大地の住人 ヴィンチの丘で

地球と体に優しいコト ~イタリアから~

フィレンツェの端っこレオナルド・ダ・ヴィンチのふるさとヴィンチの丘に在住。 大地の自然たちと向き合って地球と体に優しい様々なコト、発見・提案・発信!

カテゴリ: ブドウ UVA

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農主、はやくやってよー、もう。。。

まだ、ブドウの剪定が終わっていない。
ということは、枝外しも終わってないし
枝縛りも始められない。

終わってる方の向こうの畑で枝縛りをしていたとき
あっちもこっちもやってない...ということが判明した。
今はさ、Luna Ascendenteだから剪定はよくない...などと言っているが
本当だったらそんなことを言ってる場合ではない!

農主はバイオダイナミック農法でワイン用のブドウを栽培している。

肥料は緑肥と牛の糞を角に詰めてねかせた調合材500という
最高の微生物を生んで散布する方法を使っている。

緑肥とは、マメ科やアブラナ科の種を蒔き
それらの根が呼び寄せたり生ませる微生物は
植物の成長によいホルモンを促す作用がある。

おまじないのように散布する牛の調合材500を毎年やらなくたって
緑肥と丁寧な作業をしていれば
きれいで豊満なブドウは生まれる。
土がだんだんそれ化していくようだ。

そのLuna Ascendenteとは、月が天体上の黄道の春分地点から
秋分地点までの14日間だが、我々の目ではその向きはよくわからない。
地上にエネルギーがみなぎる時期だ。

そしてLuna Discendenteとはその逆で
黄道の秋分地点から春分地点までの14日間だ。
この期間は、地下にエネルギーがみなぎるので
地上での剪定作業などの負担が少ないといわれている。

農主は、そのバイオダイナミック農法カレンダーでは
特に、ワインの瓶詰め作業を重んじている。
Giorno di Fioreと呼ばれる花の日に瓶詰をすることで
生きたブドウ酒は保存料が微量でも生き続けるのである。

かなり前々から、この日は空けといてと予約される。
先日も瓶詰め作業を、近所の瓶詰めマシーンを持ってる農家で
ワサワサ作業をしてきた。

ヒトは、箱を作ったり、空瓶をマシーンに置いていって
ラベルまで貼られて出てきたら、1本1本箱に詰めて
箱を閉じる作業をするのである。
いわゆる梱包作業Confezionamentoと呼ばれる作業である。
瓶詰め作業をImbottogliamentoという。

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というわけで、時間はとっとと過ぎ
Luna Discendenteの2週間に突入した。

しかし、農主は週末ミラノでワイン市があるといって行ってしまった。
先週末はローマに行っていた。
その間、私は高価な電動ハサミを借りて剪定を手伝った。

どちらかというと古い方のブドウ畑なので樹形が
Cordone Speronatoと呼ばれるトスカーナ州の伝統的な樹形が多い。

農主は、Cordone SperonatoよりGuyotと呼ばれる樹形が
毎年新しい枝で空間作りもしやすいことから
徐々に樹形を変更しているので、ミックスな畑だ。

Cordone Speronatoは、主軸(Cordone)から生えてきた
位置づけされた梢(Sperone)を
毎年毎年その新梢を追っていくから、上の方にいったり
隣の梢と近くなってきて込み合う。

気ままなブドウたちは、好きな方へ生まれ育つ。
私たちは、架線のある中心へ近づけ、なるべく直立しているものを選ぶ。

芽掻き作業で次回の剪定で使えるような新梢が残されていたら
常に低く均等に樹形が保たれるが
そうでないと込み合って病気になりやすいか
芽掻き作業で病気になる前に取り除かれてしまう。

梢の長さは、確実に花が咲く芽を二つ残す。
もう一つ梢の付け根にあるのだけど
芽が覚めるかはそのブドウの気分次第。

Cordone Speronatoの利点は、枝の縛り付作業がないというところにある。

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私が剪定をしている間に、剪定された枝を架線から外す作業
StrecciaturaとかStralciaturaと呼ぶ。

枝を外すだけで簡単そうに思うが
いや...簡単だが、注意をしていないと架線を切ってしまうことがある。
派遣チームを呼ぶと必ずと言っていいほど切る。
さらに、嵐の後のように枝が散乱し
トラクターで処理できる範囲にない。。

それでは明日は枝縛りに行ってきます。
もう早熟品種のSangioveseの芽は膨らんでいる!

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私が監修しましたオリーブオイルの再注文が可能となりました!

トスカーナ州独特の品種のオリーブオイルは
味がはっきりして濃厚なのに喉ごしがとてもいいです。
...とコメントも同様にいただいております。

それは、無農薬の純粋なオリーブの味に
じつはオリーブオイルの味の超決め手となる搾油所を
私のこだわりで厳選させていただき
そこでの凄腕搾油技術の結果なのです。

味がしっかりした濃厚なこちらのオリーブオイル
ポリフェノールが1100mg/kgもあるそうです。
数字が出てきたとき、頷いてしまいました。

はじめてこのブログを見てくださっている方も
こちらのオリーブオイルに是非出会ってほしいです。
このオリーブオイルと出会うということは
私(セミ生産者)と出会うということなのです。

このオリーブオイルの監修をしようと思ったのは
日本にいる友たちに、私が学んだ美味しくできる方法で
そしてここの搾油所で搾油したオリーブオイルを
届けたかったことがはじまりです。

私は、農園を開業する力がありませんでしたが
私の気持ちを応援してくださる農園さんと
インポーターさんに出会い、その彼らの支えの元
監修という形で私のオリーブオイルを
日本に送り出すことができました。

どうぞよろしくお願いします。



ご購入してくださったみなさま、ありがとうございました。



Grazie di aver visitato!
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。
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2月は、雨が降ったり霧に覆われたり湿った空気だった。

3月に入って、まだまだ春になりきれない冷たい風が吹き
水筒の温かい麦茶(caffe' d'orzoを薄めにつくっている)は
冷えた体にジンワリ浸透していく。

空は薄い水色で、陽はまだ弱い。
が、あるとないとでは全然違う。

畑仕事は、そりゃ天気のいい日に決まっている。
天気予報を見ると、これからずーっといい天気。

天気がいいってことは、毎日畑作業ということになる。。

平日ブドウ畑で、週末オリーブ畑
ガツガツにならない程度にコツコツ向き合っている。

言い方はどうであれノンストップなのだ!

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早朝、気温がマイナスにいくことがあるから
朝早くからはじめない。
少し暖かくなった9時頃からはじめる。

私たちだって寒く感じるんだから
植物だって作業の傷から寒さを感じる。
去年の数夜の寒波で痛い思いをしている植物たちだ。
少しでも負担を減らしてあげたい。

ブドウたちは、剪定が終了して(るはず)
この時期、早熟品種からどんどん樹液の流動がはじまるので
ブドウの枝を一番下の架線に縛る作業がはじまる。

派遣業者を呼んで大勢で一気にやるか
コツコツ一人二人でやったりする。
が、派遣業者のみなさん、速いのはいいけど超雑w

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私は、2月農主の甥っ子さんの畑を手伝った。
たいそう喜んでくれて「来年もヨロシクね」という。
「叔父さんとこの枝縛りが始まる前にやっちゃって」。。。

甥っ子さんは今までゴム製の紐で縛っていたので
これからはBiodegradabile(生分解可能)素材の紐でやりたいそうだ。
その紐を使うことで剪定のときにポイっと捨てられる利点は
ゴミにもならず邪魔にもならず一石二鳥なのである。

ただ、ちょっとした道具を使わなくてはいけない。
使った方が速くできるし、便利だ。
甥っ子さんのMamma(ママ)と叔母さんが習いにきた!
「私たちにも教えて~」(井戸端会議はじまるw)

この道具を引っ張るだけで、紐をクルクルと結んでくれる。

道具とハサミを入れるダブルケースに入れて
交互に使い分ける。

剪定した後でも枝の長さや芽の向きを調整しながら枝も切るので
ハサミがいるのである。

実がなる1年目の枝をそのBiodegradabile素材の紐で縛り
軸となる幹を縛るところはゴム製の紐で縛り
ゴロゴロと2種類の紐と2種類の道具を腰にベルトで巻き付けて
作業をしているところを想像してほしい。
重いのなんのって。

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3年目ぐらいから、樹形が安定してくるから
同じ位置の同じ体制でできるけど
1~2年目のブドウの木は、剪定しちゃうと
まだまだ地面の方にある。

ということは、その小さな枝を縛りつけるには
カエル飛びを木ごとにしなくてはいけないのである。。。

あぁぁ、疲れた。

今は農主の丁寧な畑で丁寧に一本一本真っ直ぐに成長するよう
縛りつけていた一週間であった。

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その小さな枝から涙を浮かべたり溢したりしている。
生きていないと涙はでない。
リンパは流れない。

そのブドウの樹液の流動のことをイタリア語でPiantoという。
Piantoの直訳は 涙する だ。

その涙を浮かべた目のような枝の断面が
私を見つめているようであった。
空を見ている目もあった。
遠くを眺めている目もあった。

畑の中で、プロパガンダ信仰化されたロシア軍の
ウクライナへ木っ端微塵攻撃にずっとずっと涙してた。

プロパガンダなんて言葉日常使わないからググった。
イタリア語と日本語が同じである。

ニュースで、ロシアではウクライナがいけない!教育を
アニメーションで子どもに教えているといっていた。
棒をもったウクライナ人がロシア人を叩いているアニメだった。
もうこういった情報は流れてこないだろう。
禁止されてしまったんだから。

まるで第二次世界大戦の時代とおんなじ手法だ。
...と思春期青少年もつい昨年勉強して学習発表した
暴力と戦争といったテーマの授業を思い出していた。
年号もきちんと覚えていた。

SNSで、ロシア人の青年がウクライナ人のスマフォを借りて
ママに泣きながら怯えを伝えている映像は号泣である。
やる方もやられる方もどっちも庶民が犠牲になることが
許せない。

日本語で制裁なんて言葉も日常使わないからググった。
イタリア語では罰金の意でもSanzioneを使うので
違う意味で馴染みのある言葉だった。

ロシア人の大富豪たちはイタリアが大好きだそうだ。
トスカーナにも、あっちこっち豪邸Villaを所有しているが
イタリア国に押収されたことが伝えられていた。

イタリアには経済的影響が物凄く出ている。
ガス・電気・ガソリン・小麦粉...
ガスは北アフリカと交渉してるけど...

一刻も早く和解して終戦することを祈ります。



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雨の日、二本立てで日本の映画をモニター越しで観ることにした。

オンライン日本映画祭というものが海外在住者向けに
無料で期間限定で観れるとのことだが、国が限定されており
シスターのいるアイルランドでは観れなかった。

我が家は、コロナ禍のロックダウン中
少年のリモート授業の必要性から
やっとその時から、無制限ファイバーWIFIを導入した。
リモート授業にあわせて、PCまで購入したんだ。
約2年前とかである。最近の話だ。

それまではSIMのデザリングから月々に使えるGBを気にしながら
思う存分WIFIライフはしていなかった。
必要性も感じていなかった。

しかし、無制限ファイバーWIFIが我が家に登場してからというもの
家族は各々に過ごすことになる。わけだ。
ますますバラバラに行動し、客観的にみると寂しいものだ。

思春期青少年に日本映画祭のことをいうと
期間限定で時間があわない、時間がないとのことで
うーん...という返事だった。

だから、誰もいない日、そう、雨の日の午前中に
私だって余裕のある時間はない、どちらかというと急いで
「南極料理人」と「羅生門」を観たのである。

なかなか映画を観る機会もなかったし
そういうわけでネットで映像を観る習慣もなかっただけに
古い映画でも新鮮だった。

ここに残したいぐらいだから観て良かった映画たちだ。

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羅生門の方は、モノクロ映像だけれども
私は写真でもモノクロに撮るのが好きなだけにイメージが湧いた。

モノクロにすると時代感が薄れるような気がする。
今のような、昔のような。
時代が交錯することで、≪人生とは常にある≫ことを強く感じ
モノや環境に関係なく≪生き様≫を感じるのが
モノクロの特徴のような気がする。

ニュースで、ウクライナとロシアの戦争が勃発するかもと
ウクライナ民が避難している映像が日々流れている。

2022年にもなって本当に戦争なんて起きちゃうの???
100年前と同じことしちゃうの?
中学三年生だった少年の学習発表は、戦争と暴力がテーマだったよ。

ウクライナ民が列車に乗り込む映像がモノクロにみえる。
子どもとクマちゃんのぬいぐるみがモノクロにみえる。
現地に残ってインタビューを受けている歯っ欠けのおじいちゃんが
モノクロにみえる。

イタリアは、ロシアからのガスが値上がりして
電気も値上がりして、ガソリンも値上がりして
流通や原動に付随する食品だって値上がりして
コロナで仕事の量は少ないのに職探しは困難で

そういう痛みを感じる家族とそうでない家族に分断されるイタリアだが
いいことがあっても浮かれきれない私たちの生活は
目の前の太陽の光にやっぱり癒されるのである。

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雨の後、私はブドウ畑で、枝を縛る作業を黙々としている。
ひとりぽっちだ。
壊れたラジオは、都合よくかかって都合よく消す。

まるで囚人のように足に重しをつけている泥まみれの私は滑稽だ。
でもゴム靴を履いて汚れる覚悟をすれば
子どもが水たまりにボチャンと入るように
汚れることも泥が重しになってもへっちゃらになるのである。

黒っぽい枝とグレーの空と茶色い土は
緑肥のソラマメまでなんだか色味を忘れてしまう。

それでも赤いテントウムシは遠目でも見つけるんだ。
なんかいいことあるかな。



☆こちらの記事もどうぞ☆
モチベーション a wet day
親愛なるスクールよ Dolce in forno
畑でめぐる壊れたラジオ musica in testa



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9月に入り、夏の名残な初秋、ヴェン友が集まる農園の
ブドウの収穫Vendemmiaヴェンデンミアがはじまった。

前回のブログ

現在のイタリアで主な収穫就労の一部をレポったように
個人を雇ってくれる農園てこの辺では少なくなってきた中
ここの農園は、そういうわけで個人の雇用を支えてくれている。

しかし、農園が私たち個人の就労を応援してくれても
スタートする日にちがはじまる1週間前まで発表できない
そんな中、フリーでやる気があって気が利いて作業の速い人材て
そうなかなか見つからない。

女性は見つかりやすいが、なにしろ男性が見つからない。
そりゃそうだろう。タイミングよくこの時期にフリーなヤツ
もしいたら、イタリア社会事情だ。
逆に若者がいないこともイタリア社会事情だけど。

女性はブドウを収穫してればいいだけだけど
男性は、収穫されたブドウが入った重たいバケツを
列から列へ移動させたり(Passa Secchi)
トラクターの収穫用カートにブドウを放り込む(Svota Secchi)
ができる機転の利いた力持ちが最低3~4人
9人グループの内半分は男性がいると
女性は楽に速やかに収穫ができる。

でも機転の利いた力持ち男性がいないと
女性だってPassa Secchiをやらなきゃいけない。
それがいつも大地を歩き回っている私
だったりすることもあるのである。

いつもお日様の下で作業をしている
ここ数年毎年欠かさずブドウの収穫をしている
もっと力を要するオリーブの剪定と収穫をしている
そんなわたしとブドウの収穫だけやる人
今年はじめてという人では、体力や持久力
やはり差がでるのである。

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炎天下に汗だくになってフラフラしている仲間がいる。
私は、あの日よりも今日はまだ涼しい方だとおもっていたし
水筒を持ち歩いてしょっちゅう水を飲んでいるし
直射日光とならないよう、長袖もしくはアームカバー、長ズボン
首に手ぬぐい、通気性のある帽子、と全身覆っている。

「今年はマキの真似してみたわ!」と
タイツを切って作ったというアームカバーをしてきた人がいるw
「でもさ、冬用のタイツだと暑くない?」
そうなんだよ、とすぐ外していたw

今年はマキの真似しよう!と
オーナーが小型の水筒をみんなに配給していた。
エコ的にコップ代わりでもあって、作業中の水分補給に使って
とオーナーも炎天下のVendemmiaに申し訳なさそうだ。

だから時間帯も一日ではなく
朝の7時から10時ごろ休憩おやつタイムをがっつりとって
昼過ぎの13時に終了という時間割だった。

でもそれが習慣化した頃
逆に毎日6時間は生活リズムが壊れ、私は不満だった。
気温が下がった頃、自分の体調を言ったら
オーナーは受け付けてくれて、翌日は見直してくれた。

だって、13時に終わらなかったら30分越すこともある。
間食をしない私としては結構辛いものがあった。
仲間は、ランチ並みのボリューム満点おやつだw
それができないんだよなぁ、ランチが待っているとおもうと。

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去年のメンバーの半分は職が見つかり収穫はパス。
いつものメンバーは、やぁやぁやぁとハグった。

コメスタ~イ?(元気だった?)
ベーネ..マ..インソンマ..(元気だよ、けどいろいろあってね..)
ケスチェッソ..?(なんかあったの?)
と、話がはじまるわけだ。

今ままでの出来事を語ることによって
それがテーマとなって議論が展開していく。
ブドウ棚の向こうの列からだって大声で自分の意見を主張
大討論になることもあれば
ウチの場合はね、と解決策を報告しあって
なるほど!と合点することだってある。

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よーく見渡してみると、女性陣はみんなママだ。
5・7歳の子どもがいるママ
思春期真っ只中14歳息子のママ=わたし
ちょい落ち着きはじめた17歳息子のママ
親に感謝しはじめた20歳息子のママ
娘が21歳でママとなった超若ババママ

だから子ども相談&コンサルトがブドウ畑に広がる。
ママが一人で悩むより、様々な職種や生活スタイルのママたち
できたら先輩ママたちの意見は、核心をついている。

彼女たちが悩んだこと、見たこと聞いたこと
乗り越えてきたこと、きっとこれに関しては
イタリア社会事情ではない、国境など無い
ヒトのホルモンの成長であることがうかがえる。

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Vendemmia中のある日、イタリア全国の学校が
長い長い夏休みに終止符をつけて、ようやく始業した。

「今日から学校はじまるね!」
「たぁしかに、早朝からたくさんの家庭の電気が点いてたわ。」
「出発する前に、写真撮ってきたよ。」
「ずいぶんママ心だねぇ。」

5年制専門高校初日の思春期青少年に親バカ振り
気になって仕方ないことが仲間にバレてしまった。
だから毎日「どうだった?」と聞いてくれる。
口数少ない思春期青少年の一言や様子を言うだけで
ママたちは、あーだこーだと解説してくれたw

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仲間は多国籍で、あんまりイタリア語が話せないモロッコ人
超超フリーダムなアルゼンチン人
イタリアより断然アモーレ文化、キューバ人ママが三人!
あれ?よくみるとイタリア人アナタとアナタ?
そして、カメラ好きニッポン人ワタシ

このキューバちゃんたち、とってもキュート。
ブドウ畑で歌うの。
一人が歌いはじめると三人あっちこっちで歌ってる。
どちらかというと調子がゆっくりでロマンティックな歌。
聴いてる方は微笑むしかない。暑いのに心が温まる。

私たちはね、いっつも家族と一緒なの。いっつも。
日曜日には親戚もみーんなでご飯食べるの。
近所の人もみんな仲良し。
みんなで助け合って生きてるの。

海が近くにあってさ。自然がいっぱいあってさ。
いつでも太陽が輝いてるの。
自然が好きでカメラが好きなマキは
絶対にキューバが好きだと思うよ。私もそうおもう!

仕事さえあったら、私たちはキューバにいたい。
ママやパパの近くにいたい。
キューバに帰りたい。私の国キューバ。
Mi corazonミコラソン(私のハート)

ナショナリズムなんていう社会的な言葉が似合わない
ただただ本能的に愛の国なんだということが伝わる。
家族愛、親子愛、友達愛、男女愛、母国愛...
イタリア語でアモーレ、スペイン語はアモールだ。



なるべくオリジナルを選んだが
2021年夏、こちらのremixが流行っていた


私たちは、きっとお腹が空きはじまる頃
食べ物の話で盛り上がる。

イタリアは現在、Sushi屋がいっぱいあるから
たっくさんの人がSushiを食べたことがある。
しかし、アレンジされたSushiだからロール系のSushiの話題は
返答できないが、Sushiコピーに負けないヒュージョン系
ベジタリアン対応野菜寿司をアピールする。 なるほどー!

野菜の美味しいイタリアは、夏の野菜寿司と白ワインで
アペリティフなんか最高だよ、と。
醤油やワサビはいらない、辛口オリーブオイルと塩があれば
イタリアの食材で十分さ! なるほどー!

アルゼンチンがキューバ料理にバナナフライがあると言い出した!
すると、バナナフライは1週間に1回は食べたいと
キューバちゃんたちが口々に言う。

私は黄色いバナナを想像したがそうではなく
フライ用の緑色のバナナがあって
フライにするとポテトみたいなんだという。 へぇ、食べてみたい!

今度さ、みんなで各国の料理を持ち寄ろう!マジで。
そうだ、そうだ!楽しそう。

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こちらのブドウ畑は、ヴィンチのどこの畑と同様に
Sangiovese(早熟品種で赤ワイン用の黒いブドウ)が
春のたった二日の夜の氷点下で芽が焼けてしまった。

しかし、それ以外の品種はがんばって実っていたが
こちらの農園も芽掻き作業Scacchiaturaをやらなかったので
実が小さかったり、病気になってたり
干ばつで果肉が干されていたり、なんか今一だった。

Merlot(赤ワイン用の黒いブドウ)と
TrebbianoやMalvasia Biancaなどの
白ワイン用の白いブドウ(そう呼ぶ)は
とっても健康にたわわに育っていた。

全体的に量は少ない。
ロックダウンで景気は良くなかった。
私たちに支払う資金や経費のためにキャッシュが欲しい。
今年のブドウはほとんど農協(みたいな。
Cantinaと呼ばれるところで、フレッシュ果実か発酵後のワインを
各農園から買って、ミックスさせて
大量にワインを生産させるところ。
ブドウの質は気にしない。でも一応カテゴリー的に
ビオ(有機栽培)かどうかは分かれるそうだ。)に売るという。
そっか。

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雨が降った。
あともうちょいだったけど終わらなかった。
6時間労働だったからだ。
30度以下の日は8時間労働にしないと
なかなか終わらない。
みんなの1日2時間の差は大きいのだ。

我が家の周りの農園は、収穫していた。
Vendemmiatriceという収穫マシーンも遅くまで稼働させていた。

しかし、雨が降ったことで果肉は膨らみ
水分が増えるがアルコール度数となる糖値が下がる。
農園のボトル用ワインだったら何日か乾かしてから
また収穫するだろう、しかし
出来はどうでも果汁を売るなら量が多い方がいい。

芽が出てから収穫までずっとハラハラして
ずっと気候に影響されながら成長していくのである。
生産者はいろんなことを見極めて
決断していかなかくてはならない。

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気候変動もそうだけど、ロックダウンも痛かった。
EUのどの国からも一番強制化しているといわれるイタリアは
コロナ免疫済み&ワクチン接種済み&コロナ陰性証明である
グリーンパスでどこまで経済を左右できるのか
コンサートなどのエンタメに出演しているアーティストたちは
グリーンパスに感謝しまくっている。

我らが収穫仲間もワクチンに関しては二極に分かれる。
いろんな説があって、どれもどっちも信じたいし
どれもどっちもあっているとおもう。

マッタレッラ大頭領が辛そうな表情でおっしゃっていたように
Solidalieta'(連帯意識)とかCivile(市民的)なことなんだ、と。
Solidalieta'という言葉が出てくるとキリスト教という
イタリア文化の概念が作用していると思った。


どんどん秋になっていく。
光は弱くなって、真夏の猛暑が懐かしい。



☆こちらの記事もどうぞ☆
晩夏に摘む果実と友情 Vendemmia 2020 vol.2 e più
ブドウ畑のエスパニョール Vendemmia 2019 vol.3
ヴェン友 Vendemmia 2019 vol.1



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一家のブドウの収穫は、数年振りだ。

長老がこの世を去った
その次の長が交通事故で車椅子だ。
新世代へ後継ぎした息子は、派遣グループに依頼していた。

こういった収穫などを専門とする派遣グループは
たいてい外国人が多い。
アフリカ系、パキスタン系、トルコ系、アルバニア系

我が家の隣のブドウ畑はパキスタン系の方たちが集まっていた。
ボスらしき男性がコットンのワンピっぽい長いシャツ
クルタを着ていたので、インド系かパキスタン系と察した。

向こうの畑では、かたやVendemmiatriceという収穫マシーンで
かたやアフリカ系のグループはマシーンで収穫できない畑を
手摘みしていた。遠目でもよくわかる。
去年手伝ったところだ。

その派遣グループをCooperativaと呼ぶ。
翻訳機能だと協同組合と出てくるのだが、ちょいと違う。
Adeccoのような職業斡旋会社でも派遣システムだが
あくまでも職業斡旋を趣旨としているので
いつの日か人材を募集している会社が雇う形となる。はずだ。

この手のCooperativaは、会社として運営されて
仕事の依頼があったら、出動するタイプなので
職業斡旋の目的ではない。

畑作業の場合は
土地の大きさヘクタールで料金設定されていることが多いため
大人数でやってきて、超スピードで
短時間で終わらせて儲けを出す仕組みとなっている。

南イタリアのトマトの収穫なんかもその手の仕組みなのだが
欠点と難点は、安く引き受けるので仕事は頻繁にあるのだが
実際に作業をしている作業員の収入は低賃金で
ボスががっぽり懐に入れているのかどうかしらないけど
ボスは作業をせず、指示と営業のみ。

早く終了させることで儲かるのだから
炎天下だろうが過酷だろうがとにかく収穫量。
犠牲者が出てやっと労働基準法に沿っているのか
チェックがはいり、暴露される。

人間味がわりとあって労働基準法に従うようにしてるのは
イタリア系の派遣会社。
それでも文句はいっぱい聞いているのでなんともいえないが
外国人が運営するCooperativaより
当然イタリア語でコミュニケーションがとれる分
イタリアらしくのんきさもあるw

そして、ヘクタール計算より時間計算が多いので
人数や時間が指定可能である。
料金も外国人経営より高いので
仕事の依頼は農作業よりも能力やスキルを要する内容が多い。

農園の話だと、若者がブドウの収穫をしなくなったのも
外国人派遣を呼ばなくてはいけない理由だそう...。

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というわけで、この一家の2021年のブドウの収穫は
春のたった二日の大寒波で、ブドウの芽が焼けてしまって
ブドウが少ないということで
再びファミリーで収穫することにしたのだ。

彼ら代々が暮らす4軒入ってる家は
丘の天辺にあり、彼らの丘を囲むように
ブドウ畑は鎮座する。どちらかというと
丘の下らへんにあるのかな。

あの日、冷気だった靄は静かに
このブドウ畑を包んだのだった。

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こんなに少ない収穫ははじめてだ、と嘆く。
しかも、小さい果実ばかりだ。
そして、干ばつだから、果汁は少ない。

後継ぎの息子は、別で働いている。
時間もなければ、前年度はコロナで流通が不通だったので
収入も少なく、作業員を雇うことも控え
春夏の作業をしてないという。

私は、後継ぎ息子の叔父である
ビジネスよりパッションが熱い畑を
手伝っていたので、違いがなんとなくわかる。
諦めなかった農主のブドウは
畑の位置もあるけれど
豊満なブドウが実っている。

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この日、雨まで降ってきた。
オリーブの木の下で雨宿りをした。

思い出は、一家のランチだったんだけど
車椅子の長が絶好調ではないこと
一家は全員グリーンパス取得済みだけれど
これっぽちの収穫は祝い事ではないからか
みんなそれぞれ自分チでとることになった。

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農主のブドウの収穫もいよいよはじまる。
私は別でブドウの収穫だ。

ブドウが無くなっちゃう前に食べる用に摘みに行った。

Sangiovese(早熟品種・黒いブドウ)
良さそうなのを選んだつもりが、干された果肉が裏に隠れてた。

Canaiolo(遅熟品種・黒いブドウ)
寒波の後に芽が出てきたので、とても美味しそうに育っている。

Trebbiano(白いブドウ)
ごっそり生まれてたわわになっている。

SanColonbano(白いブドウ)
赤い茎にピンク混じりの果実。

Vermentino(白いブドウ)
まだ緑っぽい色だけど、食べてみると
プチ感も酸味もちょうどよい。

Malvasia Bianca(白いブドウ)
農主が新ブドウ畑に植えた期待のブドウ。
ちょっと遠かったので今日は摘まなかったけど
Defogliatura(果実の周りの葉の除去作業)のとき
わーっとなるほど長いブドウ。
二週間前はもうちょいだったけど熟れたかな。

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Canaioloカナイオーロ
Schiacciata con l'uva(ブドウ入り甘党スキアッチャータ)を
はじめて自分で作ってみた!

スキアッチャータとほぼ同じ作り方に砂糖を二振り
間にブドウを散りばめて砂糖を二振り
生地を閉じてブドウを散りばめ砂糖を二振り

砂糖がたっぷりだから発酵を手伝って膨らむ膨らむ。
こんなに簡単だったんだ。
また作ろっと!



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