大地の住人 ヴィンチの丘で

地球と体に優しいコト ~イタリアから~

フィレンツェの端っこレオナルド・ダ・ヴィンチのふるさとヴィンチの丘に在住。 大地の自然たちと向き合って地球と体に優しい様々なコト、発見・提案・発信!

タグ:オリーブオイル

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こちらの監修オリーブオイルが出荷された。

日本行きの飛行機の便が激減していると通知を受けた。
インポーターが指定した運送会社と連絡を取り合いながら
10日ほど遅れて...もしくは毎日飛んでいない便の関係なのか
11月末に見届けることになった。

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私が管理しているオリーブの収穫を先に済ませた結果
成熟がいつもより早かった
搾油率が高かった
苦味辛味のパンチが通常よりきいていた

日本に暮らす日本人の嗜好は
トスカーナ産独特の苦味辛味の強い味が苦手なんだそうだ。
なるべく抑えられるものなら抑えたいとのことだった。

こちらの農園が持っているオリーブの品種が
どちらかというと、遅く成熟する品種が多いので
先に成熟する品種のオリーブたちと同時に収穫すると
さらにパンチが強くなることもあるので
10日ほど収穫&搾油日を遅らせた。

ヴィンチ界隈は、とにかく不作で
収穫にものすごく手こずったそうだ。
私たちも、搾油所に持っていくオリーブの量が少ないか
手こずる収獲を諦めたりしたからよーくわかる。

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予定していた遅らせる前の収獲日の数日前
まだまだ10月だ、事務の子がコロナに罹った。

周りの社員たちは事務にいないこともあって
コロナにならずに済んだが
収獲日を遅らせたのはなんだか運命であった。

かといって事務の子は収穫を手伝うわけではなかったので
家でピンピンしながら出荷のための様々な手続きを
スマートワーキングしていた。

私はその事務クンとメールやチャットでやりとりするだけなので
会社にくる必要ないんじゃないかと思っちゃうぐらいであった。

事務クンは、ちょっと風邪気味程度だったそうだ。
周りの人のためにとすぐにPCR検査をして
自主隔離に入っていたそうだ。

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そんなこんなんで、不安を抱えながら農園は収穫に入った。
収獲期に入ると、指揮する人はみんなピリピリする。

そこで私が生意気に意見するし指示するもんだから
相当イラついたと思う...。ピリピリがピキピキした。
収獲日を遅らせ、搾油所を指定し
フィルターを急がせ、瓶詰も急がせた。
予定していたその10日前の出荷日に間に合うようにも急かしていた。

私のオリーブオイルと仕上がりを近づけることを目指していた。
ピリピリピキピキした中、私の指示通りに従ってくれた。

むしろフィルターがけは、農園でもできたけど
日本行きだけではない、収穫を続行しなければいけない。
様々な状況の判断で、搾油所でやってもらっていた。

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数量限定だが、少量の注文のために
ラベルも瓶もいろんなことが予定より遅れて届いた。

オリーブ文化のイタリアではなかなか250mlは市場に出ない。
だから農園は、日本行きに特注していたようだ。
農園の最小は500mlであった。

収獲も何もかも私は指示するだけで
自分では動けないので、とても歯がゆい毎日であった。

いろんなことが手作業で行われる。
私は私で、別の農園で収穫や瓶詰やラベル作業を手伝っているので
急いでやらなければいけないこと、ゆっくりやって欲しいことが
わかっているんだけど、そのへんは農園の方針に任せたい。

どうしても譲れないことと譲れることを分けた。
譲れないことは私が想うさらに良質なオイルである。
無事に収穫されて無事にオイルとなって
無事に瓶詰めされて、出荷まで見届けたら、気が抜けてしまった。

事務クンも一度は日本に行ってみたいニッポン好きもあって
このオリーブオイルを隔離で部屋の中をウロウロしてるより
目の前で見届けたいとチャットに流れてきた。

生産には関わってないけれど
彼も自分のオリーブオイルを送り出す気分だったらしい。
いいことだとおもう。

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私が農園を開業する能力がない分
私のオリーブ愛やオリーブ熱と共に
母国日本の市場へ挑んで、たくさんのことを
彼らと学べられたらと胸に抱きながら
プロデュースオリーブオイルを見届けたのであった。

雨の多かった11月。
快晴の日は雲が遊ぶように出現する澄んだ空。

無事にみんなのところに届きますように!
そこまで確認しないと一件落着しない自分がいる。

そろそろolivewellness社からはたまた各地へ出荷されるそうだ。

あともう少し!楽しみに待っててくださいね。

ご注文してくださったみなさま
ありがとうございました!

もしよかったら、SNSかなんかでご感想ください。
#ヴィンチオイル 食卓レポお待ちしております!

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残り僅かですが、こちらより注文できます。



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世界で一つのオリーブオイル amo l'olio di oliva
オリーブを収穫したら愛用の搾油所へ la raccolta delle olive 2021 vol.2



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オリーブの収穫が終わると途端気が抜ける。
オイルとなって変身して生まれ変わるオリーブは
木にくっついていたオリーブとはなんだか
思えなかったりもじつはする。

今年は不作だ!と嘆きつつも
それでも存在感のあるオリーブたちが木からなくなると
寂しく感じるのは、私だけではないだろう。

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そんな寂しい気持ちで収穫後の畑を散歩する。

収穫の時はこんなに黄色じゃなかったお隣のブドウ畑が
静かなオリーブ畑の合間から輝いていた。

オリーブの木は秋に紅葉しない。

三年ぐらい緑のまま生きていて、その三年の間に
外側の一番美味しくて新鮮な空気を吸い求めて
毎年新しい葉たちが生まれる。

だから三年前の葉っぱたちは奥にやられ
黄色くなった瞬間舞っていく。

その黄色くなるタイミングは、秋とは関わらず
一年中のタイミングで、彼らのサイクルで交代していく。

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今年は不作だっただけに収穫時間や期間を短くして
搾油所に持っていく回数も減ったし減らした。

つまり、全部一粒残らず収穫したのではなく
あまりにも少ない木やゾーンは収穫しなかったのである。

網を敷いたりする作業が一番時間がかかるのだが
その手間と時間と搾油料金に見合わなければ
収穫しないことなんて全然ありえる。

というわけで、その収穫されなかった木のオリーブを
塩漬け用に摘みに行ったというわけである。

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オリーブオイル用の収穫の時も気がつくけど改めて思うのが
オリーブの実が成る位置と枝である。

位置は、とにかく太陽が当たるところ。
上だったり、外側だったり。

枝は、とにかく新しい枝に実は成りやすいし大きい。
枝は、今年生えてきたやつじゃなくって
去年生えてきたやつじゃなくって
おととしかその前に生まれてきた枝だ。

わざと残した枝にようやく実がついていたりする。
それを見たときは本当に嬉しい。

逆に、上の収穫しにくいところにきれいな実が成っていると
納得して、反省もいちいちしながら収穫する。

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その残っていたオリーブを散歩がてら摘んだ。

日当たりが良くって新しい枝のオリーブは
そういうわけで大きい実なので、つまみ用に味をつけようとおもう。

小さめの実は、ジビエ系煮込みに使おうとおもう。

摘む時期は、遅ければ遅い方が苦味は少ないだろう。
しかし私は12月にはつまみはじめたいので
11月半ばに摘みに行く。

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まずよーく洗って、干しながら乾かす。
2~3日かかってもいいから完全に乾かす。
水道の水が残っているのが一番腐りやすい。

そして、瓶の半分ぐらいになるようにオリーブの実を入れて
塩を小さじ3~4杯ぐらいであろうか。全体になじめばいい。

そのとき私はつまみ用にアントネッラのオーガニックニンニク
大きめの小球をひと瓶につき一片バージョンを。

そしてニンニクプラスローズマリーも加えたバージョンも。

煮込み用はシンプルに塩だけにした。

それから10日から2週間ぐらい一日一回はシェイクし
しばらくしたら味見しながら塩漬け終了を決める。
シェイクすることで、苦味が抜けていく。
塩味が苦味より勝ってくる前に終了しよう。

洗って、またよく干しながら乾かす。

乾いたら、瓶に詰めてオリーブオイルに浸けて保存。
オリーブオイルに漬けることで、塩味や苦味がまろやかになる。
できたらオリーブもオーガニックならば
オリーブオイルもオーガニックにしたい。
漬け用オリーブオイルは、去年のでもその前のでも大丈夫。
苦味が弱い方が、漬かる素材の味が引き立つ。

もしくは冷凍庫に保存する。小分けしなくても
お互いにくっついてないから必要な分だけとれて便利だ。
保存するまでのオリーブオイルがないときなんか
冷凍保存の方法でいいかもしれない。
この場合は、塩漬け期間を上手にやらないと
しょっぱいまま眠ることになる。

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味見してみてわかったこと。

ニンニク入りがとーっても美味しい。
ニンニクの甘味エキスが出て
オリーブの苦味がまろやかになってる!

オリーブの実なんかちょっとあればできるので
テラス栽培や庭に一本のオリーブの木からも
ひと瓶二瓶ぐらいのつまみ用黒オリーブができるだろうから
是非試してほしい。
私は1㎏ちょいを摘んだだけ。

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黒オリーブは、シチリアや南イタリアの方で
まさしくもオイル用のオリーブの収穫後マンマたちが
落ちてる実や収穫残しの実をあとあとで摘んで
こうやって食用に保存する主婦ならではの生活の知恵だ。

私もカラブリア州出身のご家族をもつ
トスカーナ在住の友から教わった。

オリーブの木があるんだからやらない手はない。


【お知らせ】


Obata Makiが監修しましたヴィンチ村15㎞圏内の
トスカーナ産エキストラバージンオリーブオイルが
日本のみなさまへolivewellness.jpより販売されております。
イタリアで生産過程がこのように垣間見れるオリーブオイルは
珍しいことと思います。 残り僅かとなりましたが
是非この機会をどうぞご利用ください。
こちらのリンクにてご注文を承っております。



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ブドウの黄色くなった葉が舞いはじめた晩秋も終盤
汁ものを好んで食べたくなる季節らしいテーマ
Minestrone
ミネストローネをつくってみよう!という
思春期青少年の学校の課題があった。

そういえば、レシピに沿って
本物のミネストローネを作ったことがないことに
今さら気づき、私の方が興味津々であった。

青少年がレシピにある野菜リストをWhatsAppで送ってきた。
夏野菜もあるけどギリギリだ。最後の収穫であるかもしれない。

近所の農園直売をやっているアントネッラ
土曜日の午前中屋台を出しているので金曜日の午後収穫する。
だから金曜の夕方行くと
超新鮮できれいな野菜が積まれているのである。

スーパーで買うよりアントネッラの野菜の方が安いんじゃないか
というぐらいとても良心的プライスだ。
そしてここ数年イタリアは㎞0
キローメートロゼロと言葉が生まれるほど
農園直売とか地元野菜への新鮮さに関心が向いているので
アントネッラみたいなのは大人気である。

アントネッラの野菜たちは
いびつなんだけれども味が半端なく濃厚で
きちんと土と外気で育っているなという歯応えと味なのである。
意外なところでセロリのクロロフィル感がたまらない。
それとサラダの満腹度がまたすごい。
サラダにカロリーがありそうなぐらいだ。

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というのは、スーパーのサラダって近頃水耕栽培がメインなようで
土に植わってないのである。ラベルにわざわざ明記されている。

へたすると、キャベツなんかもそうかもしれない。
SNSで、得意そうにキャベツの収穫風景の投稿をみつけた。
そのおじさんは、サンルームに
いくつもの縦型の鉢に何株も植えていた。
収穫された一株のキャベツを引っ張ると
汚れていないみずみずしい長い根っこが
わらわらと続くというシーンであった。

水耕栽培は、栄養を加えた水だけで
もちろん室内でもしかすると24時間LED光を当て気温管理
養鶏みたいに6か月かかって成長するところを
3ヶ月で出荷するみたいに
野菜栽培テクノロジーをニュースでもみて驚いたことがある。

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アントネッラの野菜ショッピングはとまらない。
あれもこれもついつい、1個でも買いたくなっちゃう。

そういうわけで、ミネストローネに必要だった食材を紹介すると
でっかい
Cavolo Verza(サボイキャベツ)は半分にしてもらって
日本では見たことがない黒キャベツと直訳される
濃い緑色のCavolo Nero、Bietola(フダンソウ)
Sedano(セロリ)、Pomodori(トマト)、Zucchine(ズッキーニ)
Patate(ジャガイモ)、Porro(リーキネギ)、Cipolla(タマネギ)
Aglio(ニンニク)、Prezzemolo(イタリアンパセリ)
Peperone(ピーマン)、Carota(ニンジン)

全部1㎝ぐらいの大きさに角切りして形を整えるそう。
キャベツ類も。
この切り方をTaglio a macedoniaというそう!
よく a cubetti (キューブ状)ともいわれる。
思春期青少年はきれいにパットに並べて写真を撮っていた。

まず基本の野菜タマネギ・ニンジン・セロリを炒めるそうだけど
ニンニク、ピーマン、ズッキーニなんかも炒めちゃった(反則w)。
で、汁が出てきたあたりで写真をもう一枚。学校からの指示。
どうやらこの状態をFondo di cotturaとかいうそうで
何?と聞かれても答えられず親子でググッた始末w

このジュワーと出てくる汁がいわゆる野菜の出汁のようだ。
ただ水にぶち込むスープではなく
先に熱を加えて旨みを引き出してから水を加えて
他の野菜と一緒に煮込んでいくそう。

我が家はコッチョリーノの大土鍋で
大量にミネストローネをつくって
野菜のみシンプルに課題提出用
前日Fagioli bianchi(白いインゲン豆)を用意してあったので伝統版
そして肉好きにはSalsciccia
サルシッチャを加えての
三種類を各々の土鍋で再度煮込んだ。

翌日スープだけをすくってBarbabietola(ビート)のRisotto
リゾットを。
野菜のミネストローネって万能だね!

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ミネストローネは、身体が心身温まるように
どちらかというとミックスベジタブルの旨みで
甘くまったりしている。

そこでトスカーナ産のパンチの効いた
エキストラバージンオリーブオイルを
食べる直前にひと回しふた回しするのである。

生でトスカーナ産オリーブオイルを舐めると
とっても苦いし辛い。

ところがどっこい、ミネストローネのようなまったり料理には
このパンチは絶妙なハーモニーとなり
ミネストローネという一品の決め手となったりする。

かといってオリーブオイルの味だけが目立つのではなく
彼(オリーブオイルw)の役目は、コクを出すというところにあり
野菜の旨みがコクに包まれ引き出されるのである。

トスカーナのパンは塩気が無い。
小麦粉のグルテンの甘味とオリーブオイルのパンチのあるコクで
ハーモニーを創り出して食すのがトスカーナ料理である。

...と私は、地元民の料理を食す機会は少なくたって
地元食材を工夫して食べていると
野菜の土の味とオリーブのトスカーナの品種の繋がりに
納得していくのである。

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このOlio Nuovo(新オリーブオイル)が生まれる晩秋
今がいっちばんオリーブオイルが美味しい時期
我が家は、ほぼ毎日オリーブオイルで

Bruschetta
ブルスケッタ(軽くパンを焼くこと。
具はシンプルにオリーブオイル、塩だけもしくはニンニクすりつけ
もしくはお馴染み総菜、ペーストなどのバリエーション)と。

Fett'unta(Fettunta)
フェットゥンタとは
ブルスケッタの
トスカーナ流呼び方だそうだが
どちらかというとシンプルにオリーブオイルと塩という
一日中どのタイミングでも食べれるオリーブ文化の一品!

フェットゥンタの好きなところは
パンが温まると
パンの旨みが溶け出すような味覚と
カリッフワッの歯応えが大好き。

うっすらカリッとしたフェットゥンタパンと滑らかなスープ
味が素朴なレンズ豆のトマトソースの煮込みには
サルシッチャやベーコンを加えるととても贅沢な一品に。
それでも仕上げはオリーブオイルをひとまわしして
植物性のコクで盛り上げる。

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こういう表現しかできないけど
トスカーナオリーブオイルの目的と使い方って
シンプルに土地の食材と土地の料理の引き合いなのだ。
説明とか言葉は、本当だったらいらないぐらい。

温暖化といいつつも向寒の折柄
ミネストローネで身体を温め
ポリフェノールたっぷりのオリーブオイルで免疫を強め
ご自愛くださいませ。


お知らせ】


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サマータイムが終わった10月最終の週末、11月入っての週末
オリーブの収穫をしている一般の家族たちで賑やかだ。

イタリアは..といってもトスカーナ事情しかよくわからないが
一般の人でも普通の野菜畑のようにオリーブ畑をもっている家が多い。
30~150本ぐらいが相場であろう。
ひと家族だけの場合もあれば大家族でシェアする場合もある。

トスカーナの伝統は、11月1日の祝日OgnissantiとかTutti i Santiと呼ぶ
聖人の日以降にオリーブの収穫をはじめるのが通常である。

しかし今では、温暖化の影響で成熟が早くなり
こだわり派はポリフェノールやクロロフィルの効果高を意識して
10月の半ばからはじめる農園や愛好家が出だした。

私もそのかじりで、10月の22日以降
できたらサマータイム内の週末までに終わる目標を
ここ数年たてている。

二家族のオリーブ畑を管理している私は
2021年は10月の第4週末に終わらせることができた。
50%減だからということもある。

でも逆に、とりあえず網は地面に敷く作業は同じだし
ポツポツあるオリーブに振動機を差し込む作業だって同じだ。

ただ、その労力をするほどまでの価値のない数量の
オリーブの木やゾーンは諦めることにした。
時間がきたら予約した搾油所に持っていかなくてはならないので
ちびちびだらだら収穫していられない。

その見極めとか時間の配分は案外難しく
搾油所に持っていくオリーブの実300㎏まで足りないとか
オリーブの木2本の収穫ができなかったとか
毎年よく聞く嘆きである。

こちらの森のようなオリーブ畑のオリーブは
日当たりが悪いので、同じ早熟性の品種だけど
成長が日当たりが良いところより遅い。

だからまだ色づき中で緑交じりが多かった。
一週間遅く収穫してもよかった。

結果は搾油率13,5%だった。
思ったよりあったので
そういう年なのかもしれない

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イタリアには..トスカーナにはそういうわけで趣味や愛好家
家族でだってオリーブ畑をもっているオリーブ文化には
そこらじゅうに搾油所がある。

ヴィンチ付近で持っていけそうな距離に
ざっと思い当たるだけでも10軒はある。

その中で私はもうここしかお願いできないほど
一番信頼している搾油所がある。

なぜここの搾油所に惹かれたかというと
とにかく搾油機がすごいのである。

カット工程がソフトに攪拌されていき
 混ぜこね工程のグラモラ機がより酸化を防ぐだろうといわれる
縦型式であるところは他になかなかないであろう。

そして水分と油分に分ける遠心分離機が
ものすごい精密で、濃厚なオリーブオイルがどわどわと出てくる。

さらには、全工程21度でできているところは素晴らしい。
エキストラバージンオイルは27度以下と規定がある中
6度の差は肌で感じる程である。
その分、成分が減っていない証拠なのであるのである。

もう一つは、オリーブ愛でいっぱいの主は
農薬のことを毒とよぶほどで
有機栽培の人しか絶対に受け付けない。
それと、ぐちゃぐちゃになったオリーブも受け付けない。
だからオリーブ愛で栽培・収穫されたオリーブを
持ってくる人しか来ないし残らない。

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なんにもわかっちゃいない頃
数軒の搾油所に持って行って試したし
最後の2本分をお隣さんと混ぜてもらったこともある。

しかし
口に入った瞬間舌触りから味まで、ぜんっぜん違うのである。

こんなに違いがあっていいの?というぐらいだ。
だから、同じオリーブでも搾油機が違うだけで
こんなにも差がでるなら、オリーブオイルの値段が変わっても
ちっともおかしくないし、搾油所選びというのはとっても大事だ
ということがはっきり言えるようになったわけである。

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しかし濃厚なオイルは
水分と油分がパキッと分けられているが
Novello特有の澱がけっこうあるので
すぐフィルターにかけたい。

フィルターに濾されて出てきたオイルは
キラキラ輝く金のような黄緑色のオリーブオイルができあがり
滑らかな舌触りでかつフレッシュで
清い苦味と清い辛味が味わえるのである。

そしてそれが持続するのである。
フィルターにかける意味はそこにあるのである。

どの搾油所で搾油してもらっても
私はすぐにフィルターにかけることをお勧めしたい。

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愛用の搾油所は、エコロジーにも力を入れていて
除去された葉っぱは肥料に
Sansaといわれる油分が抜かれた実のペーストも肥料に
ペーストと種も分離して、その種はチップストーブに!

広大なオリーブ畑に搾油所をもてたら
オリーブの肥料はオリーブということになる。

オリーブ農園にしては少ない5000本の
オリーブ愛からはじまったオリーブ事業。

エコシステムができているのも
私のお気に入りの搾油所なのである。

世紀に渡ったようなオリーブの剪定も素晴らしい。


【お知らせ】


2021年より、Obata Makiが監修しましたヴィンチ村15㎞圏内の
トスカーナ産エキストラバージンオリーブオイルが
日本のみなさまへ数量限定で
olivewellness.storeより販売が決定いたしました。
生産過程がこのように垣間見れるオリーブオイルは珍しいことと思います。
この機会を是非ご利用ください。
こちらのリンクにて予約注文ができます。



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オリーブにとって過酷な年であった2021年。

春、ちょうどイースターが過ぎたぐらいの頃
突然にして連夜、氷点下となり芽を凍らせた。
樹皮に近い樹液も凍り
幹だってギブアップして枯れたオリーブもいた。

それでも開花したオリーブたちは花粉まみれとなり
ハチたちが集まっていたのを覚えている。

花の数より断然少なく結実した小さな小さな実は
初夏からの猛暑で落下し始めた。
緑の小さな実がポロポロ落ちていく。
茶色い種のような姿になってくっついていたりもした。

フルーツだってたいして生まれなかったヴィンチ周辺は
カメムシやメイガだってオリーブに寄ってきたけれど
アイツらは手加減しながらオリーブの葉っぱを食べたり
実をチューっと吸って、でも苦いオリーブには居座ない。

夏の猛暑と干ばつは、オリーブの成長を抑制させ
実が膨らまなかったりした品種もあった。

でもオリーブという植物はカラカラした太陽が大好きだ。
太陽に向かって成長していく。
空間のある剪定をすると、バランスよく成長している。

ジリジリした灼熱の夏は、ヨーロッパに見られるオリーブに寄生する
オリーブミバエを退化させ、撃退させたか成長を狂わせた。
だから初秋の雨や湿気にドキドキはしたけれど
灼熱だった夏に私は賭けた。
そして、その初秋に入ってぐんと気温が下がったことも
生き残ったオリーブミバエの産卵の抑制をてつだった。

それでも少ない実をミバエなんぞに食われてたまるか!
とミバエ予防した農園はチラホラいた。
有機栽培ではミネラルな予防対策となるので
するにこしたことはない。
できることなら8月の最終週に対策したい。

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初秋の雨と気温が下がったこともあって
生き残ったオリーブの実たちは
膨らみ、色づき、油分を形成させた。

実がちっともない木と
異常気象なんてなかったような平気な顔をしてフツウな態度な
ワサワサぷっくり綺麗に育ったオリーブがいる。

早朝の霧に濡れたオリーブは傾いた眩しい朝日に輝いていた。
私たちは、オリーブが乾き出す頃に出動して準備をはじめた。

ゴロゴロとブドウのように実がひしめきあっていたり
私が残した実のなる枝に、そこだけに成っていると
よしよしと撫でてやりたくなる。
そういうオリーブを収穫することは
私のある意味Benessereベネェッセレ(幸ある健やかさ)であり
収穫が楽しくて仕方がない。

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私たちは、収穫はもう慣れたもんだ。
手順や要領がわかってくるとやっぱり速くなる。

私は、一日中手で持つタイプの振動機で
大きな櫛になっている先をオリーブの枝たちに差し込み
髪の毛をとかしたりほどくように動かしてあげ
地面に敷いてある目の細かい網に落としていく。

落ちたオリーブの実を踏まないようにしなければいけないから
まるでツイスターゲームみたいで自由に動けない。
だから全身運動となるオリーブの収穫である。

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夫は、軍手をしない。
本当は軍手をしなければいけないのだけれど
オリーブの実を触るのが好きなのだ。
生の実に触れることでエネルギーを感じるのだそうだ。
ある意味彼のBenessereなので許す!

「いて!いてててて!」
そう日本語に聞こえてきた。
「カマキリにかまれた!」
軍手しないからだよ!

25メートルの長さのある網に落ちたオリーブを集めて
枝のついている葉っぱを取り除いたり
枝にまだくっついている実を取り外してあげる。

葉っぱがなければないほど
搾油所で計る重さはオリーブの実だけとなり
正確なResaレーザ(搾油率)が出る。
実を取り外してあげれば、葉っぱを除去する機械で
葉っぱだけが除去され実は守る。

葉っぱの除去作業が
生の手でオリーブを一気に撫でることのできる瞬間だ。

夫は几帳面だからそういうところを時間をかけてでもやる。
搾油所に持っていくとき自慢なんだそうだ。

オリーブに費やす労力の代替えが
この収穫の結果となるから
誇りあるキレイな実だけを持っていきたい。

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搾油所ではそんなこともおしゃべりをする。

「みんなの今年のオリーブはどうよ?」
「全然少ないし全然人が来ないよ。実も小さいしさ。
でもキミたちのはずいぶんキレイだねー!」
そこで夫は大満足して、逐一私に報告するw

搾油時間は90分ぐらいかかるので
抽出された油を入れる容器を置いて一旦家に帰ってくる。

で、また搾油所に現れると、搾油所の人が夫に指をさして
「搾油所イチが来たぞ!」といったそうだ。
「なになに?」
現段階で「搾油率が今まででキミたちのが一番イイ!」
ということだった。15.6%。

私たちも初めてじゃない?と過去を見直した。
搾油率がイイとき必ず私が確認することは
バイオダイナミック農法のカレンダーである。

この日、Fiore(花)の日で
Luna Ascendente(1ヶ月に14日間月が黄道上の春分点側にいる)
の期間であった。この期間は地上にエネルギーが集中し
収穫には向いている期間なのである。
逆に剪定などは傷口の治りが悪くなるといわれている。

搾油率の良さで他に思い当たることは
色づきが順調で、実の膨らみ具合が油分がありそうに
見るからにもわかったこと。

毎年剪定を少しでもしているおかげで
込み合っていなく、全てのオリーブの実が
太陽に晒されていること、この理由は大きい。
太陽のチカラってスゴイのだ。

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Novelloノヴェッロ(抽出されたまさに搾りたてで
48時間以内のノンフィルターオイル)を味見をした。
ものすごい濃厚で苦くて辛い。

フィルターにかけた。
不純物などの澱が取れてぐっと滑らかになる。
それでも超濃厚で苦くて辛い。

搾油率は良かったが、この濃厚さとパンチは
猛暑と干ばつのせいだろう。


【お知らせ】

2021年より、私が監修しましたヴィンチ村15㎞圏内の
トスカーナ産エキストラバージンオリーブオイルが
日本のみなさまへ数量限定で
olivewellness.storeより販売が決定いたしました。
生産過程がこのように垣間見れるオリーブオイルは珍しいことと思います。
この機会を是非ご利用ください。
こちらのリンクにて予約注文ができます。



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