大地の住人 ヴィンチの丘で

地球と体に優しいコト ~イタリアから~

フィレンツェの端っこレオナルド・ダ・ヴィンチのふるさとヴィンチの丘に在住。 大地の自然たちと向き合って地球と体に優しい様々なコト、発見・提案・発信!

タグ:チェッレートグイディ

DSCN0854

ヴィンチ村から約5kmの隣村Cerreto Guidiチェッレート グイディ

には、メディチ家の別荘Villa Mediceaヴィッラ メディーチェアがある。

メディチ族のコジモⅠ世が1555

狩猟で訪れる・・或いは

ピサやリヴォルノ方面の旅中のお休み処として

グイディ伯のお城を住居風に仕上げたそうだ。

しかし、このお屋敷で悲劇も起こる。1575715

コジモⅠ世の娘イザベッラは嫉妬深い夫の手により暗殺される。

1738年、メディチ族消滅後プライベートのお屋敷となり

1969年、国に返還され、ミュージアムとして一般公開開始。

2002Il Museo Storico della Caccia e del Territorio

イル ムゼーオ ストーリコ デッラ カッチャ エ デル テッリトーリオ

狩猟と領地の歴史博物館とされ

狩猟器具やアンティーク家具などのコレクションを展示する。

壁には、コジモ系列のメディチの肖像画も

お貴族の別荘らしく実物大以上に飾られている。

庭園は、1800年代の様式に仕上げてあるそうだ。

2013年にはユネスコに登録され重要度高いミュージアムだが

館内見学無料で、質素にチェッレートグイディの丘に佇んでいる。

そこから眺める景色は、キラキラ光る湿地帯

Padule di Fucecchioパドゥーレ ディ フチェッキオへ鳥が飛んでいく。

傾いた日が沈むルッカ方面のアプアーネ山が見渡せる。

山のシルエットはうっすらとして雄大な山とは裏腹な姿を醸し出す。

きっと当時は、屋敷を囲む一帯はもっともっと緑に囲まれた

狩猟の場にはもってこいであったのだろう。

遠くまでも動くものが見渡せる、それほど静寂で静止した景色は

今もなお見渡すことができる。


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現在もこの辺では、イノシシや野ウサギ、ノロジカなどの野生動物

そして、キジやウズラなどの野鳥が生息する。

狩猟家はこの地域では自分らの畑の中で構えていたりする。

昔は、家畜よりジビエで宴を持て成した。

今こそ注目されるジビエの肉は

肥やされていない彼らの生きるための脂肪の旨みでできている。

七月のイザベッラの命日頃に開催されるイノシシ料理祭では

コテコテのジビエ伝統料理の祭りである。

イノシシこそ、この辺では多く、被害さえも出る。

狩猟たちは宴と糧のために、期間限定の狩猟に出かける。

事故にあった野生動物たちも食卓に並ぶこともある。

ブドウの収穫では、ジビエで収穫を祝うのが伝統だ。

私もそのジビエは、このヴィンチの丘で暮らすようになってから

美味さがわかるようになった。

狩猟とは野蛮なことのようで、実は家畜よりナチュラルだと私は思う。

家畜がなければ私たちは日々ジビエを追っていなくてはいけない。

もう少し住居から離れてやってくれるといいが

意外と近くでバンバン狩猟期には脅かされる。


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プロの服飾パタンナーのシスターズがコジモのマントをじっと見ている。

なんだか研究している様子だ。私もじっと見てみよう。

彼女は、コジモのマントのパターンを頭の中で描いていたようだ。

確かに、袖の辺りがフワッとしていてかわいらしいパターンだ。

いつか私も真似して作ってみようと思った。

当時の王室や貴族の服飾は

どうしてあんなにも複雑にできているのであろう。

首元にヨレヨレ、ヒラヒラがくっついていたり

男性がスカートみたいなキュロットをはいていたり。

ギャザーがいたるところにあり

布をふんだんに使っていた様子が伺える。

生地の柄も素敵だし、とにかくやっぱり全てにおいてゴージャス。

ボタン一つにしても。

私は、特に中世の靴が好きだ。どれも柔らかそうで履きやすそう。

シスターズがマントの次に、マントの毛皮の動物のことも言い出した。

あの毛皮はいったいどんな動物だろうね。


DSCN0830

入り口の扉から、傾いた日差しが入ってきた。

正面は南西向きのようだ。

その光にそそられ外に出た。

あ、もう帰らなくてはならない。

私たちは、約4kmの道を歩いてきたのだ。

日が沈まない内に帰らないと、道が真っ暗となり歩行者は危ない。

私たちはヴィンチ方面へ向かった。

途中、素晴らしい夕焼け空で

丘の上のコジモの館がシルエットになっていた。

私たちはまるで野生の動物のように暗がりになってきた道を急ぐ。


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シスターズはマントの毛皮が気になっていたようだ。

あの毛皮のマントは、当時の流行だったようで

位置付け的にもあの柄のマントが使われていたようだ。

あの毛皮は、イタチを使っていたようで

黒い点々は、尻尾の先の部分らしい。

ということは、いったい一着のマントを作るのに

何匹のイタチがつかわれたか。

メディチ族は、労力も動物も全て我が物だったようである。




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農主の親戚である大家族一家のブドウの収穫を手伝う。

Uva in Carrello


五月のブドウの開花時、雹が降った。

2014年の嵐の時のように、雹が舞った竜巻は、通りをつくった。

通りには、ブドウは成らなかった。

通り以外には、満足のいくブドウが成った。

dal Carrello al Deraspatore


一家の収穫は、親戚一同だから、大賑わい。

子供の習い事、学校のこと、村のこと、村人のこと、仕事のこと、経済のこと、政治のこと、治安のこと、病気のこと、天気のこと、ブドウのこと・・・いろんな会話が飛び交う。

日本人は、仕事中におしゃべりはしないだろうから、なかなか慣れない。

私は聞きながら一緒に笑い、相槌を打ち、問われたら、そりゃぁ私だって会話に加わる。

それがランチの時もずーっと続く。四六時中しゃべっている。

Vendemmiatori


しかし、作業は早い。

子供の頃からずぅっとブドウの収穫をしているからであろうか。

Mosto di Trebbiano fatto in campo!


一家のブタたちはゴロゴロし、一家は賑やかに大鍋を囲んでパスタを茹でたりお肉を煮込んだり。

i maiali dormono


一家自家製の
Prosciuttoプロシュット(生ハム)Salameサラーメ(サラミ)など添加物が一切入ってないので、安心して食べられる。

おまけの我が少年は、このProsciuttoだけで十分なようだ。

美味しい。

ホンモノの味がする。

Prosciutto fatto in casa


ランチの後には必ずフルーツとデザートが用意されている。

私は毎日お腹一杯で太ってしまった!

Torta con l'Uva


一家のブドウ畑から
Cerreto Guidiチェッレート グイディ(ヴィンチ村から5km離れた隣村)村が見渡せる。

Vista Cerreto Guidi da Vgna Vecchia


さらに横を見ると、丘の天辺にある教会が正しくもトスカーナのイメージ。

この教会と丘は、どの空にも合って風情がある。

私の好きな丘。

Vista Chiesa di San Zio


向うの雲が怪しい。

雲と雨がいたずらのように、私たちを困らせた。

傘まで用意して、雲のいたずらに対応した。

Mosto Bianco


一家のブドウの収穫は、大雨前に一家の熟練が効いて、無事終了した。

Uva Bianca ma Color Rosa e Vendemmiatori


夫は、農主と
Rimontaggioリモンタッジョ(赤ワインのみ黒ブドウの皮を濡らす撹拌作業)を交代で始めていた。


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カテゴリー【ブドウ

美なブドウの収穫 Vendemmia2017 ②

早々ブドウの収穫 Vendemmia2017 ①

ブドウの果皮のちから Rimontaggio

ブドウの収穫その1 Vendemmia2016

ありがとうGrazie↓

Viticoltura Biodinamica Modernaヴィティコルトゥーラ ビオディナーミカ モデールナ(ブドウ栽培現代バイオダイナミック農法)ブドウ農園の畑の一部は世代交代したため、白ワイン用の白ブドウが足りない。

Brilla Uva


キラキラ輝く朝日の光と共に、同じく
Vino Biodinamicoヴィーノ ビオディナーミコ(バイオダイナミックワイン)を造る仲間のブドウ畑のMalvasiaマルヴァシーア(白ワイン用の白ブドウの一種)を収穫に行った

Luce di Mattino


戻って、農主の畑では、あるったけの白ブドウ
Trebbianoトゥレッビアーノ100%(白ワイン用の白ブドウの一種)を収穫。

トラクターのカートは黄金色に輝いていた。

Trebbiano!


カラカラに乾いた大地は、ほんのちょっとの雨では動じない。

どこかで雨が降っているのか、ものすごい湿気が襲ってきた。

こちらにも来そうだ。

un pochino piove


湿気は粒となった。

しかし、どしゃぶりの雨にはならず、またカラカラの大地に戻った。

Giuggiola


畑の横に、
Giuggioleジュッジョレ(ナツメの実)が成っている。

コレは大きい。

味はリンゴだけど、歯ごたえがマットな感じだから、あまり好きではない。が、コレはイケる。

午前のブレイクにカブリ。

喉が渇いたら、ブドウをカブリ。

Vespaヴェスパ(スズメバ)たちも喉が渇くと、ブドウの果汁を吸いに来る。

Segno di Vespa


今年は旱魃のせいで
Mostoモスト(ブドウの果汁)が少ない。

欲張らず、リクエストに追いつかないVino da Tavolaヴィーノ ダ ターヴォラ(テーブルワイン)に専念する。

Siccita


旱魃にも負けず、うっとり見とれてしまうほど色も形も味も良い
Canaioloカナイオーロ(赤ワイン用の黒ブドウの一種)

Canaioloは、Uva Donnaウーヴァ ドンナ(女ブドウ)とかUva Bellaウーヴァ ベッラ(美ブドウ)とも呼ぶそうだ。

農主は「きっと男が名付けたんだろうね。見てごらん、こんなに美しい。」

Bellissimo Canaiolo che colore!


Canaiolo100%
を積むトラクターのカート。

Canaioloは、セレクトワイン用の貯蔵庫へ運ばれる。

100% Canaiolo


Canaiolo
のブドウの果実の味は、そのままワインへ変化する。

添加物が入らないワインとは、こういうことであろう。

熟したブドウの味を収穫時に味わえることは、Vendemmiaヴェンデンミア(ブドウの収穫)のおもしろいところである。

Canaiolo Bello


ランチでは、毎日最高のおもてなし。

今年の収穫を祝う。

Cinghiale in Umido e Sangiovese 100%


イノシシ狩人の農主の母がこしらえる
Cinghiale in Umidoチンギアーレ イン ウーミド(イノシシの煮込み)の右に出るものはいないだろう。

90歳の味がしかっりしみこんでいる。

息子が造るSangiovese100%サンジョヴェーゼとピッタリ。

Sughero BIO


翌日は、滅多に食べれない
Cinghiale Frittoチンギアーレ フリット(イノシシのフライ)

イノシシと対抗にConiglio Frittoコニッリオ フリット(ウサギのフライ)も。

農主の母は、何をつくらせても完璧につくる。

イノシシのワイルド感はお母様の上品な仕込みにかなわない。

美味しかった!

フルーティ感のあるTrebbiano100%やフレッシュ感のあるCanaiolo100%によくあった。

一つ一つ味わい収穫したブドウたちを想像しながらワインを頂き、食を堪能する・・私には完璧な味わい方である。


私が一年間お手伝いするブドウ農園のブドウの収穫は、天候の問題もなく、無事終了することができた。


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カテゴリー【ブドウ

早々ブドウの収穫 Vendemmia2017 ①

水分補給 Rifornimentod'Acqua

ご褒美とギフトにバイオダイナミックワイン ViniBiodinamici 2016

ブドウの収穫その2ノ2 Vendemmia2016

ブドウの収穫その2ノ3 Vendemmia2016

ありがとうGrazie↓

三つ目のオリーブ畑は、年の暮れに依頼された、Cerreto Guidiチェッレートグイディ(Vinciヴィンチ村と5km離れた隣町。フィレンツェ県)のちょい外れにある広々とした眺めのイイところ。

Olivi e Susine

この辺はまた、我が家の周りと違う品種のオリーブが植えてある。興味津々。

今まで紹介した畑は、Leccinoレッチーノ80%、Pendolinoペンドリーノ20%の割合で、オリーブオイルの味わいもまろやかタイプ。

こちらの畑は、GremignoloグレミッニョロFrantoioフラントイオいう品種だそう。実りが遅く、辛味が効いたタイプ。

私は、Frangituraフランジトゥーラ(搾油)毎に容器を分けているので、2倍の楽しみが味わえる。

Oliveto

農薬栽培だったか、剪定の回数、収穫の出来、病気(Rognaローニャかさ病)があるかなどをチェックしたり質問したり。

一応、Biologicoビオロージコ(有機栽培)でケア&メンテナンスをしてきた様子なので、引き受けてみるか。肥料はともかく、殺虫剤と除草剤を使っていないことは鉄則。

Vista dall'Oliveto

剪定士が二人いたようだ。剪定ですぐわかる。かなり欲張り剪定。

目指せ!量より質。空間をつくる剪定が基本となる。

剪定士が変わるとさらに大変。コンセプトが変わるから。

Fine Giornata

日に当たりながら汗をかく全身運動。

Dopo la giornata una Birra

一日の終わりは夕日を眺めながらビールで一人乾杯。

Potinaポティ~ナ「あ~~~お疲れ~」独り言。



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カテゴリー【オリーブ

オリーブの収穫2015 ←畑の管理の話が。

オリーブオイルを試飲する

オリーブオイルの保存

オリーブの木の剪定

日本人女剪定士Corso di Agriformazione

オリーブ剪定士 Potina

オリーブの森Bosco degli Olivi←畑の管理の話が。
 

  ↓ありがとう↓


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