある時は近くで
ブドウの芽掻き作業をしはじめた。
今年は例年より10日ほど遅い。
オリーブの花芽の出も遅ければなかなか膨らまない。
ブドウの芽掻きは
早咲き品種のサンジョベーゼからはじめていくが
早咲きも遅咲きも一気に芽吹いて
どの品種も芽掻き作業に取りかかってもよい
状況だった。
例年だったら、そういうわけで
全部の畑にあっちこっちにある
早咲き品種のサンジョベーゼを全部終わらせてから
これもあっちこっちにある遅咲き品種の
カナイオーロやトレッビアーノにとりかかるが
もう一気に進めることができた。
他の農園は、もうちょい成長させてから
ブドウの芽掻き作業に取りかかるだろう。
しかし、こだわり派オーガニックの農園は
早めにとりかかって
エネルギーの流れを本望の実のある新枝に
集中させるワザをつかう。
そういうことで、農薬を使わずに
病気を防げたり
ブドウの旨みを濃厚にさせたりできるのである。
本当だったら、農主の段取りがもっとよかったら
ブドウの木があるところの草刈りを
ブドウからツルが出る前に
トラクターで刈ってくれると助かるが
ワイン貯蔵庫セラーの仕事もいっぱいで、、、
展示会の仕事もいっぱいで、、、
といいわけされ
私は、必要なところだけ
手作業で草を刈っているのである。。。
プラス!ブドウの根元から生えてくる
野生の枝を除去する作業も
しゃがみながらやっているのである。。。
この野生の枝を面倒だからと長めに残してしまうと
残したところからまた生えてくる。
この野生の枝を残しておくと
エネルギーをすいとるのもそうだし
本望のブドウたちの成長の邪魔になるので
やっぱりきっちり除去してあげたほうが
いいのである。
ヨーロッパのワイン用のブドウの木は
フィロッセラというブドウの寄生虫を防ぐために
意外や意外に、フィロッセラのいないアメリカの
ブドウの苗木を台木にし
接ぎ木する穂木の部分に
ヨーロッパの品種を使う方法で
フィロッセラの大発生を防いでいるのである。
その台木の部分は野生的で
元気な枝がわんさか生まれるのである。。
外気温が初夏のように25℃を越える日がある。
それでもわがままな春の雨や湿気で
草木もブドウも成長は早い。
週末ブドウ畑から目を放しているだけで
変化がわかるほどだ。
ブドウの新枝は
長く大きくなっていくだけではなく
硬くなっていき、手でポキポキ折れない。
ハサミを使うと時間がかかるのである。。
屈みながら顔は上を見ている状態なので
ほっぺだけ日焼けしちゃう。
帽子の下に手拭い巻いて顔を覆っているけど
もう手遅れかな。。。
暑くて大変なんだけど
何千本何万本もあるのに
もさもさした一本のブドウの木に空間ができると
毎度よし!と満足している私だ。
☆
畑の様子などインスタのストーリーズの方に
毎日投稿しているので
興味のある方は是非ご覧くださいね。
@obatamakivinci
☆
今日の一曲。
Grazie di aver visitato!
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。
今週も素敵な一週間をお過ごしください。
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