大地の住人 ヴィンチの丘で

地球と体に優しいコト ~イタリアから~

フィレンツェの端っこレオナルド・ダ・ヴィンチのふるさとヴィンチの丘に在住。 大地の自然たちと向き合って地球と体に優しい様々なコト、発見・提案・発信!

カテゴリ: ブドウ UVA

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私にはたくさんの友がいる。
会わないけれど、心は繋がっている。
会わないけれど、会ったときはまるで
昨日もしくは一週間ぐらいしか経っていない
そんな気持ちで久しぶりなのに
久しぶりに感じない。

来月30歳になるという
シチリアからトスカーナに引っ越して3ヶ月
パレルモ近郊ど田舎育ちのシングル女子と
仕事をした。

今の若い子たちは、人種差別があまりない。
きっと学校では普通に
様々な人種が通っていたに違いない。

だから、へたによそよそしい大人より
若い子たちの方が私は
話しやすかったりする。

話をしているとやっぱり若く
彼女たちの今とこれからを想像して
ワクワクするし楽しくなる。

とりあえず人生のアドバイスをするが
ひとそれぞれの運命を追いながらの人生だ
アドバイスなんかじゃない
結局は、私をなんとなく見て知ってもらって
印象に残ってくれたら嬉しいとおもう。

友だちがまだいない、ということだった。

だから、友だちの話をした。

友だちって
会わなくても友だちでいられることが
友だちだよ。

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ある食品会社の仕事が一段落したが
また近々一緒に仕事がしたい
ということだった。

私はあまりグループに馴染めてないかな
と、思っていたけど
自分をもっていておどおどしてないところは
誰かがやっぱりみつけてくれていた。

彼女たちは、とにかくおしゃべりで
私とは正反対だ。
私だって話すときは話すけれど
私は、時を待つ。急がない。
なんせ、仕事中ですもの。

出荷が終わって穏やかな時間、そうやって
シチリアシングル女子と語り合ったり
はたまた長年のベテランと話す間があった。

性格の明るいベテランは、私たちの会話に
「何話してたの~」私も入れて~
みたいに入ってきた。

ベテランなのに
ピリピリしてないところが好き。
同じ歳で
一人息子がいるところなんかも同じ。

息子さんは18歳で
高校5年生で最後の年だ。

ベテランの息子さんと一度だけ
ちらっとお会いしたことがある。
素直そうな青年だ。
あの時確かに
わーと私を見ていたのは覚えている。

帰宅後、息子さんはお母さんに
「あの人と一緒に仕事してるの?」
と聞いてきたそうだ。
「そうだよ。」
「へぇ、かわいい人だね!」www
「あの方ね、普段話さないんだけど
話すときは、正しいこと言うのよ。」
...なんていう会話をしてくれてたのだ。
嬉しい!

という話をしながら、私が口をあけるときは
人が話を聞いてくれるときだよ
という話をした。
「確かに、あなたは人の話よく聞いてる。」

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静かに働く私になったのは
今にはじまったことではない。

イタリア語ができるできない
もあるかもしれないけれど

誰もいない大地でブドウやオリーブ
空や虫と共にした空間の心地よさを
知ったからかもしれない。

ううん、それだけじゃない。
もともとは、日本で体験したことだ。

学生を卒業して、初めて入社した
横浜の木工会社の影響が大きい。

その木工会社には
聴覚障害者が数人働いていた。

彼らは、聴こえないし
自分の声が聴こえないから
声にして話さない。

彼らと話すときは
私も声にして話さなかった。
目だけでもしくはジェスチャーだけで
遠くからも合図し合ったり
あるときは笑い合ったりもした。

目が合うと、いつもにっこりしてくれた。

怒ることもあるだろう
でも怒鳴ることはできない。

ちょっと通じ合えないとき
寂しそうな顔をして諦める様子だった。

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私は当時21歳だった。

私は、彼らと一緒に仕事ができたことが
一生の宝となった。

言葉を大切にしようとおもった。

どんな人とでも言葉と目で会話をしよう
とおもった。

話を聞こうとおもった。

考えようとおもった。

答えようとおもった。

にっこりしようとおもった。

静かに生きようとおもった。

全部表現できなくたって
普段の姿勢で表現できたらいいのではないか
とおもった。

きっと彼らは
私がこんなにも刺さった出会いだとは
思ってもいないかもしれない。

私は、わざわざ出会う人ごとに
この体験を語ろうとはおもわない。

私は、彼らのような姿勢と私にできること
両方を表現できたらとおもいながら
個人や団体と接しているのだ。

それと
私は、今この仕事のやり方で生活をする
と決めた意志が、どんな環境でも
おどおどさせないのかもしれない。

それと
人生の経験を積んできた
年齢というのもあるのかな。

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息子関係の話をしているとき
未成年の思春期時代って
なんにも怖くなくって
未来のことなんかちっとも想像できなくって
今が楽しくって、親が守ってくれてて
先進国の人だったらみんなそうだとおもう。

ある人は、あの時に戻りたいと言う。
ある時私も
同じことを言っていたような気がする。

でも今は、戻りたいとはもうおもわない。
うっとり思い出して楽しむのがいいな。
だって
こんな大変な人生がまっているんですもの。

戻らない代わりに
一日一日を大切にしようとおもった。

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今年は、ブドウの収穫が手伝えなかった。

収穫前に摘みに行ったブドウたちは
元気なヤツとそうでないヤツがいた。

変な気候だったけれども
がんばってるヤツはすぐわかる。
味を濃厚にして、輝いていた。

彼女たちをみて、また勇気がでた。




今日のTrailer





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思春期青少年は
50ccのスクーターに乗り始めた。

私が、チャリでヴィンチの丘を動き回ることに
ギブアップしたから、買ったスクーターだ。

今は、思春期青少年の
ヴィンチの丘のいちいちの送迎に
私がギブアップしたから
スクーターの免許をとってもらうことに
家族会議で決めたのだった。

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今の子は、本で勉強しない。

ネットのクイズをたくさんこなして覚える方法だ。

自動車学校も授業は人間だけれども
クイズは、PCでやるのだ。

授業は週2回、1時間ずつ。
出席率とか出席確認をするわけではない。
受ければ受けるほどいいというので
私たちが、送迎ができるときは
全部行っとけ!とほぼ毎回行かせた。

それも親はギブアップで
バスで帰ってきてもらったりしたこともある。
が、田舎暮らしは不便そのもの
調度いいバスがなかなかない。

「いつ試験をするのだ?聞いてこい!」
「ボクが決めるんじゃなくて
自動車学校が決めてくれるんだって。」

一ヶ月ぐらい経った頃であろうか
試験日を決めてくれた。

はじめの頃は、1時間でぴったり終わってきたけれど
行くにつれて、クイズにはまって
30分40分オーバーしていた。

家でも、授業のある日は
朝からスマフォでクイズをしまくっていた。

 クイズの出来具合で、試験日を決めるのかな。
自動車学校だって、受かってほしいにきまってる。

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私は日本で運転免許を取得した。
イタリアでは、来た当初は国際免許だったけれども
1年毎の更新なので
現夫とつきあうようになった頃
きっとイタリア在住が長くなるだろうと
こっちでイタリアの免許を取得したのだ。

私は、日本で運転免許の勉強をしているので
こっちの自動車学校には通わず
個人で勉強して個人で試験用の車を用意して
試験を受けたのだ。

私がこっちの運転免許を取りたいと思った年
日本の免許と交換する制度がなかった。

だから私は、教本とクイズ本で当時勉強しまくった。
免許の勉強というよりイタリア語の勉強だ。

試験は、外国人ということで口頭試験
と、通常の実技試験。

受かったときは嬉しかったな。

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50ccの試験も
フィレンツェ郊外の運転免許センターでする。
私が個人で受けたときと同じところだ。

自動車学校にお金払ってるだけあって
きっちりオーガナイズしてくれて
グループで連れていってくれた。

親は自動車学校に送迎するだけだった。

平日の朝からだったので
本業の学校は欠席。。

電話がブドウ畑に響いた。
私はブドウ畑で、
ブドウの芽掻き作業をしているところであった。

思春期青少年だ。
「もしもし」と言った途端
「Idoneo!(受かったよ!)」
とても興奮している様子だった。

あぁそうか、試験に合格するというシチュエーション
初かもしれないね!

こんなことで一番に母に電話してきてくれるなんて。。
「おめでとう!良かったね。」
「いやーこれで自由に動ける!」
え、ちょっと待って。
まだ筆記試験だけじゃん。免許取れてないよ。
これから実技じゃん。

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試験翌日の午後
自動車学校に仮免許(foglio rosa)を
受け取りに行った。
「マジで運転していいのか聞いてこい!」

現在は、町内とか市内での練習とかないそうだ。
ネットで調べても
地域も時間も制限はない。
強いて言えば、交通量の少ないところで、とはある。

保険も特に何もしなくていい
と自動車学校はいう。

でも、万が一のことを考えて
個人的に保険会社へ問い合わせた。

スクーターも保険も親名義なので
ベテラン扱いで設定されているところに
初心者も加えてもらうことにした。
その差額を払う。
想像していた額より全然少なかったので
ほ。

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思春期青少年が幼少期の頃
確か、3歳とか4歳だったとおもう
補助輪付きの三輪車のこぎ方を教えた。

確か、5歳か6歳だったとおもう
補助輪をとって2輪の自転車の乗り方を教えた。

少年が中学生の頃の夏休み
自転車で一人で海に行った。
スマフォだけを頼って一人で行った。

あの時、後で一人で行ったことを知った。
ぎゃんぎゃん怒ろうとしたけど
少年の冒険がはじまった
と思ったりして、怒れなかった。
けど、注意はした。

友だちはいないのかときくと
「冒険できる友だちはいない」と言った。

とりあえず、ちゃんと帰ってきた。

思春期青少年は今、16歳。
私は、スクーターの運転を教えている。

まずは、ヴィンチ村の駐車場まで
次は、隣村のスーパーまで
その次は、サッカーの練習場まで
そして、ちょっと街よりの雑貨屋まで

徐々に距離をのばしたり、交通量があるところを
青少年がスクーターで前を走り
私は車でくっついていって様子をみた。

停まるごとに、ウインカーの出し方や
左の曲がり方を教えた。

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思春期青少年は、幸せそうだった。
自由に動けることが嬉しそうだった。

私も車を買ったときとっても嬉しかった。
一人で動けることが嬉しかった。

思春期青少年はもう、私の知らない世界にいる。

彼は想像を膨らませて幸せそうだ。
私もそんな彼を見ているだけで幸せだ。
そして私まで想像を膨らませて
自分の若かれし頃にタイムスリップしてしまう。

この夏は、友人Cのところに行くぞ!とはりきっている。
一緒にプールに行くんだ
Cのところでゲームをするんだ
一緒にサッカーの練習に行くんだ!

なんてことない望みだが、田舎暮らしには
常に親が送迎だった。

そして、我が思春期青少年は
やっと...やっと...
初めて兄弟のような親友に出会ったのである。

小さな村の子どもたちが
高校生になって、村の子以外と出会って
新たな発見がある。

毎日みていると変化に気づく。

思春期青少年がある日言った。

「Cと出会って300人以上の人と知り合った。
Cといると人がよってくるんだ。」

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毎日、髪の毛のセットに時間をかけている。
自称、人気者なんだそうだw

スクーターの仮免で
学校までの中間地点よりちょっと先の
Cの住む町で集合し
CとCの幼馴染みが通う床屋に
三人で行ってきた思春期青少年。

Cはスクーターの免許を最近取得。
Cが教えてくれるんだと。

とりあえず、ちゃんと帰ってきた。

この夏、どんな夏になるのだろう。

実技の試験は、自動車学校いわく
筆記試験から三ヶ月後なんだそうだ。
すっかり夏休み中。

イタリアはあともう少しで長い夏休み。。。



今日のトレーラー。




今日の一曲。




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4月も終わり頃
ブドウの苗を植える作業を手伝った。

もう3回ほど参加させていただいている。
そうしょっちゅうある作業ではない。
一度植えてしまえば50年は植え替えることはしない。

前回までは
おじいちゃん(農主の叔父さん)と一緒に
ブドウの苗木の根を剪定する作業をした。

今回は、農主の娘さんが
亡くなったおじいちゃんの代わりをしている。

おじいちゃんの私とだけの思い出がいくつか
このブドウ畑にはある。

個人個人の思い出とは、そういうものだ。
家族でも身内でもない私でも
彼らの知らないところで
交流して知らずと思い出をつくっている。

そういう些細なことが
些細な出来事や思い出が
はるばる日本から移住してきた私は
とても大切で
これまた移住していない家族とも共有できない
時間なのである。

そう、思い出とは、時間なのである。

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トラクターの荷台に椅子も積んで
ブドウ畑に椅子を並べて
昨晩から浸けてあるブドウの苗木を
ひたすらハサミで
1cmくらいに残して切っていく。

柔らかいヒゲは根元から切ってもよし。
枝の方から生えているのも切ってしまう。

男たちは、水の入ったバケツに重くならない程度に
剪定済みのブドウの苗木を入れて持ち歩き
それらを一本一本土の中に深々と植えていく。

年金者だろう時間のある方たちが
手伝っている。
力仕事なので、ご苦労様だ。

土の固いところと柔らかいところがあるようだ。
農主は、ぜーぜー言いながら寄ってきて
もっと根っこを短く切ってくれ、という。
なかなか入っていかないと
ブドウの根っこがニワトリの爪にみえるそうだw

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私は、時間のある時は近くで
ブドウの芽掻き作業をしはじめた。

今年は例年より10日ほど遅い。

オリーブの花芽の出も遅ければなかなか膨らまない。

ブドウの芽掻きは
早咲き品種のサンジョベーゼからはじめていくが
早咲きも遅咲きも一気に芽吹いて
どの品種も芽掻き作業に取りかかってもよい
状況だった。

例年だったら、そういうわけで
全部の畑にあっちこっちにある
早咲き品種のサンジョベーゼを全部終わらせてから
これもあっちこっちにある遅咲き品種の
カナイオーロやトレッビアーノにとりかかるが
もう一気に進めることができた。

他の農園は、もうちょい成長させてから
ブドウの芽掻き作業に取りかかるだろう。

しかし、こだわり派オーガニックの農園は
早めにとりかかって
エネルギーの流れを本望の実のある新枝に
集中させるワザをつかう。

そういうことで、農薬を使わずに
病気を防げたり
ブドウの旨みを濃厚にさせたりできるのである。

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本当だったら、農主の段取りがもっとよかったら
ブドウの木があるところの草刈りを
ブドウからツルが出る前に
トラクターで刈ってくれると助かるが
ワイン貯蔵庫セラーの仕事もいっぱいで、、、
展示会の仕事もいっぱいで、、、
といいわけされ
私は、必要なところだけ
手作業で草を刈っているのである。。。

プラス!ブドウの根元から生えてくる
野生の枝を除去する作業も
しゃがみながらやっているのである。。。

この野生の枝を面倒だからと長めに残してしまうと
残したところからまた生えてくる。

この野生の枝を残しておくと
エネルギーをすいとるのもそうだし
本望のブドウたちの成長の邪魔になるので
やっぱりきっちり除去してあげたほうが
いいのである。

ヨーロッパのワイン用のブドウの木は
フィロッセラというブドウの寄生虫を防ぐために
意外や意外に、フィロッセラのいないアメリカの
ブドウの苗木を台木にし
接ぎ木する穂木の部分に
ヨーロッパの品種を使う方法で
フィロッセラの大発生を防いでいるのである。

その台木の部分は野生的で
元気な枝がわんさか生まれるのである。。

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外気温が初夏のように25℃を越える日がある。
それでもわがままな春の雨や湿気で
草木もブドウも成長は早い。
週末ブドウ畑から目を放しているだけで
変化がわかるほどだ。

ブドウの新枝は
長く大きくなっていくだけではなく
硬くなっていき、手でポキポキ折れない。
ハサミを使うと時間がかかるのである。。

屈みながら顔は上を見ている状態なので
ほっぺだけ日焼けしちゃう。
帽子の下に手拭い巻いて顔を覆っているけど
もう手遅れかな。。。

暑くて大変なんだけど
何千本何万本もあるのに
もさもさした一本のブドウの木に空間ができると
毎度よし!と満足している私だ。



畑の様子などインスタのストーリーズの方に
毎日投稿しているので
興味のある方は是非ご覧くださいね。
@obatamakivinci




今日の一曲。




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春だ。

日が出てると汗ばむほどだ。

でも風が吹くと気持ちがいい。

庭はマルガリータの絨毯のようだ。

ルーコラ、タンポポ、ボリジの花が
ところどころに咲いている。

オリーブ畑には
日本のより頭でっかちなツクシが
ニョキニョキ生えていて、歩きづらい。

ブドウ畑には
菜の花やカレンデュラ、ボリジ、ビエトラ
マルバ、名前のわかんない草
緑肥のソラマメが勢いつけてきた。

カレンデュラのミネラル豊富そうな香りが
日に当たると
1Mぐらいは余裕で放出して
鼻よりも口の中が充満する。

ソラマメと菜の花によってくるのか
テントウムシがあっちこっちにいて
じっと日向ぼっこをしているようだ。


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ブドウの芽が膨らみはじめた。

そうこうしているうちに、芽が咲いた。

こんなに暖かいのでは
木々は急いで生まれてくる。

早咲きのサンジョベーゼという品種は
涙が溢れ出ている。


遅咲きの品種だってもう
ゆっくりと樹液は流れはじめ
枝は柔らかくなってきた。

こうやって
リンパが流れはじめるタイミングで
枝縛りの作業をする。

剪定されたけれども長すぎる枝を剪定すると
ボタボタ涙をこぼす。

その涙をイタリア語でPiantoピアントと呼ぶ。


私は、今年もこの涙を見ることができた。

そして今年も、この涙に知らずと触れて
ドキッとした。

涙の温度は冷たいのだけれど
ブドウの体温とおもうと
ドキドキするのだ。


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だから春が好き。

閉じたり咲いたりする草花をみたり
花びらが太陽に透けた光をみるのも好き。


一気に生まれだすエネルギーが好き。

私も一緒に生まれだす感覚を
味わうのが好き。


生まれだす彼らも私たちも
未知な未来が待っていると
想像することにワクワクする。

命の液が時期が来ると流動する
その本能に毎度感動する。

きっと私たちだって
時期が来れば知らずと流動しているはずだ。

きっと私たちだって
時期が来れば知らずと放出しているはずだ。

本能と気持ちと心が
シンクロするからややっこしい。

このままじゃいけないと
おもうかもしれない。
もっともっとと求めるかもしれない。

いや、もっと時期が来るまで待とうと
見送るかもしれない。

それとも、このタイミングかもしれない。

ひとの人生って季節には
そうも左右されないかもしれないけど
ヒトとは異なる生き物の一生とか
彼らの人生を時々ながめていると
どこか重なるところがいっぱいある。

生きてるところが同じ
大変なところも同じ
常にリスクを追う生活も同じ
本能も実は似てるかも


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私は、上を見上げれば、見上げなくても
一面の空の下で、日と風に当たりながら
ヴィンチの丘で、ブドウの枝を縛っている。

室内で一日中空を見ないで40年間
生活のための仕事をしている人たちが
いっぱいいる。

そんな人たちのそばにいると
なんかやっぱり私は
自由な生活をしている
と想い知らされる。

何が正解で何が良いのかなんて
ひとそれぞれなんだ。
それが人生なのだ。

それでも私は
毎日ヴィンチ村の塔を
霧の中、青い朝、赤い夕日の中眺めて
ヴィンチの丘の
ブドウ畑とオリーブ畑を
ザクザク歩いてる人生は
やっぱり
どんなに苦しかろうが
後悔のない人生だと
黙って草木や虫と
気持ちを交換するのである。

その気持ちのおしゃべりができるのが
春なのだ。

だから、私は春が好き。



今日の一曲。




日本のみなさまへ特別に obatamakiが監修した
エクストラヴァージンオリーブオイルのお問い合わせは




ヴィンチの丘の、自然の成長など
インスタグラム @obatamakivinci の
ストーリーズで投稿することを試みています。
もしよかったら覗いてみてくださいね。



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フシギだなぁ
雨が降らないのに、それでもこんなに潤った果実が毎年なる。

8月の終わり頃
家族付き合いの農家の
ブドウの収穫Vendemmiaを
家族で手伝った。

私たち大人は、BIOワインが欲しかったり
自家製Prosciutto(生ハム)が欲しい
ほぼ物々交換だ。
それと、Vendemmia終了の食事会にも興味がある!
思春期青少年はお小遣いをいただいた。

私たちは8月の最週末の午前中だけ手伝った。
その頃、これから雨予報が出てるくらいだったので
めっちゃ湿気がすごかった。

朝はヒンヤリしてるんだけど
しばらくして太陽が湿気のモヤモヤの向こうにいると
やたらと暑い。

我が青少年は、農家の家族の同い年の息子さんのグループで
のんびり賑やかに収穫をしていたようだ。

息子さんは農業高校を選択して
将来、ブドウ農家を目指している。
学校がお休みの日には、剪定やいろんな作業を
少しずつ手伝ってくれるそうだ。スバラシイね。

反抗期とか思春期がないのではないかというぐらい
落ち着いていて社交的でしっかりしている。
お父さんの影響が強く
お父さんの言うことをきちんときいてそうだ。スバラシイ。

そんな息子さんと我が青少年がご一緒させていただくことになって
正反対の二人はさぞかし影響しあって
むしろ楽しそうにみえた。
我が青少年からは愚痴ひとつ無かった。

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私はうってかわって
パキスタン人のグループに混ざって
アジアにでも旅行しているかのように
ずっとパキスタン語を聴きながら収穫していた。

「アナタたち、何人なんですか?」
「パキスタンだよ。君は?」
「日本人です。」
「マジ?!  ボクら、日本に行きたい!」
イタリア人も何人も、みんな日本に行きたいって
いつものことなんだけど
彼らは、滞在許可書ビザについて問いてくる。
「ビザ?ビザって要らないんじゃないの?」
と答えてみたはいいものの、家で調べてみると
パキスタンに行く日本人も
日本に来るパキスタン人も
ビザが必要だっていうことを初めて知った。

彼らはインド人に似ていて
私には、どこの国の人かわからない。
「アナタたちインド人と似てるんだけど
決定的に違うところって何??」
「彼ら(インド人)は彼らの宗教で服装が違う。
ボクらは、イスラムかカトリックでイスラムが多い。
でも、カトリックと仲がいい。争うことはない。」
なるほど!服装ね。

ブドウの収穫には、このパキスタン人半分
ワイシャツに長ズボンだ。
我が夫もこのスタイルが一番涼しいと言っているので
夫の姿がいっぱいいるようで焦ったw

とにかく彼ら全員長袖だ。
何度もブログでレポっているように
暑い国の人ほど、暑そうに長袖を着込んでいる。
直射日光が一番暑いという彼らの理屈である。

それに関しては、私も賛成!
海に行ってもそうだし、肌に直射日光はとにかく熱い。
長時間耐えられない。

それにしても湿気にモヤモヤ太陽なので暑い!
熱中症までいかないけど、だんだん動きが鈍くなるように重くなる。
みんな汗だくでびっしょりだ。

がしかし、イタリア語が話せる一人のパキスタン人は
「疲れた?」と私に聞く。
「え。疲れてないの?」
「まだ大丈夫。」などと言う。
マジかよ。やっぱ暑い国の人って体のメカニズムが違うんじゃないの?!

彼らは、5リットル入りの水タンクで全員分を持ってくる。
で、使い捨てのプラスチックコップではなく
なんかそのへんはとってもエコロジーで
アルミやましてや陶器の取っ手付きのカップを持参するのである。
朝はそれでチャイを飲んでいるようであった。

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それと、もうひとつ気になったことは
よくタバコを吸うのである。
んで、ゴホゴホ咳をしていたりする。
「タバコ吸い過ぎなんじゃないの?」と言うと
わかっているようで返事をしないで、私をギロッとニヤッと見る。

タバコを吸わない人もなんかタバコをつくるような仕草をしているので
それは何かと聞くと、自家製チューインガムだ、という。
タバコがチューインガムになったような
草がネバエバした丸まったものだった。
「お前もいるか?」いらないよ、絶対。

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で、あまりにもパキスタン語でずっと話してるから
声を掛け合ってる様子のとき、その言葉を真似をしてみた。
みんな笑ってる。
やっべ。「もしかして変なこと言っちゃったの、私?」
「いやいや、みんなブラボー、ガンバレ!という意味だよ。」ほっ。
変なこと言わせないでね!

あるとき、彼らはスマフォを取り出してブドウの写真を撮りだした。
ブドウと自撮りまでしている。
そのブドウは、Uva da tavolaと一般的に呼ぶ
ワイン用ではなく食卓で食べる大きめの粒の白いブドウだった。
「え、もしかしてパキスタンにはブドウないの?」
「いや、あるんだけど、こう大きい粒のブドウはないんだ。」
へーそうなんだ。みんな嬉しそうに写真や動画を撮って味見をしている。

イタリア語もままならないパキスタン人たちは、異国で
暑いブドウの収穫でもこうやって発見のあるいいことがあった。
私は彼らと数時間いて、私までパキスタン人になりかけた。
彼らが休憩で集合してると、こっちが異国にいるようで
トスカーナとはおもえない空間であった。
帰る時、彼らはそれでも日陰に寄って並んで
私たちに手を振っていた。とにかく異様な風景だった。

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ブドウは、干ばつで小粒な品種やブドウもあったが
らしく成ってらしく熟れているブドウがほとんどだ。
果肉がいっぱいある食卓用のブドウも好きだけど
これがワインに変わるんだと想像しながら食べる
ワイン用のブドウも大好き。
特にVinsanto用だったり甘めの白ワイン用のSan Colombanoという品種は
食卓用の大きい粒のブドウにに続いてよく出てくるブドウだ。
私たちはこれだけで十分。

暑くて大変なんだけど
やっぱりブドウの収穫は私は好きだ。

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9月に入って日中の気温も落ち着いたし朝なんかひんやりだ。
この湿気と暑さにオリーブミバエの心配もしたけれど
5月からの夏と干ばつで、ヴィンチの丘にはミバエの姿はない。
オリーブの実も小粒に育ったようにみえるけど
もしかするとあと数回9月中に雨が降れば
ぷっくり膨らむかもしれない。
木にもよるけど、オリーブは豊作だとおもう。

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