大地の住人 ヴィンチの丘で

地球と体に優しいコト ~イタリアから~

フィレンツェの端っこレオナルド・ダ・ヴィンチのふるさとヴィンチの丘に在住。 大地の自然たちと向き合って地球と体に優しい様々なコト、発見・提案・発信!

タグ:オリーブ畑

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前回の記事で、夢をみている話をしました。
18歳の青年が家庭に負担をかけたくないからと
中卒で床屋さんで働き始め
自分の好きなものを買いながら
自分の本当にやってみたいことを追っていく
それは音楽の世界で、言葉や曲で自分や心情を表現していく
両親が離婚してしまって、気持ちを表現するのは
詩を書くことだったそう。
今まで誰一人の前でも歌ったことないのに
はじめてオーディションを受けて
応援したくなるような、心に刺さった人たちがいて
養成しながら成長していくという話だったんです。

まず、自分を表現するっていいなって思ったこと
気持ちや行動を言葉に残すっていいなって思ったこと
自分をもってコツコツと自分の世界でやっていたこと
ダメもとでも動いてみたこと
露出していくことで、メッセージを残したいこと

これを青年は夢と言っていました。
半世紀ぐらい生きた大人は
夢とは表現しないかもしれません。
やりたかったことをひとつひとつこなしていく
大人はなんとなく夢はゴールがないことを知っているからです。
夢というよりも前向きな希望を持ち続けるとか目標とか
ポジティブに生きるとか勇気とか挑戦とか生きがいとか
それまた別の表現をするような気がします。
そして最後には、自分のやりたいことが誰かのためになれば
と残そうとするのが本能なような気がします。

それでもその青年に心を打たれたのは、純粋さです。
誰よりも欲がなく、シンプルで一生懸命
それでもって素直に楽しく生活している姿は
誰にとっても理想的なスタイルだと思いました。

この純粋な生活って大人になるにつれて
忘れがちになるところがあります。
それでも、自分がやってみたいことを
勉強したり種をまいたり、世界をつくっていくことは
青年も成人も大人も同じだと思います。
そんなこんなんで、その青年が
今の自分にみえてワクワクしました。

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ある日フィレンツェで
Assaggiatore dell'Olioオリーブオイル鑑定士の資格を取った
Shinomaiちゃんとオリーブオイルの話で意気投合しました。
自分がやっている世界の話ができることは
やっぱり嬉しいです。
だって、今の自分はオリーブに夢中なんだから
それしか話すことないんですものw
そこで私たちは、やりたいこと...その夢とやらを語ったり。
今だっていい大人が青春期のようにはしゃいで
アイデアを交換する姿は、18歳のギャルたちですwww

その時から私の想いは変わっていないかもしれません。
ホンモノのオリーブオイルとはよくきくけれど
何がホンモノなのか、抽出されたオイルのホンモノさとは
いったいなんなんだ、それじゃぁ
ホンモノのオイルになるまでの
ホンモノのオリーブ栽培はあるの?

ホンモノ、ホンモノって、行き届いた栽培して知識があれば
どれもホンモノだと思います。
味だって気候や年度、品種や土地
収穫方法や保存方法によって
微妙に変わってきます。
私たちのパッションと正確な知識と方法で仕上がってれば
どれも世界で最高のオリーブオイルといえるでしょう。 

ただビジネスによって、栽培も抽出も味も
工作されてしまうところに問題があるのかもしれません。
それは、毎年微妙に味が変わったり収穫量が変わる
オリーブの性質を知ったうえで
農園を支える根気を築くべきところ
工作ビジネスがうまれてしまうのかもしれません。

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そんな話を、Shinomaiちゃんのお仕事仲間
オリーブオイルインポーターの
プリモオーリオジャパン代表の松村成師氏が
ご自身のブログに書かれていて
イタリアにいる私でも知ることができ
こんな風に考えられる人が
オリーブオイルビジネスの世界にいるんだ
と感心したのを忘れません。
そのブログのひとページをリンクします。

そして陸と海を超えた地球の反対側で
松村氏も私のブログを読んでくださっていて
生産者のようで生産者ではない
オリーブ栽培を勉強して環境を意識しながら
オリーブオイルの暮らしをしていることに共感をしてくださり
いつかお会いしたいですというお言葉をいただきました。

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2年前(2019)私は
母国のオリーブ農園で働いてみたいと思いました。
しかし、剪定期間でもなければ収穫期間でもない夏でした。
しかも梅雨が終わらない小豆島
トスカーナの気まぐれな春を思い起こしました。
それは草刈りに追われる四月五月ぐらいの陽気でした。

働くことはできなかったのですが
訪問することはできました。
日本のオリーブをみれてお話を伺えたことは
イタリア..いや私が住むトスカーナのオリーブと
比べることができ、日本語でメッセージを送るには
関心事と知識が増えて
行って良かったとつくづく思います。

私が働きたかったオリーブ農園は
メディアに強いところを探していました。
いつの日か、メディアを通して私のメッセージを送りたい
と思っていたのです。
そして、トスカーナで習得した技術を母国に伝授したい
と考えていました。
しかし、将来この二つのやりたいことは
伝えていませんでした。


021 Oliveto

ちょうどコロナが蔓延する前です。
私はオリーブの剪定をしていた頃でした。
松村氏が生産者さんを訪問しにイタリアへ来るので
ヴィンチにも足を運びたいと
Shinomaiちゃんから連絡をいただきました。
会いたいと想った日から何年経ったでしょう。

イタリアに入国する前に松村氏は
オリーブガーデン代表の金丸洋一氏と
イスラエルのオリーブ農園訪問をしていたのでした。
塩分が高くていやでも体が浮いちゃう湖
死海があるところで有名です。

そしてあまり知られていないですが
ものすごいテクノロジー国で
あと研究熱心な国?とでもいうのでしょうか
私にはそういう印象で、なぜなら私が講座で教えてもらった
がんしゅ病(Rogna)というオリーブのウイルス菌を退治する
樹に浸透させない有毒とならない鉱物からできた
BIO申請もできる液体はよく効くのですが
裏の説明書を読むと、イスラエルが発明し
イスラエルでつくられていて、そういうわけで
イスラエルには興味を持っていたところに
ヴィンチに寄ってくださったお二人から
直々イスラエルのお話が聞けて
さらに胸が弾みました。

ヴィンチの丘で、オリーブの枝を薪にして
BBQをしながら、オリーブの話で盛り上がりました。
もっともっと話していたかったです。

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彼らはオリーブという共通点の
オイルと栽培という二人の専門分野で
Olive Wellnessという名のWEB事業を立ち上げました。

英語オンチの私はWellnessの意味がわかりませんでした。
イタリア語で調べるとBenessereだったのです。
日本語だと 幸せ感をもつ健全さ という意味だと思ってます。

素敵な単語で人生にも生活にも必要な言葉です。
そんな意味のある言葉に
オリーブはピッタリなんじゃないかと
オリーブに付随したBenessere=Wellnessを
提供していこうということでした。

あの頃、松村氏が語っていたことを
こうやって実現化しているように思います。
そんなコンセプトをもつ事業に
ヴィンチの丘で一人ぽっちでオリーブに向かっている私を
思い出してくださって光栄です。

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思い出してくださったことのはじめに
オリーブオイル関西という展示会内の
イベントセミナーで ヴィンチの丘で オリーブ剪定
というタイトルのセミナーに登壇する予定でしたが
コロナの異変株の蔓延で緊急事態宣言が延長してしまい
展示会丸ごと中止になってしまったんです。

私は、残念でしたけれど悔しくありませんでした。
なぜなら、個人ででも何がなんでもこのセミナーを
私は残そうと想っていたからです。
その意向をお伝えすると
彼らは即賛同してくださいました。
毎週打ち合わせをしているのですが
まさしくもオリーブに関することのWellnessです!
彼らとお話しているとオリーブを介して
幸せになるんです。

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私が数年前からやりたかったことは
メディアを通してメッセージを送ることです。
これが私にとっても第一回目のステージとなります。
どうぞ温かく見守ってください。

セミナー内容は

トスカーナのオリーブの樹形やミニ歴史

剪定の順番と目的と毎年剪定する意味

ヴィンチの紹介と観光オススメスポット

農業に興味をもった動機やEU講座の在り方

オリーブ文化のヴィンチの田舎暮らし

このセミナーではオリーブオイルの話はいたしません。
オリーブ文化のオリーブ豆知識的ソフトな内容です。
どうぞ、この機会をお見逃しなく。
というのは、自己紹介やヴィンチ紹介は
この一回限りにしようと思っています。

人数に制限があるそうなので
お早めにお申し込みください。
たくさんの方々のご参加をお待ちしております。







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ワタシ流オリーブ剪定論 Potatura degli Olivi 2020 ③
ビオディナミワイン&ビオオリーブオイル会 Degustazioni
走行中の若者たちに乾杯 Condividere con i giovani




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オリーブの剪定終了、目指せ!パスクワ(2021年は4月の4日)

よかった...がんばった...おわった...

私は、目標をもってやる気満々なのに
ネガティブな夫は、パスクワの日もやっていいよとか
でもパスクワは雨だ..だのやる気が失せるようなことをいう。

4月の初め頃までに終わらせたいのは
オリーブだって目覚めて芽を噴き出す頃が
4月の1週目2週目なのである。

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2014年に巨大な雹と竜巻の被害を受けて
何年も心(オリーブの)を癒すのに時間がかかったオリーブたちは
2020年、なんか奇跡が起きたのかというぐらいの豊作だった。

果実もゴロゴロ生んだし、新枝もニョキニョキ生んだ。
エネルギーを使い果たしたようなオリーブたちは
消耗させた枝もパラパラ出した。

豊作の次の年は不作だ。
しかもこんなにエネルギー使い果たしたんだったら尚更だ。
それからその前の年、2019年は
収穫しても時間の無駄なぐらい不作だった。
極度な隔年性という性質になっちゃったみたい。
だから、剪定は控えめにした。

それにしても、新枝はたくさん生まれたが
実のなる枝はあまりなかった。
ただただ、彼らの有り余ったエネルギーを放出させている
つまりリンパの流れの調整を自力でやっているようだった
と、私は勝手に解釈し、そんなに手を付けたくなかった。

そこに生まれてきたからには意味があると想っている。
オリーブというのは自生できる植物である。
しかし、収穫しやすくするために
そして、無駄なエネルギーを使わせないように
旨みのある濃厚な果実に成長させるために
私たちは剪定という技術で調整するのである。

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住宅街にあるヒトの魂がいるようなもしくは
栄養価のある野草たちのエキスが飛び散っているのか
日陰でも病気ひとつしないで
隔年性がない毎年実のつく森のようなオリーブ畑を管理している。

管理を任せられてもう何年も経った。
ネガティブな夫のせいで
今一つ勇気が出なかったことを今年はしてみたい。
わざと夫のせいにして、口を出すな!とみせつけたいぞww

それは、上部に実のなる枝が集中しているので
減らして、樹形を整えようと思うのである。

上部の実のなる枝を減らすということは
つまり...実がしばらくの間減るということである。
だから夫にいつもチクチク言われていた。
収穫量は安定していたのだが。

しかし、その剪定をすることで、果実に旨みが集中することと
上部をスッキリさせることで、光が入ること
きっとこれから下部から実のなる枝が生まれるだろう期待。

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それと、もう一つ気が付いたことがある。
リンパの流れを促すために、天辺に枝を残すのだが
その枝を実のなる枝にすると、天辺にエネルギーが集中して
実がつこうつこうとして、下の方がお粗末になるのである。
これではいけない。
天辺に残すのは、小さいのでもピョロンでもなんでもいい。
天辺に実をつけさせてはいけないということがわかった。

主軸にきっちり縛りつけたはしごに上って
チェンソーで剪定する。
最後バリッと剥けるように折れるので
2回に分けて剪定する。
チェンソーの持つ位置は、胸辺りから顔ぐらいまで。
動ける範囲は案外少ないけど
やってみると、マジ危ない。無理はしない。

チェンソーが止まらず勝手に動き出したら...とか
チェンソーが枝に挟まって抜けずに折れて目に入った...とか
切り終わった勢いではしごから落ちてチェンソーで腕切断...とか
いろいろ怖いシーンを妄想して、体が熱くなり手に汗握ったw

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この日、6月の初夏のような気温で
ノコギリ作業は暑い中のランニングのようでゼーゼーした。
このまま急に心臓が止まったらどうしよう...とか
心臓が止まるときは苦しむのか...とか
オリーブの森で助けに来てくれる人はいるのだろうか...とか
ノコギリでも怖い妄想をしながらゴキゴキひいた。

初夏のような気温は、樹液の流動を活発にさせたのか
オリーブの枝は湿っていて、ノコギリに木くずがいっぱいついて
切りにくかった。自分勝手にイラつき、ため息をついた。

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切り落とした途端、光がわーっと差し込んだ。

3~4本の主軸がある内
1本の主軸に対して、1枝剪定することにした。

そして、Succhione
スッキオーネという固く長く元気のある新枝は
エネルギー吸い取っちゃうのでそれは取り除いて
下部はいじらないようにした。
ちょっと太めの枝の傷口への負担を
そういう配慮でも軽減することができる。

剪定の今回のテーマを決めて進めたことで早くできた。

今年不作だろうオリーブの木は
来年、樹形を整える剪定をしたいと思う。

オリーブの剪定は終えたが
初夏のような陽気から一変して冬に戻ったように寒い。
氷点下の夜は小さなブドウを凍らせ被害を出した。
オリーブは、芽はでてきてるけど...
もう気が気でしょうがない。


・・・・・・・・・・・・・・・


【お知らせ】

オリーブオイル関西のセミナーにイタリアより生配信で登壇します。
「ヴィンチの丘で オリーブ剪定」
世界の多くのみなさまのご参加をお待ちしております。

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☆ こちらの関連記事もどうぞ ☆

今年のオリーブの剪定は Potatura degli Olivi 2021 vol.1
オリーブの森 Bosco degli Olivi
オリーブの木の剪定 Potatura del'lOlivo




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農主も言ってた。
毎日気分次第で剪定が変わるって。
昨日剪定したところを眺めると
なんでこんな風に剪定したんだろう?
と疑問に思うことがあるんだ。

わかるー!私も!
でも剪定した本人は同じだから、理由は思い出せるけど
一瞬なんでこうしたんだっけ?て考えちゃうことがあるよね。
だから、剪定した木は見直さないほうがいいw
ってことで意見が一致した!

剪定て性格がすごーく出る。
樹形のスタイルも人によって全然違う。
気が付いてみると何故か最終的に樹形はほぼ同じになってくる。

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思い出す。
講座でまだまだ学び奮闘中の頃
自分が剪定する一本の枝でさえ自信がなくって
いちいち講師にたずねてた。
「せんせー、これ切っていいんですかー?」ってw
これ、仲間もみんなこうだったから、講師忙しく対応してた!

グループを組んで一本のオリーブの木を剪定していくんだけど
みんな学んだことを、呪文のように唱えながら剪定していくの。

Regola uno、小さい枝は取り除いていく。でも全部ではない。
Regola due、使えそうな枝は...これかなぁ、残しておく!
Regola tre、消耗した枝も、とっとと取り除いていく!
Regola quattro、これはちょっと伸びすぎてるので使える枝だけど剪定しちゃう。
それをTaglio di Ritornoっていうんだよね!と確認しあいながら。

それでも意見が分かれることもあって
私だったらそこは剪定するとかしないとか。

講師がやってきて、私ともう一人の女子チームの剪定を一番気に入ってくれた。
お褒めの言葉に、この剪定はもの凄くアーティスティックだ!と言ったw
こんな剪定みたことない!と...。え?
褒められてんだかなんだか。
でもその辺から自身がついてきたように振り返る。

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いつのまにか自信がついた上に、理由も言えるようになって
忘れる前に実践するとか経験とか続けるって大事だなぁと、改めて思った。
だから、そういう境遇に出会ったこともラッキーだし
ご近所さんが私の体験を応援してくださって
オリーブ畑の丸まる管理をさせてくださったことも
ラッキーもそうだけど、感謝しなければなのだ。
お互いに、よかったのである。

何故、お互いによかったかというと
私は、実は高価なオリーブオイルを自分でつくれること
無償の人力の他に、いろんな経費も諸々あるのだけれど
自分が栽培したオリーブのオイルを味わえる満足感
そして、先にもいった経験が積みあがっていくこと。

畑の主のメリットは、畑が常にきれいで管理が行き届いてて
そして何しろ一番重要なのが、生産性のあるオリーブ畑を保つこと
これはものすごーく大切で、次管理する人に渡せる状態に維持する
オリーブ畑の野放しを3年でもしてしまうと
次に管理してくれる人が現れないのである。

なぜなら、生産性と樹形と樹の健康を取り戻すのに
それこそ時間が3年はかかり
お金にかえられるオリーブオイルを産出ができないということは
とにかく3年ただ働きプラス経費があって
マイナスになっちゃうのである。

管理しきれない...でもお父さんの畑だから手放したくない...
そんなこんなで3年は手を付けてない...
なーんていう畑の依頼が何度も何度も何度もきて
ぜーんぶお断りして、アドバイスだけしたのであった。
お金出して、剪定師(士)さん呼んで樹形整えてもらって
庭屋さん呼んで草刈ってもらって
健康で生産性のある畑じゃないと
売りたくても価値がぐんと下がって売れないよ、と。
そうだよね...とみなさんがっかりされるのだが
残念ながらこれが実情でオリーブ文化のイタリア事情なのである。

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私だっていつまで自分の体よりでっかいオリーブの木の剪定ができるかわからない。
でもでも、まだまだ、オリーブが愛おしい。
今になってオリーブと意思疎通ができるようになってきた。
と言葉にすると変な人だけど
なんとなく彼らのメッセージを受け取っているように感じるのである。
動物飼うのと同じ感覚かもしれない。

こんなとっからこんな小さな芽が生えてくるの。(冒頭写真)




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あるSNSがふと目にとまった。
オリーブの剪定師が来てくれました~という投稿で
剪定師...。ふむ。
私は、剪定士と謳っている。

調べたところ、日本ではオリーブとか果樹などの
剪定のスキルを取得できる試験が無いとのこと
剪定士と認定されるのは街路樹剪定のみなんだそうだ。
あとは師匠がいて見様見真似で覚えていく職人業で剪定師と
師に分類されるそうなのだ。

さすがオリーブ文化の国イタリアでは
オリーブの剪定スキル試験がある。
しかし、ただ試験を受ければいいだけではない。
割と長い時間講座に通わなくてはいけない。

イタリアは、目移りするぐらい様々なコースの高校を
13歳でなんとなく進路を選択しなければいけないので
後から進路変更したい人のために
職業養成講座や資格、ライセンス講座が多々ある。

有料が一般だが、EU基金で州がプロジェクトしていると
たまーに無料で1年も通えるしっかりした講座に出会うことがある。
EU基金を活用した州のプロジェクトなどは
失業者を対象にしているので、職安に登録してから審査に入る。

州のプロジェクトの目的は、職業の知識の向上と確実性と安全
労働の質を良くするためである。
それは、代々受け継がれてきた知識とは対照に
科学的に実証された学問的知識がメインとなるので
いちいち行動するごとに理屈が生まれる。
もちろん師匠からの伝授は、長年の培ってきた経験ほど
これまた正確なことことはない。
養成講座ではそのいいとこどりで研修期間というのもある。

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私が通わせて頂いてた、300人以上の応募があったという
倍率約20倍の大人気の農業士養成講座では
履歴書審査、入試、面接と始まる前から難関だった。

イタリアらしく長い夏休みを挟んで1年間丸々通い
途中途中、テーマごとに中間テストがあって
それは隣の子のカンニングしたり、ヒソヒソ教えあったものだったw

中間テストの出来もそうだけど、70%の出席率
最終試験には、筆記、実技、口頭とこれまた汗だくな試験だった。
大人が1年間時間を集中させて、これで落ちたら洒落にならない。
ママと家事放ったらかして
久々にがむしゃらに勉強した日が続いたのを覚えている。

講座的には農業士養成講座と私はダイレクトに近い訳にしたが
スキルの内容には、剪定・栽培・管理・安全
そしてトラクターのメンテナンス・管理・運転と記されている。
トラクターに限っては、トラクター免許の時間数まで
あともうちょいというところだったので
希望者だけ追加で講習して免許をとった。
私は、斜めに運転することが怖かったので練習はしたけど
本格的にやっている自分が浮かばなかったから
免許までは到達しなかった。
剪定を中心にした授業は
トスカーナ特産のオリーブとブドウがメインとなった。

それでも大人になって需要のある部分だけ習える学校とか
講座とか資格ってなかなかないので
これはれっきと私は剪定士とそう謳うのである。

でもオンナだから...自慢ごとなのにちっとも自慢できない。
まぁ自慢しても仕方ないから、ささやかに知識をアピールしながら
男たちの会話に入って、さらに知識を磨いて
黙々と働いて、農主の話をうんうんと聴いて
ボランティアやアシストをしながら経験を積んでいるのである。

あんなに勉強したのに、まだまだまだまだ足りない。
引き続き勉強と発見の日々である。
だんだん勉強と発見に完結はないことがわかってきた。
そうおもうと、新しい発見がこれも勉強とすんなり入ってくる。
めちゃ前向きw

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さてさて、今年のオリーブはいかがかな。
今年は寒い日と雨の日が2月に入っても続いていたので
2月の半ば過ぎてからはじめた。

昨年オリーブの実が豊作だったのでエネルギーを使い果たしたのか
枯れ気味の枝が多い。
その消耗した枝を除去する細かい作業と
実も豊作だった上にエネルギーを吸いまくる新枝も
たくさん生まれたので、それを除去するのにも時間がかかる。

そういうわけで次回の収穫は絶対に不作もしくは
前回よりはかなり少なめとなる予想なので
技術を要する大きな剪定はしない。
上にピンと伸びてる新枝をとにかく剪定しよう。
消耗した枝を剪定をしよう。

大地から長いハサミで剪定しているので首が痛い。
首が痛すぎるときははしごを持ってきてよじ登って
上から剪定をはじめて、上部をキレイすっきり剪定する。

長いハサミの欠点は、細かい部分に入り込めないから
切り枝がだいぶ残る。で、来年その残った数センチの枝から
小さい枝がニョキニョキ生えてくるのである。

腰もキーンと痛めたけど、作業しだすとあまり気にならない。
不思議だ。横になると、痛みが気になって仕方がない。

オリーブの剪定しながら落ちた枝を拾ったり
トマトの種蒔いたり、ブドウの枝縛り作業手伝いに行ったり
勉強したりなんだりで、そうこうしていると痛みも和らいでくる。

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しかし、オリーブの剪定は、3月までに終わらせること。
4月の半ばには芽がわっと出てくるのでそれまでに剪定をする。
樹液の流動が休眠中に剪定をするのが、傷の炎症を防げる。
そしてリンパの流れを導くことでエネルギーが集中して
旨味のある実が生まれやすい。

樹液の流動がわかりやすいのがブドウで
その自然の法則を目の当たりにすると
3月までに剪定を終えなくてはいけない理由がよくわかる。
ブドウは樹液の流動がはじまる3月、枝が柔らかくなり
枝縛りがはじまる。
枝からポタポタ樹液が涙のように滴るのである。
それは3月のブドウ畑の風物詩である。
それでは、あっちこっち行ってきます。



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2020年、早く過ぎ去ってくれないかなぁと思わなくても

いつのまにか年が暮れていました。


動きたい抱きつきたい密りたい独りになりたい思春期少年と

ロックダウン不可能でマイペースにネガティブな野生夫と

その二人にかまう日々とそんなにいつもと変わらない

ポジティブな私でもコロナで気が滅入りました。


家の中に閉じこもっているとまだ他人事のような気もするのに

社会の対応に思春期少年が変わっていくのをみて

そして犠牲者の数もそうですし、商いができないこともそうです

人を集めた何かができない、仕事は減る、探しても仕事はない

世の中が大変なことになっていることに

ワナワナと押し倒されていました。


振り返ってみると、記録にも残したかったこともありますが

この一年のブログでも、コロナの話題で何度も泣いています。

申し訳ございません...でしたが

ちっぽけな自分の小さな世界だけのことを語れなくって...

唯一明るい話題で夏のコロナ気休めボーナスバカンスで

ふと息を吐いたぐらいです。

我々にとってはけっこうゴージャスな旅行でした。

イタリア政府がわざと扉を開けてくれたようにも振り返ります。


暮の今、イタリアはワクチンの投入で

政府は期待一身感に溢れています。

それは、コロナワクチン例が無いことへの挑戦と

これで犠牲者は減るだろう安堵感。

第一線の方々と弱い方々が優先されています。


しかし、やっぱり薬しか手はないのか...

健康な人を操作するのか...

脳と心をもつ人間だからこそ何が何でも治すんだけど...

私は植物に対しては無農薬派だし

人を変えるほどの厳しいロックダウンを経験していると

正直とっても悔しくなります。


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私は、小さなバイオダイナミック農法のブドウ畑で

農主が手に負えないとき、お手伝いをさせていただいてます。


バイオダイナミック農法の特徴は

月や星との繋がりで植物のリンパの流れが支配されていること

4つのエレメント、火・風・水・土の生体力を活用していること

日のエネルギーを利用していること

薬草や緑肥などの栄養を与えることで虫まで喜ぶこと

鉱物のエネルギーも月や星や日の傾きのタイミングで得ること

詳しくいえばもっとあるのですが

月火水木金土日を言いたかったので並べてみました。


それでも上の4つは

どの畑にもどの人でもできそうな気がしてなりません。

天空と地球上の生きている力を活用するので

すごくエネルギッシュな生き物が食べ物として生まれます。


私は、管理人がいなくなったご家族の

野放しにされそうなオリーブ畑の管理をボランティアで

オリーブの生産維持ときれいに畑を保たせています。

ボランティアなのでお金をあまりかけずに

実験的に経験を積み重ねていますが

せめて上の3つの力を信じて、丈夫なオリーブを育てています。


この丈夫になってきたオリーブたち、貧弱そうなんですが

量ではなく、不思議なエネルギーのある果実を生むんです。

何もしてないのに無敵になってきて毎年驚かされます。


農主のブドウも、年々強くなってきて

輝く色の果実から超濃厚な果汁が絞れます。

でも、他のバイオダイナミック農法のブドウ農園さんで

人任せにしたり手を抜くと、やっぱり手抜きの果汁になるんです。


こうやってエレメントたちが共存しながら

生きる力を目の当たりにし真に受けると

私たちの体調や生活に当てはまるのではないかと思っています。


コロナでメソメソすることもあるんですが

私はこの植物たちに助けられました。

いろんな色の実がなって、色に見合った味ができて

丈夫で、へっちゃらな顔して美しく収穫されるんです。

っもうどんなに勇気づけられたことか。


いろんな人がいて、その人の性格があって

人生があって、困難や幸せがあるのと、同じなんです。


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きっと友たちが口添えを囁いてくれたのでしょう

トスカーナ日本人会さんから会報アルノという冊子の表紙に

ザ・トスカーナの写真提供のお話がありました。

Facebook(オバタ マキでフォロー可にしました)の写真一覧と

Instagram(@obatamakivinciと@realmakici)のプロフィール画面で

検索してもらうことにしました。

風景の写真を選ぶのかなぁと待ち遠しくしていると

な、なんと、バイオダイナミック農法の

農主のきらめくVermentino(品種)を選ぶとは!


表紙のコンセプトは、トスカーナらしくを筆頭に

翌年の2021年にはダンテ・アリギエーリ没後700年を記念して

古代から続くイタリア文化の葡萄酒を謳う神曲にマッチしていること

そして何よりも、この暗い世の中に光を差すような明るいシーンを

ということだったそうです。


私は、ピッタリだったんじゃないかな、と自分ながらに胸が踊りました。

トスカーナ日本人会さんの会報アルノは

配布先を公表しておりませんので、どこで出会うかわかりません。

今回も在住日本人さんたちの活躍と情報が満載です。

子女の通う日本語補習授業校の様子も伺えます!

なかなか手にする機会を許さない世の中ですが

発見したときには是非目を通してくださいね。


ときどき農業写真を褒めてくださる方がいます。

私の好奇心とカメラ好きが相俟って

畑の中を小型カメラを持ち歩いて

マクロないっろんなシーンに遭遇し目撃し

作業中にもかかわらず写真を撮っていますw

もう農主も仲間も公認?アレ?黙認ですww

こういう類を農業カメラマンと呼ぶそうです。

(どうぞよろしくおねがいします)


どのブドウも個性的で性格があって輝いていて、でも

ときにカビにやられていたり、ハチに果汁を吸い取られていたり

ある病気で木ごと変装しちゃってるブドウもあるんです。


あのカラフルなブドウは、ホントわーっと胸が膨らむような

驚きがありました。じつはあのカラフルさは

果実特有の色付きの真っ最中なんです。


あのカラフルは一粒ずつの成長の違いでもあります。

成長の違いとは、リンパの流れる部分の速度とか濃度とか

風の当たりや日の当たりなどにも関係してきます。


違う視点からみると

房の一粒一粒は血の繋がった兄弟のようです。

私は、あのブドウを「命の色」と呼ぶことにしました。


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私は無宗教だけれどもキリスト教の国に在住して

学んだことがあります。

生まれてくるものはみな自由で平和で平等で兄弟であるそうです。

自分勝手な解釈かもしれませんが

みんなが兄弟なんだと思うと、怖がっちゃいけないし

むしろ勇気が出てくるし助けたくなります。


私たちはあの一粒一粒のように成長の違った個性のある兄弟です。

あしたの世界の栄養となるように

一粒一粒輝きながら生きていきたいです。


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翌年来る年の2021年、みなさまの健康と発展を祈っております。


距離はあっても心の支えになってくださった友のみなさん

フォローしてくださってブログを覗きにきてくださったみなさん

訳してまで読んでくださってる世界のどこかのみなさん

ブログを紹介してくださったみなさん

いろんなところで気をとめてくださったみなさん

本当に本当にありがとうございました。


ある意味このブログを軸に、日々の暮らしや活動を

より意識しながら過ごすことができました。

2021年も是非ともよろしくお願いいたします。


どうぞ距離を温めながら心温かい新年をお迎えください。

それでは2020年の幕を閉じたいとおもいます。



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最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。




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