大地の住人 ヴィンチの丘で

地球と体に優しいコト ~イタリアから~

フィレンツェの端っこレオナルド・ダ・ヴィンチのふるさとヴィンチの丘に在住。 大地の自然たちと向き合って地球と体に優しい様々なコト、発見・提案・発信!

タグ:少年

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夏休み最後の日曜日
私たちは海に行った。

思春期青少年のリクエストだ。

Livorno県の海沿いは
きれいな海岸がたくさんある。

私たちはいつも
San Vincenzoという地の
ビーチに行く。

少年が4歳ぐらいの頃
ビーチからちょっと奥まった
静かなキャンプ場に
はじめてテントをはった記憶は
深く刻まれた様子だった。

少年の小さな自転車で
キャンプ場内を移動したこと
BBQをしたこと
持参のテーブルでご飯を食べたこと
コイン式の制限時間付きシャワーで
一人でバタバタ体を洗ったこと
トイレは遠いところにあること

ニヤニヤしながら思い出していた。

他のことはあんまり覚えてないのに
キャンプの思い出は強いようだ。
毎年、キャンプしようという。

いま、キャンプする気力は
私にはないので
広大な海を見ながら
ゴロゴロすることにした。

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私は8月中、正社員の夏休みの穴埋めに
食品会社で200時間も労働していた。

正社員が戻り始めた頃
土曜日がやっと休みになり
家族サービスをすることにしたのだ。

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イタリアでは、かなり観光客が減った
気温もだいぶ下がって
海水はちょっと冷たくなった透明な
9月の海は人気がある。

それでもパラソルはあると助かるけど
海上がりの冷えた体に
強そうでそうでもない
太陽の日差しは心地よい。

空は澄み渡り、波もほぼ無い。
南方には
Populonia(半島になってる村)が濃く
Isola d'Erba(エルバ島)が薄く
グラデーションになっている。

水平線は空と海の青のグラデーション。
絵になるヨットがプカプカ浮いている。

海の景色はやっぱり自由感があるなぁ。

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食品会社の従業員は、毎日
同じ作業と向かい合った形式の作業台は
恰好の井戸端会議の場だ。

ずーーーっとおしゃべりをしている。
私も時には話に入るけど
バカバカしい話ばっかりしてるので
ほぼ騒音としてしか入ってこない。

イタリア人のオバちゃんたちの会話は
社長の悪口&そこにいない同僚の悪口w
今日の献立&料理レシピ
子どもの成長&学校問題
ひとのドラマ的人生
生活の問題
便利な生活用品
などなど
若い娘たちの会話は
下ネタまででてくる始末。

イタリアでイタリア人と働くならば
会話力は必須。
おどおどしてはダメ。
自分をもっていないと
すぐ孤立してしまう。
イタリア人はおしゃべりと作業
二つのことが同時にできる人が多い。

先日若い新人の契約社員が入ってきて
ベテラン社員が
「動作からして全てがシャイだ」
という話を私にするので
「私も相当シャイで人見知りですけど」というと
「アナタは年齢的にシャイとかではない」
というのである。ふーん。

そういうくだらない会話の日々から
解放された気分になった海日和。

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思春期青少年は、9月はじめの試験で
進級が決まった。

イタリアの高校は、進級制度が厳しい。
一年間の出席数、最低レベルの成績に
達していないと即落第
一教科二教科最低レベルの成績に
達していないと
夏休み中復習して
9月はじめのチャンステストに
合格しないと一教科でも落第...

夏休み、学校は補習授業を開催してくれる。
各学校、やり方や決まりは違うが
この補習授業を義務化している
学校もあれば
参加は自由と自己に任せる学校もある。

大人的に考えれば
この補習授業に参加することは
進級を手伝っている
とモラル的に捉える。

6月、学校が夏休み入ってすぐ
一ヶ月研修期間に入った。
7月、研修が終わったらその足ですぐ
一週間の補習授業がはじまった。
夏休みまでプログラムされているw

あの週、40℃あるぐらい激暑な中
大人的モラル作戦の補習授業に
参加した思春期青少年少女たち
汗だくでみんなノートを内輪代わりにして
ちっとも頭に入ってこなかった
と愚痴っていたが
とにかく絶対に行け!と煽った。

思春期的に考えたら、ただただ面倒だが
大人的に考えれば、そこがポイントで
来た生徒には褒美として
勉強しておく箇所を教えてくれるはずだ。

夏休み期間バスもない。
そこで活躍したのが
5月に仮免を取ったスクーターだ。
片道20km強、よく通ったもんだ。

それに慣れて
学校方面のサッカーの練習も
そっちのお友だちとも
今や行きつけパキスタン人経営の床屋にも
一人で行くようになった我が思春期青少年。
ブドウ畑のど真ん中にあった
田舎の研修先にだって
田舎道を毎日原チャリで通った。

そして7月の補習授業が終わって
私たちはバルセロナに飛んだのだ。
これもスペイン語と英語の勉強...
と目的付けて。

8月のFerragosto(8月15日祝日)
の週が過ぎると
思春期青少年は、5日間サッカーの強化合宿
合宿後は、まるで何もすることはないだろうと
毎日のように練習x練習。
時には午前午後も。

いつ勉強してたかはよくわかんないけど
練習x練習の間にも
チャンステスト間近の補習授業

日本で
通っている高校で落第するなんてこと
聞いたこともほぼないから
私は慣れてない。
こっちがヒヤヒヤハラハラしたもんだ。

勉強しろ!と言えば
勉強してる、と返ってくる。

わかんないとこわかったの?と聞けば
わかった、と言う。

ニュースでは
夏休み中ずっと勉強していた子の話
家庭教師までつけて勉強している子の話
そんな風に伝えてて
ウチの子は...と不安にさせられた。

テストの数日前
日本人だったらガリガリ勉強するだろうに
地元EMPOLI vs JUVENTUSの
サッカーの試合を観に行ける余裕があって
何を信じてよいかわからなかった。。

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あまり勉強している姿をみなかったけれども
結果、進級することができた。

やっぱり
大人的モラル作戦補習授業の前編の方
激暑の中、参加を自己に任せた補習授業
とっても大切だったそうだ。

前編に参加した子たちは
みんな進級したそうだ。

しかし、8月の後編授業は
見直し程度で
行っても行かなくてもいいぐらい
だったそうだ。

後編だけに参加したお友だち...
落第しちゃったそうだ。

激怒して、我が子に愚痴電話してたが
「お前が勉強しなかったのがいけないんだろ」
と、友に説教している思春期青少年...
それはそれでいい友だち関係だ。

イタリア全国の話だったとおもうけど、
思春期青少年いわく
15人に1人は落第するんだそうだ。

食品会社の同僚ママの息子も落第しちゃって
ママの涙をランチタイムに共にのみこんだ。

その学校は、補習授業が義務にもかかわらず
テストに補習授業でやらなかったことをだし
先生は狂ってるのか笑ってた
と激怒した。

その学校は65人も落第させたそうだ。

2度落第するとその学校に通えないそうだ。

この時期
始業で浮かれている空気があるけれども
その反対には
学校を辞めていく子もいるのである。

テストから始業までの10日間ぐらいで
進路を考えなくてはいけない。
そういう話を今まで聞くことはなかったが
現実が近づきはじめ
イタリアの学校システムを知らない私は
同年代のママたちの話は参考になる。

その後、我が子の落第しちゃった友は
超開き直っちゃって
勉強する量が減るとかなんとかで
前より幸せそうだよ、と
苦笑いしながら語る。

8人ぐらいいたヴィンチのお友だちも半分以下
クラスの仲良しのお友だちたちも落第しちゃって
進級した子たちがなんか変に寂しそう。

私も、何故か涙がこぼれた。

今年は進級できたけれども
翌年はどうなっているのかわからない。

ぎゃんぎゃん言っても本人次第だし
私は頭が良くなくても
母から勉強しろと言われなかった。

落第しても
国立ではなく市立の専門学校で
新たな進路を見つけ
順調に過ごしている例も聞く。

落第が悪いわけではない
というママ友もいるし
学校や先生とのフィーリングもあるみたいだし
専攻を見直すことができるチャンス
だったりもする。

なんとなくネガティブなひびきだし
若いうちに人生の見直しをしているみたいで
こっちがハラハラする。
しかし、こういう時
大人がしっかり守って
進路をアドバイスすることが大切だとおもった。

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だからこの透き通った清い海と
先は輝く水平線をながめることができた
この日曜日は、大空に向かって大の字に転がれた。
 疲れた夏休みだった。

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今日の一曲






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私の母は、享年52歳であった。
7月7日が命日だ。

私はまだ21歳で
ほんの数日後、22歳の誕生日を迎えた。

あれから30年の月日が経った。
30年前の日本の七月は冷夏だった。
30年後のイタリアの七月は猛暑だ。
地球の気候は変動してしまった。

52歳に近づくたびに
45歳ってこんな感じなんだ
50歳ってこんな感じなんだ
て、想いながら過ごしていた。

この52歳になった今日
この世からいなくなっちゃうんだ
と考えたりもした。

52歳って
まだまだやりたいことがこんなにあるんだ
疲れやすくなったけどまだまだ動ける
むしろどんどん誠実に生きるようになって
一日一日に一生懸命だ
欲がぐんと減り、小さいことに心が動く
我慢することの方が多いけど
嬉しいことに涙がでる
悲しいことは、自分の子のように胸が痛くなる

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家にアリの列ができていた。
どこから来るのかおっていった。
巾木はばきの隙間から現れていたので
あっちをふさいでもこっちから出てくるの繰り返し。

しかし、対処しておきたい位置は対処して
ここから出てきてアリの目的物に
私たちが興味なかったら放っておいたりするw
夏の暑い時だけだし。

その対処しなきゃいけない箇所は、納戸だったり
もともと掃除した方がいいところでもあった。
むしろアリのおかげで重い腰をあげて
大掃除や棚を取り付けたりしたものだった。

そこに、日本からコンテナで送られてきた
開かずの段ボールが一つあった。

業者さんが仕分けしたものらしい
業者さんの字で、中身のタイトルが大雑把だ。
だから今まで、20年近く開けなかったんだ。

今回も開けるかどうか迷ったほどだったが
そろそろ断捨離していこうと決心したところだ。

段ボールの中身は、また...
使える画用紙とか
かっこいい画角の雑誌の切り抜きとか
ネガ時代の上手く撮れてない現像済み写真とか
大事そうに、Fastoflexの袋の中に大切な東欧旅行記
Yamaha Pianoのファイルに
現代ブログのような母の闘病日記

探していて見つからなかったものが出てきた。
もう自分の記憶と胸の内だけで終わるのかなぁ
と思っていたものだっただけに嬉しい。
これが私のプレゼントだ!

掃除&整理整頓中、別のところからも
息子の成長日記も。

たくさん書いていたんだな。
これらが出てきても読めるのは私だけ。
家族は読めない。

母の闘病日記は、連載が始まったところだった。
内容を見ても思い出すように書かれている。
闘病日記というより主治医への感謝レターだ。

人生の中で一番大きな講演が全国で開催されること
...思い出す。そうだ、北海道で講演するのに
一人で行くより娘さんと行くならいいでしょう
と言われたと、遠慮しがちに私を誘ってきた。

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私の52歳は
やりたいことができてないから
ぱっとしない生活なんだけれども
家族にいまだに振り回されているような感じで
ぱっとしない生活なんだけれども

母の52歳の連載闘病日記を読んで
感じることや言葉使いが似てるなと
生き方や人生は全く違っても
やっぱり52歳の女ってこんな風に表現するんだなと
なんとなくにんまりしちゃったのである。

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ハラハラさせられる思春期青少年を見守る毎日
思春期青少年が、夏休み入ってすぐにはじまった研修
研修とは言い換えればただ働きだ。

最後の日に。じゃーんと50ユーロ札をみせて
へへへとにやにやしている。
どうしたんだ?と聞くと、もらったとだけ答える。

言葉数少ない思春期青少年に
母はいつも当てにいかなくてはいけない。

ボスでないなら...
フィリピンの人? YES。

私は超久しぶりに
子どもみたいにわーんと号泣して
話せずしゃがみこんでしまった。
思春期青少年は驚いて母をみている。

我が子をよくみてくださった。
我が子に良く接してくださった。

この50ユーロ札だけで
全部見えて全部わかった気がした。

言い方は悪いけどただ働きの研修とは
仕事を覚えることもそうだけど
人間関係やチームで働くこと
絶対誰かは見ていること
行動で伝えること通じること

格好ばかりつけてスマフォばっかりいじっている
でもじつは純で臆病な現代の思春期青少年たち

周りの大人が上手に接すれば
尖ってる青少年でも心は動くんだな
と、私も学んで
ぱっとしない生活にエネルギーが湧いたのだった。

そんなことも私へのプレゼントだ。

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心配事は尽きないけれど
大丈夫と信じて
これかもがんばって生きていこうとおもう。

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今日の一曲。




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思春期青少年は
50ccのスクーターに乗り始めた。

私が、チャリでヴィンチの丘を動き回ることに
ギブアップしたから、買ったスクーターだ。

今は、思春期青少年の
ヴィンチの丘のいちいちの送迎に
私がギブアップしたから
スクーターの免許をとってもらうことに
家族会議で決めたのだった。

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今の子は、本で勉強しない。

ネットのクイズをたくさんこなして覚える方法だ。

自動車学校も授業は人間だけれども
クイズは、PCでやるのだ。

授業は週2回、1時間ずつ。
出席率とか出席確認をするわけではない。
受ければ受けるほどいいというので
私たちが、送迎ができるときは
全部行っとけ!とほぼ毎回行かせた。

それも親はギブアップで
バスで帰ってきてもらったりしたこともある。
が、田舎暮らしは不便そのもの
調度いいバスがなかなかない。

「いつ試験をするのだ?聞いてこい!」
「ボクが決めるんじゃなくて
自動車学校が決めてくれるんだって。」

一ヶ月ぐらい経った頃であろうか
試験日を決めてくれた。

はじめの頃は、1時間でぴったり終わってきたけれど
行くにつれて、クイズにはまって
30分40分オーバーしていた。

家でも、授業のある日は
朝からスマフォでクイズをしまくっていた。

 クイズの出来具合で、試験日を決めるのかな。
自動車学校だって、受かってほしいにきまってる。

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私は日本で運転免許を取得した。
イタリアでは、来た当初は国際免許だったけれども
1年毎の更新なので
現夫とつきあうようになった頃
きっとイタリア在住が長くなるだろうと
こっちでイタリアの免許を取得したのだ。

私は、日本で運転免許の勉強をしているので
こっちの自動車学校には通わず
個人で勉強して個人で試験用の車を用意して
試験を受けたのだ。

私がこっちの運転免許を取りたいと思った年
日本の免許と交換する制度がなかった。

だから私は、教本とクイズ本で当時勉強しまくった。
免許の勉強というよりイタリア語の勉強だ。

試験は、外国人ということで口頭試験
と、通常の実技試験。

受かったときは嬉しかったな。

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50ccの試験も
フィレンツェ郊外の運転免許センターでする。
私が個人で受けたときと同じところだ。

自動車学校にお金払ってるだけあって
きっちりオーガナイズしてくれて
グループで連れていってくれた。

親は自動車学校に送迎するだけだった。

平日の朝からだったので
本業の学校は欠席。。

電話がブドウ畑に響いた。
私はブドウ畑で、
ブドウの芽掻き作業をしているところであった。

思春期青少年だ。
「もしもし」と言った途端
「Idoneo!(受かったよ!)」
とても興奮している様子だった。

あぁそうか、試験に合格するというシチュエーション
初かもしれないね!

こんなことで一番に母に電話してきてくれるなんて。。
「おめでとう!良かったね。」
「いやーこれで自由に動ける!」
え、ちょっと待って。
まだ筆記試験だけじゃん。免許取れてないよ。
これから実技じゃん。

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試験翌日の午後
自動車学校に仮免許(foglio rosa)を
受け取りに行った。
「マジで運転していいのか聞いてこい!」

現在は、町内とか市内での練習とかないそうだ。
ネットで調べても
地域も時間も制限はない。
強いて言えば、交通量の少ないところで、とはある。

保険も特に何もしなくていい
と自動車学校はいう。

でも、万が一のことを考えて
個人的に保険会社へ問い合わせた。

スクーターも保険も親名義なので
ベテラン扱いで設定されているところに
初心者も加えてもらうことにした。
その差額を払う。
想像していた額より全然少なかったので
ほ。

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思春期青少年が幼少期の頃
確か、3歳とか4歳だったとおもう
補助輪付きの三輪車のこぎ方を教えた。

確か、5歳か6歳だったとおもう
補助輪をとって2輪の自転車の乗り方を教えた。

少年が中学生の頃の夏休み
自転車で一人で海に行った。
スマフォだけを頼って一人で行った。

あの時、後で一人で行ったことを知った。
ぎゃんぎゃん怒ろうとしたけど
少年の冒険がはじまった
と思ったりして、怒れなかった。
けど、注意はした。

友だちはいないのかときくと
「冒険できる友だちはいない」と言った。

とりあえず、ちゃんと帰ってきた。

思春期青少年は今、16歳。
私は、スクーターの運転を教えている。

まずは、ヴィンチ村の駐車場まで
次は、隣村のスーパーまで
その次は、サッカーの練習場まで
そして、ちょっと街よりの雑貨屋まで

徐々に距離をのばしたり、交通量があるところを
青少年がスクーターで前を走り
私は車でくっついていって様子をみた。

停まるごとに、ウインカーの出し方や
左の曲がり方を教えた。

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思春期青少年は、幸せそうだった。
自由に動けることが嬉しそうだった。

私も車を買ったときとっても嬉しかった。
一人で動けることが嬉しかった。

思春期青少年はもう、私の知らない世界にいる。

彼は想像を膨らませて幸せそうだ。
私もそんな彼を見ているだけで幸せだ。
そして私まで想像を膨らませて
自分の若かれし頃にタイムスリップしてしまう。

この夏は、友人Cのところに行くぞ!とはりきっている。
一緒にプールに行くんだ
Cのところでゲームをするんだ
一緒にサッカーの練習に行くんだ!

なんてことない望みだが、田舎暮らしには
常に親が送迎だった。

そして、我が思春期青少年は
やっと...やっと...
初めて兄弟のような親友に出会ったのである。

小さな村の子どもたちが
高校生になって、村の子以外と出会って
新たな発見がある。

毎日みていると変化に気づく。

思春期青少年がある日言った。

「Cと出会って300人以上の人と知り合った。
Cといると人がよってくるんだ。」

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毎日、髪の毛のセットに時間をかけている。
自称、人気者なんだそうだw

スクーターの仮免で
学校までの中間地点よりちょっと先の
Cの住む町で集合し
CとCの幼馴染みが通う床屋に
三人で行ってきた思春期青少年。

Cはスクーターの免許を最近取得。
Cが教えてくれるんだと。

とりあえず、ちゃんと帰ってきた。

この夏、どんな夏になるのだろう。

実技の試験は、自動車学校いわく
筆記試験から三ヶ月後なんだそうだ。
すっかり夏休み中。

イタリアはあともう少しで長い夏休み。。。



今日のトレーラー。




今日の一曲。




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この大晦日は、はじめて親子バラバラだった。

思春期青少年は、地元の友が広がって
地元グループで新ヴィンチ友宅で集合することになった。

その新友宅は、きっと何百年佇んでいるだろう建物らしく
住居部分は手入れしてるけど
他は空き家状態に放置していたらしい部屋の一部を
ガキたちに使用許可を出した様子だった。

しかし、条件がある。オマエらで掃除しろ!とのことだった。
おもしろいじゃないか。
思春期青少年たちは、数日集まって
その空き部屋を掃除しに通った。

食事はバーベキューを企画したみたいだ。
友たちはおこづかいを出しあって
自分たちでお肉やらを調達しに行ったそうな。

「今までお父さんが火を起こしてくれてたのに自分たちでできるの?」
「ボクたちもう小さな子どもじゃない、火ぐらい点けられるよ。」
私は黙って聞いて、心の中でニンマリした。

数日掃除に通い、まだ50㏄免許のない我が思春期青少年は
父が送り迎えをしたところ
佇んだその古い建物の中から、新友の親が現れたそうだ。

フリーダムなヒッピーを想像していたが
いたって普通の大人で「私たちが見張ってますから」と
私たちの気になるところを言ってくださった。

こちらからすれば、ありがたいことだ。
っるせーな!と尖りまくっている思春期青少年たちを
見張っててくださるなんて!

元旦の朝、早朝でもないゆっくりでもない変な時間に電話があり
父が迎えに行った。
二人は黙って帰宅し、黙って布団に戻っている。
思春期青少年は時差のある長旅から帰ってきたかのように
あれから眠り続けた。

どんなシチュエーションだったかは何も語らないけれど
かっこつけて白地のナイキのトレーナーは煤だらけに汚れている。
本当に自分たちでバーベキューした様子だ。
前も後ろも汚れている。
これまた白いナイキの靴は泥まみれで
私はニヤニヤ想像を掻き立てた。

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私はこの数か月、いたって普通の生活をしているイタリア人の
集団の中で過ごしていた。
彼らは、冒険を得意としないひとたちだった。

私はイタリアに降り立った時から、いやもっと前から
もしかすると幼少期から、ずっと冒険だらけの人生で
困難だらけの生活だ。

生活を自ら変えるかえることも
災難が降りかかってくることも
立ち向かったり乗り切ることが冒険だ。

そういったことをたいていの人は恐れるようだ。

冒険した先には、いろんな出会いと発見がある。
ヒトだけではない、様々なカタチで。
信じられない困難もあれば、分かち合えないほどの感動や喜びがある。

私は、まだまだそんな冒険を終わらせたりはじめたりを繰り返している。

冒険拒否のイタリア人たちとの会話は難しかった。
イタリア語が難しいのではなく、会話の内容が単調過ぎて難しかった。

彼らは、いつも不満を抱えていた。
私はいつも彼らの不満を黙ってきいていた。

彼らの不満をワタシ流に解釈してみると
冒険不足につきた。

私は言葉で彼らに寄り添うことはできなかったけれど
笑顔と生真面目さは印象に残せたとおもう。

私は冒険自慢はしたくないし
アドバイスする気もさらさらない。

話せば話すほど人の性格は見えてくる。
話題もそうだし、言葉の選び方もそうだ。
正直、彼らの話には興味がなかった。
私はなるべく自分を保った。

彼らが不満合戦をしていると
ふと私をみて羨ましそうに
「マキは絶対悪口を言わないし汚い言葉もつかわない」
彼らは、頭で考える前に言葉が出ちゃうんだそうだ。
きっと冒険不足の習性だとおもう。

私は新たな冒険に出ることを伝えると
「キミは絶対戻ってくる」と言った。

口数を少なくしても表情と態度で
私を表現できたことに私は嬉しかったし
これが私の冒険だった。

私は言った。
人を知るのに私は急がない。
怒りもしない。
時間が私をいつも助けてくれる。
嫌な気持ちを忘れることも
好きな人の距離を縮めることも。
私は、時が来たら私の気持ちを話す。

「アナタはまるでフィロゾファーだね」
そんなこと考えたこともないけれど
半世紀の人生の学びだろうと心の中で答えた。

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2023年、世界も私も何が起こるかわかりません。
冒険だらけの毎日で、たくさんのことを学んでいます。
落ち込んだり誰もいないところでニマニマしちゃうほど嬉しいこともあります。
気持ちを整理しながらゆるりとブログに記録できたらとおもいます。
どうぞ引き続きよろしくお願いします。



日本のみなさまへ特別にobatamakiが監修した
2022年11月収穫EVオリーブオイルのご注文は
こちらのサイトよりどうぞ







今日の一曲




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日曜日、オリーブの剪定を夫とした。

夫は、危なっかしくコード付きのイヤホンで
片耳だけつけてサッカーの実況中継を
スマフォのラジオで聴いている。

もう片耳のイヤホンはぶら下がってて、だから危なっかしい。
その片耳は、私がやいのやいの剪定してほしい枝の注文を聞くために
空けてある様子だ。ありがとうよ、気がついたよ。

私は腕が痛くて肩が上がらないので、下の方と上の方も
短いのと長いノコギリで、我慢しーしー重要な剪定をする。

オリーブの剪定のときは、樹形や空間、未来を想像して
剪定する枝の決断しなくてはいけないから
雑音はいらない。静寂の中で集中したいタイプだ。

夫は、集中しなくてもできる直立している徒長枝(Succhioni)を
ひたすら除去してもらった。

それでもふと気が抜けた時には、私の頭の中で
オートマチックに壊れたラジオがかかる。
繰り返し繰り返し思い出せるところの音楽がかかるのだ。

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まだ早いのだが、ある農園のブドウの枝縛り作業を手伝っている。

私は、良くも悪くも、バイオデグラダブル(生分解)の紐を
その専用の道具でブドウの枝に縛りつけることができる。

良い点は、これでしかできないほど慣れていえるので速くできる。
悪い点は、これでしか速くできないw
でもいいのだ。ゴム製の紐はゴミとなってデメリットなので
必要な時、幹を縛りつける時だけでいい。

まだPianto(樹液の流動)はSangioveseという早熟性の品種ぐらいで
他の品種はそう簡単には曲がらない。
外皮をポキポキ壊しながら曲げていくテクニックは
もしかすると折れちゃうんじゃないかと心配で
慣れていない人には難しいかもしれない。

もし折れちゃったときの対応や曲げる方向
枝の長さや幹の処理も、ブドウの剪定を知っていないと
先に進まないかもしれない。

しかし慣れてしまえば速く対応できるようになるものだ。
作業なんてどれもそういうものであろう。
もちろん学ぶことは常にあるのだが、まごつくのは最初だけさ。

と、慣れた手つきで体は温まってきたが、どこか空気はまだ冷たい。
丘の北側は日当たりが悪い。
向こうの丘は日に当たって眩しそうだ。

ひとりぼっちのブドウ畑にいる私は
そう、繰り返し繰り返し流れる壊れたラジオに
パーツパーツ完結しない音楽がかかり続けるのであった。

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私は夕飯の支度をしながら日課のように
イタリア国営放送Raiのニュースをみる。
SNSやネットだけでは実際に起きている主要なニュースが
分からないと思っている。

それは今に始まったことではない私のルーティンなのだが
一般的なニュースを知ることで
政治好きイタリア人の話題に入れるようなところがある。

そんなRaiで、毎年毎年開催されている今や72年度である
サンレモ音楽祭(Festival di Sanremo)が二月初め五日間ぐらいあった。

今ホットなアーティスト(歌手はクリエイティブアーティスト)が招待され
視聴者投票でさらなるホットなアーティストが生まれるのだ。

各々に活躍するCantanteがデュエットで発表した曲に
(きっと)圧倒的に優勝した。

その曲が、畑の中でかかる私の壊れたラジオの曲なのであるw



私はイタリアに在住して日本の現在のホットな話題曲など知らない。
きっと日本に暮らす方たちもイタリアのHot Hits Italiaなんぞ
知らないであろう。
いや、我が家に思春期青少年がいなかったら
在住者でも素通りしていたかもしれない。

Cantanti(複:歌手たち)の詳細は
それを目的としないので割愛させていただくが
元気そうな方の子(アーティスト名Blanco)この2年間爆発的に売れていて
我が思春期青少年がスピーカーにして大ボリュームで
よく聴いているのを私も耳にしていた。

「へ~、こういうの聴くんだ。」
「なんで?お母さんも好き?」
うん、好きだよ、我が青少年が好きなら。
「どういうとこが好きなの?」
「声。」へ~

サンレモのインタビューでも答えていたが
まだ18歳(現19歳)という元気そうな方の子(Blanco)、このコロナ禍で
デビューしてから3回しかステージに立っていないそうだ。

この子が世にスカウトされたのはSoundCloudとかいう
音声ファイル共有サービスだそうで、要は音楽ソーシャルと
TikTokだけなんだそう。

若者はそうやってSNSを上手に使える子もいれば
使えない子もいる。
ネットイジメ(Cyberbullismo)がまだまだある中
早速、警察のネットイジメをなくそう講義に
元気そうな方の子(Blanco)のSNSの使い方をお手本に登壇されていた。

思春期青少年はFacebookをやらない。
なぜなら、あれはVecchi(老人w)がやるもの、と断言したw くぅ。
Instagramは見るだけ、フォローし合うだけ(コレよくわかんない)
他に、YouTubeとは限らないあるStreamerのおしゃべりを聴いている...
あとは、ダラダラとTikTokをながめていて
どちらにしろ手にスマフォがくっついている。

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何も知らない時代遅れの母より
何かどこかでアンテナを張って
彼らの好きなこと興味のあることを受け止めて
なんなら半世紀の人間だって一緒に楽しみたいもんだ。

また畑に戻るとオートマチックに壊れたラジオがかかりだす。
1曲だけじゃないんだよ、Mixで!ラジオDJさw

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