イタリアではTiglioティリョとよばれるリンデンは
街では街路樹、田舎では野生に大きく大きく育ち
季節にあわせて、冬は日を大地に送り
春は甘い香りをぷんぷんさせてミツバチをよび
カンカンの夏は日傘となり人々を熱い日差しから守る。
そんな存在感のあるリンデンの花は
可憐に尖った葉っぱにぶら下がってなる。
小さく白く甘い香りは黄色くみえるようで
ぶら下がっているから木の下を覗くと
香りの黄色がモワモワと光を煽っているようだ。
ミツバチや虫たちは
大木の花々に選り取り見取りで
あっちいったりこっちいったり
どんなに欲張ってもまだまだある。
私は、去年に習って
オーガニックファームのアントネッラに
今年も花摘みに行ってもいいか尋ねた。
アントネッラは、野菜や果物、卵以外にも
自分でつくった玉ねぎジャム(ペコリーノチーズに合う!)
フルーツジャム、リンデンティなどを売っていた。
でもリンデンティは余ると困るし
なにしろ収穫の手間がかかりすぎ!ってんで
もう取り扱うのをやめちゃったのだった。
でも大きな大きなリンデンの木は
モワモワ黄色い香りをまとって
庭の真ん中にデン!と陣取っている。
何年の木なのだろう。
一番したの枝は、5mぐらいは横に伸びていて
この大木の直径は10mは余裕であるのではないだろうか。
フィトンチッドがムンムンなリンデンツリーに
ハンモックでも置いてゴロゴロしたくなる
ちょうどいい木陰広場だ。
我が家にもこの大きさのリンデンが欲しいなぁ。
何故私がこんなにリンデンを愛するようになったかというと
アントネッラに紹介してもらったこと
彼女は元彼が東欧の方で
その彼から教えてもらったということ
そのとき説明してもらった通り
咳や痰に効く
眠れないときとかイライラしたときとか
頭痛があるときとかに効くよ、と。
これらの効能はイタリアだって一般的に
知られているのはカモミールだ。
でも、最適期に収穫した生のリンデンの花を
室内で丁寧に乾燥させたホンモノのリンデンティを
一度飲んだらもう、これだけでいいっ!
というぐらい効果はあるし
ティから漂う甘い香りは収穫のときに
鼻の中に入ってきた香りのまま。
遠くのカモミールの花を探すより
身近にある土地のリンデンで
初期症状の不快感を取り除けたらいいな
とおもって、リンデンにこだわり始めたのである。
成分とか効能だけ聞いてもピンとこないが
要は、神経が高ぶったときに抑える作用
咳や痰も不眠も頭痛も
神経や器官が刺激されてブルブルと興奮状態を
少しでもリラックス気分にしてみようか
という鎮静効果抜群の万能薬なのである。
外部からの異物は知らずと
急所を痛めつけさせてしまうけれど
精神を含め反応を起こしている内部は
このリンデンティで抑えようということなのだ。
ある日、井戸端会議でリンデンティの話になり
私が家に薬が無いというと、みんな驚いた。
頭が痛いときどうしてるの?
リンデンティ飲んで寝る。
熱が出たときどうしてるの?
リンデンティ飲んで寝る。
みんな黙りこんで
それができないときどうするのさ
と、小声で言っていたけど
もう何年も
初期症状だったり軽い症状だったら
リンデンティ飲んで寝る
をずっとやっている。
必要ないときは本当に必要ないのだけれど
必要なときは、足りなくなることが心配になるほど
毎日リンデンティ飲んで寝るのである。
今年は去年より収穫期が適切で
開花しはじめの頃に行けてよかった。
これで今年もひと安心。
Grazie di aver visitato!
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。
今週も素敵な一週間をお過ごしください。
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